07年1月
「嫌われ松子の一生」
ドラマにもなっていて、前クールにひととおり観た。(友人が脚本をやっていたので)
原作も読んだ。
映画が一番奇天烈でよかったかもしれない。
ドラマはほとんど原作をなぞっていたが、映画の方はかなり好きほーだい。
でも、なかなか味のあるものだった。「観てもいいよ」かなぁ。
「LIMIT of LOVE 海猿 」
このシリーズは全体に面白い。
今回の映画もたいへん面白かった。
邦画でここまでできるのか!とかなり感心。
お金がかかっているのかスタッフが優秀なのか、大げさに言えばハリウッドに持ってっても見劣りしないかも。
「観るといいよ」としみじみ思いましたですよ。
「リバティーン」
17世紀イギリスを舞台にした、ジョニー・デップ主演の映画。
なんつーか、退廃的な、暗い映画だった。
ジョニー・デップは好きだが、この映画はちょっと陰鬱すぎる。
途中で何度も眠くなって、「もう、ここまでにしとこうか」と相談しながら、結局最後まで観たが、ワイプしちゃってもよかったかも。
何やら力のある映画ではあるが、「観なくていいよ」と思った。
「X-MEN ファイナル・ディシジョン」
年末の疲れがたまっていた私は途中ずっとうとうとしていたので、感想はむずかしい。
一緒に観ていた大内くんと息子は「面白かった!」と言っているから、よかったんだろう。
「ミュータント」を、「治療」してしまうという荒業はいかがなものか、とは思う。
まあ、「触ると相手が死んじゃう」というような人は「治して」もらいたいかもしれないけどね。
3作目になっても力が落ちてないという点では、素晴らしい映画かもしれない。
全作通して、「観るといいよ」かしらん。
たとえ主人公の「もみあげ」がうっとおしいとしても。
「バルトの楽園」
最初に、「楽園」を「らくえん」ではなく「がくえん」と読んでください。
第一次世界大戦における、日本のドイツ兵収容所の話。
まず、青島(チンタオ)から本土にドイツ兵を連れてきちゃったのがスゴイ。
内容は実にすっきりしていて、目立った起承転結がないのもスゴイ。
じゃあ面白くないのかと問われれば、面白いんだ、これが。
久しぶりに堂々とした邦画を見せてもらった。
小作ながら、「観てもいいよ」と思いました、はい。
07年2月
「間宮兄弟」
佐々木蔵之助とドランクドラゴンの塚地が、同居する兄弟を演じる。
この、彼らの暮らしぶりが一種理想的で、男2人所帯の情けなさみたいなものが皆無。
そういう意味では、最後「やっぱり女がいなきゃダメなのかよ!」とツッコみたくなる。
仲いいし、本で埋まった本棚も楽しそうだし、生活を楽しんでいる2人には、女なんていなくてもいいじゃないか!
永遠に2人で「パイナップル」「チョコレート」と商店街を歩いてほしい。
「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」
前作がまあまあ面白かったので、第2部を借りてくる。
だが、どうやら「1」を覚えていないと導入部はしんどいようだ。
ジョニー・デップもオーランド・ブルームも楽しみにしていたが、薄汚れた海賊ルックでは誰が誰かなのかの判別も難しいし。
結局、15分ぐらいでワイプ。
もうちょっと気力があれば最後まで観たんだが・・・残念。
「日本沈没」
クサナギくんと柴咲コウ主演の、ジャンルとしてはSFなのかパニック物なのか、よくわからない。
途中でうとうとしてしまったが、及川光博のシーンでは泣けて泣けて。
大内くんは「まあまあだった」と言っていたが、髪を切りに行って「『アルマゲドン』ですよね」と床屋さんと意見が一致したらしい。
さらに「最後の演説のあたりは『インディペンデンス・デイ』を思い出しますね」も一致。
けっこう泣けるこの映画、「観てもいいよ」ぐらいにはひっかかる。
「ザ・センチネル 陰謀の星条旗」
原題は「歩哨、衛兵」といった意味らしい。
面白かったけど、主人公が逃げ回るシーンでは、持ってる小道具で敵を翻弄してほしい。
「ペイチェック」とか「F/X 引き裂かれたトリック」みたいにさぁ。
(そういう意味では絵本「エルマーのぼうけん」が名作です)
しかし、あいかわらずアメリカ魂というのは是非を越えて胸にぐっとくる。
「観てもいいよ」かな。
「16ブロック」
ブルース・ウィリスがちょっとさえない警察官。
この人は、たいがいの映画に「ちょっとさえない」おっさん役で出てくるよ。
まあまあの出来だったが、DVDに映像特典がついてきてて、「もうひとつのエンディング」が観られた。
これが、実に素晴らしいエンディングなんだ。
うーん、どうして本編をこっちにしなかったんだろう、こっちの方がずーっとずーっといいじゃないか!!
監督さんの考えることはわからない。
DVDを借りる方は、ぜひ「もうひとつ」の方を観てください!
「スーパーマン リターンズ」
世の中に何本あるかわからない「スーパーマン映画」の最新作。
電話ボックスに飛び込んだりはしないものの、「甘いマスクにムキムキの身体」というところはちゃんと踏襲されている。
映画としてはどうかなぁ、いかにもスーパーマンではあるのだが。
大内くんは「空の飛び方がきれいだ」と言うが、実はそれ以外に感想の持ちようがないらしい。
「観なくていいよ」とまでは言わないが、「まあ『観てもいいよ』だなぁ」だそうである。
「フツー」の映画が好きな人は、どうぞ。
「ドラえもん のび太の恐竜2006」
息子はもうとっくにおともだちと映画館で見てしまっているのに、大内くんがずっと観たがっていたシリーズ最新作。
というか、我々はこれまで「ドラえもん」をちゃんと観たことなんてなかったところ、ある意味アニメおたくである大内くんがテレビCMを観て、「のび太の髪がふぁさふぁさしてる!画が、すごく動いてる!」と興奮していたのだ。
観てる最中もうるさいうるさい、「最初にこんなに動かしたら中盤でアニメーターがくたびれてしまう!」とか言ってますます興奮。
私の好みから言えば画がダサいのだが、大内くんは古くてダサい画が大好きなんですねぇ。
しずかちゃんの水着シーンでソフトフォーカスがかかるのはなぜなのか。
「旅先じゃ あんなにいいやつだったのに ジャイアンはまた ジャイアンになる」とどこかで読んだ和歌の意味がやっとわかった。
「観なくていいよ」ではありますが、おたくな方は観るのかも。
「プロデューサーズ」
レンタル屋さんでなんとなくつかんだが、「音声・字幕」設定で「日本語吹き替え」がないのは、実はミュージカルだったからか。
面白い。かなり面白い。
歌も踊りもストーリーもどれもいい点をつけられる。
個人的には、会計士たちが「unhappy, unhappy」と歌う陰気な歌が好きだ。
こういうのは観てもらうしかないので、「観るといいよ」とでかい声で言いましょう。
07年3月
「僕の、世界の中心は、君だ。」
韓国版「世界の中心で愛を叫ぶ」だと聞いてはいたが、あくまで「セカチュー的なお話」なんだと思い込んでいたら、まったくそのままの話だった。
「セカチュー」では録音テープのやりとりをしていたところが、こちらは伝言ダイヤルで想いを語る、というぐらいしか違わない。
韓国の主役の女の子は、きりっとした美少女であることが多い。
日本版とどっちが好きかは好みが分かれるところだと思うけど、この話なら、私は日本版かな。
両方観る必要はない、というのが最大の感想だ。
「Vフォー・ヴェンデッタ」
まず、「ガイ・フォークス」を知らないと話にならない。
イギリスでは11月5日が「ガイ・フォークスの日」で、人形を火にくべたり花火を上げたりすると聞いてはいたが、どういう人なのかは全然知らないで臨んだので、あとからネットで調べてやっと得心がいった。
でも、それがわかったからと言ってこの映画のストーリーがわかるというものではない。
もしかしたら「カルト」に分類されるかもしれない映画だ。
仮面の妖しさに惹かれてなんとか最後まで観たが、くたびれた。
一般的な映画を好む向きには、「観なくていいよ」かもしれない。
「出口のない海」
人間魚雷「回天」の話。
邦画もずいぶん高いレベルで戦争を語れるようになったような気がする。
当然「男たちの大和」を思い出したりするが、こっちの方がよくできてると思う。
ラストが秀逸。
でも、特攻隊と同じく、アメリカの人たちはさぞかしイヤだっただろうなぁ。
爆薬とともにつっこんで来て、確かに効率はいいけど、「そんなの反則!」と言いたくなっただろう、と想像するよ。
日本人はすぐ自決しちゃったりするが、「捕虜になって、できれば脱走とか企んで、なるべく相手国に負担をかけよ」と指導しているアメリカの方が合理的だ。「大脱走」ね。
今の我々のメンタリティのどこかにも、「お国のために命を捨てる」という決意がぬぐいがたく息づいているのだろうか?
そうだとしたら、そんなものを発揮しなければならない事態には至らずに、平和裏にこの人生を終えたい。
「ワールド・トレード・センター」
ニコラス・ケイジ主演だが、延々瓦礫の下に埋まっているだけで、あんまりお仕事をしていないのが残念といえば残念。
消防士や警察官にも犠牲者は多く出たんだなぁ。
「9.11」の映画は数多いが、あらためてその爪痕を思う。
オリバー・ストーン監督は、どれを観ても「いい曲が流れて、スローモーションのようにカメラがなめていく」のが特徴的だ。
「プラトーン」とかね。
今回もオリバー・ストーン節でした。「観てもいいよ」
「レディ・イン・ザ・ウォーター」
なんとなくホラーのような気がしてて観てなかったんだが、他の映画で予告編を観たら、そうか、ファンタジーなのか。
それなら観てみようかな、と借りてきて、うーん、「面白いファンタジー」じゃなくて、「よくわからないファンタジー」だった。
もっとも、ファンタジーというのはお約束事がのみ込めてないとわかんないものなんだよね。
最初30分ぐらいは「これはもしかしたらダメダメかも」と不安だったけど、頑張って観てるうちに少しずつ面白くなっていって、結局はそう悪くない映画だった。
好きな人は好きかもしれない。「観てもいいよ」
「連理の枝」
「涙の女王」チェ・ジウ主演の韓国映画。
可もなく不可もなく、よくある純愛モノの域を出ないなぁ。
というか、正直あまり面白くないので、真ん中をとばして観てしまった。
それでもストーリーはわかって全然困らなかった。
「観なくていいよ」ではないだろうか。止めはしないが。
「UDON」
讃岐のタウン誌を題材にした邦画。
とにかくうどんが食べたくなる。猛烈に食べたくなる。
こういうのを「シズル感」と言うのかと感心したよ。
その意味では成功していると言ってもいいかもしれない。
ゆでたうどんに生タマゴを落として醤油をかけただけのうどんが普通だとは知らなかった。
今度試してみようと思いつつ、ちょっと勇気が出ない。
皆さんは挑戦してみてください。「観てもいいよ」
「太陽」
イッセー尾形が戦争終結時の昭和天皇を演じるし、佐野史郎も出ているので、当然邦画だと思っていたら、これが実はロシア人監督で、ロシア、イタリアなどの多国籍映画。
日本では上映するかどうかずいぶんもめたらしい。
緊張感のある不思議な作品で、イッセー尾形は本物の昭和天皇にしか見えない。
実際、ちらっと見た息子が「あ、昭和天皇」とつぶやいていたからなぁ。
キャスティングの妙に、「観るといいよ」。
07年4月
「地下鉄(メトロ)に乗って」
「壬生義士伝」がものすごくよかった浅田次郎の原作。
こちらもすごくよかった。
過去と未来を行ったり来たりする話なんだけど、実によくできている。
伏線もしっかりしてるし、ラストが予想外で、ほぉーと思ってしまったよ。
大沢たかおが演じるお父さんはちょっと力弱かったけど、堤真一がよくカバーしているので良しとしよう。
ぜひ「観るといいよ」。
「トゥモロー・ワールド」
人類に赤ちゃんが生まれなくなったら・・・そんな近未来SF。
確かに焦るよね、100年たったら誰もいなくなっちゃうんだもん。
人類の未来を託された黒人少女と、彼女を守る主人公の男性の話。
やや暗いが、よくできていた。
ラストのボートのシーンでは、「赤ちゃんよ永遠に」を思い出したなぁ。
もっとも、そっちは人口が増えすぎて赤ちゃんを制限する話で、同じ近未来SFでもまるっきり反対なのは35年あまりを隔てた時代のせいでしょうね。
「観てもいいよ」
「DEATH NOTE」(前後編)
藤原竜也主演。
うちはあんまり彼が好きじゃないし、ホラーなんだと思い込んでいたので今まで観ようと思わなかったのだが、別の映画で予告編を見て、あんまり面白そうだから大内くんに「ぜひ!」と頼み込んでビデオを借りた。
そしたらまあ、これが大当たり。
実にまったくもって面白かった。
「L」を演じる松山ケンイチがすごくいい。
全体に、上質なミステリのように伏線がきちんと張られていて、何度も「そうだったのか!」と驚きながら観た。
前後編なんだが、前編を観ただけで後編を待ってた人たちは大変だっただろうなぁ。
うちは後編が出てからいっぺんに観たわけで、それもよかった。
今年の「大内家映画賞」で何か取っちゃうな、これは。
というわけで、ぜひ「観るといいよ」です。
「花田少年史」
面白かった。
花田少年は、「ALWAYS 三丁目の夕陽」の男の子だね。
最近、邦画が面白くてしょうがない。
興行成績で洋画を追い越したというのもむべなるかな。
篠原涼子も西村雅彦も熱演。北村一輝もよかった。
死んだ人の姿が見えちゃうって、「シックス・センス」だよね。
でも、コドモが意識不明になっちゃったらイヤだなぁ。
自転車事故には気をつける、ということで、「観るといいよ」。
「海猿」
地上波でやっていたので録画。
なんであんなに苦しい訓練に耐えられるんだろう。
「自分は、人命救助がしたくて志願しました!」とみんな言うが、中身は案外「女にもてるからであります!」だったりする。
その中でも徹頭徹尾「人命救助です!」と言い続ける「電車男」はなかなかエライ。
でもねー、「電車男」(ごめん、名前知らないの)はいかにも長生きしそうにない。
危険な職業を選んで、日夜訓練に邁進する彼らに、感動したのは確か。「観てもいいよ」
「LIMIT of LOVE 海猿」
今年の1月にビデオリリースされた時に我々は観たんだが、今回息子と一緒に地上波を観て、あらためて現在の邦画の力に感動する。
「ポセイドン・アドベンチャー」に負けないんじゃないかと思う。
友情、信頼、命を助けたいという切実な願いが、あますところなく描かれている。
思春期のコドモと見るにはちょうどいいかも。
「観るといいよ」
07年5月
「硫黄島からの手紙」
クリント・イーストウッド監督のこれは、「父親たちの星条旗」とセットで観なければいけなかったのかも。
今回、とりあえずこっちを先に観てみました。
渡辺謙はシブいが、二宮和也、若すぎ。妻子があるようにはとても見えない。
全体にモノトーンなので、なんだか観るのにくたびれた。
日本人についての細かい誤解というか、肌触りの違いを感じてしまうのはやはり監督がアメリカ人だからだろうか。
「ラスト・サムライ」の時も感じたなぁ。
さすがに今回、日本の山奥なのにヤシの木が生えてるなんてことはなかったが。
「父親たちの星条旗」を観るまでは感想保留。
「ALWAYS 三丁目の夕陽」
劇場公開された時に映画館まで行ったという、うちにとっては珍しい映画。
当時5年生ぐらいだった息子が猛烈に興味を示したのだ。
で、今回テレビ放映を録画したので、再び3人で鑑賞する。
あいかわらず息子の評価は高く、これと「DEATH NOTE」が彼の映画の金字塔らしい。
「いいよね〜、この町の雰囲気!」などと興奮しているのを横で見ると、いったいキミのどんな琴線に響くのか?と不思議になる。
「なんか、なつかしい、って感じするじゃん」と言われ、そりゃ確かに我々にはなつかしいが、冷蔵庫に氷が入っていた頃なんて知らないくせに。
でも、細かいことは抜きにしてやっぱ泣ける。「観るといいよ」
「アダム −神の使い 悪魔の子−」
ロバート・デニーロが出ているので、しり込みする大内くんを説得して借りてくる。
ちょっと怖いかな?と心配ではあったのだが、まあ、それほど怖くはなかった。
つーか、単なる駄作。
ホントに、ロバート・デニーロは仕事を選ばないなぁ。
私も、借りたことを大いに後悔した。大内くん、すまん!
堂々たる「観なくていいよ」作品だ。
「手紙」
最近の邦画は質が高い。
今回も、とてもいい話だった。思わず涙。
文句をつけるとしたら、沢尻エリカの大阪弁はヘンだ。
あと、窃盗が一転して強盗殺人になった、ある意味不運なお兄さんが、凶器を用意していったわけでもないのに無期懲役はちょっと重すぎ。
実刑15年、模範囚で10年で出所、ぐらいが妥当なのではないか、と大内くんと議論する。
まあ、そんな文句は些細なもので、「観るといいよ」だと思う。
「父親たちの星条旗」
クリント・イーストウッド監督の、「硫黄島からの手紙」と対を成す作品。
例の旗を立てる写真、大内くんは「いろんなところで見るよ。超有名」と言うが、私は見たことなかったなぁ。
戦争モノだけあって火薬はそれなりに多いけど、一種地味な映画だ。
彼の作品は、「許されざる者」は許せないが、「ミリオンダラー・ベイビー」はすごくよかった。
この映画は、まあ「観てもいいよ」なんじゃないだろうか。
ただし「硫黄島からの手紙」とセットで観ようね。
「ロッキー1」
「ロッキー2」
「ロッキー3」
「ロッキー4」
「ロッキー5」
全部まとめて観た。
息子が見たいと言い出したのがきっかけだが、実は我々、知らぬ者のないこのシリーズを1度もちゃんと観たことがなかったんですねぇ。
で、感想は、「アメリカだ〜!」という感じ。
大内くんに言わせれば、「シリーズの最初の方は、ベトナム戦争で疲弊したアメリカが、拠りどころたるアメリカン・ドリームを取り返そうとしている」んだそうで。
ドラマとしてそんなに盛り上がるわけではないんだが、気がつくと身を乗り出して試合を見ている。
そして最後は「エイドリア〜ン!」。
あとはもう、「ロッキー・ザ・ファイナル」を観に行くしかない。
「スパイダーマン3」も気になるらしい息子は、もし映画館に行くとしたらどっちなのか、考え込んでいるよ。
私はオトナだから、ビデオになるまで待てるけどね。
とにかく、全作まとめて「観るといいよ」です。
07年6月
「プロジェクトA」
ジャッキー・チェンをスターダムにのし上げたこの作品、我々は結婚前に映画館で2度ほど観て、今回あらためて息子と一緒に観る。
彼はたいそう感心していた。うん、我々も、やっぱりスゴイと思う。
時計塔のシーンなんか、絶対「カリオストロの城」を観てるよ。
身体を張ったスタントの嵐で、今のようにCGやワイヤーでごまかしてなくて、感動する。
その後の彼の作品では「ミラクル」が好きだが、アクションもので一番いいのはこれだなぁ。
古典ですが、レンタル屋さんで借りて、ひとついかがでしょうか。「観るといいよ」
「武士の一分」
キムタク主演の時代劇。
なかなかよかった。
キムタクがわりと控えめだったうえ剣道がそれっぽかったせいか、ワキをそれなりに固めているせいか、山田洋次が名監督なのか、「藤沢周平だ文句あるか」だからか、理由は混沌としている。
でも、時代劇が好きな人は観てみるといいかも。
同じ山田洋次と藤沢周平の「隠し剣 鬼の爪」を録画してまだ観てない。
にわかに楽しみになってきたぞ。
「プロジェクトA 2」
息子が見たがるので借りてきた。
一緒に見たけど、うーん、「1」の方が良かったかなぁ。
アクションは毎度のすごい出来なんだが、息子によれば「話がよくわからない」らしい。
中身が難しいというより、古いDVDで吹き替えが入ってないために字幕で頑張ったせいかもしれない。
今度、「スパルタンX」でも借りてやろうかな。
「大奥」
仲間由紀恵主演。
なんで最近「大奥」が流行ってるんだろう?ドラマにもなったし、映画もかなり力を入れている。
昔の時代劇に比べると打ち掛けが豪華になったなぁ、というのが一番素直な感想。
ドラマ版ぐらい時間がゆっくりとれるともっと面白いんだが、映画の2時間ではちょっと物足りない。
なので、さらにドラマ化されることを祈る。
この映画自体は「観なくていいよ」のレベルだったと思う。
「椿山課長の七日間」
このごろ浅田次郎原作多いね。
「鉄道員(ぽっぽや)」とか「壬生義士伝」とか「地下鉄(メトロ)に乗って」とか。
どれも面白い。
今回はまあまあ。伊東美咲がダイコンなところに目をつぶれるかどうかが分かれ目だ。
私は目がつぶれなかったので、「観なくていいよ」と思った。
彼女が好きな人はもちろん、観てください。
「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」
「ぶっさん」が死んでしまったのでいったいどうするつもりなのかと思ったが、そうか、こういう手があるか、と目からウロコが落ちた。
このシリーズはいちおう全部観てきたことになるが、クドカンの妙に醒めた脚本が好きな人にはぐっとくるんだろうなぁ。
私はそれほど好きなわけではないが、かなり楽しませてもらった。
まだ「フィールド・オブ・ドリームス」を観たことがない人は、観てから臨んでください。
「クレイジー作戦 くたばれ!無責任」
植木等が亡くなったため何本かあった追悼番組を、録画しておいたもの。
息子がむやみに見たがるので一緒に観たが、彼的にはかなり面白かったらしい。
「この映画作った人、すごいよね。おもしろいよ」と興奮していたが、ちょうど大内くんが生まれた頃、時代は高度経済成長。
なぜイマドキのコドモが見たがるのかは、謎。
私の死んだ父はどこか植木等に似ているので、観るたびに思い出す。合掌。
07年7月
「日本一のホラ吹き男」
これも植木等の出るサラリーマンもの。
口八丁手八丁で調子よく世の中を渡る植木等は、きっと当時のサラリーマンの希望の星だったんだろう。
このシリーズはどれも面白い。
クレイジーが売れすぎちゃって、中には冒頭にクレイジーたちが出てきて、「じゃあ、あとは頼むよ〜!」と言いながら去って行ってしまって、その後はもう、名もない俳優さんたちがくりひろげる無理のあるサラリーマンもの、なんてのもあるよ。
「裸の銃を持つ男」が「裸のローマ人」「裸のサンタクロース」に流れていってしまったような、半ば詐欺のような、いや、「裸のサンタクロース」はけっこう泣けるいい映画なんだが。
植木等はよかった。「観てもいいよ」
「隠し剣 鬼の爪」
「たそがれ清兵衛」「武士の一分」を観た以上、観ないですますわけにはいくまい。
あまり期待しないで観たのだが、けっこうよかった。
松たか子が好きじゃないのでつらいかなと思ったけど、全体の雰囲気によく合っていたので文句は言わない。
大内くんと「鬼の爪、ってなんだろうね?」と言いながら最後まで観て、「ああ、これが鬼の爪かぁ」と得心がいった。
でも、一番好きなのは「たそがれ清兵衛」かなぁ。
3作まとめて「観てもいいよ」。
「フォレスト・ガンプ 一期一会」
BSの「アカデミー受賞作特集」でやっていたので録画して観る。
トム・ハンクスが若い。ついでに「ザ・フライ」で好きになったゲーリー・シニーズが渋い。
観るのは3回目ぐらいだが、毎回感心する。
アメリカの人というのはなぜあんなに自分たちを振り返り続けているのだろうか。
ベトナム戦争、ヒッピー・ムーブメントなど、問題意識てんこ盛りだ。
6歳ぐらいの「オスメントくん」がフォレスト・ジュニア役で出ていたのでびっくり。
タイトルの「一期一会」は不要だったのではないかと思う。
10年ぐらいたったらまた観てみたい映画だ。「観るといいよ」
「ゴッドファーザー」
これもアカデミー受賞作特集。
もう5、6回は観ていると思うが、何度観てもよくできている。
3時間の長丁場が、全然気にならない。
アル・パチーノが若くてチンピラだが、将来性を感じさせるなぁ。
できれば「2」も観たい。
この作品が大好きな大内くんに言わせると、「2を観てから1を観るととてもいい」らしい。
「3は見る必要ナシ」とのこと。
名作だし教養なので、皆さん観ておきましょう。
「シックス・センス」
「結末は誰にも話さないでください」というオチがすべてのこの映画、観るのは2回目なので、今回はオチを踏まえてよく観たが、確かにブルース・ウィリスはアレだ。
話しちゃいけないからこれ以上は言わない。
「世界で一番不幸が似合う少年」オスメントくんが可愛かった。
でも、2回目は観る必要ナシですね。
「ボディガード」
流行った頃に見損ねていたが、今回テレビでやっていたので録画して観た。
ホイットニー・ヒューストンはさすがに歌がうまい。思ってたより可愛いし。
オトナの純愛モノと言えなくもないか。
まあ、よくある映画ではあるので「観なくていいよ」かな。
07年8月
「SHINOBI」
仲間由紀恵とオダギリジョー主演の忍者モノ。
なかなか泣ける。
仲間由紀恵は「TRICK」のシリーズで3枚目の癖がついてしまってあんまり好きになれなかったんだが、今回は真面目な役で、やや大根役者ではあるものの、好感が持てる。
それでも「観なくていいよ」の出来上がり。
「茄子 アンダルシアの夏」
黒田硫黄の連作「茄子」からこの1本。
絵がよく動くアニメだ。
自転車競技というものがわからないと少し楽しめないかも。
あと、声優に俳優さんを使うのはどうかと思う。
カルメン役の小池栄子はややヘタであった。
観ていると暑いアンダルシアにいる気分になる。「観てもいいよ」
「猿の惑星 PLANET OF THE APES」
うちでは評判のいいティム・バートンの作品。
彼のキーワードは「悪夢」ですね。
猿の特殊メイクには感心した。
リメイクなので、本家をどう超えるかが観どころ。
本家のあのオチをしのぐのは無理だろう、どう落とすかな?と興味津々だったが、こう来たか。
けっこうビックリ。
まあ、「観てもいいよ」というところか。
「フェーム」
アカデミーの作曲賞と歌曲賞をとったので、BSの「アカデミー賞受賞作品集」でやっていた。
私は昔観てわりと好きだったが、大内くんは初めて。
いいよね、食堂とか路上でいきなり踊り始めるところなんか。
路上のシーンで流れるテーマ曲に、「あっ、これ、聴いたことある!」と言う大内くんも、「いい映画だ。堂々とアカデミーがとれる」とほめていた。
とりとめのない青春群像だが、なんとなく胸が熱くなるね。
一番驚いたのは、主役級の青年の1人が「ER」の「ロケット・ロマノ」だったこと。
「この人、絶対ロケット・ロマノだよ!」と大内くんが叫ぶのでネット検索して調べたら当たっていた。
25年以上前の髪の毛ふさふさの彼を、よく一目で見抜いたね。感心したよ。
「日の名残り」
アンソニー・ホプキンス演じる執事さんがナイス。
「うちにも欲しいよね、執事さん」と言いながら観る。
できればメイドさんとコックさんも欲しい。
大英帝国の「日の名残り」という意味のタイトルなんだろう、なかなか渋くて好きだ。
観るのは2回目なんだけど、映画は2回ぐらい観て初めてわかる部分がある。
執事さんがつまらない見栄を張ったりするシーンでは、「これ、前は気づかなかったねー。いいシーンだ」と意見が一致。
「観てもいいよ」
「ブレイド3」
録画しておいたら息子が見たがる。
うん、アメコミものは面白いよね、「スパイダーマン」とか「デアデビル」とか。
果たせるかな、「おもしろい!今度、1と2を借りてきて!」と懇願された。
そうだね、半額の日に借りてきてあげよう。
より詳細は「主婦の本懐」で。「観るといいよ」
「燃えよデブゴン7」
サモハン・キンポーが主演のこの映画、息子にはいたくウケていた。
彼はジャッキー・チェンの映画でしか観たことがなかったが、主演映画があったのか。しかも、少なくとも7本も。
雰囲気からすると「プロジェクトA」とかより古い感じがするけど、カンフーシーンの出来はたいへんいい。
もっとお子様向けなのかとなめていたよ。
シリーズの他のを借りてくれ、とは言われなかったので、まあそういうランクの映画ではあるかな。
「幸せのちから」
ウィル・スミス主演の実話モノ。
5歳の息子と駅のトイレで寝るシーンなんか、泣けて泣けて。
「コドモには不自由させたくないね」と涙ぐみながら観る。
横でゲームをしていた息子は、要所要所で「この人、ヒサンだね」「あー、かわいそー!」と合いの手を入れながら、なんだかんだ言ってほとんど一緒に見ていたようだ。
この子役さんは、ウィル・スミスの実の息子らしい。
息の合った演技も当然か。
観てから知ったが、アカデミー有力候補なのね。それもうなずける。
実話モノはたいていいい話なので好きだ。「観るといいよ」
「ブレイド2」
アメコミから主人公を迎えてのヴァンパイアものの第2作。
前にも観たことがあるが、今回は「3」から逆に観てる。
息子が気に入ったようだ。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」を思い出すなぁ。
あっちの方が少し好きだが。
ブレイドがカッコいいので許す。
「観てもいいよ」
「それでもボクはやってない」
電車の中での痴漢冤罪、コワいですね。
大内くんによれば、「私人による逮捕」になってしまうので、決して駅長室に連れて行かれてはいけないそうだ。
この映画はあまりにも淡々と描かれていて、冤罪モノの切実性がイマイチであると感じる。
ただ、仕事に行こうとしてる朝っぱらからどっかのおっさんにお尻をなでられるというのは本当にいやなもので、男性諸君はそのへんもうちょっと考えてもらいたい。
私は通勤途上で痴漢にあい、怒り心頭に発していたら昼休みに社員食堂でそのおっさんを見かけたことがある。
そういう人に限ってネームプレートをポケットの中に入れて隠したりしてるんだ。
電車の中でひと騒ぎ起こすのは気後れするものだが、女性はついそういう泣き寝入りをしてしまうので、この映画を観て、被害にあった女性が声を上げていければいいとは思う。
でも、冤罪はいかん。困ったもんだ。
「ブレイド」
逆順に観てきて、最後だ。
「1」はやや地味かなぁ。私は「3」が派手で好き。
観たことのない大内くんは、「『ディ・ウォーカー』の意味とかわかんないで『2』と『3』を観てきたので、今回よくわかってよかった。立派なB級作品だ」とほめていた。
アメコミの映画化はどれもほぼ成功していると言っていいだろう。
「裸の銃を持つ男」
大内くんが大好きなシリーズ。
もとはアメリカのテレビドラマであったらしい。
観るのは3回目ぐらいか。
今回は息子も一緒に観て、要所要所で爆笑していた。
ちょっとエロだが基本的には「下ネタが大好きなコドモが大騒ぎして見たがる」種類の映画で、大内くんの趣味もよくわからない。
「裸の銃を持つ男 2 1/2」
続編を観る。
こちらも息子が大喜び。
「1」にくらべてどうかということもなく、同じようなドタバタだ。
「ゴースト ニューヨークの幻」のパロディとかあって、ろくろを回すシーンで「あ、これ、ゴーストの話でやってたね」と言われた。いつの間に見たのか?
さらに続きが見たいと言われ、次へ。
「裸の銃をもつ男 33 1/33」
こちらの出だしは「戦艦ポチョムキン」。
あの、階段を乳母車が落ちていくシーンは何度も観たことがあるのに、本編は1度も観てないという作品だ。
さらに、ドレビン警部が刑務所に潜入して脱獄するシーンは「大脱走」のパクリ満載。
うちにあるDVDを息子が1人で見てしまったと言っていたが、実は途中までしか見てなかったことが判明。
せっかくのパロディが、わかんないんだね。気の毒に。
とにかくこのシリーズは全部気に入ったらしい。
ワタシ的には、3作合わせても「観なくていいよ」なんだが、大内くんと息子にはきっと異論があるはず。すまん。
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」
うちでは「外れなし!」と言われているティム・バートン。
今回は監督ではなくプロデューサーのようだが。
「コープス・ブライド」に似た絵のアニメだ。
山のように録画したBSスターチャンネル映画の中から、友人のリクエストで一緒に観る。
ミュージカルなのね。知らなかった。
幻想的な絵がよかったが、お話はちょっと物足りないかな。
でも、友人も満足してくれたようなので、「観てもいいよ」ぐらいはつけてあげたい。
「BOBBY」
ジョン・ケネディの弟の話。政治家一族だ。
古い映像の使い方がなかなか秀逸で、迫力があったかも。
「フォレスト・ガンプ 一期一会」を思い出したけどね。
何の関係もなさそうな人々が集まってきて最後のシーンに至るのが、なにやら沢田研二の「リボルバー」を髣髴とさせる。
政治に興味のない私にはイマイチだが、大内くんはたいへん面白く観たそうな。
夫婦の意見を合わせて、「観てもいいよ」かな。
「ナイト ミュージアム」
タイトルからご想像のとおり、真夜中の博物館を舞台にくりひろげられる大騒動。
なかなか面白い。
あっさりしすぎていて少し物足りないが、娯楽作としてはいい線いってるかもしれない。
ドタバタ加減がなんか「ホーム・アローン」を思い出したよ。
「観てもいいよ」ぐらいかな。
07年9月
「ダーティー・ウォー/戦慄の最終兵器」
ロンドンを核による無差別テロが襲う、という社会派映画。
正直言って眠かった。
ドキュメンタリー・タッチというアオリだったが、ずいぶん唐突に終わるねぇ。
BSのスター・チャンネル録り放題だったから観たが、普通にビデオ屋さんで借りるとは思いにくい。
「観なくていいよ」
「ウェザーマン」
これも「BS録り放題コレクション」からの1本。なかなか面白いものがある。
無作為であるので、かえっていろんな種類の映画が楽しめていいかもしれない。
うちでは「ニコラス・ケイジに外れナシ」と言われており(例外は「60セカンド」)、今回も期待を裏切らなかった。
しけた中年男をやらせると本当にはまり役だ。
顔はさえないが、身体つきがカッコよく、私は好き。(あくまで個人的意見ですが)
せっかく大仕事を引き当て、離婚した奥さんとよりを戻そうと頑張ってるのに、奥さんはニコラス・ケイジよりさらにさえない男と再婚だ。
「ニコラス・ケイジの方がいいよ〜!」とテレビの前で大内くんと叫んでいた。
地味な作品ですが、「観るといいよ」。
「モンスターハウス」
息子と一緒に観た。
最近のアニメはすごいね。CGがよく動く。
お話自体は他愛のないものだが、絵に感動したよ。
「ポーラー・エキスプレス」なんかもう1度観たくなった。
「観てもいいよ」
「世界最速のインディアン」
「飛行機の中で観た。よかった」と友人女に言われて、ビデオ屋さんで借りてきた。
てっきり「インディアンが馬を走らせる」話かと思ったら、インディアンとはバイクのことだったんですねぇ。
おじいさんになってもバイクレースに挑戦し続ける男の話だ。
アンソニー・ホプキンスが珍しく陽気な役だった。
どこがいいとは言えないが、確かに面白い映画です。「観るといいよ」
「ディパーテッド」
アカデミー作品賞を取ったらしいので、我々としては観る。
数年前に観た香港映画の「インファナル・アフェア」のリメイクらしい。
スコセッシ監督、私は長くて苦手なんだが、大内くんは大好き。
「カジノ」のDVDを買ってしまったぐらいだ。
観始めて30分、ディカプリオくんとマット・ディモン、どっちが警察でどっちがヤクザかわかんなくなってしまって、何度も大内くんに聞くが、いっこうにわからず、しまいに寝てしまった。
なので、私はこれについて語る資格がありません。
大内くんは、「とてもよかった。でも、僕は『インファナル・アフェア』の方が少し好きかな」という意見だった。
スコセッシ監督が好きな人は、ぜひ。
「ラッキーナンバー7」
ブルース・ウィリスの殺し屋やモーガン・フリーマンのギャングに囲まれて、主演は私の知らないにーちゃん、予算があればブラピでやりたかった、という顔つきね。
八百長競馬から始まるこの話、実はとっても「イイ話」なのだ。
もちろん最後まで観ないと「イイ話」なのはわからないので、ちょっと退屈になってもラストまで観てください。
(とか言っちゃって本当につまんなくても責任は取れないが)
昔観て面白かった「ナイン・クィーンズ」という詐欺師モノを思い出したが、そっちもまったくの無名作なので言ってもしょうがないか。
「観るといいよ」
「007 カジノ・ロワイヤル」
第何作目なのかまったくわからないままに、とにかく「最近のボンド君も観てみようじゃないか!」と言って借りてきた。
珍しくドイツ系というか、金髪碧眼。妙に真面目そう。
ボンド君は黒髪でいかにものプレイボーイ、というイメージが強かったので、ちょっとびっくり。
いつの間にか「M」は女性管理職だし。(これに関しては、知人が「前から女性だったよ」と言っていた)
女性もなぁ、ボンド・ガールとしては色気があんまりなかった。
なかなか面白かったが、私の中のボンド君はいまだにショーン・コネリーだったりするんだよね。
やや暗い話だったので、もうちょっと底抜けなボンド君が見たかった。
「007」に何を求めるかにもよるが、「観なくてもいいよ」と思ってしまいました。残念。
「オール・ザ・キングスメン」
ショーン・ペンが州知事になってだんだん堕落していく話。
ジュード・ロウはあいかわらず生真面目だ。
全体にテンポが悪いというか、ショーン・ペンがいつから堕落し始めたのかよくわからない。
タイトルは、マザーグースの「ハンプティ・ダンプティ」からの一節で、「取り返しがつかない」という意味だと思う。
そう言われれば、確かに破滅的な話かもしれない。
小さな映画だが、あえて「観てもいいよ」かも。
私が一番いいと思ってるショーン・ペンは「アイ・アム・サム」だなぁ。
07年10月
「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」
薬師丸ひろ子が発明した洗濯機型タイムマシンで、バブルがはじけるのを止めに行く娘のヒロスエ。
阿部寛もナイスだ。
バブルってのは本当に不思議な時代だったんだなぁ、と感慨深い。
もうオトナになっていたはずなのに、バブルの恩寵には全然関係なく暮らしていたのがよくわかった。
「ジュリアナ」の名前ぐらいは聞いたことがあるが、行ってみようと思ったことは1度もないし。
ティラミスが流行って、マスカルポーネ・チーズが払底したのは覚えてるけど。
(でも、外で食べたことはない。高そうなので、自分で作った。うまかった)
タイムパラドックスが生じるのはもうどうしようもなく、およそ時間旅行に関するSFはみーんな矛盾をはらんでいるのだ。
「観るといいよ」です。
「過去が変わった瞬間から、現在も変わってしまって、戻るべき『現在』は存在しなくなる」という難しい問題を考えつつ、コンビニティラミスでも食べながらゆっくり観てください。
「龍が如く」
北村一輝、岸谷五朗、哀川翔、松重豊と、ヤクザ度の高い面々で、役者さん的には非常に豪華。
(哀川翔と松重豊は警察側だが。きっとあんまり違いはないのだろう)
最初は少し退屈だったが、途中から面白くなってきた。
一番の収穫は、北村一輝の目が普通の目だったこと。
いつもの三白眼は演技だったんですねぇ。
見事な筋肉のついた上半身も堪能させてもらったし。
これからが期待できる役者さんで、うちでは彼が出ているドラマはなるべく観るようにしている。
今後も、主役を張って頑張ってもらいたい。
「ブラッド・ダイヤモンド」
ディカプリオくんがオトナだ。
もっと小生意気なアンちゃんだったが、大人の役者さんとして充分やっていけそう。
「タイタニック」はまだ若いから仕方ないとしても、その後ややチンピラでどうなるかと思ったが、「ディパーテッド」など、いい作品も多くなってきた。
今回は地味だけどいい映画だった。観るといいよ。
「ロッキー・ザ・ファイナル」
アメリカン・ドリームと感動のロッキー・シリーズ、これにて完結。
のわりには短かったね。エイドリアンいないし。
もうちょっと長く作ってもよかったのではないか、というのが私の意見だが、大内くんと息子は「じゅうぶん感動的だった!」と言っているので、そういうことにしておこう。
スタローンくんは、50過ぎてもあの身体、ってのがスゴイ。
シリコン入れてるなんて噂を信じてしまいそうだ。
大内家的にはアポロと砂浜を走る「ロッキー3」が好きだ。
アポロはどうもアヤシイ笑いを浮かべてロッキーとトレーニングしていたなぁ。(邪推ですが)
これ単発なら「観なくていいよ」なんだが、全編通せば「観るといいよ」。
「サンシャイン 2057」
私の好きな安手のSF。
真田広行が出るのがポイント高し。
でも、あんまり活躍しないね。
最初の方では「スターゲイト」以来の大駄作かと思い、「観ない方がいいよ」をつけてやろうと思ったが、あんがい良くて、途中からはけっこう夢中で観たよ。
地球氷漬け、ってのは「ディ・アフター・トゥモロー」だし、地球規模の災害を何とかしに行くのは「アルマゲドン」。
手塚のアトムも、ラストは爆弾持って太陽に突入してた。
細かい点に目をつぶれば、それなりに面白いSFであった。
「ゴーストライダー」
うちでは「ニコラス・ケイジに外れナシ」と言われているので、当然観る。
そうか、原作アメコミか。
「スパイダーマン」にしろ「ブレイド」にしろ「デアデビル」にしろ、元がビジュアルなせいか、よく出来てるのが多い。
これもシリーズになりそうな終わり方だった。
なにしろアメコミって、終わらないでいろんな漫画家さんが描き続けてる、というところが日本のマンガとは根本的に違うからなぁ。
息子的には「カッケー!」(カッコいい、の意)らしく、うん、確かにカッコいい。
続きを観たい。「観るといいよ」
07年11月
「A.I.」
滂沱と涙を流したくて、観るのは3度目か4度目。
観るたびに息子の年齢が違うので、感慨もちょっとずつ違うが、毎回泣けるのは確か。
例によってラスト10分間はタオルをつかんで号泣しながら観た。
当初の目的は充分に果たせたということか。
これほど泣ける映画は「ライフ・イズ・ビューティフル」ぐらいなものだろう。
オスメントくんのあの顔は才能としか言いようがない。
今回悟りを開いたのは、
「愛されたかったオスメントくんが、愛する方にまわったことで心からの満足を得たんだなぁ」というあたり。
私の生涯のシネマ日記でベストテンに入る作品かもしれない。
「ぜひ観てください」
「スパイダーマン3」
「1」も「2」もよかったので、楽しみにしていたシリーズ第3作。
うん、水準はクリアしている。面白い。
ただ、スゴイCGでぶんぶん動くのに慣れちゃった感はある。女の子が老けてきちゃったし。
アメコミのシリーズものはたいがいとても面白いので、今後に期待しておこう。
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に行く予定のある人は、ぜひ「スパイダーマン・ライド」に乗ってくださいね。
「スパイダーマン」の飛翔感を体験できます。オススメ!
「アルマゲドン」
テレビでやっていたので録画。
私は2回目だが、息子は初めてだ。
非常に感動していて、しきりと「いい話だねぇ」とつぶやいていたよ。
ネタバレなんですが、いいですか?
私にとってこの映画は特別なんですね。
これ以前の「困難なミッションをやりとげる」映画って、影の薄い順に犠牲者は出るものの、最後は主人公がガッツでなんとかしちゃう。
そういう意味で、まるで「シックス・センス」のようにビックリするオチだった。
(奇しくも、あれもブルース・ウィリスかぁ。映画の常識を破壊する男だ)
でも、ビックリだけじゃなくてとても泣けるいい話なので、「観るといいよ」。
「クイーン」
ダイアナ元妃が亡くなった時の英国王室の話。
ダイアナは誰がやるんだろう、どうせ似てないんだろうな、と思っていたら、彼女が出てくるのは過去の映像の中だけなので、全然女優さんは必要なかった。
もっともエリザベス女王やチャールズ皇太子は登場するのに似てなかったけどね。
皇室や王室が好きな私は、「エリザベス」「チャールズ皇太子の人生修行」「ザ・ロイヤルズ」などというヘンな本を持っているぐらいだから、喜んで観ましたよ。
(もちろん「ダイアナ妃の真実」も持っている。川原敏明も山ほど)
地味な、でもしっかりした作りのいい映画だった。
ワタシ的には「観るといいよ」なんだが、趣味というものがあるので、敢えて「観てもいいよ」にしておこう。
「茄子 スーツケースの渡り鳥」
黒田硫黄原作の自転車レースもの、「茄子 アンダルシアの夏」に続く第2作だ。
もちろん原作は持っているんだが、こんな話が載っているのはすっかり忘れていた。
大内くんは、「ルパンと次元が自転車に乗っている。手を組んでお祈りしちゃう女の子は赤毛のアンだし。日本のアニメはもうダメだ」と嘆いていたよ。
細かいことはわからない私なので、そんなに嘆かなくてもいいじゃん、とは思ったが、エンドクレジットを見ると確かに中国か韓国に大量に発注してるね。
んー、まあ、観なくていいんじゃないかな。
「ストリングス〜愛と絆の旅路〜」
ただの操り人形アニメかと思ったら、世界観がもう、操り人形が暮らす世界なんだねー。
ベッドにいるのにやけにみんな雨に濡れてるなぁと思ったら、天からずっと糸が降りてきてるもんだから、天井というものが存在しないとか、パーツを集めて赤ちゃんを作り、最後にアタマの糸をつないでやると命を授かるとか。
ミョーに暗くて、最初は「大丈夫か?」と思ったけど、終わってみたらかなりいい映画だった。
どことなく仏教くさいのに制作はデンマーク。ビックリだ。
「観てもいいよ」でよろしく。
「バベル」
ブラッド・ピットとケイト・ブランシェット主演のアカデミー候補作。
役所公司も出てるのが話題だが、4組の人々が織り成す物語の中に日本も含まれているので、ハリウッド進出、というのとは少し違うような気がする。
でも、すごくいい映画だった。
淡々としてるのに緊張感があって、ラストまで釘づけだ。
やや暗い映画なので好き嫌いはあると思うが、大内家的にはとってもオススメ。
年末の「大内家映画賞」を何か取ってしまいそうな予感だ。
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」
これは毎回買っているので、成長がよくわかる。
だいぶ育っちゃったなぁ・・・「賢者の石」あたりは可愛かったんだが。
映画としては、あまりにも長い原作をどうにかしなくちゃならないわけで、結果、はしょっているところがいっぱい。
やはり原作(原書、という意味ではない)を読むのが一番いいなぁ、と悟ったよ。
日本語版は来年の7月発売予定なので、皆さんもご購入しては?
「観なくていいよ」としみじみ思った。
07年12月
「デジャヴ」
刑事モノかと思ったらオカルトだった、ってことはあるが(「クリムゾン・リバー」とかね)、実はSFだった、っつーのは覚えてる限りこれが最初だ。
しかし、デンゼル・ワシントンの底力か、まったく浮わついたところがない、立派なヒューマン・ドラマである。
タイム・パラドックスもなんのその、事件解決に一身をささげたデンゼルくんに大きな拍手。
「観るといいよ」の1品です。
「しゃべれども しゃべれども」
落語の話なので、「将来は落語家になりたい」と三者面談の資料に書いていたバカ息子に見せてやろうと思って借りてきたんだが、反応はイマイチ。
ちょっと辛気臭いかな。
昔観た「の・ようなもの」を思い出したよ。
個人的には重松豊が好き。1度主演をやらんだろうか。
「ダイ・ハード 4.0」
シリーズ最新作。息子が見たがるので借りてきた。
私は「2」と「3」を観たおぼえがないのだが、行きつけのマッサージの先生に言わせれば「観てなくても全然かまわないと思う」とのことなので、気にしないで一緒に観る。
うーん、今は何でもコンピュータ犯罪だなぁ。
アメリカにもオタクがいて、ガレージとか自室をコンピュータだらけにしている、ってのは「ギャラクシー・クエスト」を思い出したよ。
それにしても、この主人公をもって「世界一運の悪い男」と言ってしまっていいんだろうか。
あれほどの目にあってもまだ生きている、というのは相当に運がいいとしか思えないのだが。
確かに迫力はあるし、いいお話だ。
「観てもいいよ」かな。
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
珍しく劇場で観た。とてもよかった。
昭和30年代、ちょうど私が生まれた頃かなぁ。
「1」もよかったのだが、いったいどこがいいのかわからないままに、気がつくと感動していた。
堤真一が好きだ。
奥さんが昔の恋人と淡い再会をし、家に帰ってみるとダンナがモモヒキ姿で寝転がっていて、立ち上がりついでに「ぷう」。
それでも今の暮らしの方が大事なんだよね、うんうん。
東京タワーもできたことだし、「観るといいよ」。
「敬愛なるベートーヴェン」
地味だ。
「アビス」や「スターリングラード」などでうちでは評価の高いエド・ハリスが、狂気すれすれの変わり者ベートーヴェンを好演。
クラシック音楽の好きな大内くんは、劇中で流れる曲をほとんど全部知っているようで、いろいろ解説してくれた。
教養があっていいね。
映画の出来としてはまあまあかな。
ちゃんと風呂に入れよ、ベートーヴェン。
「メン・イン・ブラック」
トミー・リー・ジョーンズが出てくる缶コーヒーのコマーシャルを見て、息子が「この人の出てくる映画が見たい」と言い出したので、半額サービスの日に借りてきてあげた。
親はもちろん観たことがあるのだが、いざ観始めてみたらすっかり忘れていて、新鮮に楽しむことができた。
ウィル・スミスは、「幸せのちから」などもいいが、この作品でも光っている。
今のCG技術からするとややつたないCGというか、「こんなにできるんだよ、ほらほら」と宇宙人をいっぱい出してくれても、すでに慣れきっているからなぁ。
ある種の映画のお手本のように、バランスの取れた過不足ない作品であった。
「メン・イン・ブラック 2」
そして息子は「2」を見たがる。当たり前か。
こちらも感想は「1」とほぼ同じ。
ただ、2作目によくあることだが、前作におんぶしてしまっていて新しいチャレンジがない、という感じはした。
まあ、トミー・リー・ジョーンズがかっこいいので許す。
「ツイン・ピークス」で一絶世の美少女だったララ・フリン・ボイルが気持ち悪いおばさんになっていたのは非常に遺憾であるが。
「舞妓Haaaan!!!」
阿部サダヲはいいね。堤真一もいい。
最初の方はなんだかバカバカしい勢いがあって、つかみはOK!
しかし、途中でいったん中断して翌日観た我々が悪いのか、後半はちょっとダレてきたかも。
観る方には、一気に終わりまで観ることをオススメしておきます。
まあ、そうだとしてもあまりすとんと落ちるラストではないね。
息子が、「阿部サダヲのブリーフ姿が多すぎる」と文句をつけてきた、それにつきるのかもしれない。この映画は。
’07年大内家シネマベスト
今年観た映画は97本で、まあまあの本数でした。
邦画の水準が上がっていること、「スパイダーマン」「ナイトライダー」などのアメコミものが善戦していることなどを感じます。
それでは、以下に発表します。
1位 「バベル」
神が乱したこの世界で、引きあい、傷つけあう人々。
救いの道はそれぞれの心の中に。
2位 「DEATH NOTE」
マンガの原作を超えたスーパー・シネマ。
最後に笑うのは死神のみか。
3位 「幸せのちから」
実話に基づいたヒューマン・ドラマの名作。
父と息子の心温まる絆に、涙ぐむのはあなただけじゃない。
邦画賞 「メトロ(地下鉄)に乗って」
過去と現在を結ぶ不思議なメトロに乗ろう。
変えたい過去は、変えたくない現在に勝るのか?
外国映画賞 「太陽」
イッセー尾形が昭和天皇を熱演。
ロシア人監督が、なぜ日本の天皇をこれほど深く描くことができたのか。
特殊撮影賞 「ストリングス」
運命を織りなす糸に結ばれた不思議な世界。
操られる人形たちの、愛と勇気の物語。
俳優賞 「世界最速のインディアン」
怪優アンソニー・ホプキンスが、枯淡の境地とはほど遠い老人ガッツを見せる。
走り抜けるバイク「インディアン」に、大きな旋風が巻き起こる!
大内夫賞 「プロデューサーズ」
お約束の60年代風ミュージカルながら、今を感じさせるものもある。
難しい心理ドラマやCG巨編スペクタクル大作の合間に咲いた一輪の花(ちょっと大げさ)。
大内妻賞 「クイーン」
イギリス王室を揺さぶったダイアナ元妃の死。
静かに描かれる、沈黙が、苦悩が、祈りが、世界中の人々の心をとらえる。
今年もいい映画をたくさん観ることができて、嬉しいです。
皆さんも大いに映画の世界に遊んでください。
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