11年1月
「アウトレイジ」
久々に観た、ビートたけしのヤクザもの。
「ソナチネ」とか「その男 凶暴につき」とか、良かったなぁ。
でも、今回もそれらを上回るかも、の、かなりイケてるシロモノ。
あいかわらずの無表情なドンパチも良かったし、そこそこ複雑な組織と仁義の内実を、たっぷり楽しませてもらった。
新年1本目としては言うことなし。「観るといいよ」
「しあわせの隠れ場所」
先日テレビで、
「身寄りのない黒人のでかい子が、白人の家庭に引き取られ、勉強とスポーツの機会を与えられてアメフトの大選手になる」というドキュメンタリーを紹介していたが、なんだ、この映画の宣伝だったのか。
上記のとおりのストーリーで、特にどうとも思いようがない。
「観なくていいよ」です。
11年2月
「係長 青島俊作」
「踊る大捜査線 THE MOVIE 3」を観るにあたって、軽い作りのこっちも観てみた。
案外面白かったよ。
「事件は取調室で起きているんだ!」というアオリ文句に誇張ナシ。
「踊る」ファンならやはり観ておくべきだろう。
「観てもいいよ」
「踊る大捜査線 THE MOVIE 3」
ものすごく期待していたのがいけなかったのか、全然面白くなかった。
人気の連続作に驕ると、こうなってしまうんだねぇ。
織田裕二も昔ほどのイケメンではなくなっちゃったし。
個人の好みの問題ですが、大内家では大変不評だった。
「観ない方がいいよ」
「マイ・ブラザー」
トビー・マグワイア主演。
親のひいきによる兄弟の対立、ってのは、「エデンの東」を髣髴させる。
私にもいささか覚えのあるところで、神妙に観た。
しかし、トビー・マグワイアってのは、なかなかいい映画ばかりに出るなぁ。
「スパイダーマン」はもちろん大作だし、「シー・ビスケット」なんてのもじーんとくる。
今後が楽しみ。「観るといいよ」
「むこうぶち 8」
ご存知「人に鬼、と書いて『傀(かい)』と呼ばれる男」、袴田くんが熱演。
麻雀を覚えたての息子も、熱心に見ていた。
「ご無礼」と手牌を倒すのがカッコいい。
ほとんどいつも同じような話だが、もう8作目。
大内くんは、今後も観続けるつもりらしい。いったい何作目までいけるだろう。
去年の5月に息子の塾の先生たちと卓を囲んだ時に、「四暗刻」をツモリ上がった彼は、
「なぜ、あの時に『ご無礼』と言わなかったんだろう。あのシチュエーションなら、言ってもおかしくなかったのに!」といまだに後悔しているらしい。
またチャンスがあるかもしれないから、ツモを鍛えといてくださいな。
「座頭市」
香取慎吾主演はいいのだが、あまりに退屈なので、開始後15分でワイプ。
映画ってのは、最初の15分ぐらいに「つかみはOK」にならないとなかなか観るのがタイヘンなんだよね。
もちろん、ガマンして観続けていたら実は傑作だった、という経験がないではないが、一方、終わりまでガマンして観て、「あーっ、ちくしょう!金返せ!!」となるケースもあるので、どこでやめるかはかなり難しい。
今回も、蛮勇をふるいました。
でも、香取慎吾が好きな人は観てあげてください。
「9」
ティム・バートンのアニメ、と言われれば、観ないわけにはいかない。
「コープス・ブライド」とか、ものすごく良かったからね。
今回も、アニメの出来もさることながら、ストーリーも演出も良かった。
うちでは、「ティム・バートンに外れナシ」という状態だ。
それにしても、こんなアニメが作れるようになっちゃって、世の中はどうなっていくのだろう。
CGアニメの行く先は、あまりにも広がっている。
お話の方もそれに合わせて進歩してもらわないといけないのだが。
今回は満足。「観るといいよ」
11年3月
「アデル/ファラオと復活の秘薬」
「女インディ・ジョーンズ」と呼んでもいいし、「独身ハムナプトラ」と呼んでもいい、能天気なおねーさんがミイラと大格闘する能天気な作品。
面白かったかと言われれば面白かったが、ちょっとゆるすぎるかなぁ。
「いい映画だった!」と太鼓判を押すわけにはいかない、って感じ。
この手のゆるい映画は無尽蔵にあると思われ、いちいち観ていたら、人生どんだけあっても追いつかない。
「観なくていいよ」と言ってしまおう。ごめんなさい!
「クリスタル殺人事件」
原作はクリスティのミス・マープルものの「鏡は横にひび割れて」。
衛星で録画したので、画像はキレイ。
あいにく、私は昔映画館で観たし小説も読んだし、犯人も動機も何もかも知り尽くしている。
それでも観れば観たで、まあ面白い。
エリザベス・テーラーの「凝視」とロック・ハドソンの献身ぶり、最後のシーンの憔悴ぶりはなかなか名演技だ。
さすが大ベテランたち。
ほとんどセリフで語られる映画なので、小説を読んだ方がマシだ!と思う向きも多かろうが、この名優たちに免じて、「観てあげてもいいのではないでしょうか・・・」と小さな声で言っておこう。
「ヤギと男と男と壁と」
なんつーか、うちでは「シネヴィヴァン単館上映」と呼ばれるような映画だ。
わけわかんないヨーロッパ映画、って感じ。
でも、いちおうハリウッドだ。ジョージ・クルーニーとかジェフ・ブリッジスとか出てる。
「スターウォーズ」のオビワン・ケノビで有名なユアン・マクレガーも出て、しかもジョージ・クルーニーに「私はジェダイだ」と言われる。いいのか。
なんと、(ほとんど)ノンフィクションだというこの映画、面白いことは面白かった。
大内くんはこういうのに点が高い。
初デートで観たらそれっきりになりそうな予感はするのだが・・・観てもいいよ。
「必死剣鳥刺し」
時代劇がけっこう好きな我々。喜んで観た。
でもなぁ、「必死剣」って、これ?
ネタバレだから言えないけど「ありえねーだろ!」(息子流に)
なんだか、「鳥刺し」が「烏賊刺し」に見えてしまう。
「観なくていいよ」
11年4月
「ちょんまげぷりん」
嵐、今、大人気ですね。
錦戸亮が、タイムスリップして現代にやってきた「サムライ」を好演。
面白かった。
なんでそんなにすぐにお菓子作りの達人になれたのかがよくわかんないけど。
オチもなぁ・・・ともさかりえがかわいそうじゃないか!
私の大好きな小説、石川英輔の「大江戸シリーズ」を思い出したよ。
(あれは、こっちに来るんじゃなくてあっちに行っちゃう話なんだが)
「観てもいいよ」
「大脱走」
人生でもう何度観たかわからない、名作中の名作。
オトナになって観るとまた感慨ひとしお。
個人的にはディヴィット・マッカラムが好きだ。
駅でのシーンなど、横顔が高見沢さまに見えるのは私だけ?
「捕虜になったらできるだけ脱走とか企てて、相手国に負担をかけるべし」と言われて戦争やってるわけで、「敢えて虜囚の辱めを受けず」ってすぐに自決を求める日本の方針よりずっと合理的だと思うよ。
今さら、観た方がいいの観ない方がいいの言うような映画じゃありません。
まだ観てない人は、ぜひ!
「遊星からの物体X」
鬼才、ジョン・カーペンター監督、渾身の1作。
久しぶりに観たが、私は大好きだ。DVD買っちゃったもんなぁ。
全編、驚きとゲテモノに満ちている。
ラストの無言の時間が素晴らしい。
長年映画を観てきたが、これが一番好きかもしれない。
いや、やはり「ショーシャンクの空に」が一番かな。
いずれにしても私の生涯のベストテンには確実に入る作品なので、皆さんもぜひどうぞ。
ゲテモノが苦手な人にはお勧めできませんが。
「エイリアン」
「エイリアン2」
「エイリアン3」
「物体X」を観た勢いで観てしまった。
どれも力が入っている。
個人的には「3」が一番好きだ。
「1」で、「スターウォーズ」とともに、現在の「堂々娯楽大作」の路線を確立した、と勝手に思っているよ。
宇宙船の中なんかも、あの時代にしては頑張ってる感じがして、全体に「キレイ」な映画だ。
(写ってるものはあんまりキレイじゃないんだが・・・)
こちらも、ゲテモノOKの人だけ観てください。
「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」
ドラマから一世を風靡したシリーズで、ドラマ版第2弾あたりまでは我々も熱心に観ていたのだが、映画化以来、何かが鼻につくようになってきた。
「自称マジシャン」の仲間由紀恵がイヤなのか、「ウザい大学教授」阿部寛がダメなのか、全編をつらぬくダサいギャグが原因か。
もちろん面白いところもあるんだが、大内家的には「もういいや」の雰囲気。
「日本科学技術大学教授上田次郎のなぜベストを尽くさないのか」なんて、買わなくてよかった。
(「どんと来い、超常現象」は友人が買ったので、読ませていただいちゃったが)
この映画も、途中でワイプしてしまった。
阿部寛は、東野圭吾原作の警察モノドラマで演じた刑事の「加賀恭一郎」がとてもよかったので、そっちにもっと出してもらえばいいと思うです。はい。
11年5月
「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1」
DVDが出たので買って、大内くんと観た。
観たいけど勉強が押している息子は、15分ぐらい一緒に見て、離脱。
そのうちぽつぽつ見るだろう。
私は原作が好きだから結局DVDを全部買ってしまう勢いだ。
「あと1作だもんね。今さらやめられないよね」と言う大内くんは、
「これまでの中で一番面白いよ。監督さんが違うのかな」と感想を述べていた。
実際、最初の方とここ3作ぐらいは監督さん違うし。目のいい人だなぁ。
Part2を観て完結してみないと何とも言えないが、私の大好きな最終巻へと、話は大きく流れていく。
小説版の感動が保たれることを祈る。
「大奥 <男女逆転>」
原作は、私が大好きなマンガ、よしながふみの「大奥」。
二宮和也と柴崎コウで映画化と聞いて楽しみにしていたが、期待を裏切らない、いい出来だった。
ただ、脚本はほぼ原作通りだったので、ほとんど暗記している私にとっては、意外性はあまりなかったね。
「ここで、『なんとまあ、バカバカしく着飾った男どもだ』ってくるんだよね」と思っていると、その通りなんだ。
第6巻まで続いている原作では、女将軍の御世はいったん3代将軍までさかのぼり、そこからどんどん映画の8代将軍吉宗に行くんだけど、映画はマンガの第1巻だけを追って終わる。
いつかは続編も、と、願っているよ。
よしながふみが好きな方、まだ知らない方、皆さん、楽しんでください。
「SP 野望編」
大人気テレビシリーズの映画化。
とっても楽しみにしていたぞ。
岡田准一カッコいい。堤真一シブい。
ドラマほどは描き込みができなくて、知らないとよく楽しめないところもあるけど、全体としては緊張感のあるいい出来だった。
続編もあるらしい。楽しみだ。
「THE LAST MESSAGE 海猿」
シリーズ第3作。
ここまで、テレビシリーズを含むどれも良かったけど、今回も面白い。
伊藤英明がだんだん頼もしくなっていくのがいいね。
「LAST MESSAGE」と言われると、「もう死んじゃって、終わっちゃうのか?!」とあせる。
まあ、映画を観てみてください。なかなかの感動作です。
「観てもいいよ」
「ロビン・フッド」
ラッセル・クロウとケイト・ブランシェットとくれば、観ずにはおけまい。
戦闘シーンにお金がかかってる、という印象だが、そういうとこでケチると台無しだから、これでよかったんだろう。
「ロビン・フッドがいかにしてロビン・フッドとなったか」というお話だったのね。
全体にバランスのいい、まとまった映画だという印象。
問題があるとしたら、まとまりが良すぎて印象に残らない、という点か。
「観てもいいよ」ではあるので、観てみてください。
11年6月
「パピヨン」
ツタヤで、「ショーシャンクの空に」を宣伝するついでに脱獄モノの王道として紹介されていたので、つい借りてしまう。
確かに王道だ。
これを、今まで観たことがなかったのは問題だ、と、不明を恥じる。
「ショーシャンク」もそうだが、人は無実の場合に、より脱獄に励むのだろうか。
音楽もいいし、これは観ておくべき1本だろう。
ダスティン・ホフマンが若いくせに老けていて、「クレイマー・クレイマー」がこの映画より後だ、と知ってちょっと驚いた。
ド近眼メガネがウッディ・アレンみたい。
スティーブ・マックイーンは何だか常に脱走を試みている人、という印象になってしまうし。
「観るといいよ」です。
「アルカトラズからの脱出」
こちらも脱獄モノ。
クリント・イーストウッドが頑張る。
やっぱり脱獄を防ぐには時々房を変えないとダメだね、まるっきり「ショーシャンクの空に」じゃん、と思う。
こつこつ穴掘り。脱獄にはそれしかないのだろうか。
こちらもさすがは古典、ツタヤが薦めるだけのことはある。
観ておくべきでしょう。
「コクーン」
大昔に観て好きだったので、アマゾンでDVDを買ってしまった。
今、それ以外の方法で観られるのかどうか、自信がない。ツタヤには置いてないようだし。
で、老人の話なんだよね。
昔観た時に比べて自分にとって話題が切羽詰っているか、と考えながら観たけど、「老人の視点」になるにはもうしばらくかかりそうだ。
それより、宇宙人が進んだ文明と慈悲深さを持って地球人に接してくれる、と思うのは間違ってるんじゃないだろうか、という方が先に来る。
30年近く前に映画館で観た時、後ろの席で、おばあちゃんが孫と思しき青年に、「コクーンって、どういう意味?」と聞いていたのだが、青年は、「適当。特に意味はないよ」と答えていた。
「コクーン」というのは「まゆ」のことだ!プールにいっぱい沈んでるだろ!いい加減なことを言うな!と振り返って叫びたかったが、じっとガマンした。
1人で映画を観た頃の、なつかしい思い出である。
「最後の忠臣蔵」
最近、時代劇が好きな我々だが、レンタルビデオでも「サムライ・シネマ」としてこの作品や「武士の家計簿」「13人の刺客」などをまとめてキャンペーン中。
みんな好きなんだね。
さて、この映画では、役所公司と佐藤浩市が赤穂義士の後始末。
つーか、大石内蔵助、部下に怯懦の汚名を着せて自分の隠し子を世話させる、そんなんでいいのか!?
役所公司が気の毒じゃないか。
エンディングは、もっと別の終わり方もあったんじゃないかと思う。
いろいろ言うけど、「とても面白かった!」と思えばこそだ。
今、邦画は、時代劇だね。他の作品も観てみよう。
「観るといいよ」!
「武士の家計簿」
森田芳光の作品はわりと好きだ。「家族ゲーム」とか「ときめきに死す」とか。
今回のもとてもよかった。
やっぱ、「家計簿」ってとこがポイント高いか。
淡々とした味わいがステキだぞ。
堺雅人は、うちではたいそう評判がいいんだ。
「南極料理人」とか「ゴールデンスランバー」とか「クヒオ大佐」とか、どれも面白い。
(南極は、ちょっと文句つけたいとこもあるかな)
大河ドラマの「新新組!」で、山南敬助をやったので、大内くんとの間では「山南さん」と呼ばれ、本名はなかなか思い出してもらえない。
「観るといいよ」ですね。
11年7月
「デイブレイカー」
まあ、普通の「ヴァンパイアもの」なんだが、最後の方は血なまぐさくて閉口した。
「ブレイド」や「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の格調にはまだまだ遠い。
あまり目新しいところがなくて、B級映画だね。
「ポーの一族」にやられちゃった中学時代以来、ヴァンパイアというと「お耽美」だと思ってる自分がいる。
物量作戦で、「人間は人口の5パーセントしかいない」という設定は、少し面白いかも。
でも、そういう世の中になったら、私はすぐにヴァンパイアになってしまいたいよ。
「観てもいいよ」
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」
「思ったほどクソではない、という評判通り、思ったほどクソではなかった」と友人がブログに書いていたが、まさにそのとおりの映画だった。
キムタクに泣かされちゃうのだけは避けたい、と思っていたけど、大内くんともどもちょっとこみあげてくるものとの戦いに負けちゃったよ。
真田さんと斉藤さんのシーンはもう、気持ちよく泣く準備をして臨んだけどね。
「デスラーとスターシャを誰がやるのか」という点を封切りまで隠ぺいしていたんだが、確かに、あれでは説明のしようもあるまい。
全体に、キャスティングの妙だった。
「地球か・・・何もかもなつかしい」という名セリフもちゃんと入ってるよ。
意外と面白かった。
すっかりヤマトに洗脳された我々にとっては、それなりに思い入れがあるもんだ。
息子は画面を見るなり、「やすっ!」(安っぽい、の意だと思われる)と言って離脱してしまったよ。
今の若い人の評価はそんなもんか。
「借りぐらしのアリエッティ」
昔大好きだった「ジブリ映画」を、「今はもう観る価値のあるものはほとんどない。僕はもういい」と語る大内くんに、
「いいじゃない。せっかく話題作なんだから、観ようよ」と懇願し、なんとか上映会。
「人形の家」がいいなぁ。
ミニチュアが大好きな私は大興奮だ。
水の大きさがちゃんと描いてあるところもナイス。
アリエッティたちのカップには、お茶が2滴ぐらい入るともういっぱいだし、アリエッティが泣くとむやみに大粒の涙が流れる。
となるとやはり、涙腺も太くないといけないよね。
文句をつけたいのは、彼らの服の生地の薄さ。
ドールハウスでも、カーテンやカーペットの布地の厚さ、は大敵なんだよね。
なかなか面白かったけど、実は何も語るほどのストーリーはなかった、ということにあらためて気づく。
「観てもいいよ」
「13人の刺客」
恐ろしく血なまぐさい。
暗い照明にグロテスクな演技。ちょっとうなされそう。
これも「サムライ・シネマ」の1本なんだが、「武士の家計簿」あたりとはだいぶ雰囲気が違うね。
稲垣吾郎がこんなに迫力ある役をやったのは初めて見たが、なかなかよかった。
よく、洋画で「10数分にわたる銃撃戦が見どころ」とか言うが、「10数分にわたる剣劇戦が見どころ」だったよ。
妙な迫力に、「観るといいよ」と言っておこう。
ただし、気の弱い人には向かないかもしれません。
11年8月
「相棒−劇場版U−」
相棒は、ドラマでも火がつき映画が2本目か。売れてるねぇ。
でも、我々はドラマは好きだが「劇場版」をまったく評価できない。
少しも面白くない上に、右京さんがあんなに走り回ってどうする!って感じなのだ。
ドラマの新シーズン開始は大歓迎だが、映画はもういいや。
「観ない方がいいよ」と言い切ってしまうのは実は珍しいケースだが、今回はそれに相当すると思う。
観たい人はどうせ観ちゃうんだし。
「あしたのジョー」
山口智久のジョーに期待する以上に、伊勢谷友介の力石に期待して観る。
うん。期待を裏切らない素晴らしい仕上がりだ。
本当に力石、て感じだったよ。
青山くんもカーロス・リベラも出てこないし、白木葉子の謎の過去があったりして、お話自体は原作マンガとはかなり違うんだけど、こういうまとめ方もアリか、と思う程度には納得できた。
まあ、作った人としてはリングの上のCG満載の映像を楽しんでもらいたい、と思っているんだろう。
充分楽しませてもらった。
邦画も、息を吹き返しかけてるか?!と期待が持てるよ。
今から原作マンガの方を読もうっと。
「ビューティフル・マインド」
観るのは3回目だと思うが、毎度新しい発見があり、面白い。
さすがはアカデミー賞。
今回は大内くんとタイトルについて話し合い、結局、「強い意志」というような意味なのではないか、というあたりに落ち着いた。
ラッセル・クロウは数学者のわりにはガタイ良すぎだろう。上腕二頭筋とか。
個人的にはエド・ハリスが好きだ。「スターリングラード」が良かったなぁ。
「いい映画を観ると、とても心が安定する。「観るといいよ」
11年9月
「桜田門外の変」
「サムライ・シネマ」と銘打った5本の中の1本。
残念なことに、私は途中で寝てしまったので、感想が書けない。
「最後までちゃんと観た」という大内くんに聞いたら、
「普通に面白かった。僕の祖先は桜田門外の変に行く予定だったけど、おなかが痛くなってお休みしてる間に全部終わっちゃったんだ」という返事。
それは、いかにも大内くんの先祖がやりそうなことだ!
「ミート・ザ・ペアレンツ3」
ロバート・デニーロは仕事をあんまり選ばないのか、この手の安いコメディに時々出てる。
ダスティン・ホフマンの方は最近あんまり見なかったけど、元気そうで何より。
映画自体は、まあ不思議な面白さがあって、合格点か。
嫁と姑がうまくいかないとはよく言うが、義父と婿も大変そう。
こんなもののシリーズをどんどん作っちゃって、どうするつもりなのか、という点は気になるが、まあ、「観てもいいよ」。
「壬生義士伝」
浅田次郎原作のこの映画は、年末のワイド時代劇にもなっていて、映画版は中井貴一、ドラマ版は渡辺謙が主人公をやってる。
どっちが好きかは好みの分かれるところだろう。
浅田次郎の最近の著書「一刀斎夢録」という斉藤一が主人公の小説を図書館で借りて読んだら、同じ新撰組を扱ったこの映画が観たくなったのだ。
今度ヒマがある時にドラマ版も観返してみたいが、何しろ10時間以上だからなぁ。
映画版は2時間ちょっとで、尋常なんだけどね。
「観るといいよ」だと思います。
「英国王のスピーチ」
アカデミー賞なので、買ってしまった。
画はキレイだが、わりと「小さな映画」という感じだ。
大内くんは、「アメリカン・ビューティー」を思い出す、と言っていた。
私は皇室・王室が好きなので、大変面白く観たよ。
(「王冠を賭けた恋」の正体は、実は英国から年金をもらってアメリカで贅沢に暮らしていた、なんてことを知った今でも)
いつもは吹き替えで観るけど、今回は絶対字幕だね。
それでも、「ファック」や「シット」のタブー感がわからないので、外国映画を100パーセント理解して観るのは不可能だなぁ、と思った。
床を転がる「吃音の治療法」は、「口にカラス玉を7つ入れてしゃべる」というのとどのくらい違うんだろうか?というのが最大の謎。
「観るといいよ」でした。
11年10月
「X−MEN ファースト・ジェネレーション」
このシリーズは大好きなので、問答無用で借りてきた。
実は、「きっとダメダメだろうなぁ。つきあってくれる大内くんにも悪いなぁ」と思っていたのだが、観たら、なんとものすごく面白かった!
「マグニートー」と「プロフェッサー」の若かりし頃のお話。
実は「ウルヴァリンくん」もほんのちょっと出る。セリフは「おとといきやがれ」だけだが。
大内くんも、
「シリーズものの後の方は前作におんぶに抱っこでまったく面白くない、というケースが多いんだけど、これはすばらしいね!」と絶賛していたよ。
「ターミネーター」なんて、「3」のあたりでもうダメになってたのに、「X−MEN」は第5作にしてまだ命脈を保っている。
思わず、家になかった「ファイナル・ディシジョン」を買ってしまったよ。
今度、大内くんと一緒に「1」からゆっくり全部観よう。
受験生である息子が観るヒマがないのが、気の毒だ。
「SP 革命編」
正直言って、前半は面白くなかった。
テレビシリーズはすごく良くて、でも「野望編」はあんまり面白くなくって、これにもあんまり期待してなかったんだよね。
前半、2人とも何度も「もうワイプしちゃおうか」と言っていたんだけど、後半になったら俄然面白くなった。
観終わった時は、「これを、途中でやめちゃわなくてよかったね!」と2人で喜ぶ。
映画ってのは、どこが面白いのかわかんないもんだ。
続きがまだあるような雰囲気なので、楽しみにしておこう。
「太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−」
竹野内くんを観るのは久しぶりだ。
終戦時のサイパンでのお話。実話だそうだ。
「邦画で、こんなにきちんと戦争をふり返ってる作品はあまりない。素晴らしい出来だ!」と大感動の大内くん。
確かになかなか深い映画だった。
「侵略しにくるケロロ軍曹」なんてものを当たり前のように見てちゃダメだよなぁ。
もう二度と、戦争が起こらないよう祈っている。
「観るといいよ」
「ヒア アフター」
最初に浮かんだのは、「今の日本でレンタルしていいのか?!」という感想。
なにしろ「大津波」で始まるんだよ。
霊能力者のマット・ディモンは兄ちゃんに食い物にされていて、「特殊能力も苦労のタネだなぁ」。
全体をおおう悲しげな雰囲気がよかった。
地味な作品だが、「観てもいいよ」であった。
11年11月
「漫才ギャング」
お笑いでテッペンをめざす若い漫才コンビの話。
吉本主催の漫才大会に出てしまう受験生をかかえて、何やら他人事とは思えない。
つい殴り合いをしてしまう凶暴な連中を見てると、「息子よ、黒帯はケンカしちゃダメなんだぞ!」とこぶしを握ってしまうし。
涙あり笑いあり、最初から最後まで文句のつけようのないストーリー運びで、邦画は今、こんなにレベルが上がっているのか!と目からウロコが落ちたよ。
ラストで、「相方は誰だ!?」と、思わずググってしまった。
このままでは、年末の「大内家賞」を決める時にどこかに入っちゃうかも。
こういう娯楽作を、もっと作ってもらいたい。
特大の、「観るといいよ」でした。
「アンノウン」
ダスティン・ホフマンを観るのは久しぶりだ。
中身はよくある「特定の人物の存在が消されている」というやつ。
「フォーガットン」とか「フライトプラン」とか。
あいにくなことに途中で寝てしまったので、映画としてどうだったかの評価は難しい。
起きていた大内くんによれば、「なかなか面白かったよ」ということだが、彼の映画の評価は私よりずっと甘いというか、親切なので、少し割り引いて聞いた方がいいかも。
「マイティ・ソー」
実に残念なことに、まったく面白くなかった。少なくとも導入部は。
久しぶりに何の後悔もなく「ワイプ!」と叫べる。
いや、マーベルだから間違いはないだろうと思って、けっこうガマンして観たんだけど。
「ブレイド」とか「デアデビル」みたいなのを期待しちゃった。
元気のある時ならもうちょっと行けたかもしれないが、今回は観るのやめて昼寝しよう。
「日の名残り」
アンソニー・ホプキンスが実にシブい。
「執事モノ」ってどうしてこんなに楽しいんだろう。
「うちにも執事さん欲しいね!」と言いながら、もう3、4回は観てるこの映画にまた感心する。
あんまり面白いので、DVD買っちゃったよ。
大内くんは、「無人島に持って行く映画の5本、と言われたら少し迷うかもしれないが、10本だったら文句なしに入る」と絶賛していた。
いい映画というものは何度観ても発見があり、今回は「背景が世界史だなぁ」としみじみ。
大英帝国の「日の名残り」、主役の執事さんの人生の「日の名残り」を堪能した。
ぜひ「観るといいよ」。
「エレファント・マン」
「日の名残り」と合わせて、アンソニー・ホプキンズ祭り。
若いころからハンサムだなぁ。
以前にも観たことがあるのだが、とても悲しく美しい映画だ。原作も好き。
人間の尊厳というのはどこで測るものなのだろう。
奇形をがばっと写しちゃうところが誠実だ。
(チラ見せであおる映画も多かろう)
私の大好きな1本だ。観るといいよ。
11年12月
「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1」
「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2」
いやぁ、ついに終わりましたね。
始めたころは、「きっと途中でポシャるだろう」と思っていたのに、最後まで映画化しちゃいましたよ。
原作が好きなので映画も全巻持っているが、一般のご家庭にぜひ、とは思わない。
途中から制服のマントは着ないし、みんな頭が恋愛でいっぱいになっちゃってやたらにもめるし。
それでも、立派な映画である、と大内くんは言う。
(この最終巻上下に限るらしいが)
私は、原作に影響を受けすぎていて、映画としてちゃんと観ることができないよ。
当然大なたでばっさばさと枝葉を落としているので、話がつながっているかも心もとない。
まあ、ハリー・ポッターに乾杯!
「プリンセス トヨトミ」
荒唐無稽、という意味では、大変な映画だった。
最初の20分ぐらいが退屈で退屈で、よっぽどワイプしちゃおうかと思ったんだが、ある一線を越えると急に面白くなってきた。
「大阪人」というものは何やら秘密結社のようなところがある、と思ってたので、何やら積年の謎が解けたような気にすらなる。
玉木宏をただの「たこ焼き屋のあんちゃん」に使って合計1分ぐらいしか映画に出さない、というのはなかなかの大盤振る舞いだなぁ。
堤真一もいい味出してたし。綾瀬はるかが出てなければもっとよかったんだが。
邦画としては、いい出来だと思う。
「観るといいよ」
「レア・エクスポーツ」
サンタさんというものは、日本以外の国ではあんがいオソロシイものだ。
ヨーロッパでは、「悪いことをした子供の靴下には動物の臓物を入れていく」そうじゃないか。
そんなコワいサンタさんを描いたもの。
観終わって、大内くんは、
「サンタとなまはげは絶対関係があると思う。この謎を解くことを一生のライフワークにしたい」と興奮していた。
しかし、映画としてはそう面白いものではなかった。観なくていいよ。
「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」
詐欺師の話なんだが、それなら「スティング」とか「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の方がよかったなぁ。
大内くんはそれなりに面白い、と言っていたが、どうも彼と私は映画の趣味が合わないようだ。
私は半分寝ていたので、正確なコメントは出せないし。
大内くんを信用してもいい、と思う方は、観てください。
恒例の「大内家シネマ賞」を発表します。
今年は53本の映画を観ました。
例年より少ないのは、大内くんが忙しかったせいだと思います。
選ぶのが楽かと思いましたが、それなりに難航しました。
1位
「X−MEN ファースト・ジェネレーション」
誰にも過去があり、未来がある。
つないだ絆が大きな感動を呼ぶ時、人はそれを「歴史」と呼ぶ。
2位
「あしたのジョー」
白いリングにたった2人で夢を追う、ジョーと段平のサクセス・ストーリーの行方。
「泪橋を逆に渡る」ことはできるのか。
3位
「ヒア アフター」
孤独に彷徨う世界各地の3つの魂がロンドンで出会い、洪水の中に垣間見えた何かが復活する。
老獪クリント・イーストウッドの稀にみる快作。
邦画賞
「漫才ギャング」
「お笑い芸人」を目指す息子に見せてやりたい。
険しくも楽しい、一流への道。
アニメ賞
「9」
鬼才、ティム・バートン渾身の1作。
CGアニメの地平はどこまで広がるのか?!
皆さんのシネマライフの参考になれば嬉しいです。
来年はもっとたくさん観たい!
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「シネマ日記」目次へ
「大内家」へ