13年1月1日

あけましておめでとうございます。
今年も大内家をよろしくお願いします。
それでは、まずは大晦日の日記から。

12年12月31日

大内くんの会社用の靴がだいぶ傷んでしまったので、年末の街に出る。
ものすごい人出だ。
こんな日に靴を買うのはどうかと思うが、あんまりヒマがないからなぁ。
車で行くか自転車で行くか迷ったが、疲れるので車で。

そしたら、駅近辺の駐車場はどこも満員。
いったん帰って自転車で出直すしかないか?と思ったけど、大内くん的には靴を買うのはいつも行く安売りの靴屋でなくてデパートでいいそうで、それならデパートの駐車場が使えるじゃん、と私が言って、行ってみたら幸い空いていたので入場しつつ、大内くんは、
「キミは本当にいつもくるくると頭を働かせている。脱帽だ」とほめてくれた。えっへん。

もっと運のいいことに、大内くんが買うことに決めているリーガルの靴が安売りになっていた。
やや高級なデパートはまったく混んでおらず、商品知識のある店員さんに応対してもらいながらゆっくり選べたのもよかったらしい。
前の靴2足は、磨り減ったかかとを修理しながら8年ぐらい使ったという大内くん。
今度の靴も、長いご奉公になるのかしらん。

お正月用の食材を買いに魚屋さんと肉屋さんが入った駅ビルに行ったが、これがもう、身動きできないほどの混雑。
普段より高い肉とタコとたらこを買い、ほうほうの体で人混みを脱出し、車で帰るついでに、毎年のことで息子が小さい時お世話になったシッターさん、通称「おばちゃん」のとこにお酒を届けに行く。
今回の年末年始は唯生が帰ってこないので、元旦に散歩と初詣を兼ねてついでにおばちゃんちにご挨拶に寄るという風習が守れない。
おばちゃんは、
「まあ〜、唯生ちゃん帰ってこられないの。残念だわねぇ」と言いつつ、息子にたまに道で会う、元気そうで安心している、といった話をしてくれる。
「もう今年は成人ですから」と、いつももらっているお年玉を固辞し、「よいお年を!」と言いながら帰った。
古いつきあいはいいもんだ。

夜は、年越しそばのしたくをととのえてから、毎年恒例の紅白歌合戦を観る。
不覚にもポルノグラフティのあたりでうたた寝をしてしまったが、それ以外はちゃんと観た。
途中で水樹奈々とYUIが出た時には、わざわざ息子の部屋に行って「出るよ」と教えてあげたら、お笑い番組を見ていた彼もチャンネルを紅白に変えたようだった。

「今年は紅組だったんじゃないかなぁ」と言いつつ、僅差ではあるもののまた白組が勝ったのを確認、テレビの中継でどこやらのお寺の鐘が「ゴーン」 と鳴り響く中で新年を迎えた。
大内くんと2人、「あけましておめでとう!今年もよろしく!」と言い合って、さて、なぜか新年っぽくなれない我々。
唯生が帰ってこないせいかなぁ。
「しかし、いっそそこを逆手にとって、唯生がいたらできないことをしようよ。たとえば夜中に初詣に行くとかさぁ」と提案したところ、大内くんも乗り気になった。

そしたら、息子も着替えて出かける準備をしている。
「どこ行くの?初詣?ママたちも行くよ」と言うと、
「あんたらは明日行けばいいだろ」と、どうやら向こうで顔を合わせるのがイヤなようだ。
「明日は唯生ちゃんに会いに行くから忙しいんだよ。今夜のうちに行くよ」と通告し、息子もあきらめて自転車で出かけてしまった。
おそらく、地元の友達と行くんだろうなぁ。
彼も、昔馴染みをたくさん持っている。ありがたい。

寒いし夜中なので散歩はやめて、自転車で八幡さまに行く。10分くらいか。
驚いたことに、参道には長い長い列ができており、入り口からはるかに遠ざかり、外の歩道を曲がった先まで行列。
遠くからちょっとだけ拝む真似をして、我々の初詣は終わり。
それでも、人ごみを見ただけで、とっても新年らしい気持になれたよ。

帰って寝て、息子が何時に帰ってきたのかもわからない。
もう元旦なんだが、一応ここまでを去年の日記ということにしておこう。

13年1月1日

明けてお正月。あけましておめでとうございます。
今年も大内家をよろしくお願いします。

9時頃に起き出して、お雑煮を作る。
大内家のお雑煮は、塩ブリと三つ葉のすまし汁。
息子が大好きな牛肉のたたきも作ってやる。
のっそり起き出してきた彼は、普段の食事と同じようにお雑煮を自室に持って行って食べようとしていたが、さすがにそれはカンベンしてもらった。
もっとも、あっという間にお雑煮と牛肉をたいらげて、部屋に戻ってしまったが。

そんな息子はほっといて、我々は唯生の面会に行く。
お正月は車が少なくて道がすいていて楽だ。
唯生は、病棟でチューブ食をとっている最中だった。
「去年は2回も手術して大変だったね。頑張って、偉かったよ。今年は元気に過ごせるといいね」と声をかけ、しばらく大内くんと唯生と3人で過ごし た。
外泊できなかったのは残念だけど、いろんな理由でコドモは家から離れるもんだ。
唯生は唯生で自立している、と言えなくもない。

唯生にさよならを言って、看護師さんたちにお礼を言って、帰る。
あとはもうすることがない。
たまった録画を観て過ごす。
「相棒」なんて、ミッチーがまだいる状態のもの(つまり、前のクール)がほとんど手つかずで残っているんだ。
「元旦スペシャル」も観なくちゃいけないし。

息子も勝手にのんびり過ごしたようで、去年は何かと気忙しかったので、今年は少しゆっくりした生活がしたい。
自炊が終わりそうで、本棚を処分してからの模様替えも楽しみだ。
1年、元気でいたい。
皆さんにとっても、今年が良い年でありますように。

13年1月2日

こちらも毎年恒例の、「小さな新年会」。
去年と同じお客さんで、一人暮らしのデザイン関係フリーランス女性と、15の年から35年もマンガ家をやっている女性。
私と同じく大内くんの大学のマンガクラブに学外部員として所属していたご縁でいまだにおつきあい願っている2人だが、実は彼女たちは高校の同級生なんだって。

着物を着て登場したマンガ家さんは「茶道」を習っているらしく、大内くんは今年5月の「休日講座」を彼女にお願いして「お茶会」形式にしてみたいそうだ。
すでに、我が家の近所の施設に申し込みをして、お茶室を予約している。
この人は、この話になるとむやみに張り切るんだ。なんでだろう?

ご快諾をいただき、みんなで食事。
「息子くんは?」と2人とも聞くが、彼は夜勤のバイトで帰らない。オトナばかりで、どんな狼藉をしても大丈夫だよ。
メニューは、

・おでん
・生春巻き
・タラモサラダ
・牛肉のたたき
・スモークサーモン
・たこの和え物
・アボガドのシラス和え
・ツナのサラダ

といったところか。
毎年ほぼ同じで、ほとんど「おせち」化している。
私は、自分の好きなものばかり作って幸せなのだが。

いろんな話に花が咲き、フリーランスさんは自炊に多少関心があるようだ。
本を愛する彼女なので普通の本はとても自炊できないが、山積みになった資料とかのデータ化はしてみたいらしい。
もっとも、その作業をするスペースができてからの話で、1LDKのマンションに引っ越して10年、ほとんどまったく変わらず段ボール箱が積み上がっている部屋では何もできない、というのが彼女の意見。
今年は少し部屋が片づくことを祈る。

8時半頃におひらきとなり、2人を車で送って行く。
我々が帰宅したのが10時頃。
お風呂に入って、「楽しかったね」と言いながら寝る。

趣味でバレエとお茶を習いつつ、「フランス語に興味があるの。いつかフランスに住んでみたいわぁ」と言いながらNHK教育のフランス語講座を聞いているうえ、マンガの参考に「3泊4日、永平寺に修行に行った」マンガ家さんが、来年に何を始めていても驚かない、という点で大内くんと意見が一致した。
我々は、来年どころか、大内くんが定年になるまで全然変わらない生活をしていると思う。
ああ、5月のお茶会が楽しみだ。

13年1月3日

大内くんのお正月休みも今日で終わり。
もっとも、1日出社したらまた週末で2日休みなんだが。るんるん。

1日、テレビを観たり昼寝をしたりして過ごした。
大内くんによれば、
「やっと疲れが取れてきた。つくづく、普段の生活にはキミが足りない。こうやってずっと一緒に過ごすと気持ちが安定する」のだそうだ。
それを言うなら、私だって日頃は大内くんが足りないよ。
定年が待たれる。

だがしかし、そんなラブラブな我々もケンカをする。
たいがい私が一方的に怒っているだけなのだが。
今年の初ケンカは、寝る間際になってDVDの整理を始めた大内くんに私が怒った件。
昼間、ヒマだった時にやればよかったのに、どうしてこんな時間に始めちゃうんだ!

3、40分かかってアルフィーや映画のDVDをファイルし、曲目などが書かれた紙を外したケースはゴミ袋に突っ込み、私は曲目を切り抜いてDVD とともにファイルに収めた。
頭にくるが、確かに棚の中は片づいた。
始めてしまう馬車馬のような大内くんがいなくては家は片づかない。
いったん始めればこつこつと効率的に作業を進める私とは、いいペアなんだろう。

13年1月4日

「芸能人格付けチェック」という番組を、毎年楽しみにして観ている。
ゲストの芸能人たちが、
「1本100万円のワインと3千円のワイン」
「ストラデヴァリウスと普通のバイオリンの音色」
「超高級松阪牛とスーパーの牛肉のステーキの味」
などの「一流品」と「普通の品」の区別がつくかどうかを競うのだ。

石田純一や梅宮辰夫がうんちくたれながら間違っていくさまも楽しいが、我々が一番楽しみにしているのが「GACKTさま」。
我々がこの番組を観始めて3年、彼は1度も間違えたことがない。
正解街道驀進中だ。
おまけに、彼はまったく迷わない。
ストラデヴァリウスは、
「あごの骨に来て涙腺がゆるむ」ので間違えようがないそうだし、高い牛肉やワインは、
「だって、全然違うじゃないですか!」とひと言で切り捨てる。
そして、正解するのだ。
今年も、全問正解で終わった。

彼は、もはや我々の間では「GACKTさま」になってしまっている。
昔はたんなるビジュアル系のナルシストだと思っていたのに。
大内家では、彼以外にそれほどのスターは「高見沢さま」しか存在しない。
才能あふれる人って、いいなぁ。

早くも来年が楽しみだ。
GACKTさまが間違える日・・・それは地球の終わりだろう。

13年1月5日

大内くんは、年が明けてから1日だけ会社に行って、また2日休みというゴージャスな状態だ。
かなりの時間を寝て過ごす。やっぱ、疲れてるんだね。

リサイクルショップに行って小物を売り、代わりにグラスやタオルを買ったりして、収支はマイナス。
大型テレビを千円で売っていたのには驚いた。ちゃんと映るんだろうか?

隣町まで散歩をして、ラーメンを食べる。おいしい。
年末、31日に来た時はもう休みに入ってたんだよね。
「ラーメン屋さんが大晦日に休んでいてどうするんだ。稼ぎ時じゃないか!」と大内くんは怒っていたが、ラーメンは「年越しそば」じゃないから。

おなかいっぱいになってお店を出て、雑貨屋でアロマオイルを買う。
先日ベルガモットを買ってダブりだったので、今回はペパーミントにしてみた。
お店のおねーさんによると、種類によっては皮膚がかぶれたり風呂釜を傷めたりするので、お風呂に入れるのはお勧めできない、とのこと。
ちゃんと、入れてもいいやつを教えてもらってその中から選んだが、大内くんはお店を出てから、
「2、3滴入れただけで風呂釜を傷めるなんて、ずいぶんオソロシイものを売ってるんだねぇ」と感心していたよ。

さっそくその夜はペパーミント風呂。
さわやかな気分になれる。
欲を言えば、もう2、3種類持ってて毎日いろんな香りを楽しみたい。
そう言ったら、優しい大内くんは当然のように、
「また買いに行こう。僕も楽しみだよ」と言ってくれた。
今度は何の香りにしようかなぁ。

お休みが、まだ1日残っている。
しかも、来週末は成人の日で3連休だ。
今のところ、現在公開中の「妖怪人間ベム」を観に行きたいと思っている。
あと、家具を少し入れ替えたいので、新宿の大塚家具に行こうか、という感じ。
笹子トンネルが開通したのでまた甲府に行こうと思えば行けるんだけど、なんとなく遊びに行くのが申し訳なくて・・・
大内くんは、
「人が来てくれた方が観光事業が儲かるんだから、遠慮なく行っていいんじゃない?」という意見のようだが。

いずれはまた、甲府で映画と温泉を楽しもうと思うが、今はまだちょっとダメかな。
人間、どこでどういう目に合うかわからないよ・・・犠牲者の方々に、黙とう。

13年1月6日

自炊が完了した。
4千冊余のマンガをすべてデータ化したわけで、我ながらスゴイと思う。

最初は「年単位のプロジェクト」と思っていたんだけど、自分で思うより自分は気の短い人間だったらしく、手をつけ始めたら一気呵成に終わりまで行ってしまったよ。2カ月で。
始めた時は、終わる日が来るとは思えなかったなぁ。

大内くんも、仕事が忙しいのをかいくぐって自分の本をほぼ自炊し終えたようだ。
もっとも、彼は厳選されたハードカバーの本ばかり持っていたので、冊数は私よりずっと少ない。
本をべりべりと破壊する、という行為を通じて、何やら人生について悟ったような彼である。

あと、私は文庫本には手をつけなかった。
これがまた、千冊近くあるのだ。
今使っている本棚が薄型でとてもいい物だし、これを撤廃したからといってそう劇的に部屋が広くなるわけではない、という理由でとりあえず置いとくことにしたよ。

昨日、リサイクルショップの人に来てもらって、本棚を3本持ってってもらった。
どれも値段がつかないそうで、引き取り料3千円取られたし、一番大きい本棚は、持って行ったら1万円かかるという。
幸か不幸か彼らのトラックにはもう積めないそうで、問題の本棚はまだ家にある。

今さぁ、リサイクルショップが流行ってるんだけど、なかなか大型の物は難しいね。
値打ちのないものでも料金を払えば持ってってくれるお店もあるが、「お値段つかない場合は基本的に持って行きません」というお店も多い。
あちこち電話して、少し見聞が広まったよ。

本棚を、大内くんと2人だけでは粗大ゴミに出すことすらおぼつかない。
こんなんで、老人になったらどうするんだろう。
そういう時こそ、「便利屋さん」とかが役に立つのかしらん。
今回は、まだ若い大内くんと息子に何とか下まで運んでもらおう。
リサイクル屋のにーちゃんに1万円払うより、息子に2千円ぐらいバイト料を出す方が精神衛生にはよさそうだ。

さっそく部屋の模様替えをし、書斎はソファを動かしてみた。
今まで、めったに開けないという理由でクロゼットのまん前にソファを置いていたのだが、今回、めでたくクロゼットはアクセスが良くなった。
部屋の雰囲気がずいぶん変わったよ。

これからは、月に1度ぐらい「新しく買った本」を自炊するだけ。
もっとも、「ご近所スキャンダル」のたぐいのレディース・コミック雑誌を、本屋さんに頼んで月に2度配達してもらっていて、これが毎月12冊ぐらい来る。
全部自炊するのかなぁ。
正直言って少し飽きたのでやめたいんだが、本屋さんにお願いしてからまだ半年もたっていないので、急にやめたら悪いだろう、という気がして、もう しばらくは買い続けることになりそう。

自分の、「完遂力」について、我ながらなめてかかっていた。
大内くんもそうだが、思い立つと止まらない。
そんな2人が憑りつかれたように驀進した2か月間。
よくやった!と大内くんと自分をほめてあげたい。

物心ついてから、私の人生は本との戦いだった。
大内くんと違って、引っ越しの回数が半端じゃないので、そのたびに段ボール箱に本を詰めてきたのだ。
お正月に遊びに来てくれた友人女性に、
「何しろ、壁に絵でも飾ろうとか思ってるんだよ。これまで、壁は本棚のためにあったのに」と話したら、激しく同意してくれて、彼女なんか、マンションを買うにあたって「なるべく壁の多い部屋を」と言って探してたそうだ。
「普通は『収納の多い部屋を』って言うよね。でも、問題は本棚なんだよね」と、引っ越して10年間段ボール箱を積んで暮らしている彼女は言う。
今年は、彼女の部屋が少しは整理されることを祈る。
苦節10年、ついに業者さんを入れて本棚を作ってもらうようだから、期待できるかも。

あとは、コドモたちの記録とか庶務全般の書類とか写真とか、そういったものをだんだんやっていきたい。
とりあえず1回休み。ふぅ。

13年1月8日

東野圭吾の「麒麟の翼」をもう1回読んだら、ものすごく面白かった。
どうして1回目はあんなに「面白くない!」と思ったんだろう?
人から借りて読んだのと、自腹を切って買ったのの違いかなぁ。

1回目、貸してくれたのは大内くんの当時の上司で、
「面白くないよ〜!」と太鼓判を押しながら貸してくれたそうで、返す時に、
「家内も面白くないと言っていました」と告げたそうだが、上司は、
「そうだろうそうだろう」と言いながら、他の部下に、
「これ、面白くないんだよ!」と言って貸してあげていたという。
面白くない本を部下に貸すのが趣味?
もっとも、この上司からはもう何冊も「面白い本」を借りているので、まったくノープロブレム。
むしろ、人と「面白くない」本を共有するのってなんかスリリング。ドキドキする。

最近面白かった本は、マンガだけど、「日本人の知らない日本語」シリーズ3冊。
外国人に日本語を教える「海野凪子先生」原作で、カラーも鮮やかな「蛇蔵」さん作画。
とにかく面白い。
「日本語途上」にある外国人生徒さんたちの日々の努力はおかしくも涙ぐましい。
私が「息子日記」を書き始めたのは彼の成長が面白くてたまらなかったからなのだが、それに通じるものがある。

ネットで有名な話。
「『まさか、〜ろう』を使って短文を作りなさい」という設問に対して、ベストアンサーは、
「まさかりかついだきんたろう」。
笑える。
「うってかわって」に対しては、
「彼は麻薬をうって変わってしまった」。
「どんより」では、
「うどんより、そばが好きだ」。
本人たちは大真面目なんだろうが。

凪子先生は今日も教え、外国人たちは今日も爆笑モノの結果を出していることと思う。
「日本では武士が刀を持っているけど、武士には魂があって、簡単には人を切ったりしないから、安全なの!」とまわりを説得して日本に来た、という 時代劇ヲタクのスウェーデン娘、なんて人もいて、やれやれ、我々はどんだけ誤解されてるんだろう?

13年1月10日

バゲットが余っていて、誰も食べないようなので、内田春菊のレシピで「ラスク」を作ってみた。
厚さ1センチ弱に輪切りにしたバゲットを、オーブンの鉄板に並べ、140度ぐらいで20分ほど焼く。
出来上がった「空ラスク」に何を塗るかは1人1人の自由。

内田家のデフォルトはコンデンスミルクとバターを混ぜたものを塗る「ミルクラスク」らしい。
あいにくコンデンスミルクは家になかったし、そもそもカロリーふやしてどーすんだ!って状態なので、今回は「ガーリックラスク」で。
おろしチューブにんにくとオリーブ油を混ぜて、パセリ、バジル、オレガノといったスパイスを入れ、それをラスクに塗ってまた140度のオーブンで 20分。
注意されていたほどは焦げなかったぞ。

おいしかったが、なにしろ硬いものなので、あまり作りたいとは思わないなぁ。
家族の誰も興味ないみたいだし。
まあ、それがわかっただけでもラスクを作った意味はあるのかも。

内田春菊は、私が大好きなマンガ家さんだ。
もっともハンパなくエロなので、家族の日常を描いたエッセイマンガ、「私たちは繁殖している」あたりのライトなものをね。
マンガ家やバンド、女優もこなすこの人は、4人のコドモを育てている。
父親はさまざま。下の2人の父親とは結婚式まであげてるけど結局別れて、今は20歳ぐらい年下の人とつきあっているらしい。

それはまあどうでもいいのだが、コドモたちがいろんな理由で幼稚園や学校に行かない時でも、「行きたくなったら行くだろう」と割り切って、自宅を仕事場にしてコドモの成長を見守っている。
とても真似できない。
コドモは手元に1人いるだけで大変だし、学校に行きたくない、と言い出されたらどうしよう、とおびえながらの18年だった。
そろそろ育ち上がったし、我々は年を取っていくので、世代交代の時期だね。

そういえば、お正月に遊びに来てくれた友人に、
「ちょっと前は、道行く中・高生あたりを見るとなんだか『じーん』としたけど、最近、赤ちゃんが目に入るんだよね」と言ったら、娘さんが2人とも成人している彼女は、
「わかるわかる!私もこの頃、赤ちゃん連れの人とか見ると『かわいい!』って思うの!」と答える。
「それはね、コドモたちが生殖年齢に達したからだよ。自動的にそうなるんだよ」と自説を展開したら、
「ホントにそうよね〜!」と感心された。

もう「繁殖」しなくなった内田春菊も、これから「赤ん坊がかわいい」となるのかな。
もっとも彼女のところは一番下の子が小学校に入ったばかりという感じなので、まだしばらくは枯れないのかも。
あっという間に次の恋人もできたようだし。
個人的におめでとう。応援してます。

13年1月11日

先期、我が家のイチオシは長澤まさみ主演の「高校入試」だった。
あまりに面白いので、途中からはもう録画だけして、最後にがーっと楽しもう!ということで、最終回を待っていたんだ。
息子は放映の翌朝必ず見ていたようだが。

ところが!(ちょっとネタバレ?)
面白くない!
あんなに思わせぶりな伏線をバリバリ張っておいて、最後、あんな説明調で理屈だけつけて、いいと思ってんのか?
最後にまとめることを考えないなら、そりゃあ途中は面白くし放題でしょうよ。
でも、オチがちゃんとつかなきゃダメじゃん!

脚本を書いた「湊かなえ」という人はミステリ作家のようなので、「今度図書館で借りてみよう」と思ってたんだが、大内くんは、
「湊かなえ、借りる必要なし!」と高らかに叫んでいたよ。

ああ、本当にドラマはわからない。
最近、いわゆる「トレンディ・ドラマ」(もしかして、死語ですか?)が観られなくなって、
「恋愛は、お若い方々におまかせしますよ」という感じ。完全リタイア。
鈴木保奈美が「カ〜ンチ、セックスしよ!」と言っても、もう全然ドキドキしないと思う。
人間は、年を取ると得るものもあるが、失うものも多い。
せめて、ドラマを見て喜んでいる息子を喜んで見ていよう。

13年1月12日

東宝シネマズに映画を観に行こうと思い立つ。
もともと1月には甲府の温泉がてら出かけようと思っていたところにトンネル事故で、しばらくはどうしようもなかったのだ。
今回も、まだ甲府はハードルが高いので府中にしておいた。
最近、東宝シネマズって頑張ってるなぁ。

ところが。
ネットでチケットを取ろうとしていたら息子がやってきて、何かよくわからないことを言っている。
「今、忙しいから待って」と言ったけど、
「うるせーな。今必要だから言ってんだよ!」と相変わらずの息子節炸裂。
要するにコンサートのチケットを取っておいてもらいたいし、お金はバイト料が入ったら返すから貸しておいてくれ、という話のようだ。
こういう時にお金を貸すと、まず帰ってこないんだよな・・・と思いながら、お金を渡しておいたが、この辺が大騒ぎの元。

映画は明日行こうと思ってたのに、間違えて今日の券を買ってしまった・・・涙。
朝一番、9時からなので、会社帰りの大内くんを誘って、なんてこともできない。
「夫婦50割引」(夫婦のどちらかが50歳過ぎていると2人分が2千円で買える)を使ってのことなのでまだしも傷は浅いが、痛恨だよなぁ・・・

それでも気を取り直して日曜日朝9時の「妖怪人間ベム」を予約。
全席予約、っていうのがいいよね。
昔の映画館は、終わる前からもう立ち見の人たちが空いた座席を求めて大移動を始めており、落ち着かないことはなはだしかった。
今回も、かなりすいているのでそれだけで楽だったが、席取りをしないですむのは本当にありがたい。

で、ベムは面白かったです。
相変わらずカッコいい無口な亀梨くんに、妖艶な厚化粧からにじみ出る杏の純情、福くんは、えーっと、あんまりシリーズが続くと、オトナになっちゃうぞ。

朝一番に家の近所のコメダでモーニングとシロノワール食べて、ドライブして映画観て、ショッピングモールを冷やかしてアロマオイルを買い、あとは さくさく帰った。

ああ、シネコンは楽しい!
大内くんも同じらしく、
「ひと月に1回ぐらい行きたいね!」と意気盛んだ。
すでに家にあるグレープフルーツのアロマオイルを買ってしまったことなんか些細な問題。
またひとつ、お出かけ先の楽しみができたよ。

13年1月13日

というわけで、今日は映画。
朝イチで近所のコメダに行って朝食をとり、車で府中のシネコンまで。
「妖怪人間ベム」が面白かったのは前述のとおり。

帰りに、ずっと気になっていた「深大寺」に寄ってみた。
おそばがおいしいらしいし、温泉もあるようだ。
うまくいけば、甲府、府中に次ぐ手持ちの駒になるかもしれない。

ところが。
行ってみて驚いた。
ものすごい人出なのだ。
よく巣鴨あたりを「おばあちゃんの原宿」と呼ぶようだが、深大寺は、「おばあちゃんの清里」という感じ。
駐車場という駐車場が全部埋まっていて、とても温泉どころじゃなかったよ。
今度、ちゃんと朝早く来てみよう、と誓い合って、今日のところは退散だ。

私の行きつけのマッサージの先生が温泉が大好きで、深大寺にも1度行ってみろ、としきりに言われていたんだよね。
「そば食って温泉入って、いいとこだよ!」
これまで聞き流していたが、行ってみて初めて、
「うーん、これは週末の行楽地の候補に加えたい!」って思った。
桜の季節なんか、すごそうだなぁ。

こうしてかすったけで終わった深大寺詣で。
次は何としても朝イチで行くぞ!

13年1月14日

朝、ベランダに出たら、雪が降っていた。
どこかでコドモが、「ジングルベール、ジングルベール、すーずがなるー」と大声で歌っている。
私のかたわらで雪を見ていた大内くんが、
「気持ちはわかる」とつぶやいていたよ。

今日は家具屋さんにソファを見に行こう、と思っていたんだけど、あまりの豪雪に、
「これは、今日は車で外出は控えた方がいいかも」と意見が一致した。
もっとも、すっかり楽しみにしていた「イタリアン・ファミレスでピザ」は譲れなかったので、近いのをいいことに、車で行きました。

途中で大内くんが、
「こりゃダメだ。タイヤに何かかぶせないと」と後部トランクから取り出したものは、チェーンよりずっと簡単な「タイヤ・ソック」という布製のタイ ヤカバー。
装着はあっという間で、グリップ力はかなり違うらしい。
「この車買った時に、トヨタさんから『あると便利ですよ!』ってすすめられたんだけど、確かにいいものだね。使うのは2回目だけど、簡単に装着できて便利だよ」と大内くんは喜んでいた。

例によってピザを4枚頼んで待っていたら、トム・ハンクス似の店長さんが通りがかりに、
「こんな大雪の日に来ていただいて、どうもありがとうございます」と微笑みかけてくれた。
彼は、さっきまで駐車場の雪かきをしていたそうだ。
とてもそうは見えない、優雅な黒エプロン姿だったよ。

さて、ごはんも食べちゃったし、あとは「降り込められて」すごそう、と決めて家に帰ってみたら、息子がソファで大の字になって寝てる。
寝ぼけまなこで「メシは?」と聞くので適当に何か作ってあげた。
平和だねぇ。

ところが、この平和は長くは続かなかった。
3時近くなって、息子が急に、
「今日はバイトあるんだけど、どうやって行ったらいいかな?」と聞いてきたのだ。
「バイト先への直通の電車は止まってるけど、他は動いてるから、最終的には地下鉄で行きなさい。何時に出なきゃいけないの?」と聞くと、
「3時」。
もう3時じゃないか!

「駅まで車で送ってくれ」と横着なことを言うし、まあ、こっちも心配だったから送って行くのはいいんだけど、そう急に言われても困るよ。
たまたま午前中に外出してタイヤ・ソック履いてたから大丈夫だったが、本当なら出かけるのにひと手間ふた手間かかるところだ。

大内くんが先に車を出しに行き、息子はスニーカーでは足がびしょびしょになると思ったんだろう、革靴を履いていこうとしている。
どんどん先に行っちゃうので、エレベータホールでやっと追いつき、
「革靴じゃない方がいいと思うよ。革靴は濡れると傷むんだよ」と言うと、
「じゃあ、なにがいいんだ」
「長靴がいいんじゃない?」
「早く言えよ。んっとに使えねーな!」と悪態をつきながら家に戻って行った。

ちなみにこの革靴は、大内くんが8年ぶりに買った通勤用の一足で、高いものを選んで買って、しかもそのあと自分で靴墨をたっぷり塗りこんでお手入れしていたといういわくつきのもの。
帰り道で大内くんに、
「息子があの靴を履いていこうとしていたよ」と告げ口したら、
「!!!あんなに高い靴を、しかもあんなに手入れしたやつを!いっぺんでダメになっちゃうじゃないか!よくぞ阻止してくれたね!」と、怒ったり喜んだり、忙しかった

何とか最寄駅まで送って行って、
「こういう日こそゆとりをもって早めに出なきゃいけないのにね。まったく、あの豚児ときたら・・・」とそれぞれに怒りながら帰って、さて、本格的にすることがなくなっちゃったぞ。
なんとなく自炊を少しやってみる。今やこれは、娯楽と化しているかもしれない。

雪の成人式、新成人の方々はしょっぱなから「人生、なにがあるかわからない」という大きな教訓を得たわけで、この経験を活かして、リスク管理のできるオトナになっていただきたい。

13年1月16日

自炊のおかげで部屋にスペースができたので、いろいろ模様替えをしている現在。
ここ20年ぐらいダブルベッドで一緒に寝ていた我々だが、どうも寝相の悪い大内くんに負担がかかるようで、シングルベッドを1台買い足して、シングルとダブルの寝室にしようかという野望が煮えたぎっている。

まずはタンスやキャビネットをうごかしてみて、架空のシングルベッドが入るスペースをあけてみた。
うーん、7畳ほどの寝室が「ベッドだらけ」になるのはつらいが、サイズ的にはギリギリで入るようだし、この際、ベッドを分けてみようかなぁ。

念のため、空いたスペースに布団を敷いて、私はそこで3日寝てみた。
大内くんと物理的に離れるのはけっこうつらい。
それに、やっぱりダブルとシングルでは大きすぎるよ。

「今回は見送りだね!また、息子が家を出る時とか、何かチャンスがあるよ。今は無理するのやめとこう」と大内くんが言って、決着がついた。
ベッドは元の位置に戻され、我々は相変わらず互いの領土拡大を狙いながら。ダブルベッドで寝ている。

なんでも買っちゃう、という解決法もあるけど、我が家はそれほど裕福ではないので、ひとつことを決めるまで大騒ぎ。
楽しかったよ。
このマンションに引っ越してきてもう10年。
家具の配置等は動かせないものと思ってきた。
でも、自炊革命のおかげで今までとはまったく違う生活を夢見ることができる。
「断捨離」が流行るわけだよ。
少なくとも大内くんは、
「家から大量にものを持ち出した。それだけでもう、かなりなストレスから解放される」と喜んでいる。

本棚を見直すついでに細かなガラクタもたくさん捨てたので、今の我々の生活はさわやか。
これで、息子が家を出てくれさえしたら、どれほど家が片づくことだろう・・・

今、一番問題になっているのは、本棚がなくなったあとの「壁面」。
だだっ広くあいたこの壁を、どう使えばいいのか。
思えば物心ついたその日から、いかに「壁面に本棚を並べるか」が大問題で、壁に何か飾るとかいう余裕がほとんどなかった。
それが、寝室と書斎にいきなり大壁面が登場したのだ。
常識的には絵でも飾るんだろうなぁ。
こんなゴージャスな悩みを持つ日が来るとは、想像したことがなかった。ホント、どうしよう。

13年1月18日

宮部みゆきの「ソロモンの偽証」、半年ぐらい前に図書館に予約を入れておいたのが手に入る。
だがしかし。
どうして、上下2巻のもので下巻だけ先に来ちゃうんだ!
そりゃあ、別々の本ではあるけど、どう考えたって困るじゃないか!!

上巻はまだ50人ばかりが私の前にいて、当分回ってきそうにない。
大内くんにそう訴えたら、ブックオフに連れて行ってくれた。
またしても、だがしかし。
ブックオフは、売りに来る人も多いが、買いに来る人もいっぱいいるのだ。
人気の新作は、よほど運がいい時にしかお目にかかれないと思い知ったよ。
近所で2軒行ってみたけど、両方玉砕。

「もう、買っちゃいなよ。幸い本棚には空きができたし、最後は自炊して持ってればいいんだし」と言う大内くんに励まされて、近所の本屋さんで上巻購入。
3度目の、だがしかし。
なんと、「ソロモンの偽証」は全3巻であった!
図書館で予約をした時には確かに上下巻だったはずなのに。
待ってる間に、増えたのか?

そういうわけで、たった今、一生懸命読んでおります。
2週間以内に上下巻を読んで、下巻は返さなきゃいけないからね。
第3部は、下巻、もとい2巻を読み終わってからどうするか考える。
(いちおう図書館に予約は入れておいたが)
本を1冊読むのに週単位で時間がかかる、というのは、ものすごく驚く。
昔は1日に4、5冊読めたのに。しかも中学とか高校とか行きながら。

そう思うと、本は読める時に読んでおかないとね。
読書用のメガネとキンドルというタブレットを手に入れた大内くんは、電車の中で読書を楽しんでいるそうだ。

だが、こないだ一緒に「タイガー&ドラゴン」のDVDを見ていて、
「間夫(まぶ)は勤めの憂さ晴らし」というセリフが出てきたので、何気なく、
「間夫、ってわかる?」と聞いたら、「わからない」という答え。
どうして、わからないのにスルーしちゃうんだ!
(「情人、愛人」のことらしいです)

説明してあげつつ、この人はずいぶん読書家なのに、どうしてこうも日本語が苦手なんだろう?といぶかしく思う。
こないだは、「しかつめらしい」を本気で「しかめつらしい」だと思っていたことが判明したしなぁ。
本人は、
「何となく意味がわかった気になって、とばしちゃうんだ」と言う。
これからは、まず私に聞いてみてくれ。
そして、私もわからなかったら、2人でパソコンで調べよう!

13年1月19日

先日ドライブに行った帰りに、「ニトリ」を見つけた。
我々はこういうお店が大好きだ。
家具など少し買いたいものがあったので、今日、行ってきた。

いや、昔はニトリやホームセンター、通販などをよく利用させてもらったもんだが、このマンションに越してくるにあたり、大塚家具にものすごくお世話になった。
その時、「安物は結局、損」という結論にいったんは達したものの、今欲しい家具はあまり値の張らない、失敗だと思ったら捨てられるような路線で行きたいので、ニトリはとてもピッタリなんだ。

とにかく必要なのがソファ。
9年前、リビングには目の玉が飛び出るようなカウチソファを買い、前のリビングで使っていた通販のソファが余ったので、書斎に置いていたけど、今回自炊のおかげでスペースができたのとソファ自体が壊れかけてきたのとで本棚と一緒に処分してしまい、新しいものを買おうと思ったのよ。

ニトリのソファ売り場で、我々の気持ちはすぐに決まった。
売り場に並んでいるソファを見ると、どれも部屋のスペースに対して大きすぎることがわかり、1人掛けの安楽椅子を買う方向に気持ちが行ったその途端、2 人してまったく同じ椅子に目が向いてしまったのだ。

茶色っぽい布張りのその椅子は、リクライニングもできる。
そして、よくよく見たら電動マッサージ椅子。
今、リビングには大きな本格派のマッサージ椅子がかさばっている。
「それを処分して、書斎でマッサージ椅子に座る」という考えが我々を有頂天にさせた。

さらに、絶対この椅子を買うしかない、と思ったのは、展示品のみの「現品処分」だったこと。
実は、うちには現品処分の品がとても多い。
割安になる、ということ以上に、2人ともなぜか現品が好きなんだ。運命を感じる。
「売り場でよく働いたね。うちに来て、ゆっくりじっくり働いてね」という気分。

定価より25パーセントほど値引きしてもらうと同時に、家にあるマッサージ椅子の処分を3千円で頼んで、配送伝票を書く。
いやあ、リビングのマッサージ椅子はあまりにスペースを取るので買った直後から「失敗だったか?!」と物議を醸していて、だが高いものだし、粗大ゴミに出そうにも2人では動かせないほど重いので、どうしようかと思ってたんだよ。
多少良心は痛むが、この機会にさっぱり処分してしまおう!

他にも寝室の天井につけるライトや壁掛けの姿見鏡などを買う。どれも安い。
「自炊のおかげですごい模様替えができるね。このマンションに引っ越してきて、もう家具は動かせないと思っていたけど、こんなに配置換えができるようになるとは!」と2人で喜ぶ。

さて、椅子は後日配送で、家に帰ってさっそく寝室のライトを取り換え、壁に鏡を掛ける。
実は、この2品は、「ないから買った」のではなく、「現在のものが気に入らないので買い換えた」もの。
ライトは、ペンダント式で部屋の真ん中にぶら下がっていて邪魔だったし、鏡は少し小さすぎた。
付け替えてみて、処分した本棚の分、室内が広くなっているせいもあるけど、とてもいい感じ。
「LEDライト」ってすごいものだね。
本来サークルライトがついてる場所に、小さなLEDがびっしりと並んで発光してるのだ。
最新式のこのライト、リモコンもついていて、ベッドに入ってから消灯できるよ。
明るさや昼光色も段階的に変えることができるし。
なんか、夢のよう。

寝室を思うさま変えてしまったあと、リビングに行ったら、大内くんは部屋の隅にあるデスクを分解して倉庫にしまいたいと言う。
「だって、使ってないじゃない。こないだまで電子オルガンが置いてあったけど、寝室に持ってっちゃったし。昔はそこにノートパソコンを置いて息子が使ったりしてたけど、今は何にもないよ」
確かに、なくてもよさそう。
大内くんがドライバで分解してくれて、外の半畳足らずの倉庫に入れに行く。

さて、そのスペースが空いてみると、何もないのも寂しいので、カップボードでも買うか?と思ったんだけど、ふと思いついてソファの横、テレビの見える位置に置いてあった巨大なマッサージ椅子を動かして置いてみた。
いいじゃん!
これまで、椅子の背中が丸見えだったのが違和感があったんだけど、これならいけるよ!
座ってみると、部屋の隅から見るリビングの景色は広々としていて、まるで新しい家に越してきたみたいな感じ。

思わぬところから最善の効果が得られて、我々は有頂天。
さっそくニトリに電話して、引き取りの部分をキャンセルした。
うーん、「余っているところから足りないところへ」(by アントニオ in 「じゃりン子チエ」)だなぁ。
マッサージ椅子がなくなって、テレビの前は広々としたし、素直に部屋の隅に置いたマッサージ椅子には座りやすくなったし、やはり家具の配置という のは「無理をしてはいけない」んだ、と思い知ったよ。

こうして、自炊から始まった我が家の大プロジェクトがほぼ終わった。
家がこんなに広いなんて!
我々に自炊を教えてくれた友人プログラマよ、ありがとう。
ニトリよ、ありがとう。
そして何よりも、大内くん、いろいろありがとう!
本棚がなくなって出現したあちこちの壁に絵も飾り、家って、手をかけてあげると見違えるようだね。
引っ越して9年、この家が好きな気持ちはちっとも変わらないけど、模様替えも楽しかった。
あとは書斎の椅子を待つだけだ。
自炊する大内くんの後ろにくつろいで、椅子にマッサージしてもらう。
考えると、幸福で気絶しそう。早く配達来ないかな。

13年1月20日

最近、ケータイに迷惑メールがよく来るようになった。
一般のメールは夜中には来ないのに、迷惑メールは四六時中かかってくる。本当に迷惑だ。

そもそも、私のメアドはほとんど誰にも教えてない。
自分でも覚えてないぐらいだ。
アンケートや通販での買い物等で使用したことも1度もない。

ほとんど時を同じくして、大内くんのケータイにも迷惑メールが来るようになった、と言う。
2人して困った。
1日10通以上来るんだ、これが。

私は手をこまねいて困っていただけだが、大内くんはエライ。
フィルターをかけて迷惑メールをシャットアウトする方法を考え出し、試行錯誤の末、ついに成功したのだ。
ありがとう!

この人は、文系なのによく頑張るよなぁ、といつも思う。
自炊とか、けっこう複雑なことをいろいろやってるんだけど、常に「どうにかして」しまう。
彼がいなくなったら、我が家のパソコンはいきなり頓挫するだろう。
夫というのは、重宝なものだなぁ。

それにしても、「熟女」とか「人妻」とかの文字が躍るこの手のメール、いったい誰が利用してるんだろう。
世の中から消え失せてくれていっこうにかまわない類いのものだと思うんだが。

昔、パソコンにその手のものがたくさん来ることがあったけど、今はケータイが狙われてるんだね。
パソコンに来るメールの中には、
「お願いだからもう1度だけ会ってください」
「お金は用意してあります」
などというセリフがあり、これにだまされてクリックしちゃう男性もいるのかね。
私自身、
「これは、本当に困って誰かに連絡を取ろうとしている人が間違えてうちに送ってきちゃったんじゃないだろうか。ひと言、知らせてあげた方が親切かなぁ」などと考え、大内くんから、
「そんなこと、あるわけないじゃない。とっくに術中にはまってるよ」と叱られた覚えがある。

これまでに1番感心した迷惑メールは、タイトルが、

「夫がオオアリクイに殺されて2年がたちました」

となってるもの。
もちろん放っておいたが、この人のURLに行ってみたい、という強烈な欲望を感じたよ。
それにくらべると、最近の迷惑メールの芸のないこと。
「こっちは確かに熟女だが、この三段腹でいいのか?」と真剣に突っ込みそうになることはまずない。
精進したまえ。

13年1月22日

水谷豊の「右京さん」で完全に売れるドラマになった「相棒」、録画がたまりすぎて、うちのデッキではまだミッチーが相棒だ。
どこかで時間を使ってがーっと観るか、思い切って消してしまうか、どっちか選ばないと。

その点を悩みながら2時間スペシャルを観ていたら、めずらしくミッチーのシャワーシーン。
開始後1時間ちょっと。10時6分の出来事だ。
大内くんは、
「火サスの由美かおるのようだ。チャンネルを変えたくなるこの時間帯にいかに視聴者を捕まえておくかが勝負なんだ!」と言い切っていた。

別段、男のシャワーシーンが観たいわけではないが、長いこと女性がされてきたセクハラまがいのことを、男も少しは味わえ!とは思う。
不愉快なものだとわかってくれればそれでいい。

私自身、若い頃は普通に痴漢にあったり夜道が怖くて歩けなかったりしたものだが、すっかり完全に1mmの執行猶予もなく「おばさん」になってか ら、人生が楽でしょうがない。
これで、夫からも顧みられなくなるとちょっと困るけど、幸いうちの夫は「自分の奥さんはステキだ」という信仰にはまっているので、全然困らない。

ちなみに私は若い頃からナンパというものをされたことがなく、きっと女性としての魅力に欠けているのだろう、と思っていたところ、30歳になった頃に、友人から、
「あなたみたいに目的地に向かって全力で歩いている人に声をかけるのは至難の業だ。ほとんど走るようにつんのめって邁進している」と言われ、そう いえばそうだなぁ、と。
ゆっくり歩いたり所在無げにウィンドウを眺めたりしてないと、ナンパというものには出会えないのだろう。
いや、もちろんゆっくり歩いても声はかからないでしょうけどね。

13年1月24日

大内くんとの散歩の時に、道端にまだ溶けない雪のかたまりがあちこち見られるので、昔流行ったトム・キャットの「ふられ気分でロックン・ロール」を思い出し、
「『歩道のすみに横たわる 溶けていけない哀しい雪たち みじめに汚れて今夜最後のロンリネス』だね」と言ったら、
「よく覚えてるね!」と感心された。

前から気になっていたんだが、人は、歌を覚えていないものだろうか?
大内くんによれば、私はしょっちゅう鼻歌を歌っており、歌詞がでたらめな時も多いので「作詞家」とか「ウソ歌うたい」と呼ばれているけど、おおむね正しい歌詞を歌っているため、「よく覚えてるなぁ」と思うのだそうだ。

人間は数10曲の単位で歌を覚えているもんだ、と思っていた私には驚きである。
「全部歌える歌なんて、1曲もないよ。それが普通でしょ」
えー、3番まで歌える歌って、いっぱいあるよ。

「それは、キミが『歌うたい』だから。普通の人は、歌詞なんて聞いてないんだよ。まして、聞き書きして『歌のノート』を作ったりしない。そこまでやれば、覚えてる歌もあるんだろうけど」

中高大と、独学でフォークギターを弾いていた私は、そうねぇ、「イルカ」と同じぐらいには弾けたんじゃないかな。
今やすっかり忘れちゃったけどね。
数年に1度ぐらい取り出して弾いてみるギターは、買った時とても嬉しかった覚えのあるアリアのもの。
その前はマーチンを使っていて、さらにその前、始めた時はクラシックギターだった。

私は、母や姉から「あんたは飽きっぽい」と言われて育ったので、自分は物事が長続きしない人間なんだと思い、また、そこにコンプレックスを抱いたままオトナになってしまった。
でも、50過ぎた今になって、それは違うんじゃないかなぁ、と思うようになったよ。

自分の好きなことを振り返る。

ギター:中学から大学まで。高校でも大学でもステージに立つ。
演劇:小学校から大学までずっと演劇部。やはり高校、大学では舞台に立つ。新宿のアングラ劇場で公演したことも。
マンガ:読む方はもう、ずーっと。描く方は、小学校からOL5年生ぐらいまで。曲がりなりにも商業誌に描いたこともある。

全然やめてないじゃん!全部、続いてるじゃん!!
大内くんも、
「キミは全然飽きっぽくなんかない。むしろ、粘着質なぐらい長続きする。僕から見ると、キミが『お稽古事が続く』と思ってるお姉さんの方が、よっぽど移り気でいろんなことに手を出すように見える」と言う。
「家族の神話」はオソロシイ。

そもそも、コドモのお稽古事が続かないのは9割方親の責任だ。
彼らは、何でも始めたがる。そして、やめたがる。
そこで言うなりにやめさせちゃったら、そりゃあ続かないだろう。

息子にはそんな思いをさせたくなくて、縁あって始めた柔道をずぅっと生活の中心においていた。
その甲斐あって、彼は高校卒業まで柔道を続け、柔道2段になることができた。
柔道に行き詰った時に彼が叫んだ、
「オレの10年がおまえらにわかるのかよ!」というセリフには、ものすごい重みがある。
これは、一生の財産だろう。
そして、コドモに一生の財産を与えるのは親の責任の範疇だと思う。

人間、自分のことはわからない。
親をはじめとしたまわりの人の意見が「自分像」を作ってしまうことは、よくあることなんだろう。
私の場合、親の呪縛は強かったけど、大内くんがそこから救い出してくれた。
おかげで私は、昔より自分のことを「けっこういいヤツじゃん」と思い、好きになれた気がする。
やっぱり大内くんは最強だ。

かなりな余談だが、よしだたくろうは自分の歌を1曲もちゃんと覚えてないそうである。
「1曲だけは覚えてるんじゃないかなぁ」と大内くんは言う。
「窓」というその曲は、

「窓を開けて 『バカヤローっ』 って叫んだよ」

で終わりなのだ。一発芸。
「『バカヤローっ』なのか『こんちくしょーっ』なのか、わかんなくなるんじゃない?」と言っておこう。

13年1月25日

「日本人の知らない日本語」というマンガを描いた「凪子先生&蛇蔵」のコンビが再びおくる名作、それが「日本人なら知っておきたい日本文学」。
私は、この本のおかげで高校以来ご無沙汰だった「枕草子」や「徒然草」を読みましたよ。
もちろん、当時だって授業でやった後にちょっと読んでみただけで、精読はしてないんですけどね。

まず、紫式部が海外で有名である、という点に驚いた。
「ムラサキ」または「レディー・ムラサキ」と呼ばれ、文学的にたいそう評価されてるそうだぞ。
大和和紀の「あさきゆめみし」で読ませていただきました、という私は、外国人にも劣る日本人だよ。

清少納言はバリキャリだったとか、紫式部はバカのふりをしていたとか、面白い視点で描かれていて、とても勉強になる。
実際、現代語訳された「徒然草」とか「枕草子」を図書館で借りてきて読んだ。古典回帰。

マンガによれば、清少納言は「見苦しきもの」として、
「子供が騒いで物を壊しているのに、『あら、だめよ』とニコニコ笑って言うだけの親!どうにかして欲しい」と書いているようだし、吉田兼好は、
「最近凝った名前多いよね。『難しくすれば賢く見える』と思ってるのかもしれないけど、そうでもないよ?人の名前に見なれない漢字を使うことがいいとは僕は思わないなぁ」と述べているそうで、いやあ、人間って、千年ぐらいたっても変わらないものなんですねぇ。

ついでに借りた清水義範は、「身もフタもない日本文学史」の中で、
「和歌を送り合ったりするのは、ケータイメールの文化と同じ」とズバリ言い切る。
言われてみれば、逢ってる時には言わないで、別れてから「今日は楽しかったですぅ」と書いたうえで、ハートマークをつけようか、いや、それは ちょっと露骨だろう、と考えて送るあたり、メールは確かに短歌に似ている。
「好き!」とかはっきり言わず、どうとでもとれるような内容を書くあたりも、と筆者は言っており、さすが庶民派の清水義範だ。
この人は、難しいことは一切言わないが、「わかるわかる!」ってなるようなことを書くのがうまいんだよね。

というわけで、私は「かしこさが1あがった」という状態です。
「歴女」もはやってることだし、もうちょっと勉強するか!

13年1月26日

「孤独のグルメ」で紹介されていたお店のひとつが家の近所にある。
放映された週末に行ってみたら何やらお客さんが増えて嬉しい悲鳴だとお店のおねーさんが語っていたが、久しぶりにまた行ってみたらどうなっているのか。

答え:どうもなってなかった。

お客さんは特に多いとも少ないとも言えず、メニューは変わらず、おねーさんだけが変わっていた。別の人。
シフトの関係で非番だろうか。それとも転職?
ちょっと可愛い元気なおねーさんで、好きだったんだが。

私は「オムライスとハンバーグのわくわくセット」、大内くんは「ポークジンジャーカレーの大盛り」を頼むつもりが、
「今日は、肉屋さんの配達が遅れて、ポークジンジャーは20分ほどお待ちいただかないと・・・」と言われ、泣く泣く「カレーとソーセージのわくわくセット」に変更。
前に来た時も、「カレーとハンバーグは品切れです」と言われたし、なかなか「事の多い」お店である。なんか、シロウトっぽい。
そこがいいのかな。常連さんがたくさんいそうな、アットホームな店なのだ。

「孤独のグルメ」も第2シーズンが終わってしまったが、その間の「井之頭五郎」の変貌ぶりはすさまじい。
第1シーズンの最初の頃はわりと原作に忠実に、
「オレの腹は何を食いたいんだ?」と輸入商の仕事の合間に「ひとりメシ」を楽しんでいた彼が、だんだん、「腹が減っている」状態か「何か食べている」状態しかなくなっていく。
早くごはんが食べたくて、お客さんとの話が長引きそうだと露骨にイヤな顔をするなんて!
仕事あってのごはんだろうが!

それに、松重豊の「井之頭五郎」は原作に比べて金遣いが荒く、むちゃくちゃな量を食う。
たいがい、1食3千円は下らない気がする。
原作では安いものを食べたり、「これで○○円は安い感じがする」というような庶民的な感覚があるのだが、松重にはそれがない。
外食派の方々は、そんなにお財布と相談しないでごはんを食べるものなの?
だいたい、定食屋でさんざん食べたその足で立ち食いソバ屋に入るとは何事?
いくら深大寺に行きそびれたからと言って、それは食い過ぎを超えて、ごはんに失礼だろうに。

そんな批判もいろいろあるけど、面白いドラマだったことは確かだ。
息子なんか、毎朝食事を食べながら井之頭五郎見てる。「飢える噛む」の回が特にお気に入りの様子。
放映が終わってもうずいぶん経つのに。
キミの人生には、どんな「ひとりメシ」があるのかねぇ。

私の場合は、アパート暮らしをしているOLだった頃、近所の松屋で毎日のように「豚生姜焼き定食」を食べていた。
井之頭五郎とは全く逆に、私は初めての店が超苦手なのだ。
その後、結婚してからというもの、「ひとりメシ」にはまったく縁がない。
個人的には幸せな状態だ。
だが、「ふたりメシ」だろうと、新しい店を探すのが苦手なところは変わらない。
井之頭五郎を見習って、初めての店でもどんどん飛び込んじゃうべきなんだろうなぁ。

13年1月27日

散歩のついでに寄った、隣町の優秀な魚屋さんで、実に見事な「黒ソイ」を見た。1尾380円で、たいそうでかい。
買いたいけどどう食べていいかわからなかったので、お店のおっさんに聞いてみたら、
「煮つけなんかおいしいですよ!」と元気よく言われた。
煮魚はあまり作ったことがないが、もちろんまったくの未経験ということはない。慣れてないだけ。
大内くんが妙に張り切って、
「僕が煮るから、買ってみようよ!」と言うので、1尾買って帰ろう。

イワシも安いね。12尾で400円。
私はいつも「梅煮」を作るのだが、珍しく大内くんが「少し飽きた」と言うので、今回は新作で「香草オーブン焼き」を作ってみようと思い、頭と内臓をとって中骨を外した「天ぷら開き」にしてもらう。

さて、家に帰って、まずは大内くんの「黒ソイの煮つけ」。
「レシピさえ見ないで作った。酒をどぼどぼ、みりんにしょうゆに砂糖、白だしも入れた」とのことで、作り方としてあってるかどうかはちょっと不安だが、できあがりはとてもおいしそうで、魚ギライの息子まで、
「食べてみたいな。オレの分も残しといて」と言ったぐらい。
実際、その日の晩ごはんにいただいて、たいへんおいしかったです。
息子も、何も言わずに全部食べたので、きっとおいしかったんだろう。
魚の煮つけ、切り干し大根、納豆、味噌汁…茶色いごはんだ。

私担当の「イワシの香草オーブン焼き」は翌々日に作ったが、こちらもいい出来だった。
「ポイントは塩気だ。もうちょっと塩を効かせてもいいと思う」と、いつもは薄味な大内くんが言う。
今後の参考にしよう。

こうして、お互い魚料理のレパートリーが増えたので、これからも魚屋さんのお世話になろう。
合言葉は、
「イワシは逃すな」
「大きな魚はまず煮つけ」
という感じです。

毎日の献立はめんどくさいけど、おいしいものを食べるのはいいね。
早くカツオのシーズンが来ないかな。「混ぜずし」を作りたい。
私は大好物だが家人は誰も好きじゃないので、私が1人で作って1人で食べるお気に入りメニューだ。
それまでに体重を落としておかねば。

13年1月29日

先週末ニトリで買った椅子が届いた。
置いてみると、思ったより場所も取らず、布張りの色が部屋にピッタリ。
会社から帰ってきた大内くんがとても喜んでいた。

ただ、マッサージチェアとしての機能はさすがにリビングに置いてある「ホンモノ」にはかなわない。
配送時に家にいた息子には、
「何が届いたの?マッサージチェア?もうあるじゃねーかよ。なに無駄遣いしてんだよ!」と怒られたが、気に入った椅子がたまたまマッサージチェアだったんだから、しょうがないんだよ。
(ヘタな不倫の言い訳みたいだなぁ)

その、リビングにある方のやつなんだが、もうちょっとで配送の人に処分料を払って廃棄してしまうとこだった。
実は、置き場所が悪くて、テレビのすぐそばに窮屈に置いていたので、座る人もあんまりいないし場所ふさぎだし、もう処分するしかないか?って思ってたんだよ。
ところが、一連の模様替えの中で、リビングの一角にあったデスクを分解・収納してしまったため、場所が空き、マッサージチェアをそこに置いてみたら。

いやはや、家具を適正な位置に置くのは難しい。
座りやすい落ち着いた場所を用意してあげた、それだけで、椅子は不死鳥のように甦って機能し始めたのだ。
今では毎日のように座っているし、外出から帰って「あー、くたびれた!」って言うような時、どさりと座り込んで「クィック5分コース」のボタンを押す。極楽極楽。
こんないいものを捨てようと思ったなんて、ギリギリで思いとどまって本当によかった!

人間関係もそうです。
うまくいかない時は、立ち位置を変えて別の方向からのアプローチを試してみてください。
「十全に力を尽くした」と思えるまで、手放しちゃダメだよ。
家具は買い替えがきくけど、人間関係はかけがえのない宝物だから。

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