09年1月
「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」
今年最初の映画。
なかなか面白かった。
このシリーズは息子のお気に入りで、封切りの時に友達と見に行ったのに、また見ていた。
「奥さんは、前の人の方が美人だった」というのが彼の感想である。
もうCGには感心しなくなっちゃったが、なかなか大迫力。
ただ、この手のものは「レイダース 失われたアーク」ですべて終わっちゃってるんじゃあるまいか。
可もなく不可もなく。「観てもいいよ」。
「アストロノーツ・ファーマー 庭から昇ったロケット雲」
オトナのメルヘンですね。ひたすらのどかなお話だ。
なんとなく、「ウォルター少年と、夏の休日」を思い出した。
田舎町ののんびりした感じが似ているのかもしれない。
夫が納屋にロケットを作り始めたら、困るだろうなぁ。
「ハプニング」
ビデオ屋のあおり文句にある「ディザースター・サスペンス」というのがどういう意味なのかよくわからないが、大内くんは借りるのを逡巡していたようだ。
「こういうコワそうなの、僕は苦手なんだよね。『ミスト』みたいなのかなぁ。それなら観てもいいんだけど」と言うのを説得して、なんとか借りてきた。
で、まあまあ面白かったが、盛り上がらないとかあっという間に終わっちゃったとか、文句はいろいろある。
もうちょっと中身を詰めてもらうことはできなかったのだろうか。
思ってたほど怖くはないので、そこは安心なのだが、「観てもいいよ」と「観なくていいよ」の真ん中ぐらい。
「恋空」
話題のケータイ小説映画化。なんと息子のオススメだ。
なんということもない高校生の恋愛モノで、ほとんど「世界の中心で愛を叫ぶ」だけど、けっこう泣ける。
「セカチュー」より30パーセントぐらい泣けるかも。(当社比)
若い感性が育っているなぁ、と思うよ。
自分の高校生時代を思い返してみたが、やはり恋愛はいい。
若いうちだ、恋せよ、青少年!
09年2月
「クライマーズ・ハイ」
日航機の事故の話。
映画としてはまあまあか。
もっと「事故」の内幕の話かと思ったが、堤真一の「記者魂」の話だった。
あまり感動する間もなく終わってしまい、最近、また邦画がつまんなくなってきていると思うのは気のせいだろうか?
「観なくてもいいよ」
「西の魔女が死んだ」
不登校の女の子が田舎のおばあちゃんちに預けられる、という、なんてことのない話だが、ハート・ウォーミング。
おばあちゃんが「外人」であるところがミソか。
「赤毛のアン」と「トトロ」を足して2で割ったような雰囲気だよ。
ワイルドストロベリーを摘んでジャムを作り。裏の畑からとってきたレタスと鶏が産むタマゴでサンドイッチを作る。
自給自足生活がいいね。
このおばあちゃんのキャラクターが本当にすばらしくて、何ともいえない存在感がある。
好き嫌いはあろうけど、「観てもいいよ」なんじゃないかな。
「グーグーだって猫である」
大島弓子原作のこの映画、ビデオ化されたので借りてきて観た。
大内くんに、「これはあんまり盛り上がらないかもよ。きっとマンガ家の日常を淡々と描いただけの代物だよ」と説明しておいたのだが、
「マンガクラブの部員だったことを考えると、これはやはり観ておくべきでしょう」という返事だったので。
中身はだいたい予想通りだった。
小泉今日子が頑張ってる。
大島弓子が好きなら観ておくべきかなぁ。
観終わって、思わずこないだ読み返したばっかりの「サバの夏」とか「グーグーだって猫である」を引っぱり出して読んでしまう。
大島弓子って、今でもマンガで食っていけてるのだろうか。
ファンとしては、映画の印税でうるおうことを祈る。
「明日への遺言」
藤田まこと主演。
太平洋戦争で戦犯となった、異常に立派な軍人についての、異常に退屈な法廷モノだった。
とにかく全体の9割が裁判シーン。
立派な作品ではあるものの、いくら何でも台詞だけで語りすぎだろう。
映画を観る、というよりは本を読んだ方が早くて楽かもしれない。
底力のあるいい邦画ではあるものの、もうちょっとどうにかならなかったのだろうか。
映画に何かしら「娯楽性」を期待しているのであれば、「観ない方がいいよ」と思う。
09年3月
「ハンコック」
ウィル・スミス主演は必ず観てしまうなぁ。
主人公は超人なのに、全然その説明がないのは原作アメコミか?と不思議に思って検索したが、どうもそういうわけでもないらしい。
短めの娯楽作だけど、実はけっこう意外な展開で、気がついたら前のめりになって観ていた。
そうか、そう来るか。って感じ。
アクション・シーンが多く、もちろん全部CGだと思われるが、迫力満点で楽しめた。
まあ、観ても観なくても人生に何の影響もない。
でもそう言い始めたらたいていの映画は「観てもしょうがない」になってしまうので、ここはひとつ、「観てもいいよ」と言って、皆さんにもハリウッドを満喫してもらいましょう。
「20世紀少年」
原作のマンガ、息子が大好きなので、映画も借りてきてやる。
喜んで見ていた。
ただ、彼に薦められて我々も観てみたのだが、かなり退屈。
悪い映画ではないんだけど、ちょっと「乗りそこねた」かな。
結局20分ぐらいでワイプしてしまった。
息子の「観るといいよ」を信用する人は、試してみてほしい。
「アキレスと亀」
ビートたけし監督・脚本、主演。
一生を芸術に捧げたヘンテコなおっさんとその妻の話か。
作中に出てくる絵は、みんな彼が描いたらしい。
「HANABI」で彼の絵の腕前は見ており、感心していたのだが、今回はまた量がハンパじゃない。スゴイ才能だ。
青年時代が終わっておっさんになったところでビートたけしが主役をやってるんだが、ここで性格が変わっちゃったような気がするのが惜しい。
ラストも、そこまでのスゴさを考えるとやや力尽きてるし。
でも、ビートたけしの映画は何でも観ちゃうんだ。「観るといいよ」
「容疑者Xの献身」
東野圭吾の「ガリレオ・シリーズ」の中の同名の長編が原作。
私は前に読んでしまったのでオチがわかっていたのだが、初めての大内くんは「スゴイっ!」と叫んでいた。
(「これは確かに献身だ」というのが感想)
まあ、実際面白かった。
福山雅治と堤真一のイケメン対決も観た甲斐があったが、暗いキャラクターを演じきった堤真一がエライ。
最近の邦画はあなどれない。
「観るといいよ」、ただし、原作も読んでね。
09年4月
「おくりびと」
もっくんとヒロスエ、山崎努出演。
イントロから、「茶の湯」の所作のような動きの流れに感動した。
だが、「納棺師」という職業は、少なくとも東京ではあまり聞かないような気がする。
ウィキによれば、この映画の影響で若い人たちが「納棺師」になろうとしているらしいから、今後はもっと陽が当たっていくのかも。
もっくんは奥さんのヒロスエに「そんな仕事、汚らわしい!」と言われちゃうんだが、どこがどう汚らわしいのかさっぱりわからないのが、少なくとも私にとってはこの映画の大きな欠点だ。
まあ、さすがにアカデミー、と思いつつ、くやしいので年末の「大内家シネマベスト」には意地でも入れてやらないぞ、「西の魔女が死んだ」の方が面白かったじゃないか!と考える。
でも、とにかく面白かったのは事実なので、「観るといいよ」。
そんなこと言われなくても皆さんビデオ屋に走ってると思うけどね。(笑)
「山のあなた 〜徳市の恋〜」
70年も昔の映画、「按摩と女」をリメイク。
クサナギくんの「盲人」ぶりにも驚かされてしまったが、全編、脚本もカメラアングルも演出も、ぜ〜んぶ借り物だ。
台詞が時代がかってるはずだよ。
リメイクの意味があるんだろうか、画家が巨匠の絵を模写して習作を描くみたいなもんかしら、と思いながら観たよ。
地味な映画ではあるけど、クサナギくんが偉かったので、前作を観たことがない人には「観るといいよ」にしておこう。
最近多いなぁ、「観るといいよ」。
それだけ邦画の質が上がったのだと思いたい。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」
アンドリュー・ロイド・ウェーパーの名ミュージカルを1973年に映画化したもの。
なぜか彼はこの映画の演出が気に入らなかったらしく、DVD化されていないようだ。
うちはテレビでやってたのを大内くんが録画しといてくれたので、観ることができる。
最初に映画館で観た時から数えると、もう10回以上観ていると思うが、私の生涯のベスト5に入る映画かもしれない。
(他には「エイリアン3」「ターミネーター2」が入る予定)
観る機会がない人が多いだろうと思うので、あんまり宣伝しても申し訳ない。このへんで終わり。
観られたら観てください。
「ジーザス・クライスト=スーパースター」
2000年映画化のこちらはDVDが入手可能。
73年モノに比べて舞台色が濃い。
ジーザスは妙に自信たっぷりの巻き毛の男で、青池保子の「エロイカ」みたいだ。
やはり私は73年版が好きだよ。
なんでロイド・ウェーバーはあっちがキライなんだろう?
ウィキによれば、「舞台版のようなもっと現代的な作品にするのが筋と考えており、この作品の演出をひどく嫌っていた」ってことなんだが。
私と気が合わない人だなぁ。(笑)
でも、大内くんはロイド・ウェーバーさんを大変高く評価しているらしく、「オペラ座の怪人」なんかも好きなようだ。
「高見沢さまは日本のロイド・ウェーバーになれると思う。彼にミュージカルを1本作らせてみたい」らしい。
それは私も観たいかも・・・
「ぐるりのこと」
淡々とした夫婦の日常。
あの奥さんがなぜあんなに不幸になってしまったのか、私にはよくわからない。
もともと不幸そうな顔はしているが。
(ドラマの「大奥」で絵島生島をやって島流しになってしまったので、うちでは彼女のことを「島流し」と呼んでいる。名前は覚えてない)
リリー・フランキーという人はなかなかいいキャラのようだ。
映画としてはどう評価していいかわからない。
邦画の悪い面が出ているような気はするが、そのわりに心を惹かれるものもあるし。
まあ、観てもらわないとなんとも言えないかな。
「アイアンマン」
アメコミ原作はたいていある水準をクリアしているので、安心して観られる。
主演のにーちゃん(おっさん?)が非常にいい。
ヒロインはイマイチ。
思ってたより面白かったので、「観るといいよ」と言っておこう。
どう考えても続編を作る気があるようだ。
DVDを借りて観る人は、エンドクレジットのあとまで早送りしてちゃんと観ましょう。大事な場面があります。
09年5月
「ジーザス・クライスト=スーパースター」
ついこないだも観たが、73年版を一緒に観た友人が遊びに来たので、彼女とこっちの2000年版を観たかったのだ。
いやぁ、何回観てもいいね。感動するよ。
私は砂漠でロケした73年版の方が好きだが、舞台色の濃い2000年版も充分感動できる。
「イエス・キリストって、どんな人だったんだろう。そもそも、キリスト教っていったい何だろう?」と話しながら観た。
ゴージャスな金髪巻き毛でいかついあごをした自信たっぷりなジーザスが青池保子の「エロイカ」みたいだ、と言ったら、友人女に猛烈に賛同してもらえたよ。
アンドリュー・ロイド・ウェーバーは天才だと思う。いや、ホントに。
「ブラインドネス」
突然人々の目が見えなくなる謎の疫病が広まる、というパニックもの。
きっと超B級作品だろうなぁ、と思いながら、こういうのをつい観てしまう私だ。
ところが、案外よかったので大内くんにそう言ったら、
「ダメかも、と思いながら借りるってのは、いったいどんなことを期待しているの?」と訊かれてしまった。
確かに。
ま、「極限状況における人間の尊厳の話」ということにしておこう。
まだ「豚インフルエンザ」の話が出てない時に観たんだけど、今観るとなんかやだぞ。
「ウォーリー」
これは、実はまったく期待していなかった。
ピクサー/ディズニーにはけっこう名作があるので、まあいいかな、と。
ところが、あけてビックリ、絵は素晴らしいし、お話もアメリカ魂てんこ盛りのじーんとくる感動作。
これまで観たこの手のアニメの中では一番よかったかもしれない。
だんだんロボットに感情移入しちゃって、ほとんど言葉のない彼らが可愛らしく思えてくる。
船長さんステキだぞ、たとえデブでも。
ぜひ「観るといいよ」と思いつつ、今年のアニメ賞はこれで決まりかな。
ちなみに、アメリカに住む大内くんの従姉のダンナさんはピクサーのプログラマーだ。身内サービスでもう1点追加ね。
「地球が静止する日」
キアヌ・リーブスはあいかわらずイケメンだが、少し老けてきたかな。
まあ、人間、老けてきて自分の顔に責任を持たなければならないぐらいからが本当の勝負だから、いいんだけどね。
ストーリーは、まあ「B級SF」です。
「極限状態における人間の心の美しさ」について考える、ってやつね。
アニメの「デビルマン」だって、「初めて知った人の愛 その優しさにうたれた男」って歌ってるじゃん。
子役の黒人少年はウィル・スミスの息子。「幸せのちから」にも出ていたね。なかなか達者だ。
思ったよりずっとマシなものだったので、大内くんにそう言ったら、借りる時にずいぶん胡散臭そうな顔をしていた彼は、
「じゃあ、思ったとおりだったら、いったいどういうつもりでそんなひどいものを借りようとしたの?」と少し怒っていた。
そう言うなよ。私はB級SFに弱いんだ。
自分だって「マーズ・アタック!」が好きで、DVD買っちゃったくせに!
「マンデラの名もなき看守」
これは、とてもよかった。
「囚人と看守が仲良くなっちゃう」というあたりがトム・ハンクスの「グリーン・マイル」みたいだ。
で、ぺーぺーの軍曹が、巨人マンデラにだんだん惹かれていく、と。
私は社会科がダメダメなのでマンデラについても何にも知らないのだが、息子が高校受験の面接の練習をしていた時、「社会の特別授業で南アフリカのアパルトヘイト問題について学習しました」と言っていたので、「そうか、このへんの話だったか」と思った。
今が12月でもう「大内家ベストシネマ」を選ぶ時期だったら迷わず何かの賞をあげちゃうなぁ、という出来。
「観るといいよ」です。
「ワールド・オブ・ライズ」
レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウの共演。
「アクション・サスペンス」なんだそうだが、武器商人やらテロリスト集団やら、ちょっと社会派すぎて私には難しかった。
スパイものって、誰が悪いヤツなのかわかんなくなっちゃうんだよね。
ディカプリオが砂漠で砂まみれになって頑張ってるのに、ラッセル・クロウはオフィスでのんびり。
「事件は現場で起こってるんだ!」って感じ。
つくづく、国の運命を左右するようなお仕事には就きたくないものだ。誰も私にそんなことしろとは言わないが。
「観てもいいよ」のうーんと下の方かな。
09年6月
「ポセイドン」
巨大客船がひっくり返る、なかなかのパニックもの。
だいたいこういうのって、数人が生き残ろうと頑張って、1人ずつ減っていく。
「この人は真っ先に死にそうだなぁ」とか思いながら見ているよ。
時々「尊い犠牲」が出るのもお約束通り。
悪くはないが、わざわざ観るほどのものではないかも。
(テレビでやってたので録画して観たけど、DVD借りてまで観る気はない)
やっぱり、この手の映画は「ポセイドン・アドベンチャー」観てればそれでOKだと思う。
「252 生存者あり」
伊藤英明主演。
「レスキュー隊員」の話だが、大津波がお台場を襲い、地下鉄の新橋駅に水が押し寄せる、という、なんだか災害の規模が大きすぎてくらくらする映画だ。
CGは「ガメラ」みたいだよ。
「252」とは、生存者が壁の鉄パイプなどを「2回」「5回」「2回」叩くと、「生存者がいる。助けてくれ」という意味らしい。
感動巨編ではあるものの、途中はちょっと退屈。
ラストは大感動だけどね。
伊藤英明は、「海猿 Limit of Love」でもレスキューをやってたなぁ。そっちの方がずっと出来がいい、と思ったよ。
まあ、ギリギリ「観てもいいよ」にすべり込みかな。
「ハッピーフライト」
旅客機の操縦士とキャビン・アテンダントの話。
何でも、「お仕事」をきちんと描くのはいいことだ。
業界ならではの内輪話が面白い。
もっとゆるいお笑いティストを想像してたが、思ったよりよく描き込めているいい映画だった。
飛行機にはあんまり乗りたくなくなるけどね。
綾瀬はるかや田辺誠一が好きなら、「観てもいいよ」でしょう。
「ターミナル」
トム・ハンクス主演のこの映画、観るのは2回目。
前に観た時は、期待が大きすぎたのか、あんまり面白いと思わなかったのだが、今回テレビを録画したものを観なおして、やはりなかなかの名作だと思った。
スピルバーグにはつい期待してしまうんだよね。
映画は、2回目が面白いということがけっこうある。
大筋がわかって、細かいところに目が向くせいかもしれない。
今回も、「カートを集めて小銭を稼ぐ」なんてところでしみじみしちゃったよ。
ラストも甘すぎなくてよかった。
前回の評価は忘れたが、今回は「観てもいいよ」。
09年7月
「K−20 怪人二十面相・伝」
これはよかった。ものすごくよかった。
金城武が好きじゃないのでどうかと思ったが、きちんと張られた伏線、要所要所での盛り上がり、レトロっぽい画面とそれにマッチした登場人物、オチまで引っ張ってなお余りある意外なストーリー展開、どれをとっても文句なし!
あんまりいいのでほめる言葉が見つからない。
この分では今年の大内家シネマベストの「邦画賞」は確実、いや、一気にベストワンに登りつめるかも。
でも、監督さんは絶対「ルパン三世 カリオストロの城」を意識してると思うなぁ。あと、「未来少年コナン」もね。
それ以外にも、「ライラの冒険 黄金の羅針盤」に似た風景とか、「スパイダーマン」の飛翔感、「バットマン」の暗さ、「スカイ・キャプテン」の古風な色調、その他いろいろな娯楽大作のエッセンスをいただいて、まれに見る傑作に仕上がっている。
損はさせません、「ぜひ観てください」。
「M★A★S★H」
1970年の映画で、舞台は朝鮮戦争下の野戦病院。
ラジオ東京で日本の歌がかかるのが妙な感じ。
大昔に観て、とても面白いと思ったが、今観てもやはり面白い。
アメリカの人たちは、戦争してても明るいなぁ。
(「ハロルドとモード 少年は虹を渡る」でものすごく可愛かったバッド・コートが看護士役で出てくるのが私には嬉しい)
アカデミーの脚本賞をとったリング・ラードナー・ジュニアは、「微笑がいっぱい」「俺は駆け出し投手」などで有名なリング・ラードナーの息子なのね。
古典的な名作なので、観るのをオススメしておこう。
「カッコーの巣の上で」
私は4回目、大内くんは2回目ぐらいだが、何度観てもすさまじい。
アメリカの70年代の映画って、どうしてこんなにスゴイんだろう。
日本のニュー・シネマのしょうもなさとは比べようもない。
何度観ても発見があるし。
「ナース・ラチェッド」は職務に忠実な真面目な人で、そう悪い人にも見えなくなってきた。
ラストは、もう声もない。
ソファでゲームをしていた息子が時々見ては、「この人たち、なに?これ、どこ?」などと聞いて興味を示していたのに、「そろそろ勉強してらっしゃい」と部屋に追いやってしまったのはもったいなかった。
明日の予習より、アカデミー賞映画を見る方が大事なんじゃないだろうか。しまったなぁ。
「絶対、観てください」
「崖の上のポニョ」
ついにビデオ屋さんに並んだので、さっそく借りてきた。
これは息子と観なくちゃね。
でもなぁ、宮崎駿にはもう新しい引き出しはないんじゃないだろうか。
海は「風の谷のナウシカ」の腐海だし、最後は「パンダコパンダ 雨ふりサーカス」じゃないか。
悪くはないが、それほど大騒ぎする出来ではないような。
「フジモトおとうさん」は私から見ると高見沢さま。
「グランマンマーレ」でかすぎ。
5歳同士のカップルって、保育園によくいたなぁ。
「けっこん、けっこん」と言いながら腕を組んでスキップしていたりょうたくんとまふゆちゃんを思い出したよ。
「観なくていいよ」と言うのはさすがに度胸がいるので、「観てもいいよ」と言っておこう。
「ザ・ムーン」
「アポロ11号」の月面着陸のドキュメンタリー映画。
宇宙飛行士たちへのインタビューが主な、地道なシロモノだ。
ちらっと見た息子が、
「つまんないもん見てるね」と言うのはちょっと寂しい。もっと感動してくれ。
ポルノグラフティが「僕らが生まれてくる ずっとずっと前にはもう アポロ11号は 月に行ったっていうのに」
「本気で月に行こうなんて考えたんだよね なんだか 愛の理想みたいだね」
と歌うのも無理はないかも。
その後、宗教家になった飛行士なんてのもいて、まあ、月に行っちゃったらそういう境地になるかもしれない。
私は小学校3年生ぐらいだったのだが、当時、学校に提出していた日記に、
「みんなテレビにかじりついていて面白くなかった」
「月にはウサギがいる、というような夢をこわしてしまう」
「でも、そんなふうに思う私の方が変なのかもしれない」
などと書いていた。
いまだに日記を書き続けている私の、原点とも言うべき出来事だったわけだ。
映画としてはそれほど面白いものではないが、人類の大きな一歩だ。「観てもいいよ」。
09年8月
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
これは、ものすごく面白かった。
出だしからなんだか引き込まれて、「つかみはOK、だね」と大内くんと話す。
ブラッド・ピットがケイト・ブランシェットと共演してるのは「バベル」以来か。
今年の「大内家シネマ賞」を何か取ってしまうかもしれない。
CGも多用されているようだが、気にならない。
唯一どうかと思うのは、主人公の「バトンくん」は「ボタン屋さんの息子」なのだが、スペル的には「バトン」は「ボタン」なので、正確に言えば「ベンジャミン・ボタン」なのだ。
なんとなくそれでは座りが悪い気がするのはわかるけど・・・
とにかく、「観るといいよ」でした。
「チェンジリング」
ものすごく面白い。
アンジェリーナ・ジョリーはアクションのイメージが強いが、真っ赤な口紅をぼってりと塗って丸い帽子をかぶった「モガ」の様子も悪くない。
タイトルは「取替え子」、つまり、妖精が連れて行っちゃって別の子を置いて行く、という故事にのっとっている。
(自分の子がいなくなって、そんな子はいなかった、とまわり中が言う、という映画もあったなぁ。「フライト・プラン」か。「フォーガットン」もそうだった)
「実話に基づく」お話は、たいていの場合とても面白いのだが、この映画も例外ではない。
と言うか、今年観た映画の中では今のところダントツだ。
主人公が精神病院に入れられちゃうあたりで、「カッコーの巣の上で」を思い出したよ。
アメリカにもそんな暗黒時代があったんだなぁ。電気ショックはとてもイヤだ。
ある意味、悲しくて恐ろしい映画だった。でも、とてもいい。「観るといいよ」
「ワルキューレ」
「これは事実に基づく話である」というテロップで始まる歴史陰謀モノ。
第二次大戦下のドイツで、ヒットラーを暗殺しようという話があったのか。
主演のトム・クルーズ、隻眼でもカッコいい。
ある意味、地味な作品で、それほど盛り上がるところがない。
「観なくていいよ」かなぁ。
「カサンドラ・クロス」
1970年代の古い映画なのにツタヤに置いてあるということは、けっこう名作ってことかな?
私は高校時代に当時のカレシと映画館で観たよ。
大内くんが観たことないと言うので借りてみた。
あまりに古いため日本語音声がついておらず、字幕で観るしかなかったけど、息子も手元でゲームしつつちらちら見ていた。
私は33年間、オチを間違えて記憶していたよ。こういうラストだったのか。
息子が「何これっ!」と叫ぶほど特撮はちゃちだけど、「観るといいよ」。
ちなみに、リーダーとなるお医者さん役のリチャード・ハリスが「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のダンブルドア校長役の人だったとは知らなかったなぁ。(ウィキで調べて初めて知った)
カッコいいおじさんはカッコいいおじいさんになるんだね。
私と息子は、「ダンブルドアは死んじゃった人がやってる方が絶対にいい!」と主張するが、大内くんはその後の役者さんでも見分けがつかない、と言う。本の方を読んでいないせいだろうか。
「アンドロメダ・・・」
高1の息子、夏休みの宿題に「読書感想文」があって、課題図書の中に「アンドロメダ病原体」が入っていたけど、ハヤカワの文庫を買ってやったらあっという間に挫折したらしい。
それなら、せめてあらすじがわかっていれば少しは楽か、と思って借りてきたのがこれ。1970年代SF映画。
謎の宇宙物体に関する科学的なアプローチが、少々ご都合主義ではあるものの一生懸命描かれており、私はそこそこ面白く観た。
息子はゲームやりながらちらちら見ただけで、「つまんねー。本も読みたくねー」と文句を言っていたし、オトナの大内くんでさえ「細かすぎて退屈だ」と言っていた。
みんなの意見を総合すると「観なくていいよ」ということだと思う。
だが息子よ、本の方もちゃんと読んでくれ。
「余命」
タイトルから想像されるとおり、末期がんを宣告された松雪泰子。
思いがけなく妊娠し、赤ちゃんをあきらめてがんの治療をするか、余命が短くなることを承知で産むかの選択を迫られる。
私はこの手の「病気モノ」「死んじゃうモノ」がけっこう好きだが、嫌いな大内くんは、「本当にこんなの観るの?」と懐疑的だった。
そして、申し訳ないことに「観なくていいよ」クラスの映画だった。
大内くんにたくさん謝り、「わかってた結果じゃないかなぁ。借りる方がどうかしてる」と言われ、「そんなの、観てみなきゃわかんないじゃない!」と逆ギレする私。
椎名桔平にも選択に加わる権利はあると思う、というのが最大の感想です。
09年9月
「最高のともだち」
ロビン・ウィリアムズが知的障害者を演じる。
最初、「X−File」のデヴィッド・ドゥカヴニーが出てきて、「ああ、この2人の友情の物語なんだな」と思ったら、すぐに少年時代の話に行ってしまう。
「もしかして、ドゥカヴニーが出てるのって最初だけ?!」と思ったが、いちおうちゃんと戻ってくるのでご安心を。
なんかなぁ、少年時代の話は「青い体験」と「小さな恋のメロディ」を足して2で割ったような。
ハート・ウォーミングな1作ではあったものの、「観なくていいよ」と思う。
「X−MEN」
「X−MEN 2」
「X−MEN 3 ファイナル・ディシジョン」
シリーズ第4作が封切りされるらしく、CMをよく見る。
そしたら過去作が無性に観たくなった。
3本通して観て、うーん、やっぱりスゴイ。
登場人物のキャラが立っているし、動きがカッコいいよ。
大内くんは「ストーム」、私は「サイクロップス」が好きだけど、ウルヴァリンくんはしょせん狂言回しに過ぎない、というところで意見が一致した。「観るといいよ」です。
3本観たら、映画館に走れ!
(いや、大内家は行きませんがww)
「ショーシャンクの空に」
今、ツタヤで「名作映画100選100円」なるキャンペーンをやっている。
この映画もその中から選んだ。
というか、ものすごい量並んでいるんだ。
10年以上前に観て「すごいっ!」と思ったが、今観てもすごい。
伏線が全部見事に生かされていて、驚く仕掛けあり、泣ける人情話あり。
息子も一緒に見て、「どうしてこれはアカデミー賞をとらなかったのか?」と聞かれた。
それはね、「フォレスト・ガンプ 一期一会」と同じ年の映画で、負けちゃったんだよ。
まあ、相手が相手なので、負けちゃうのは仕方ないんだが、隠れた名作だ。
「ぜひぜひ観てほしい」
今年の大内家映画賞を何か取っちゃいそうだなぁ。
「7つの贈り物」
ウィル・スミスにハズレなし、と家では思っているので借りてきたが、いかんせん、暗い。
途中までなんだかものすごく難しくて、もうちょっとで投げ出しそうだった。
7人の命を贖うために生きた男の物語。
結局、「幸福の王子」なんだ。
息子は「格調高い映画だ」とかつぶやきながら見ていた。
「観てもいいよ」とは思うが、頑張って最後まで観てください。
「旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ」
上野動物園を抜いて入場者数日本一になった北海道の動物園を描いた実話。
西田敏行が嫌いだったのでどうしようかと思ったが、終わってみたら彼のキャラクターにやられていた。
息子も、「クソだと思ったけど、あんがいいい映画だった」という感想をもらしていたよ。
ちょっと途中をはしょりすぎなんじゃないかとは思うので、「観なくていいよ」クラスなんだが・・・
「ジェットコースター壊さなくてもいいじゃん」というのが最大の感想かな。
「ディア・ハンター」
アカデミーの作品賞を取った作品は全部観ているつもりだが、これは2回目かな。
難しくて、1回目では充分にわかることができなかったし、例によって息子に見せたい。
で、今回かなり理解が進みました。もうこれで充分でしょう。
極限状態の彼らを見て、
「あ、もうこの人たち死んじゃうね」とあっさり言ってのける息子は、冷血だ。
でも、「面白かったよ。よかった」とのことなので、息子を信頼できる人は観てください。
「シンドラーのリスト」
これも「100選100円」。
とにかく長い!
抑えたモノクロの画面からひしひしと伝わってくるものはある、水準の高い映画だとは思うが、3時間以上というのは行き過ぎだ。
でも、さすがはアカデミー賞、と言ってもいいだろう。
個人的には金歯を溶かしてあっという間に指輪を作ってしまうユダヤ人たちを見て、
・財産を身につけている
・手に技術がある
の2点で「やっぱ、すごい民族だなぁ」と感心した。
大内くんは「ユダヤ人をつかまえる=身につけている財産を没収してドイツがうるおう」なんだと力説していた。
ただし、息子は5分見て「面白くない!」と言い切っていたし、大内くんは最初の2時間は寝ていた。
ま、その程度の名作ということで。
「明日に向かって撃て!」
とにかく古典だから観ておこう、と大内くんが言って借りてきた。
私「最後、車から降りたところを蜂の巣にされるんだよね」
大「車?馬だよ、この映画だったら」
私「男女の強盗の話じゃなかったっけ?」
大「それは『俺たちに明日はない』だね!ボニー&クライド。この映画はブッチとサンダンス・キッドだよ」
そんな勘違いはおいといて、さすが古典。名作だ。
ラストのストップモーションがいい。
「で、この人たち死んじゃったの?」という息子の問いに、
「そこはね、『明日のジョー』みたいに、生きてる可能性もある、ってとこがミソなんだよ」と真面目に答える大内くん。
テレビ吹き替えのものをそのまま使っているらしく、時々どうしても英語になって日本語の字幕が出てしまうところがある。
「ここをカットしていたわけか。確かになくても話は通じるよなぁ」というシーンがたくさんあった。
吹き替えがよくできていて好きだ。
「観るといいよ」
「天国から来たチャンピオン」
観始めてすぐ、「なんだ、反町の出てたドラマ『ドリーム・アゲイン』って、まるっきりこれのパクリじゃん!」と思ったが、ウィキによると「後に続く『亡くなった人が天国の水先案内人の協力で帰ってくる』という設定の映画・ドラマのはしりとなった映画である」とのことなので、パクリと言うよりは「本歌取り」であったと気づく。
何事も教養だ。
他人に乗り移っても姿がウォーレン・ベイティのままなのは、「ドリーム・アゲイン」のように他の人には別人に見える、という演出に負けていると思うが、まあ先駆けなんだから未熟な点もあろう。
案内人は児玉清の方がよかったし。
古い映画なのでストーリーも単純だけど、なかなか見るべきものがある。面白かった。
シネマ10月
「シザーハンズ」
ジョニー・デップとティム・バートン監督の顔合わせ、我々にとってはこの映画から始まる。
なぜか息子が見たいと言ったので久しぶりに観ることになったが、切なくも美しい画面に、親も胸キュンになってしまった。
「いい映画だね。よかったよ」と息子。
おとぎの国のような街並みが印象深い。
ツタヤの「100選100円」の1本にも選ばれているんだ。
「観るといいよ」
「フォレスト・ガンプ 一期一会」
息子と一緒に観ようと思っていたのに、うっかり夫婦して昼寝している間に、勝手に見られてしまった。
「なんで待っててくれなかったの!」と抗議したが、「寝てる方が悪いんでしょ」と居直られるし。
久々に観て、やはりものすごく面白い。
「ショーシャンクの空へ」が負けたのもうなずける。
時代を駆け抜けたフォレストくんに、惜しみない拍手を送ろう。
「ぜひ観といてください」
「チーム・バチスタの栄光」
テレビでやっていたのを録画して観た。
ドラマ版は好きだが、さて、映画はどうか。
ひと言で言って、邦画らしい邦画だ。
暗くて陰気で無意味で。
ミステリだからちゃんと犯人がいるんだけど、どうも納得できないなぁ。
「観なくてもいいよ」
「ジェネラル・ルージュの凱旋」
一方、続編のこちらはぜひ観ていただきたい。
堺雅人がものすごくいい味出してる。
邦画にしては出来がいいと思う。
事件自体はそう大したことないけど、「ジェネラル・ルージュ」の通り名の由来が、「そうだったのか!」って腑に落ちた瞬間が快感。
息子も、「厚みのある、いい映画だね」とつぶやいていた。
もう、シネマレビューは息子に代わりに書いてもらいたい。
「観るといいよ」
「ドロップ」
インフルエンザに倒れた息子が「借りてきて」と言うのでツタヤで借りてきたもの。
渋る大内くんを一生懸命、
「せっかく借りてきたんだから、観ようよ」と説得したので、
「思ってたよりずっと観てよかった。ありがとう」と感謝されたよ。
「不良」の話だが、水嶋ヒロが中学3年生だというのはいくらなんでも無理があるだろう。
それ以外は問題なし。「観てもいいよ」
「クローズ ZERO」
こっちも不良。ただし高校生。
なんだかケンカばっかりしているなぁ。
息子は「面白そう。こんな高校に行ってみたかった」と物騒なことを言う。
「今の学校は真面目すぎて面白くない」のだそうだ。
黒帯の人は、ケンカしちゃいけないんだよ!
映画自体は、まあ、「観なくていいよ」というレベルだった。
続編もあるのかぁ・・・
また息子に「借りてきて」と頼まれてしまった。そのうちにね。
「ヤッターマン」
待ちに待った実写版。
いやあ、櫻井翔はカワイイなぁ。
ダイコンだと思っていた深キョンも、妙にドロンジョ様にははまり役。
ボヤッキーなんか、あんまりアニメに忠実なので、大内くんに言われるまで生瀬勝久だとは気づかなかったよ。
全体に、コスチュームがそれっぽくて、いい。
全編を引き締める山本正之の音楽も素敵。サントラ盤買おうかしら。
息子も大喜びで見ていた。
「次週予告編」がついていて、本当に毎週やってくれたらいいのに、と思ったよ。
「観るといいよ」の下の方です。
「誰も守ってくれない」
犯罪者の家族のつらい話。
結局、現代ではネットがとても怖い、という話でもある。
「さらされちゃう」ともう、逃げようがないみたいね。
志田未来が好演。この子はドラマ「女王の教室」の頃から光っている。
将来は立派な女優さんになるかもしれない。
邦画としてはよかったです。「観てもいいよ」
「グラン・トリノ」
クリント・イーストウッドが偏屈な老人を演じる、ある意味、アメリカらしい映画。
観終わって、「悪くはなかったが、それほどでもないね」と言ったら、一緒に観ていた大内くんと息子から、「途中で寝てたからだよ。いい映画だったよ」と反論された。
いや、大事なエピソードを見逃した、とかいうわけじゃなく、全体にだんだん話が盛り上がっていくのについていけてなかったようだ。すまんすまん。
みんなの意見を総合すると、「観てもいいよ」の上のほうらしい。
そういうことで、よろしく。
「フルメタル・ジャケット」
ツタヤの「100選100円」のおかげで観た、これまで観たことがなかったのが申し訳ないような「新・古典」。面白かった。
アメリカの人は戦争をふり返るのが好きだね。
そんなに古い映画じゃないのに吹き替えがなくて字幕だけなのは、きっと台詞がものすごすぎて声優さんたちに言わせられないからなんだろう、と推測する。
なにしろ「クソ」と「マ××」の嵐。
この罵倒を指導に来た元軍隊の人があんまりうまいので、急遽出演してもらうことになったらしい、なんて話をウィキで読んだ。
前半はとてもよかったけど、後半は少しだれちゃったかな。「観るといいよ」
「12人の怒れる男たち」
これも、ツタヤの「100選100円」のコーナーでつかんだ。
もちろん「大古典」。なにせモノクロだ。
筒井康隆の「12人の浮かれる男たち」しか知らなかった大内くんと私だが、本家本元はさすが。
ずーっと室内で12人が議論してるだけなので、カメラワークとか難しかったと思うよ。
日本でも「陪審員制度」ができたから、この映画を観てみた人も多かったのではないだろうか。
やっぱり、「ローマの休日」とかこれとかは観とかないとダメなのかもね。
「トワイライト〜初恋〜」
ヴァンパイアものが大好きな私だが、これは、うーん・・・
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」などの名作に比べるとね。
大内くんはほとんどの間寝ていたよ。
今度続編が劇場公開されるようで、DVDになったら観るのかな。
限りなく「観ない方がいいよ」に近い「観なくていいよ」。
「クローズ ZEROU」
息子が見たいと言うので借りてきた。
せっかく借りたので我々も観たけど、私は寝てしまったよ。
ずっと起きて観ていた大内くんは、「案外よかったよ」と言うが、時々目を覚ますと殴り合いをしていて、しばらく寝てまた観ると殴り合っている。
最後は盛大に殴り合ってた。
殴り合い以外のシーンは覚えていない。
そんな状態なので私は何も言う資格はない。
息子と大内くんが「観てもいいよ」と言うので、そういうことで。
「ウォッチメン」
アメコミのヒーローをよく知らないと面白くないんじゃないかと思える。アメリカ人だけで笑っていそうな。
でもお話はなかなかいい。
なんだか、物悲しいんだよね。
なぜアメリカン・ヒーローたちというのはダークでうらぶれたところがあるのだろうか?
もうちょっと派手なSFモノ、たとえば「スパイダーマン」とか「X−MEN」みたいなのを想像してたので、最初はそのギャップに少し苦しむ。
とはいえ、じっくり観られるなかなかいい映画でした。「観るといいよ」
「バーン・アフター・リーディング」
お笑いスパイものなのかなぁ。
ブラピが「おバカ」な役どころ。
タイトルは「読後焼却せよ」の意だと思うんだが、パソコンに翻訳させたら「読書の後のやけど」と出た。ホントかい。
ゆるくてゆるくて、寝てしまったのでもう1回観たがまた寝てしまった。
恐るべき催眠映画である。「観なくていいよ」
09年11月
「GOEMON」
江口洋介と大沢たかおが頑張ってたので、CG使いまくりなのは大目に見よう。
正直、邦画の新しい可能性を思ったよ。
関が原の頃って、世の中は相当おサイケだったのかもしれない。
信長だって秀吉だって後世にまで伝わる派手好きだったわけだし。
なので、あのコスチュームもアリかなぁ、と。
今年の邦画賞は「K−20 怪人二十面相・伝」かなぁと思っていたが、これも捨てがたい。
「観るといいよ」
「フーディニ〜妖しき幻想〜」
1時間半と短めの映画で、どうやらオーストリアものらしい。
役者さんたちに清潔感があってよかった。
不思議に惹き込まれるところのある映画だし。
独特の雰囲気に、ついつい点が甘くなるよ。
恰幅がいいので、最初はわかんなかったけど、マネージャーのシュガーマンさんは「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」に出てきたネズミ変化男だね。
「観てもいいよ」
「ローマ帝国に挑んだ男−パウロ−」
前後編合わせて3時間ぐらいあるらしい、というところでまず引いた。
さらに、なぜだか横長テレビの両端が切れていたのでますます引いた。
カメラワークも何もあったもんじゃなく、博物館で「キリストの頃、ローマ人はこのように暮らしていました」という紹介映画を観ているような気分になったところで、惜しげもなくワイプ。
全部観ないと何も言う資格はないので、黙ってます・・・
「鑑識・米沢守の事件簿」
人気ドラマ「相棒」から初のスピンオフ・ムービー、と煽られれば観ないわけにはいかない。
もともと六角精児好きだし。
で、期待して借りてきたわけですが、うーん、なんとも言えないなぁ。
もっと、「鑑識」のお仕事のシーンが観たかったですね。
大内くんに言わせれば「さえない中年男の夢の話」なんだそうだが、私にはピンとこなかった。
頑張ってるのはわかるんだけどね。
エンドロールで、米沢守が奥さんと別れていなければ過ごしたであろう毎日の風景が流れていて、これはちょっと感動した。
ま、「相棒」映画版よりはよかった。つーか、あれはひどかったような気がするよ。
全体に、「観てもいいよ」の下の方です。
「天使と悪魔」
トム・ハンクス主演の、「ダヴィンチ・コード」の続編ということらしい。
そもそもそっちの方からしてあんまり面白いとは思わなかったのだが、続編はどうか。
そうねぇ、まあまあよかったかな。
私は人の顔の区別がつかないので、最後の方で大内くんに「この人はいい人なんだよね」とか聞いたら、「それがまさに犯人だ。いったい何を観ているの?」とびっくりされたよ。
小説をベースにした謎解きモノは映像化が難しい、というのが一番の感想かな。
ワタシ的には「観なくていいよ」。
「スラムドッグ・ミリオネア」
今年のアカデミー作品賞をとったらしいので、何はともあれ、観る。
みのもんたの「クイズ・ミリオネア」って、輸入物だったんだ!と、まず大変に驚く。
「ファイナル・アンサー?」は元ネタがあったのか!
インド映画かと思ったけど、それにしちゃ暗いね。
「ムトゥ 踊るマハラジャ」とか「ダラパティ 踊るゴッドファーザー」とかを観まくった時期がある我々からすると、インド映画はもっと底抜けな感じがするもんなんだが。
なので、「ナイツ」みたいに「ヤホーで調べて」みたら、イギリス映画かぁ!
「インドでは、乞食としてより有利に稼ぐためにコドモの手足を切り落として障害者にしちゃう親もいるらしいよ。ひどいよね。でも、『将来のために』って無理やり勉強させて不自由な人生を送らせる、っていう日本人の親と、根本的には同じなのかもね」と語り合いながら観たが、実によくできている映画だった。
大内くんはラストが少々気に食わないようだが、確かに、主人公に最後お金が必要かどうかは考えるところだ。
でも、さすがはアカデミー。「観るといいよ」だった!
「ミルク」
同性愛者であることを公表したアメリカ初の政治家の実話モノ。
ショーン・ペンは「アイ・アム・サム」が好きだが、このミルクさんもなかなか。
物腰がなんだかそれっぽくていいね。上手いんだな。
いろいろ考えさせられる映画だった。
私は、直接の友人でホモの人を1人知っているが、先日彼に会った時、
「やっぱり大変ですよ。一緒に旅行に行った時とかね。旅館の人がなんだかにやにやしてるみたいで、いやなこともあるけど、まあ、気にしちゃいけませんよね」とあいかわらずのていねいな言葉遣いで語ってくれた。
頑張れ、ゲイ・ピープル。時代はキミたちの味方だぞ。
09年12月
「スタートレック」
知らない者のないあのドラマの、映画化はもう何度目だろう。
今回は、カーク船長やスポックが若い頃のお話。
カーク船長はあんなに血の気が多かったのか。ただの女好きだと思っていた。
「未来のスポック」として特別出演のレナード・ニモイはさすがの貫禄。
横でゲームしてた息子が途中からゲームをやめて見ていたので、それなりに面白かったのだろう。
タイム・トラベルのお約束なんか無視して、過去の自分と会っちゃっていいのか!
「観なくていいよ」だとは思うんだが、なんか妙な迫力もあったなぁ。
「トレッキー」の方々は、いったいこの映画をどう評価するのだろうか?
「イエスマン」
久しぶりに、難しくないアメリカ映画の王道を観た。
ジム・キャリーが、「すべてにイエス!と言い続ける男」を好演している。
この人はなんと言うか演技がとても大げさなのだが、細やかな役をやることはないのだろうか?
少なくとも過去に観た「マスク」とか「トゥルーマン・ショー」とかは大げさだったぞ。
まあ、この映画みたいにすべてに「イエス!」と言えたら人生楽しいんだろうが、なかなか普通のオトナはそういうわけにいかない。
「あなたの奥さんを一晩貸してください」「イエス!」
「全財産を寄付してください」「イエス!」
というのは困るじゃないか!
なので、あくまで他人が節度ある善人だという前提で、観て楽しんでください。答えは、「イエス!」で。
「ターミネーター4」
ワタシ的には、「ターミネーター2」が「エイリアン3」と並ぶ、娯楽映画の最高峰なのだが、さて今回はどうか。
結論から言って、なかなかいい出来でした。
「人間と機械の違いは何か」というお話ですね。少し泣ける。
まあ、「観てもいいよ」のうーんと下の方ではあるのだが。
ジョン・コナーのお父さんになるカイル・リースをやってる役者さんが、こないだ「スタートレック」で観たばかりのチェコフに似てたので、大内くんに「おんなじ人じゃない?」と同意を求めるも、「いや、ちがうだろう」という答え。
念のため「ヤホーで検索」したら、同じ人だった!
人の顔が覚えられないと蔑まれて20年、ついに「人の顔認識システム」を搭載することができた。
アントン・イェルチン、キミの顔と名前は覚えたぞ!
「MW−ムウ−」
手塚治虫のオトナ向けコミックの映画化。
玉木さまがちょっとよかったけど、他は大したことないなぁ。
どうして邦画はこんなにダメダメなんだろう。
よっぽど途中でワイプしようかと思ったよ。
原作が鬼気迫るものだけに、説明不足と自己満足が目立つ。
「観ない方がいいよ」と思ってしまった。
「ビューティフル・マインド」
テレビでやっていた「リーマン予想」についてのドキュメンタリーで、「統合失調症に苦しみながらさまざまな功績をあげた数学者、ジョン・ナッシュ」を見たので、「本当に彼が、リーマン予想についての講演をしてたっけ?」と思いながら借りてきた。
観るのは2度目だが、やはり、さすがアカデミーな感じ。
2度目は「ははあ、ここで妄想が出ちゃうのか」と、面白く観た。
「シックス・センス」なんかもそうなんだが、2度目に観た時、「確かにここは伏線だ」と思える部分がちゃんと生きているのに気づく。
ラッセル・クロウもよかった。
リーマン予想は一瞬だったけどね。(笑)
ぜひ観てください。
「少年メリケンサック」
なぜか大内くんがとても興味を示し、長いこと観たがっていたので、ツタヤで3泊4日になっているのを借りてきた。
パンク・バンドの話かと思った、いや、確かにパンク・バンドの話ではあったのだが、まさかああいうメンツとは。
思ったよりずっと面白く、宮藤官九郎にはいつもやられちゃうなぁ。
時代は三谷幸喜を追い越して、今はクドカンかしらん。「観てもいいよ」
「ターミネーター」
先日「ターミネーター4」を観たので、このさい「1」に戻って観てみよう、ということで。
うーん、さすがだ。
「1」ではシュワちゃんが果てしなく追っかけてくるだけなんだが、なぜか退屈しない。
娯楽映画の王道だね。
若き日のシュワちゃんは筋肉ばっかり発達してて脳みそがないような顔をしているが、人間の顔には歴史が刻まれるもので、だんだんいい顔になっていったなぁ、と思う。
この勢いで、「2」にGO!
「ターミネーター2」
こうして観ることになった「2」だが、やはりものすごくいい。
私の生涯のシネマベスト5には、これと「エイリアン3」と「ジーザス・クライスト・スーパースター」が欠かせない。
流体金属ロボットの演出もいいし、シュワちゃんが少年との交流の中で人間らしさを高めていくエピソードもすばらしい。
もちろんラストは涙なしには観られない。
サラ・コナーは、シュワちゃん見た時はぶったまげただろうなぁ。
これに比べると、「3」とか「4」は全然期待に応えてくれないよ。
先日亡くなった親友のDVD棚には「1」と「2」が並んでいて、彼も私と同じ意見だったんだろう。
形見分けにいただいてきたので、これからはいつでも家でシュワちゃんに会えるぞ!
「ぜひ観てください」の1本だ。
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
原作(日本語版です!)が大好きな私としてはついついDVDを買ってしまう。今回は初めてのブルーレイ。
それほど綺麗とも思わないけどね。
映画、いよいよ残すことろ最終巻の「ハリー・ポッターと死の秘宝」だけだ。
最初の頃は「ちゃんと最後まで作れるのか?」と心配してたけど、どうにかなりそうだね。
ラドクリフくんが麻薬やっちゃっても、ハリー・ポッターが別の人になることはないようだし。
ダンブルドア校長やってたリチャード・ハリスが死んじゃったのは実にまったく本当にもったいなかった。
今回の山場での、「・・・頼む・・・」のくだりは彼のダンブルドアが見たかったよ。
原作を読んでない大内くんにはどうでもいいことらしいが、愛読者の私と息子は、「やっぱ、ダンブルドアは前の人が良かったよ」というのがコンセンサスだ。
とはいえ、原作が好きでなかったら観てない映画かもしれない。
つまり、「観なくていいよ」クラスだ。DVD全部持ってるのに。しくしく。
「アマルフィ 女神の報酬」
前宣伝はすごかったし、織田裕二なんだからそれなりに気合は入った映画だったのだろうが、はっきり言って「スカ」。
舞台が外国ならいいってもんじゃないぞ。
天海祐希はちっとも「娘が誘拐された母親」に見えない。
織田くんが外交官のくせにあそこまでやっといて、罪に問われないというのも腑に落ちないし。
努力は買うけど「観なくていいよ」。
「インスタント沼」
これはスゴイ映画だった。
面白くないのがある種の邦画の宿命とは言うものの、ここまで面白くないのは初めてだ。
なぜ途中でワイプしないで最後まで観てしまったのか、自分で自分がわからない。
(もっとも、大内くんと交互に居眠りをしていたようなのだが)
ここまでくると、もういっそアッパレである。
年末の「大内家シネマベスト」に「観ない方がいいよ賞」を設けようかと思ったぐらい。
というわけで、「本当にそんなにつまらないのか?」となんとなく観たくなってしまった方々、本当にダメです。
「観ないでください」
「宇宙戦艦ヤマト」
カラオケでよく「ヤマトより愛をこめて」を歌うのだが、バックのアニメ画像にいつも泣かされてしまい、涙で字幕が見えなくなるので、これはちゃんと観ておこう、と、最初のヤマトから。
でも、テレビシリーズをこま切れにしてつないだだけの代物なのね。
もし、アニメ史上に残る名言ベストテンを選んだら、10位以内に沖田艦長の、
「バカめ、だ」
「地球か・・・なにもかもみな、なつかしい・・・」が入ると思う。
続編に期待をかけよう。
「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」
これさぁ、最新鋭艦「アンドロメダ」の艦長とかのえらそうな人たちは、どうしてヤマトに乗ってイスカンダルに行かなかったのだろうか、とか、古代くん、勝手にヤマトに乗ってっちゃったら「反逆罪」や「横領罪」に問われると思うよ、とか、反物質人のテレサさん、最後はあなただけで行くわけにいきませんか?とか、もう突っ込みどころ満載。
昔は何の疑問もなく観ていたもんだが。
しかし、期待を裏切らず、泣かせてくれました。
山本さんで泣き、真田さんで泣き、加藤さんで泣き、もちろん最後は古代くんで泣く。
デスラーで泣く、という手もある。
(斉藤さんの最期では、息子が「弁慶だね」。教養のあるヤツだなぁ)
今年のシネマは泣いて終わった。
来年はどんな映画を観るのだろうか。
とりあえず次の「ヤマト」を観たい。
どんな話だったか、もうすっかり忘れているので、新鮮だ。
「’09年大内家シネマベスト」
今年は85本の映画を観ました。
ツタヤで「100選100円」キャンペーンをやっていたおかげで、古い名作をたくさん観ることができました。
高1になった息子の「オトナ映画元年」であったようにも思います。
それでは大内家のオススメ映画をどうぞ。
第1位
「K−20 怪人二十面相・伝」
帝都に踊る謎の影。
愛と勇気が、今、空を駆ける!
第2位
「スラムドッグ・ミリオネア」
貧困の中で学んださまざまなこと。。
それは未来への希望の架け橋となる。
第3位
「マンデラの名もなき看守」
巨人マンデラの一番近くにいた男。
大きな理想への共感が、世界を動かしてゆく。
邦画賞
「西の魔女が死んだ」
大好きなおばあちゃんとのカントリー・ライフ。
少女の心に残ったものは、大きな愛。
アニメ賞
「ウォーリー」
ロボットなのに懸命に生きる。
人間も、負けてはいないぞ!
100選100円賞
(ツタヤの厳選された名作の中からさらに選びました!)
「ショーシャンクの空へ」
「希望」は人を裏切らない。
無実の男が数10年をかけてつかんだものは。
大内夫賞
「ミルク」
変幻自在のショーン・ペン
仕草1つで個性を演じ分けた、感動の佳作!
大内妻賞
「ジェネラル・ルージュの凱旋」
大災害、緊急医療、病院を揺るがす事件・・・
今、「伝説の将軍」が帰ってくる!
今年もいい映画をたくさん観ました。
皆さんも、良いシネマライフを。
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