12年1月
「アンダルシア 女神の報復」
織田裕二主演の「アマルフィ 女神の報酬」の続編ですね。
だいたい、「2」は難しいんだよ。
特に、この映画の場合、前作もさほど面白いとは思わなかった。
(「じゃあ、なんで続編借りたの?」と大内くんの声がする・・・)
新年1発目の映画なのでいい点をつけたかったんだけど、ちょっと無理。
「観なくていいよ」
「日輪の遺産」
浅田次郎原作。何やらとてもじ〜んとくる。
ていねいな作りの、いい映画だった。
戦争末期の話なんだが、どうして日本人というやつはこうも死にたがるのか。
最初と最後の部分で現代を語る手法が好きだ。
八千草薫はキレイなおばあさんだなぁ。
余談ですが、昔、私の父は「どうしてうちのカミさんは八千草薫じゃないんだ・・・」とつぶやいて、壮大な夫婦ゲンカを巻き起こしたことがある。
「観てもいいよ」(いや、夫婦ゲンカを、じゃなくて映画の話ですけどね)
「デビルクエスト」
ニコラス・ケイジが出ている以外、とてつもなく「どーでもいい」映画だった。
「ウィッカーマン」の再来だよ。
だが、大内くん曰く、
「たまにはこういうのも観なくちゃいけない」。
確かに、名作を名作として楽しむためには、駄作もまた魂の肥やしなのだ。
ゾンビ物はいやだよう。
「黄色い星の子供たち」
ジャン・レノ主演、と書いてあるけど、本当か?ちょっとしか出ないのに、主演扱いか?と猜疑心のカタマリになって観ていたら、出てくるのが多少遅いだけで、まあ、主演と言っても詐欺にはなるまい、という映画。
パリでのユダヤ人検挙を扱ったフランス映画なのだが、ものすごく良かった。
フランス人たちがご近所のユダヤ人たちをかくまうとこなんか、ずぅっと昔に観た「バティニョールおじさん」を思い出したよ。ついでに「シンドラーのリスト」も。
最後の10分間、私はあふれる涙をぬぐおうともせず、画面に見入っていた。
涙はあとからあとからはらはらとこぼれ落ち、こんなにさわやかに泣いたのは何年ぶりだろう。「ライフ・イズ・ビューティフル」とか「A.I.」以来かなぁ。
「デビルクエスト」みたいなハリウッド映画がバカバカしく思えてくる。
まあ、ヨーロッパ映画なんかめったに観ないから、その分、厳選された作品だけが日本上陸するんだろう。
本当にいい映画だった。力いっぱい、「観るといいよ!!」
12年2月
「ハワーズ・エンド」
お貴族モノのマンガ、「エマ」の作者がオススメしてくれたイギリス貴族モノの映画。
アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンの顔合わせは「日の名残り」とおんなじ。
「日の名残り」の方が少し出来がよかったかな。
どっちにしろ、私の好きなタイプの映画だ。
お貴族の約束事がわかってないと少しつらいかもしれないが、まあまあ。
アンソニー・ホプキンスは、「旦那さま」より『執事」が似合う。
(エマ・トンプソンの方も女中頭が似合う)
執事のいる暮らしに心底憧れながら、「観てもいいよ」。
「X−MEN」
「X−MEN2」
「X−MEN ファイナル・ディシジョン」
「X−MENゼロ ウルヴァリン」
「X−MEN ファースト・ジェネレーション」
突如起こった「X−MEN」祭り。
いや、テレビでウルヴァリンやってて、全部観たくなっちゃったのよ。
大内くん曰く、
「名作だ。『エイリアン』同様、家にフルセット置いておきたい」。
普通は過去にさかのぼって話を作ると「前作におんぶに抱っこ」という仕儀に至るのだが、このシリーズはそれがない。
本当に映画らしい、面白い映画だと思う。
「観るといいよ」。しかも全部ね。
12年3月
「猿の惑星:創世記 ジェネエシス」
猿の惑星と言えば、やはり初代だよね。
SF映画史に残る名作というか、あのラストを使われちゃうと、他の人は類似のことがまったくできない。パクリである、とされてしまう。
そんなシバリの中で、まあまあ健闘してるか。
CGがむちゃくちゃ安いのがつらい。
こういう暗示的な終わり方は、私は好きだ。
全体に、思ったよりは良かった。でも、2回観たいとは思わない。そういう位置づけ。
「神様のカルテ」
桜井翔主演の医者モノなので、てっきりお涙頂戴かと思いきや、意外と前衛。
もちろんそれほどディープな前衛ではないが、私は苦手なんだ。
借りるのを猛反対した大内くんの方が、「案外面白いじゃない」と言って観ていたが、時間が足りなくなって、翌日の昼間に私だけが観て返しに行った。
帰ってきた大内くんに「どうだった?」と聞かれ、「加賀まり子の件以外、何も起こらなかった」と報告したら、「そうか」という返事。
わざわざ借りてみるほどのものではないかもしれない。「観なくていいよ」
12年4月
「マネーボール」
ブラピが出てくる「野球内幕話」の映画だった。
当然私には面白くなかったんだが、大内くんはたいそう気に入ったようで、「面白い映画だねぇ」と始終私に感想を求める。
いや、だからさぁ、誰と誰をトレードするとか、それは難しい話だよ。
まして、アメリカのメジャーリーグの話なんだよ。
巨人とか阪神の話ですらついていけないのに。
というわけで、この映画の評価は、私「観なくていいよ」、大内くん「観るといいよ」と、めずらしく夫婦で違う結果が出ました。
選択は皆さんにおまかせします!
「はやぶさ/HAYABUSA」
私は、機械が勝手に動いているとつい彼らを擬人化してしまう。
安アパートで独り暮らししてた頃、夏の暑い盛りに外出して、帰ってきたら扇風機が無言で首を振っていた。
扇風機を抱きしめて泣いてしまったよ。
そのように擬人化された最新のものが、この「はやぶさ」。
やはり、行方不明になったのに帰ってきたところがポイント高いんだろうか。
月に行くのがやっとだった頃からすると、科学はずいぶん進歩した。
ただ、私は宇宙人の存在を信じてはいるものの、彼らが高度な知性と文明を併せ持ち、地球人を導いてくれる、なんて幻想は持ってない。
なので、「ボイジャー」に地球の細かいことをいろいろ書きこんだレコードを積んだことには否定的だ。宇宙人に個人情報保護法は通じないと思う。
そんなことを思いながら、それでもたいへん面白かった。竹内結子は少しヘタだが、西田敏行に救われて、「観てもいいよ」
「DOG×POLICE 白い絆」
犬嫌いの大内くんが、ガマンしてつきあってくれた。
ただし、彼は犬全般キライなのだが、「お仕事をしている犬」だけは例外なのだそうだ。
今回も、警察のお仕事をする犬なので、OKだったみたい。
でも、「アルビノで身体も弱いのであれば、ムリに仕事をさせるのは良くないんじゃないか」と心配そうだったが。
犬を飼っている友人によると、大内くんは、「飼ったら絶対はまるタイプ。ものすごく可愛がると思う。絶対そう」と断言できるタイプらしい。
映画としてもよく出来ていて、邦画の可能性を感じる。「観てもいいよ」
12年5月
「ツリー・オブ・ライフ」
ブラピが主演のこの映画、私がつかんだものだが、途中から私は、「ここまで『観ない方がいいよ』と心から言える作品も珍しい。今後しばらく、大内くんに『これ観ようよ。面白そうだよ』とは言えないなぁ」と思いながら観ていた。
そのぐらい、ワタシ的にはひどかった。
ところが、驚いたことに大内くん的にはものすごく「ストライクゾーン」だったらしい。
「僕は、自信を持って『観るといいよ』って言うなぁ」
ことほどさように、人の好みというのはわからない。
出会って30年、結婚して23年だが、まだまだ謎は多い。
そんな「人生」についてのある種壮大な話です。観たい人は観てください。
「一命」
どうして武士は切腹をするのか。
どんなに恥ずかしい目にあっても、命あってのものだねじゃないか。
邦画の時代劇を観ていると実によくこの命題に接するけど、いまだに切腹する人の気持ちはわからない。
なので、ある意味とても救いのない話なんだが、さすがに三池崇史監督で、暗いながらも伝えたいことはちゃんと伝わってくる。
「十三人の刺客」もなかなかよかったし。
でも、世界のクロサワになるにはまだまだ修行途上だなぁ。
「レナードの朝」
ロバート・デニーロが主演している、難病モノ。
昔1度観たけど、どうしてももう1回観たくて、借りてきた。
「アルジャーノン」じゃないけど、人間、一番つらいことは、現在持っている能力が、時間の問題で機能しなくなることだろう。
涙が出た。できれば医者になって、ロバート・デニーロを助けてあげたい、ともうちょっとで思っちゃうところだった。
「観るといいよ」なので、ヒマがあったら観てください。
「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」
なんつーか、こういう「陰謀モノ」って苦手。
悪くはない、という印象は受けるものの、「『ミッション・インポッシブル』、最初のや
つはわかりやすかったなぁ、と思う。
大内くんに、「で、誰が悪いヤツなの?」と聞きまくりながら、なんとか最後まで観ました。
トム・クルーズはあいかわらずイケメンだが、今回はまた、特に苦労の多いミッションだ。
ビルの壁をよじ登るシーンはスタントなしでやった、って、本当なんだろうか。
惜しいかな、CGが安い。
「観なくていいよ」クラスの映画であった。
でも、続編出たらまた観ちゃうかも。
「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」
私の大好きなタイプの映画だ。
原作も、おなかに赤ん坊がいて切迫流産になりそうで、それでも入院はしたくなかったの
で家で絶対安静にしていた、まさにその時に、ヒマにまかせて 全部読んだ。
それなのに。
面白くない。
ちょっと「黄金の羅針盤」に似た、凝った映像ではあるのだが。
大内くんは、早々に出てきた「ミレディ」に、「『ふぅ〜じこちゃん』そっくりじゃん。
どうして男ってのはこういうのに弱いのか!」と怒っていた。
結局、20分ぐらい観たところでワイプ。残念でした。
12年6月
「ワイルドセブン」
ストーリーがとってもありがち。
7人の過去や人となりを、ちょっとしたエピソードで解説、ってのもない。そういうとこ手を抜いちゃダメなのに。
(たとえば天才詐欺師、というなら、警察をひっかける頭脳戦を描くとか)
中井貴一の「草波さん」はなかなかナイス・キャスティングだね。
そもそも飛葉ちゃんを瑛太にやらせるところが、ちょっと外した感じでかえって味になってる。
椎名桔平の「世界」もシブいし。でも、せっかくだからもうちょっと生きた使い方をしてもらいたかったな。
全体にダメでしょう、と最初は思ったけど、迫力の銃撃戦とバイク・アクションに、いつの間にか口開けて観てた。
原作を読みたくなってぱらぱらめくってみたら、やっぱり原作の方がいいや。
「観なくてもいい」のだが、「観てもいい」ような気もする。皆さんの好みにまかせましょう。
「ステキな金縛り」
昔は西田敏行が大キライだったんだが、ドラマの「タイガー&ドラゴン」とか観てるうち
に、達者な演技力にやられてしまった。
今では高い評価。
三谷幸喜の映画は久しぶりだけど、けっこう良かった。
「幽霊が、この世で何ができるか」というのはわりと大事なポイントだね。
「ゴースト ニューヨークの幻」みたいに、コインを動かせるとか、霊媒師を連れて来るとか。
阿部寛の使い方もいい。簡単に死なせすぎだが。
あまり難しいことを考えずに、気楽に観て面白い、良い邦画だった。
どうしても蛇足をつけちゃうのはこの人の癖だからもうしょうがないし。
「観てもいいよ」でした。
「サラリーマンNEO 劇場版(笑)」
まあまあだったけど、テレビ版を観てない人でも「セクスィー部長」の意味がわかるもんだろうか?
企業の商品開発部というのは面白いんだろうなぁ。
私は、7年会社勤めをしたが、1度も「企画書」を書いたことがないので、企画をする人には頭が上がらないんだ。
でも、ビールの新商品は作りすぎだよね。
商品開発と宣伝にお金がかかりすぎるからビールは高いんだ。
「セクスィー・ビール」、飲んでみたくなる、というほどではなかった。そこが残念。
25年ぐらい前に、ピンクのビール「Bee」というのがあったことを、覚えてる人はあまりいないだろう。
「観なくていいよ」
「グレート・ディベーター 栄光の教室」
デンゼル・ワシントン主演で、黒人の学校が頑張って全米一になる、という、実によくあるストーリー。
例によって「based on true story(実話に基づく)」であるし。
フットボールとか、いろんなジャンルである話だ。
大学で「ディベート」の練習をしたが、特に面白かった記憶はない。
頭脳の格闘技だとは思う。日本ではまだまだやらんだろう。
それなりに感動に似たような感覚は覚えるものの、「だから、なに?」という感じは否めない。
「観なくていいよ」
「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」
久々に観る「Mr.ビーン」のローワン・アトキンソンだが、この人の「アホの演技」にはどうしてもついていけない。
観始めて10分で、ワイプしてしまった。
これは、映画が悪いというよりはこっちの体調が悪かったような気がする。
「オースティン・パワーズ」や「裸の銃を持つ男」みたいに、あるジャンルを形成する1本ではあります。
なので、観るのを止めはしません。
「J・エドガー」
FBIを作っちゃったフーバー長官の話。私でも知ってるぐらい有名な人だ。
ディカプリオが老け役に体当たり。
そこそこ骨太な、楽しめる映画だった。
クリント・イーストウッドって人は、俳優としてももちろん偉いが、今回のように監督とやるとまたいっそう味がある。
この手の話は大内くんが好きなので、たいへん楽しく観たらしい。よかった。
「極道めし」
同名のコミックスが原作。
まずね、面白いかどうかより、お食事中の人にはお勧めできない。
「人間は良い筒たれ」というのが大内くんの座右の銘だが、ホントに、入れて出すのが人生だ、っつー感じがするよ。
かと言って、あまり空腹の時に見るのも身体に悪いので、軽く何かをつまみながら、でどうでしょう。
熱燗つけて、サキイカかじりながら、ぐらいがちょうどいいかなぁ。
食事は、本当に大事です。
「檻の中」の食事があんがいご馳走(というか、まあ食べるに充分なおかず)なので、人によっては、ホームレスになってゴミ箱あさるより塀の中のご厄介になりたいと思うのではないか、と、勝手に危惧してしまった。
「ラヂオの時間」
三谷幸喜を観てたら、これが観たくなった。
幸い、家にテレビ放映をダビングしたものがあったので、どこかがカットされてるだろうなぁ、とは思いつつ、観る。
やはり、面白い。
ただ、ネタバレで申し訳ないが、大内くんも私もラストの渡辺謙の行動にはいささかの不満があり、「たんぽぽ」を思わせるトラック野郎の彼は、号泣しながら遠ざかって行くべきだった、と思う。
深夜のラジオ局に彼が来ちゃう、ってとこに、三谷幸喜の「密室劇」になってしまう傾向を感じるよ。
いろいろ観たくなったなぁ。今度は「みんなのいえ」でも観るか。
「The 有頂天ホテル」
最近立てつづけに三谷幸喜を観てる。
「ステキな金縛り」のせいかもしれない。
相変わらずの「密室劇」で、有名な俳優さんずらっとそろえて、豪華だった。
私は就職の時に親に「ホテルに勤めたら?」と言われたもんだが、こういうの観てると「なんなくてよかった!」と心から思うよ。
今度機会があったら「みんなのいえ」でも観るかなぁ。
「少年は虹を渡る ハロルドとモード」
これはね、じつはもう35年ぐらい前から1度観てみたいと思っていた。
本で読んで、バッド・コートくんの写真にやられて、その後ずぅっと観たかったのだ。
テレビでやると聞いたが神奈川テレビだったので映らなかったとか、放映予定日の1週間前に勝手にやっちゃったとか、いろんな目にあった。
3年ほど前についに「海外版 当然英語のみ」ってDVDを手に入れたはいいが、大内くんによれば、
「リージョンの問題で、3回しか観られないようになってる」のだそうだ。
英語も字幕ないとわからないしなぁ、と手をつかねていたのだが、このほど、ツタヤの「名作コーナー」でお目にかかった。
もちろん、即、借りた。
で、観てみて、「これが35年分の重みかぁ・・・」と放心した。
実はね、映画としては大して面白くない。時代の病の話、って感じ。
バッド・コートくんも「M★A★S★H」に出てた時の方がカッコ良かったかも。
さあ、次の夢はヴィレッジ・ピープルの「ミュージック・ミュージック」だ!
あーあ、夢がかなうってのも、良し悪しですね。
12年7月
「キック・アス」
外出していたら、家にいる息子から電話がかかってきて、「ツタヤで借りてきてほしい」と言われたのがこの映画。
2010年にリリースされたものらしい。
せっかくだから我々も観ようか、と観終わった息子から返してもらって、ぼーっと観る。
だが、この「ぼーっと」がいけなかったのか、2人とも猛烈に眠くなってしまった。
ニコラス・ケイジが出てきてもこの眠気が去らなかったので、ついにあきらめてワイプ。
面白くない映画だとは思わないのだが、こちらのコンディションが悪かった。
なので、批評はまったくできません。各人で観てください。
「ザ・マジックアワー」
最近の大内家では、三谷幸喜が少し流行っている。
「ステキな金縛り」以来の現象だろう。
今回観たのは佐藤浩一と妻夫木くんが出てくる、伝説の殺し屋「デラ富樫」をめぐるお話。
観るのは2回目だが、1回目より面白かったような気がする。
映画は、いったんストーリーがわかってから観ると、細かいところまで見えてきて、また違う味わいがあるもんだ。
三谷作品の中では地味な方かもしれないけど、「観てもいいよ」と思う。
「コクリコ坂から」
全く期待していない、と言うか、ジブリ作品は好きだっただけに今では二度と観たくない、と思ってるらしい大内くんを説得して借りてきた。
案の定、最初の方では「絵が動いてない。紙芝居だ」といった不満が噴出していたが、途中からなんだかとってもいいカンジになってきちゃった。
ポイントは、「カルチェ・ラタンの大掃除」でしょうか。
日本のアニメも、まだまだ捨てたもんじゃない。「観るといいよ」。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
アカデミー作品賞の呼び声も高いこの作品、どうだろうか?と、久しぶりにドキドキしながら観た。
結論は、「まあまあ」。
何やら監督さんや俳優さんたちに失礼な気の抜けた感想だが、アカデミー賞をとるにしても、「アメリカン・ビューティー」みたいな、あんまり大作大作してない造りだと思う。
アメリカの人々は「9.11」が忘れらないんだなぁ、あたりまえだけど。
その点はやはり、胸をうたれた。
あとは、トム・ハンクスはやせたり太ったり、自由自在だなぁ、って思ったけど、他人のことだ、ほっとけ!
「1911 辛亥革命」
ジャッキー・チェン映画出演作100本目、の記念映画だ。
もちろん、現在の激動の中国をふりかえりたい、という意図も大いに買う。
ジャッキー・チェンはもう60歳近いと思うが、アクション・シーンも健在だ。
初めて観たのは「プロジェクトA」。渋谷の映画館で、大内くんと観た記憶は鮮明。
100作目も感慨深いものだろうが、一緒に映画を観るようになってから、30年近くなるのか、というのもけっこうな感慨。
骨太で迫力あるこの作品も、どうぞ。
12年8月
「ペントハウス」
レンタル屋さんで、気の進まなそうな大内くんに、「エディ・マーフィーだからあんまり大きなハズレはないよ!」と言って借りてきたのがこの映画。
なんつーか、息子の大学受験みたいに、「きっとダメなんだろうなぁ」と覚悟をしてたら受かってた、というようなシロモノ。
つまり、ものすごく面白かった!
犯罪映画でこんなに興奮して観たのは、「ナイン・クィーンズ」以来かも。
「このまま行くと、今年の『大内家賞』を何か取っちゃうよ!」叫びながら観た。
(つくづく映画館でなく自宅で映画を観るのは気楽だ)
オチのオチまで楽しめたし、伏線がひとつも無駄になっていない、という、「エルマーの冒険」みたいなスッキリ感がスゴイ。
これは、ぜひ観てください!
「月光ノ仮面」
大内くんが楽しみにしてたんだが、実は私は半分以上寝ていた。
なので、感想が書けない。
大内くん的にはいい映画だったらしい。私はパス。
そんなこと言って、もし面白い映画だったらどうしよう?
「ALWAYS 三丁目の夕日’64」
これは、シリーズ全部通しての感想だが、面白い。
東京オリンピックが日本中を興奮のるつぼに叩き込んでいたこの頃、庶民はこんなふう。
途中から一緒に観始めた息子が、終わって曰く、「日本映画の最高峰だね。ま、これしかないってことでもあるんだけど」とクールに言っていた。でも
面白かったらしい。よかった。
我々も大変評価するところだ。「観るといいよ」
「連合艦隊司令長官山本五十六」
最初に言います。つまらなかった。
私が「紙芝居」と呼ぶ、画があってお話があって、それだけ、というスタイルだ。
戦争物は数多いが、ここまで駄作なのは初めてかも。
大内くんは、「うちに『トラ!トラ!トラ!』があるんだ。口直しに観たいぐらいだよ」と言っていたが、駄作とはいえ、重たい映画を1本観た直後 で、腹に力が入らんかった。
今度観よう。
最後になりましたが、「艦長は船と一緒に沈まなければならない」というお約束事が私はキライです。
総員を避難させたのち、自分も逃げてほしい。
ひとつしかない命を、大切に使おうじゃないか!
「戦火の馬」
うちで言い習わされていることのひとつに、「馬映画に外れナシ」というものがある。
「シービスケット」とか「ファイヤー・オブ・オーシャン」とか、とにかく馬が出てくると名作なのだ。
(ロバート・レッドフォードの「モンタナの風に抱かれて」をまだ観ていない。1度トライしてみたい)
今回もかなりの大当たり。
馬は、繊細で賢く美しい動物だ、と思う。
動物全般が苦手な大内くんも、「馬は、立派だね。僕は、お仕事をする動物には一目置いてるんだ」と言う。
戦争映画なんだが、馬ばっかり見てた。
なかなかの名作かも。観るといいよ。
シネマ9月
「はやぶさ 遥かなる帰還」
人類の宇宙熱が冷めて、もうどのくらいになるだろう。
そんなことをふと思わせる、惑星探査機の物語だ。
なぜだかわからないが、「はやぶさ」にはロマンをかき立てる何かがある。
途中で迷子になったのがよかったんだろうか。
日本の宇宙開発はけっこう我が家の近所で行われているんですよ。
「観てもいいよ」
「麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜」
これは、小説は本当に面白くなかった。
なのに、映画になるとものすごく面白い。不思議だ。
福山雅治の「ガリレオ」と阿部寛の「加賀恭一郎」という2人のニューヒーローを得て、東野圭吾は売れに売れている。
阿部寛は、「TRICK」シリーズですっかりイカレたおっさんになっていたのが、おだやかな瞳の長身の刑事、といういい役をもらって、新境地を開拓だ。
つくづく、役者さんというのはみんな力があって、良くなるも悪くなるも撮る人たち次第なんだなぁ、と思い知る。
観てください。そして、原作は読まなくていいです。
「おかえり、はやぶさ」
これも「はやぶさ」の話。
どっちが面白かったかなぁ。
結局、行方不明になってしまったのが見つかり、みんなで「うぉー」って言ってる、そういう映画だった覚えしかない。
それなりに感動はしたが、「面白かった!」というスッキリ感はない。
「観なくていいよ」
「三谷幸喜『short cut』」
「完全ワンシーン・ワンショット」が売りのこの作品、確かに1度も途切れることなく、山奥で中井貴一と鈴木京香がケンカしている。
だがしかし、三谷映画にはままあることだが、退屈だ。
結局40分ぐらいしたところでワイプ。
これでも、新展開を求めて、梶原善が出るところまではガマンしたんだ。
それにしても、喪服で山奥にいる人たちを見ると伊丹十三の「お葬式」を思い出すなぁ。
「観なくていいよ」
「マリリン 7日間の恋」
マリリン・モンローの大好きな大内くんが喜んで借りてきたが、観ているうちに顔が曇ってきた。
「面白い?」と聞いたら、「いや、それが、全然面白くないんだ」。
「似てる?」と聞くと、「似てない。ものすごいブスだ」と一刀両断。
しょうがないから途中でやめた。
気難しい人だねぇ。
「ヒューゴの不思議な発明」
ビデオ屋で私が手に取った時は興味なさそうだった大内くんだが、M・スコセッシ監督だと知るや、「借りよう!」と嬉しそう。
私は、スコセッシはどっちかと言うと苦手だ。長い。
今回のは2時間ちょっとで、時間的には普通だね。
で、観て驚いた。ものすごい「ごちゃごちゃ感」。
調べたら、実は3Dなんだって。スコセッシが3Dに手を出すとは思わなかった。
映画としてはなかなか面白かった。
画が、「ライラの冒険 黄金の羅針盤」みたいだったけどね。
「逆転裁判」
息子が大好きなゲームが原作。
私もちょっとだけやらせてもらったことがある。まあまあ面白いゲームだったような記憶がある。
映画は、キャラをよく似せているよ。ちょっと面白かった。
ゲームの方は5ぐらいまで出て、姉妹品の「逆転検事」もある。今度やってみようかな。
シネマ10月
「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」
「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」
10年ぶりぐらいに映画館に行くにあたり、家に録画してあった過去作を観て、準備した。
だが、どれをとっても「これって、映画にしなきゃダメ?」という感じだ。
「新たなる希望」は映画館のド迫力で観たからまだしも納得したけど、他のはね、ドラマの方がよく描けてるんじゃないかと思うぐらい。
「警察内の事件」というコンセプトが、「相棒」みたいだよ。
好きな人は好きなんだろうけど、我々はもういいなぁ。「観なくていいよ」
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
観てまず驚いたのだが、サッチャーという人は、今、認知症にかかってるんだね。
補助的にウィキで調べたら、首相時代のことも思い出せなくなっているらしい。
映画も、もっと現役時代の話が中心かと思ったのに、夫を亡くしたことも忘れがちな寂しい老女の話だった。
ちょっと神妙に観たよ。
人は、長寿になった現代、老衰で死ぬまでにガンになるか認知症になるかのどっちかなのかなぁ。
画はとてもきれいな映画だった。青い目のサッチャーにブルーの服が映えていた。
「観るといいよ」
「ダークシャドウ」
ティム・バートン監督ジョニー・デップ主演、とくれば、観ないわけにはいかない。
で、借りてきました。
面白かったけど、よくわからない話で、どうやらアメリカの昔のドラマが元らしい。
「ゴシック・ソープオペラ」というジャンルみたいよ。
ググったら、ようつべに出てた。
それにしてもジョニー・デップは素顔を出さないなぁ。常に何らかのメーキャップをしている。
「シークレット・ウィンドウ」で小説家をやった時ぐらいか、普通の顔は。
日本では「ジョニデ」と呼ばれることもある、とウィキには書いてあったが、初耳だ。
これからはこの黄金のコンビを「ティムバとジョニデ」と呼ぼうかな。
シネマ11月
「SPEC 警視庁公安部公安第五課未詳事件「特別対策係事件簿 天」
ドラマが面白かったので借りてみたが、こういうものの常としてやや無意味に意味深なので、観ているうちに寝てしまった。
大内くんは、「僕はちゃんと起きていて最後まで観たよ!」と妙に威張る。
と言うわけで、すみません、私はレビュー書けない。
まあ、眠くなる人もいる、という評価で。
「アーティスト」
トーキーの時代にサイレントの俳優さんが苦労する、というお話。「雨に唄えば」みたいだね。
映画そのものがモノクロで、セリフは字幕。面白い作りだった。
今年のアカデミー賞をとったらしくて、まあ、とるだけのことはあるかな、と思ったよ。
往年の名作のような風格があって、大内くんなんかはとても好きみたい。
私はもっと派手なバリバリハリウッドのものが好きだが、それでも確かに面白かった。
「観るといいよ」だね。
「テルマエ・ロマエ」
ヤマザキマリの大人気コミックスを映画化。DVDになるのを首を長くして待っていた。
夕食を食べて、「さあ、お風呂に入ろうか!」と言ったら、大内くんは、「お風呂はテルマエ・ロマエを観てからの方がいいんじゃない?」と言う。
実際、観たらお風呂に入りたくなった。できれば露天風呂に。
阿部寛を持ってきたのはナイス。
外人のエキストラにまざって、ローマ人にしか見えなかった。
だが、原作が面白すぎることもあり、映画としては惜しい出来だった。もうちょっとイケたんじゃないだろうか。
大マケにマケて「観てもいいよ」。お風呂を沸かしながら、どうぞ。
「メン・イン・ブラック3」
ウィル・スミス主演のこのシリーズはわりと好きなんだが、今回のは最初ちょっと退屈だった。
「やっぱり、3ともなると枯渇するかねぇ」と言いながら観ていたんだが、途中からものすごく面白くなった。
最後はもう感心するばかり。
なにがどう面白いかはネタバレなので書きませんが、観て損はないでしょう。
映画ってなぁ、つまらないと思っても途中で大化けすることがあるからなぁ。
どんどん続編を作ってほしい。
シネマ12月
「のぼうの城」
わざわざ甲府のシネコンまで出かけて行って、観た。
前夜、1時間しか眠れなかった私は途中で快調に寝てしまったが、起きている間は野村萬斎の踊りを堪能した。
でも、ストーリーはまったくわからない。
事前に会社の人から原作を借りて読んでいた大内くんに言わせると、
「本当は、もっといかにも『でくのぼう』って感じ。野村萬斎ではシャープすぎる」んだそうだ。
でも、全体としては面白かったらしいし、踊りは一見の価値あり。
「観てもいいよ」
甲府の東宝シネマのポップコーンは、たくさん入っててお得感があるぞ!
「アメイジング・スパイダーマン」
観てびっくりしたが、まるっきり「1」のストーリーなのね。早くもリメイク。
おそらく3Dなのではないかと推察したくなるぐらい、画面が派手だ。
そのわりに、「1」で驚いた躍動感やスピード感がない。
出来の悪い焼き直しにすぎなかったわけだ。
主役も違う人がやってるのだが、「シー・ビスケット」などで好演しているトビー・マグワイアの方がよかったな。
「『マーベル』に外れナシ!」というのがうちの合言葉だが、今回はちょっとそのセリフをひっこめさせてもらうよ。
「観ない方がいいよ」でした。
「ダークナイト・ライジング」
眠かったので、半分以上寝ていた。
決して面白くないわけではない。疲れていただけ。
ちゃんと起きて観ていた大内くんは、「とても面白かった。『ダークナイト』はブルーレイのDVD買っちゃったから、僕たち、このシリーズは好きなんだよ」と言う。
ラスト15分、すごくいい。
ただ、「いい場面」ってのは「ちょっとスロー気味にして、いい音楽をかぶせる」ことで簡単に作れちゃうものではあるんだ。
それでも、やはり泣けたので、「観るといいよ」。
「臨場 劇場版」
すごくよかった。
私は、開始後15分と38分と2時間5分で、号泣した。
ドラマ版が好きなので借りて観たが、映画版も面白い、ってのはあんがい珍しいものだ。
(「相棒」なんかはダメダメ)
内野聖陽は、ハンサムじゃないけどカッコいいなぁ。
キャストもまあまあ豪華で、見ごたえがあった。
死亡推定時刻を変えるトリックについては私は早い段階で見抜いたので、大内くんから、「さすが、ミステリをたくさん読んでるだけのことはある。素晴らしい」とほめられた。えっへん。
「観るといいよ」です。
今年は全部で60本の映画を観ました。
何かと忙しくてなかなか観られず、もっと少ないかなぁと思っていたので、意外です。
どんな時でも、ある程度の本数は観てしまう、ということですね。
そんな60本の中から、今年の「大内家シネマベスト」はこういうことになりました。
1位
「ペントハウス」
軽妙な話運び、しゃれた展開、そして予想外の結末。
「コン・マン(詐欺師)映画」の金字塔になること請け合いの素晴らしい1本。
2位
「メン・イン・ブラック3」
力の落ちないシリーズは、驚嘆に値する。
パートナーとの絆に、思わずほろり。
3位
「黄色い星の子供たち」
多くの名作が証言する、繰り返してはならない歴史上の真実。
名優ジャン・レノを得て、ここにまた新たな1本が加わった。
大内夫賞
「日輪の遺産」
戦前戦後を描く映画は多いが、現代の感性でしかもりりしい映画に仕上がっています。
堺雅人にまた勲章が一つ。
大内妻賞
「戦火の馬」
馬を通じて戦争の悲惨さを語る必見の1作。
「馬映画に外れナシ」のジンクスを見事に守り、堂々の入賞。
いい映画をたくさん観られて幸せでした。
来年もいろいろな映画を観たいと思います。
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