13年7月1日

日頃、宴会なんか出ない生活を送っているので全然知らなかったんだが、最近の宴会では「ノンアルコールビール」が当たり前に出るんだね。
お酒に弱い私にはまあありがたい傾向かな。あんまり飲んだことないが。

大内くんはいくつか試してみたらしいけど、まだ「満足できるほどのおいしさ」には出会ったことがないらしい。
最近では、スーパーとかで「ノンアルコールのチューハイ」まで売ってて、「これはお酒ではありません」と札が出てる。
「炭酸ジュースと、どこが違うの?」と困惑気味の我々。
こちらは、試しに飲んでみたことすらありません。

大内くんには大好きなビールがあって、サッポロから出てる「エーデルピルス」というそのビールは、彼が知る限りでは日本で一番おいしいという。
「もちろん、僕が勝手に思ってるだけなんだけどね」
でも、普通の酒屋さんでは売っていなくて、原則、恵比寿駅にある「サッポロ」の直轄ビアホールでしか飲めないそうだ。

ところが、このたび、「コンビニ限定」で売り出してるんだって。
日頃はあまりお酒を飲まないようにしている自称「アル中になりやすい気がする」酒好きの大内くんだが、こういう時だけは別で、今日もわざわざ徒歩5分ほどのセブンまで買いに行った。
手をつないで夜道を歩きながら彼が言うには、
「うちから一番近いローソンでは、もう売るのをやめてしまった。終わりが近い」のだそうで、実際、セブンでも、
「9本しかなかった。これが売れたら、またサッポロはエーデルピルスを外では売らなくなっちゃうと思う」とのこと。

エーデルピルスは、かなり苦い。
大内くんにとっては、その苦味がたまらないんだそうだ。
確かに、ビールらしいビールかもしれない。
これが買えなくなると、大内くんが気に入ってるものはもう「ヱビス」ぐらいしかない。
私はビールは何でもいい、というか、飲まないし。
「風呂上りにキュッと1杯」という時でも、麦茶で充分なんだ。

でも、ここ10年ぐらい、麦茶より緑茶の方が好きだな。冷たいやつ。
うちの冷蔵庫には、常時、ティーバッグで淹れた麦茶と緑茶をそれぞれ2リットルペットボトルに入れたやつが入ってる。
水道というのは便利なもので、お茶やポカリスウェットをボトルで買ってくると大変な重さになるところが、ティーバッグや粉末で買って家で水を入れるととっても軽いんだ。
「水道の水なんて飲めません、ミネラルウォーターを箱買いしてます」というようなグルメな人々には、重い買い物をしてもらわねばならんが。

飲み物といえば、息子は、もう半年足らずで成人しようかという歳なのに、いまだに食事時には牛乳を飲む。
数年前、まだ家に大勢の友達が泊まりに来る、というような楽しいイベントがあった頃、焼き肉やらカレーやらの晩ごはんを出して彼らと一緒に食卓を 囲んだが、
「飲み物、何にする?麦茶と、緑茶と、牛乳があるけど」と聞くと、たいていの子は、
「あ、オレ、麦茶でお願いしまッス」「オレも」となるんだが、息子だけは牛乳だった。
哺乳瓶を離してからもずっと、彼の好みは変わらない。
20歳になったら突然「オレはビール!」とか言うようになるんだろうか。

少なくとも今、週に6、7本消化する牛乳は、買い物の時の重さの源だ。
牛乳の粉末があればいいのかなぁ。
それとも、乳牛を1頭飼おうか。
いやいや、今度はそいつが食べるエサが重くなるだけだろう。
草だから重くはないのか。それでも、牧草を置いとく場所がないぞ。
そもそも、家には牛を飼うスペースがない・・・

何にせよ、飲み物は重い、という話でした。
息子の食べ物飲み物は全部母乳でまかなえた、そんな時代がなつかしい。

13年7月3日

大内くんが泊まりの出張。
それだけなら最近ではちょくちょくあることになったけど、なんと行く先は海外。とはいえ、韓国。
私は「大内くん、生まれて初めての海外出張!」とキンチョーしてるけど、本人は、
「隣の国だからねぇ。時間もかかんないし、九州出張とあんまり変わらないね」。
さすがはサラリーマン歴24年。

朝、羽田行きのバスに乗るため早起きして、出かけて行った。
そういう日に限って、息子から、
「朝10時に起こせ」(しかも起きない)とか、出先から、
「金がない。振り込んどいてくれ」とかさまざまな注文が。
あー、めんどくさっ!

日中1人でいる時は普段通りだが、やっぱり大内くんがちょっと遠くに行ってるので、心配だし心細いね。
夜、電話がかかって来た時は嬉しかったけど、
「これはもしかして国際通話ということになるのか?高いのか?」と気になっちゃって、あんまりゆっくり話せなかった。
息子も帰って来ないし。

1人の真夜中は寂しいぞ〜。
もうオトナだし、ここ20年ぐらいホラー映画や小説は避けているので怖いということはないけど、やっぱ、寂しいのがヤだね。
たった1泊の出張でこの騒ぎ。
世の中には1カ月とか出張に行っちゃう人もいるようだから、私は甘ったれてるなぁ。

帰りは明日の夜中になるようで、「羽田に着いたら電話するよ」と言われた。
羽田10時半。
家までたどり着くのにどのくらいかかるだろうか。
何で羽田ってあんなに遠いのかねぇ。

なんとか夜が明けて、さて、私は今日中に大内くんの顔を見ることができるのでしょうか!?
おこづかいを振り込まされた怒りから、息子の顔は2、3日見たくない。
でも、病院の夜勤の事務というバイトをやめてしまったので、今後、彼が夜、家に帰って来る率は上がるんだよね。
あー、やっぱりめんどくさっ!!
早く次のバイトを探せっ!

13年7月4日

1泊2日の韓国出張を終えて、大内くんが無事に帰って来た。
近いところだとは言っても、やっぱ外国に行ってるわけだし、日本ほど治安のいい国はないというから、危険な目に合う可能性も高いだろう、と心配してたんだよ。

夜中の12時過ぎに帰って来た大内くんが言うには、
「食事はおいしかった。ごちそうだった」
「ソウルは、東京よりずっと華やか、というか、派手」なんだそうだし、極めつけは、
「ホテルが、すごく豪華なんだけど、豪華すぎてラブホみたいだ、と、同行者たちもみんな言っていた」とのこと。
なにせ、シングルなのに大きな照明が2つ、ベッドを照らし出し、ベッドの両サイドには大きな鏡が2面。
「ベッドが回らないのが不思議なほどだ」そうです。

私へのおみやげはキムチ。エビキムチなんだって。
さっそく今夜にでも食べてみよう。
おっと、今夜は大内くんまた遅いんだった。接待。
大忙しの1週間だったなぁ・・・あとは、アメリカから来る従姉家族をもてなせば、しばらく大きな予定はない。

予定が入るとそれだけで疲れてぐんにゃりしてしまう私としては、1カ月ぐらい誰にも会わずにいたいぐらいだ。
しかも、そうすることはまったく無理でない。
社会の片隅でひっそりと生きる引きこもり専業主婦には、降ってわくような予定なんかないもんなんだ。

13年7月6日

唯生に会いに行く。
隣りにある一般の病院に入院して手術を受け、その後の回復状態がいいので元の施設に戻った。
おなかに4本も管が入った状態で、現代医療がなければ唯生は生きてはいないだろう。
というか、そもそも生まれた時に死んじゃってるよ。

看護師さんたちが、
「唯生ちゃん、機嫌がいいですよ!」と言ってくれたとおり、にこやかな顔を見せてくれた。
服をちょっとめくっておなかを見せてもらって、うーん、ストーマというものを初めて見たぞ。
「こんなになっちゃって・・・」と、チューブだらけの唯生に親は哀れを感じるが、お世話してくれてる人たちはそんなの気にしてないようだ。
ま、生きてるだけでもめっけもんなので、感傷的になるのはよそう。

しばらく唯生の顔を見て、看護師さんたちにお礼を言って帰る。
こないだのカンファレンスでも、
「唯生さんの『QOL』を上げて行く」というテーマがあったけど、今の医療は、患者さんがよりよい生活ができるよう、「クオリティ・オブ・ライフ」を中心に考えるのが普通みたいだ。
これはとっても大事なことだと思う。
ただ呼吸してるだけでは「生活してる」とは言いがたい、という考え方は最近のものだね。
特に、老人医療なんかの分野で大切なことだろう。

唯生も、制限された中で「より良い生活」を目指してもらってる。
1日の間にも訓練やお楽しみの時間があり、長いスパンでは年に幾度か、バスハイクや遠足、お花見などの行事がある。
外へ出て、自然や人々と触れ合うのは本当にいい刺激だ。

ちょっと昔には、「障害は恥ずかしい、隠すべきもの」という常識があり、親も子も息をひそめて暮らしていたんだろうと想像されるが、少なくとも唯生が生まれてからこっち、我々はそんなことを考える必要はなかった。
いい時代だと思う。
昔は、小学校に入れないからと言って、親が、「就学免除依頼」を出さなきゃいけなかったんだよ。
行かせたくてたまらない学校に、「うちの子には学校は無理です」って、親が願い出るかっこうにされてたんだよ。
彼女が生まれた頃に読んだちょっと昔の本には、そういう環境をいかにして変えてきたかがつづられたものがたくさんあった。
唯生なんて、養護学校の院内学級とはいえ、高校まで行かせてもらったんだもんなぁ。
本当に、時代が変わったんだと、しみじみしたよ。

これからも、唯生たちを守ってくれる社会であり続けてほしい。
なので、うちは税金は払う。断固として払う。
大内くんは、
「僕が仕事をしていて一番に考えることは、唯生たちに少しでもたくさんの税金を使えるよう、会社が儲かる方法を探す、ってこと。僕1人の稼ぎでは何もできないが、会社が儲かってその分税金を払ってくれれば、唯生たちに回る分も出てくる」と毎日考えているそうだ。頭が下がる。

私も、間接的にではあるが唯生の役に立つよう、せめて大内くんが快適に仕事できる家庭環境を作りたい。
「電気をつけてごはんを作り、お風呂をわかして待っている」という消極的な応援だが・・・

13年7月7日

以前から懸案のひとつだった、アメリカから来る大内くんの従姉(お父さんのお姉さんの娘さん)とのランチ。
5歳の男女双子を連れて1カ月以上も日本に滞在し、仙台とか高松とかに散らばった大学時代やいくつかの会社の知人友人を訪ね歩き、最後の1週間ほ どは上の娘さん(13歳)とダンナ(ピクサーのエンジニア)も合流して、というハードスケジュールに何とか組み込んでもらって、彼らがジブリ美術 館に行く前に会うことができた。

ジブリは、彼女と双子は2回目だが、上の子とダンナさんは初めて。
アニメーターではないにしろ、大手アニメ会社でCG処理とかしてる人がどんな反応を示すのか、一緒に行って見てみたかったんだけど、チケットが取れなかったのであきらめた。

ドリンクバーのついたパスタやピザがいろいろあり、コドモたちも楽しめるだろうとピックアップしたお店で11時に待っていたら、
「今、タクシーに乗ってる。もうじき着くから」と電話が入ったので、ゆったり構えていよう。
ここまで、すべてのやり取りをパソコンで行っていたので、彼女がホントに日本語OKの人なのか、ちょっと不安だった私が、電話を切った大内くんに、
「日本語だった?」と聞いたら、
「うん。彼女は本当に日本語は大丈夫だから。ダンナさんと子供たちはよくわからないけど、少しは話せるってメールに書いてあったし、心配ないよ」と、私以上に英語に不安を持つ大内くんはきっぱりしてた。
私もなぁ、20年以上前に会った時は大丈夫だった覚えはあるんだが…何しろメールは全部英語だからなぁ・・・

そして10分後、彼らが現れた。
「Oh!」と言って私をハグしてくれた彼女、「ナイス・トゥ・ミーチュー!」と言ったら握手してくれたダンナさん、少し人見知りで恥ずかしそうな 双子(でも、「コンニチハ」ってちゃんと言えてたよ)、疲れてちょっと気分が悪い、というお姉ちゃん、そして我々の7人が、従姉を中心にオーダーを決 め、あとはもう、怒涛の世間話。

まずは持って来たプレゼントを、と思ったら、先に向こうに出されてしまった。
厚さ10センチはあろうかという、ピクサーのアニメつき絵葉書の束。嬉しい!
双子の片割れ(男の子)が日本語で一生懸命、
「ここにね、なまえをかくの。それで、ここにでんわばんごうをかくの。ここにきってをはってね」と説明してくれる。
「電話番号を書く」というのは、もしかして「メールアドレス」のことだろうか?それだって家に配達はされないけど。

こちらからのプレゼントは、双子の1人ずつに「小さなゾウ」のぬいぐるみを3個ずつ。物量作戦だ。
上の子には浴衣の時に持つ巾着袋。
気分悪そうにうつむいていたが、このプレゼントは気に入ったらしく、にっこりしてた。
お母さんである従姉が、「浴衣を着て下駄をはいた時に持つものよ」って早口の英語で説明してたが、うーん、くやしいことに半分も聞き取れなかっ た。
最後、従姉とそのダンナさんにはお香を。「インセンス」って言ったら通じた。

私は主に従姉と話していたが、大内くんは双子の相手をしたりダンナさんと日本語混じりの英語で話したり。
フレンドリーな人たちだなぁ。
用意してあったiPadで唯生や息子の小さい時から今までの時々をスライドショー。
とても喜んでくれた。

従姉の日本語はたいそう達者で、知らなければ日本人で通りそうだ。
コドモの頃にアメリカに渡る前は、普通の学校に行ってたらしい。立派な帰国子女。
時折、我々の英語では通じないダンナさんに通訳してあげながらの会話だった。

あっという間に2時間ぐらいたち、このあとジブリ美術館に行く、という5人を見送る。
日本語のあまり通じなかった長女とも、最後は簡単な会話ができた。
「まだサッカーやってるの?ポジションは?」と大内くんが聞いたら、「ミドル・フォワード」。
「週に何日ぐらい練習してるの?」と私が問えば、「オフ・シーズンは週に1回。春からは週に3回ぐらい」。
「昔は英語、話せたんだけど、すっかり忘れちゃった」と言うと、
「でも、とても上手な英語を話すのね」と言われた。嬉しい。
ティーンエイジャーと英会話ができたからといって、そう喜ぶのもナンだが。

彼らの乗ったタクシーが見えなくなるまで手を振って、いきなり脱力。
「はああ・・・何とか通じたねぇ」
「僕は、ダンナさんの言うことは半分もわからなかった・・・」
と、それぞれのため息をつき、でも、とっても楽しかった。
息子がお笑いサークルの用事で来られなかったのがとても残念そうだった従姉は、
「大学の間に、ひと月ぐらいステイしに来て!本当に、ぜひ来て!」と何度も言っていた。
「もちろんあなたたちもウエルカムよ。いつでも泊まりに来てね!」
アメリカ人というのは、家が広いせいなのか根っからお客さんが好きなのか、熱烈歓迎な感じだった。

家に帰って来て、とにかくもう寝るしかない、という精神状態でベッドに倒れ込む。
大内くんはすぐに爆睡。私は少し本を読んでるうちに眠くなってオヤスミ。
起きたら2時間ぐらいたっていた。
晩ごはんを食べる気力もなくヨーグルトやチーズでごまかし、今日はもう、晩は抜きでいいや。昼間いっぱい食べたし。

教訓:
やはり、英語は必須なんだとよくわかった。
私は大学時代あんなにペラペラだったのに、と枕を食いちぎりたくなった。
これから、少しずつでも勉強しよう!

13年7月8日

「自炊」のおかげで壁面が大きく余っているので、
「絵でも掛けようか」と大内くんと相談して、時々画廊みたいなものを見つけてはいろんな絵を見てきたが、どうもこれといってピンとくるものがない。
何度か、「もう、これにしちゃおうか」みたいな会話はあったものの、本当に好きな絵との出会いがなかった。

それが、先日アメリカから来る従妹一家に贈るプレゼントを探している時に、ビルの中の画廊で、「!!」と大内くんと顔を見合わせた1枚があったのだ!

ポスターかリトグラフを額装したもので、近代的なデザイン画。
お値段的にも手ごろなうえ、そもそもセール中で3割引きなんだよね。
さらに言えば、「現品限り」で、そこも我が家的にはポイントが高い。
「これ、いいよね!」「うん、いいね!」と短い話し合いがあって、翌週また来てみてまだあったら、運命の出会いということで買おう!という結論が出た。
すぐに買ってもよかったのだが、少し頭を冷やしながらでないとこういうものは買えない。

そして1週間後、同じ店に行って見たらまだあった!
さっそく買って、配送伝票を書き、送ってもらうことに。
それで届いたのが今日。
大内くんの帰りを待つのももどかしく、もう開封して、適当にかけておいたジグゾーパズルをはずし、そのあとにかけてみた。
うーん、ナイスだ。
大きさもかなりあって、だだっ広い壁にぴったりだし、額縁のグリーンがカーテンのオレンジとケンカするかと思ってたけど、絵の中に使われているオレンジが仲を取り持ち、いいカンジ。

2時間ぐらいして帰って来た大内くんも、「いいね!」と喜んでくれた。
絵1枚でこんなに部屋の雰囲気が変わるとは思ってなかったよ。
本当にいい買い物だった。

これで、あとは書斎の本棚を友人にあげてしまった、その壁面を埋めれば模様替えは終了。
もっとも、これは急がない。
じっくり待っていれば、「これだ!」っていう出会いがある、とあらためて思ったし、よくよく気に入った絵に出会えれば部屋がすばらしくなる、ということもわかったので、楽しんで、ゆっくり選ぼう。

13年7月10日

レンタルビデオの返却時間が、「返却予定日の翌日の開店(10時)まで」だった近所のツタヤだが、このたび、「返却予定日の昼の12時まで」に延 長された。

駐車場が有料になってゲートと料金箱が設置されたこの店では、店外の「返却口」で開店時間前に返そうと思うと駐車場の料金が無料にならない。
そこを改善するための窮余の策であると想像はされるが、なんつーか、センスがないなぁ。

でも、うちがレンタルビデオを借りようと思うと車でここに来るのが一番簡単なんだ。
なので、つぶれてほしくない。
なんとなく賑わいが薄く見えるのは気のせいだろうか。
商売のことはわからんなぁ。

13年7月12日

唐突だが、皆さんは、教室の掃除などで「机を2人で持って移動させる」ことを何と言いますか?
私の脳内辞書では「机をつる」という言葉で表すのだが、どうやらそれは名古屋弁らしい。
東京人である大内くんには、通じない。

昔、大内くんの会社の友達の家族数組で旅行に行った時、布団を敷くために机を動かそうとして「机をつるよ」と言ったら、その場にいる人で理解してくれたのは名古屋出身の奥さん1人だけだった。(九州の人とか岩手の人とか北海道の人とかがいた)
「つる、って、言うよね?」と確認すると、
「言いますよ!」という返事。
「逆に、そう言わないなら何て言うの?」と全員に聞いたら、その奥さん以外の人はみんな、
「机を持って動かす、とか」と言う。
「面倒じゃん。『つる』って言えば、ひと言で通じるよ」と主張したのだが、
「名古屋の人は、そんなに掃除に命をかけているのか」と笑われて終わったのは、今思い返しても屈辱的である。

このほど、大内くんと「3年B組 金八先生」を観てて、掃除のシーンがよくあるんだよね。
「こういう時に、『机をつる』って言うんだよ」と言ったら、
「普通は通じないね。方言だよ」と言われる。くやしい。
「中学生日記」でも観るかなぁ。あれは舞台が名古屋なので、掃除のシーンで「机をつるよ」と言ってるかもしれないぞ。

13年7月13日

今日は朝早くから甲府に遊びに行くことになっている。
この2年ぐらいに開発された我が家の遊び方で、

早朝ドライブ
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コメダでモーニング
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シネコンで朝一番の映画
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ショッピング
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昼食
  ↓
温泉(昼寝)
  ↓
晩ごはん
  ↓
甲府盆地の夜景を眺めながら夜のドライブ
  ↓
午後10時ごろ帰宅

という、1日をフルに使ったゴージャスなレジャーになる。
さて、今日はどうだろう?

まずは前日の早寝から。
朝が得意な大内家といえども、十分な睡眠なくしてはエンジンがかからない。
さっとお風呂に入ってさっと晩ごはん食べて、9時に寝る。
そして朝は4時半起き。これでも7時間半眠れているので、1日の活動にはまったく差支えない。

5時には家を出て、一路甲府へ。
道はがらがらにすいており、巡行速度80キロでも2時間ちょうどで甲府に着く。
早朝のドライブは気持ちいいよ!
iPodから流れる荒井由実の「中央フリーウェイ」がぴったり!

計算通り開店直後のコメダに着いた。
これまではモーニングに「シロノワール」というコメダ名物のデザートを必ず食べていたが、少し飽きたのと今日は温泉でおいしいごはんを食べようと思ってるのとで、ちょっと節約しておいた。
モーニングのトーストに、
「バターは多めにお願いします」と言っておいたら、したたるほどのバターを塗ってくれた。
家の近所のお店ではこうはいかないので、甲府のコメダは東京のコメダより太っ腹だということがよくわかった。

ゆっくりカフェオレを飲んで、さて、次に向かうのはイオンモールの中にある東宝シネマズのシネコン。
8時20分からの「アフター・アース」を、「夫婦2人のどちらかが50歳以上なら2人で2千円」という「夫婦50歳割引」を使って観る。
詳細はシネマ日記だが、ものすごく残念なことに、来週の土曜からは宮崎駿の「風立ちぬ」という新作がかかるというのを、映画館の広告で初めて知っ た。
もし知っていたら、甲府にお出かけ自体を1週間遅らせ、公開当日に観たかもしれない。
やはり、そのぐらい宮崎駿にはまだ期待しているのだ、我々は。

大内くんもとても悔しそうに、
「次に来たら、当然『風立ちぬ』は観るし、もう1本新作を観て、『2本立て』にしたい!」と言っていた。
全席予約の東宝シネマズだからできることだが、さすがに宮崎駿の初日は混むだろうなぁ。
ちなみに、もう公開終了秒読みの「アフター・アース」を観ていたのは我々2人だけでした。映画館貸切状態。
売店で買ったポップコーンの大箱に手を突っ込みながら、楽しく観ましたよ。

さて、映画も終わり、ショッピングモールへ。
大きな吹き抜けがちょっと横浜のランドマークに似てる。
例によって家族のパジャマを買い込んだが、大内くんに初めて「ジンべはん」を買ってあげた。
ほら、和風の、短いズボンに着物風の前合わせになってる、花火を見に行くお父さんがよく来てるようなヤツ。
大内くんはカッコいいから、何を着せても着せ甲斐があるよ。これから、風呂上りはこれでくつろいてもらおいう。

それ以外でも、輸入食材店の「カルディ」でキャンベルのスープを買ったり、台所用品の売り場で小さなタッパーを買ったり。
家の近所でもいつでも買えるようなものばっかりなんだが、どうして我々は甲府くんだりまで来てこんなものを買っているのだろう?!

たっぷりショッピングを楽しみ、少しおなかがすいてきたね。
「どっかでハンバーガーでも食べる?」という大内くんに、
「もう、温泉に行っちゃって、そこでおそばとか軽いものを食べるのはどう?あそこは何でもおいしいよ」と言ったら、彼もそのアイデアがいたく気に 入ったらしく、「よし、行こう!」ということになった。

いつも早朝に行く大内家ならではのことだが、モールの外に出たら、つい3時間ちょっと前に車を停めた時はただの空き地だった駐車場が、車の海に なって いた。
場所覚えのいい大内くんがいなかったら、私は1日自分の車を探してうろうろしただろう。

11時ごろに「日帰り温泉」の店に着く。
ここは、2階の座敷で食べるごはんがおいしいし、お風呂も充実、大内くんに至っては畳のある休憩所で毛布借りて寝ちゃうのだ!

さっそく2人とも昼食を。
大内くんは「ざるうどん」、私は「ざるそば」。
朝からバターたっぷりトーストを食べているので、これぐらいが妥当かな。
両方とも、とてもおいしかった。

腹ごしらえをすませ、いざ、温泉!
当然大内くんと私は男湯と女湯に分かれて入る。とりあえず「2時間たったら休憩所に集合」と決めておく。
一緒に温泉に入ろうと思うと、「混浴」があるか、水着を着るか、思い切って温泉が部屋にある、という方法しかない。
この寂しさがなければ、温泉はもっと楽しいのに。

建築士をしている友人に、
「お風呂を改装して、お湯のお風呂と水風呂とサウナをつけたいんだが、可能だろうか?」と聞いてみたことがあるのだが、
「改装はできます。ただし、3つは無理なので、どれか2つを選んでください」といたく冷静なお返事を承った。
こないだまで観ていた連続ドラマの「家族ゲーム」の中では、板尾創路がホームサウナに入っていたなぁ。
家も豪邸だったし、やっぱ、「お金持ち」という設定だったんだろうな。

話はそれたが、ここの温泉はいいお湯なんだ。
無味無臭の茶色い液体だが、お肌がつるつるになる。
だいぶ年季の入った浴場で、普通のお風呂、露天風呂、水風呂、あぶくの出る風呂、サウナしかないが、ベーシックな部分はそろっているし、各風呂の温度が微妙に違うので、入る人の好みや体調によって選べる。

さらに、特筆すべきはサウナで、いろんなとこでサウナに入って来た私だが、ここほど高温でさっぱりしたサウナは珍しい。
おまけに、壁面のガラスの向こうにテレビがあるのだ!
サウナの一番の大敵は熱さではなく退屈だと思っていたが、これだといくらでも入っていられそう。
ほほう、中野のセンター街ではいい皿を売っているなぁ、とか思いながら見た。
でもこれ、地元キー局の番組を流した方がいいのでは?
いきなり中野に皿買いには行けないだろうに。

と言いつつ5分とガマンできず、飛び出してシャワーを浴び、水風呂へ。
うーん、冷た〜い!
でも、これが冷たくないとサウナ満喫というわけにいかないんだよね。
きんきんに冷えたところを温度低めの露天風呂でゆっくり温める。

まあ、およそそんな感じで1時間半。約束の時間まではまだあるが、とりあえす1回目の風呂はここまでだ。
館内用に用意されてるパジャマ的なものを着て、休憩室へ。
ロビーにも休憩室にも安楽椅子がいくつか置いてあり、100円入れると動く「足つぼマッサージ」の機械があったり、マッサージ屋さんが営業中だったり。
休憩室には座敷になっているコーナー(5,6人が寝られるか?)があり、毛布もおいてある。
「お好きなだけ、昼寝もしてください」というお心遣いだ。

大内くんがまだ来てなかったので、持って来たiPadで「モリのアサガオ」を読む。
もっとも、わざわざiPadを持ってこなくても、壁面にずらりとマンガが並んでて、1週間通っても読みつくせないカンジ。
どこまでも、気の利いた温泉だ。

しばらく読んでいたら、大内くんがやって来た。
「どうだった?」と聞くと、
「とにかくサウナが良かった。2時間、サウナと水風呂の間を無限に行ったり来たりしていた」とのこと。
この人は、サウナが大好きなんだよね。
日頃あんまり汗をかかないくせに、辛い物を食べた時とサウナに入った時だけは、滝のように汗を流す。
今回も、顔がつるつるになってた。よっぽど汗をかいたんだね。

「僕は、お風呂はとりあえずもういい。昼寝する。身体の芯からとろけてどろどろだ」とつぶやいている間にも寝てしまった。
しょうがないから、私はもう1回お風呂に入る。
どうしても、さっきよりは滞在時間が短くなってしまう。
それでも1時間ぐらいは入ったかな。

上がってきたら、大内くんは座敷で毛布掛けて、実に幸せそうな顔で寝ている。
私は「モリのアサガオ」の続きが気になっていたので、読書続行。
結局、全7巻のこのマンガを、読み切ることができなかった!

大内くんは3時間ぐらい爆睡して、やがてとろとろと目を覚まし、「晩ごはん、食べようか」。
って、あなたは風呂はもういいの?と聞いたら、
「後でもう1回入るかも。今はおなかがすいてる」
なんだか、欲望に忠実な人だね。

上の座敷で食事ができるので、上がって行って、メニューを検討。
和風テイストなものが多いけど、おお、煮込みハンバーグのセットがあるじゃないか。
なぜか最近、ハンバーグが食べたかったんだよね。速攻で決まった。
大内くんはかなり悩んでいたけど、結局、「天ぷら刺し盛り定食」。
2人とも、これでオーダーは決まりだ。
注文を伝えて、改めて周りを見る。

なんつーか、同窓会とか婦人会とかのゴールはこういう感じですか?と思った。
8人ほどの、雰囲気の似た集団が数組、一杯やってる。
温泉ってのは、こう使うべきものかもなぁ。

大内くんと話していて、彼もまた、サウナにテレビがあるのはいいと思ったらしいんだが、よくよく聞いてみたら、私の見てた番組と同じものを見てい たことが判明。
(中野のサンロードの面白い形のお皿、からつながった)
こないだ来た時は別のチャンネルだったんだよね。何か理由があるのだろうか?

で、料理が来て、これがまた、おいしいんだ。
普通の味だとも言えるけど、温泉がからむと食事に露骨に手を抜くお店もあるからなぁ。

満腹になり、もう1回お風呂を楽しみ、もームリ!ってとこまであったまりました。
湯上り休憩を兼ねて、大内くんはネクサスで「マスター・キートン」、私はiPadで「モリのアサカオ」の続きに挑戦。
マスター・キートンは私からの強いおススメで大内くんも読むようになったんだが、
「心は考古学者でバイトは保険のオプ。その実態はイギリス軍特殊部隊引退者。僕もこんな人になりたいもんだ。あ、でも、戦争の部分は抜かしてね」。
「キートンくんの実力には脱帽だ。早くドナウ川を掘らせてあげたいなぁ」というのは、彼自身、「サンタクロース&なまはげ同一起源説」を唱えているからだろう。
だからさぁ、まずは「古文書」を読めるようになんないと!

さて、薄暗くなってきたからそろそろ帰るか。
お会計をすると、入浴料が900円。タオルつき。あとはお食事代が2人で4千円近くか。まあ、昼も食べたしね。
毎度驚くのは、ここの「入浴料」の安さ。昼寝できる座敷もパジャマも安楽椅子もマンガも、全部そこに詰まってるんだから。
さほど大きな施設ではなく、むしろこじんまりした民家のように見えるぐらいなんだが、ネットで調べて大当たり。
昼寝のせいですっかり元気になった大内くんの運転で、東京に向かえ!

夜が下りてきた甲府の夜景は本当にキレイ。
昔っから、これが見たさに夜の中央高速を走っていたもんだ。
私は24の歳からマイ・ファミリアに乗って走り回ってた不良娘(法に触れることは一切していないが…年収と同じぐらいの真っ赤なファミリアを買ったなぁ・・・)で、夜中の碓氷越えも、山梨へのぶどう峠越えも、夜中中国道1号線を名古屋に向かうことも、逆に平均巡行速度140キロで東名を走り抜けて実家までドアドアで4時間で帰ったとか、やりたいことは全部やりまくったが、そんな自分が、誰かの運転にまどろみながら家へ帰る、というの も想像しづらい。

「家に帰りつくまでがドライブです!」を合言葉に、なんとか家に帰りついたのが9時半。ざっと16時間半の行楽だった。
昼寝したせいか、まるで泊まりの旅行から帰って来たような充実感だ。
大内くんの言うように、朝から映画を2本観るのもいいかもしれない。
ともかく今日の満足感と言ったら・・・寝る前に「モリのアサガオ」も読み終わったし。
皆さんも、お休みは充実怒涛の日を過ごしてくださいね〜

13年7月15日

前夜、急にガス台の調子が悪くなったので、すぐに東京ガスに電話し、修理に来てもらうことにした。
3口あるコンロの、2口が不調なので、最後の1個を使って簡単な料理ぐらいはできると思うけど、やはり心細い。

で、翌日たちまちやって来て直して行ってくれたおにーさんの話では、部分的に目詰まりを起こしていたらしい。
「お買い上げは10年前ぐらいですよね。だいたい、10年が目安ですね。このマンションにも、何度か修理で呼ばれています」
そうか、結婚した時に一斉に買った家電商品がそれぞれ10年前後で不調になり、修理や買い替えが必要になる「10年後シンドローム」については聞いたことがあるが、ガスもそうか。
とりあえず今晩は大丈夫なんだが、さて、そろそろ本格的な修理か買い替えが必要かな。

会社から帰って来た大内くんに事の顛末を語り、最後に、
「いっそ、IHのお世話になる?前から欲しいって言ってたじゃない。それに、来年大型旅行に行くつもりなら、それまでにIHにしておけば、息子があてにならなくても火事の心配はぐっと減るよ」と言ったら、
「2つのことをいっぺんに解決しようとは、それぞまさしくアウフヘーベンというものだ。さすがはミセス・QC。ほれぼれしちゃうなぁ。よし、その意を汲んでIHを検討しよう!」と、なんだか興奮してた。

いや、来年になるとね、大内くんが会社から実働10日間の「リフレッシュ休暇」がもらえるんだよ。
ずっと行ってみたかったイタリアに、というあたりまでしか決めてないんだけど、私が一番心配するのは息子が家をめちゃくちゃにすること。
みんな口をそろえて、
「もう大学生だもん。大丈夫だよ」と言うが、電気つけっぱなし、窓開けっ放し、とどめに冷蔵庫のドアをきちんと閉めず、冷凍食品を壊滅させた、そんなヤツの何を信用せよというのか。

というわけで、確かにIHにしたら少しは安心かも。
大内くんは大内くんで、
「冷蔵庫、冷凍庫の中を空っぽに使い切っちゃって、息子の牛乳ぐらいしか入ってない状態にしていけば、心配しないですむよ!」との名発言。
そうか、そしたら冷蔵庫開けっ放しでもいいんだ!
大内くんもやるじゃん。

ちなみに私が最終兵器として温めていた解決策は、
「我々の留守中、10日間、息子にはホテル暮らしをしてもらう」ことでした。

やれやれ、周辺の事情をまず片づけないとおちおち旅行にも行けないなんてねぇ。
もっとも、今現在一番大切な周辺事情は唯生の健康。
「担当の先生の意見を聞いて、大きな変化が起こらないような状態だったら、行こう」
こういうものを「しがらみ」というのだろうか。
でも、私は他人に介入されるのは大好きだから、唯生が具合悪ければイタリア旅行なんて定年後でもいいよ。
そもそも、今現在行く、ということは私の健康にも不安のあるところだからね。

13年7月17日

買い物の帰りに「フクロウを連れた2人連れ」というものを見た。
中年男女それぞれが、腕に1羽ずつフクロウをのせているのだ。
大内くんはハリー・ポッターの読み過ぎか、「魔女?!」とつぶやいていた。いや、1人は男性なんですけどね。

「フクロウ友達が、動物病院に行った帰りかね?」というのが私の意見だったのだが、大内くんのは、
「1羽飼うのも2羽飼うのも変わらないから、夫婦で飼ってるんだよ。どっか連れてったんじゃないの?」というもの。
うーん、くやしいけどその想像の方が正しいような気がする。
フクロウを飼うのは違法じゃないよね?ワシントン条約とか、あるじゃん。

こういうのを、人はケータイやデジカメで撮って、それぞれのFACEBOOKに載せたりするのだろうなぁ。
私はあいにく車窓からちらっと見ただけで、とてもケータイを取り出すヒマもなかった。残念!

13年7月18日

行きつけのレンタルビデオ店、ツタヤの返却時間が、「返却予定日の翌日の開店(10時)まで」だったのだが、このたび、「返却予定日の昼の12時まで」に延長された。

駐車場が有料になってゲートと料金箱が設置されたこの店では、店外の「返却口」で開店時間前に返そうと思うと駐車場の料金が無料にならない。
お店に入ることさえできれば、返却のみであっても無料駐車券をゲットすることができるんだけどなぁ。
前々から、開店時間外の「返却ポスト」利用者はどうするのかと思っていたんだ。

実際、私が早朝に車で返しに行った時、やはり帰りのゲートでお金を払わざるを得ない様子だった。
もっとも、私はそれを見越して駐車場には入れず、まだまったく交通量の少ない道路にちょっとだけ停めさせていただいたのだが。
その問題を改善するための窮余の策であると想像はされるが、なんつーか、センスがないなぁ。

でも、うちがレンタルビデオを借りようと思うと車でここに来るのが一番簡単なんだ。
なので、つぶれてほしくない。
なんとなく賑わいが薄く見えるのは気のせいだろうか。
商売のことはわからんなぁ。

お店というのはホントにわからん。
ここ15年ぐらいずっとお世話になって来た駅から徒歩10分ぐらいの歯医者さんが、この頃どうもあぶないのだ。
前は予約を取っていても必ず待たされるぐらい混んでいたし、インターンをよく受け入れるのか、「ややヘタ」なにーちゃんが入れ代わり立ち代わり来 ていた。
そんな「ゆくゆくは金の卵を産む歯医者の卵のにーちゃんたち」の姿もめっきり見なくなったし。

先生自体はまあわりと若いがうまいし、患者さんを大事にするので人気があったのだが、私はここしばらくずっと先生にやってもらってる。
昔はほとんどインターンが相手だったのに。

先生もなぁ、穏やかな人だったのに最近ちょっとイライラしてるようにも見える。
もっともこれは私の勝手な妄想ではあるのだが。

商売をうまくやっていくのは大変だね。
腰が低すぎてもバカにされるし、頭が高ければ敬遠されるし。
大内くんが一介のサラリマンでよかった!

13年7月19日

図書館で、「性同一性障害」とか「ゲイ」について書いてる本を10冊ぐらい借りてきた。
なぜ自分はこの問題にこんなに興味があるのだろう。
私本人はほとんどノーマルというか、「入れ物と中身が性的に食い違う」「同性にしかセックスを感じない」ということはないが、彼らは少なくとも不便ではあるだろうなぁ、今の日本では。

おそらくは、私にも自己肯定感の問題がつきまとうからだと思う。
「自分でいて、いいですか?」ひいては、中島みゆきのアルバム名のように、
「生きていていいですか」という気持ちを持って40年以上過ごしてきた。
私は私が嫌いだ。
ちょうど、性同一性障害の人が自分の体と心の乖離を常に感じているように、自分という中身と自分という箱がかなり違うんだと思う。レッテルの貼りマチガイのように。

少し話はずれるが、FACEBOOKにも籍を置いている。
だが、こういう「強い言葉」を出す場所ではない、と感じる。
軽い挨拶、交わす微笑の世界だ。
それが悪いというわけではない。
ただ、誰にどう言えばいいのかわからない問題を夜中に考えている時に書き込む場じゃないよなぁ、ここはひとつ、ライトに行くか、って感じ。

「性別は、両足の間にあるもので決まるのではない。耳と耳の間にあるもので決まるのだ」という言葉が身につまされる。
「こころ」は、結局、脳の中にあるんだろう。
私の「こころ」も半ばは壊れている。
それがたまたま「性」にかかわる事柄ではないので、扱いを保留している、という感じだ。
いやいや、深夜の考え事は身の毒ですな。

13年7月20日

散歩で隣町へ出かけ、今日はお買い物の予定があるぞ。
大内くんと私、2人ともネクサスを使っているので、持ちやすくするためのカバー兼ホルダーを買いたいんだ。

40分ほどかけてよろよろ歩いて11時ちょうどにようやくたどり着き、まずはラーメンを食べる。
大内くんはここしばらくラーメンが食べたくて仕方ないらしい。
私は今のところ特に向かう方向は決まってないので、何でもいい。
家で立て続けにカレーを作ってるせいか、よく行くカレー喫茶にもあまり足が向かないよ。

ラーメン屋の隣の隣ぐらいにある巨大なヨドバシで、タブレットのアクセサリ売り場を見る。
ふーん、いろんなタブレットが出てるねぇ。Appleさんの寡占状態も長くは続かない気がするよ。

そういえば、息子はどうやら5月のベトナム旅行の際に、どこか(「たぶんホテル」と彼は言う)にiPadを忘れてきたらしい。
で、ホテルに国際電話をかけて聞いてみたいんだが、あいにくなことにかけ方がわからない。
大内くんの方がこういうことには慣れているかと思って聞いてみたけど、「わからない・・・」そうだし。
息子に何とかしてもらいたいところだが、
「わからん。もういいよ。どうせ使わないし」と言う。
まあねぇ、マンガを読む以外の目的で使ってるのは見たことないし、第3世代を使っている私のお下がりのお下がり、第1世代でけっこう古いし、持ち 歩いているわけでもないし。
もう何度かホテルへの連絡をトライしてみて、ダメならあきらめるかなぁ。

大内くんも、こないだまで家では第2世代のiPadを使ってマンガ読んでたんだが、今は何をするにもネクサス。
たいへん気に入っている様子で、
「あんなにキンドルにこだわってたのは誰だっけ?」とイヤミを言いたくなる。

というわけで、今、私は主に第3世代のiPad、大内くんはネクサス、息子はiPhoneを使って暮らしている。
息子のiPhoneは何をしているのかよくわからないのだが、家にいる時はほとんどの時間、握って離さない。
これがウワサに聞くケータイ依存というものか、と思うこともあり、ちょっと不安。
まあ、現実の生活もエンジョイしている「リア充」の彼なので気にしないことにしよう。
(「カノジョがいない」男性のことは「リア充」とは言わないのかもだが・・・)

私はiPadを読書以外の目的ではまったく使っていなくて、ベッドで何か思いついた時や調べたいことが発生した時はすみやかに書斎のパソコンを使いに行くんだけど、ホントはベッドサイドのスタンドにいつも置いてあるiPad使えばいいんだよね。
電子機器にはいろんな「慣れ」が必要なカンジ。

そんな私もたまにお出かけする時はネクサスを使う。iPadはバッグに入りきらない。
(2カ月に1度、ぐらいの頻度だが)
なのでホルダーが欲しかったんだ。
大内くんと同じもの、私は真っ赤、大内くんは薄い黄緑色のを買う。
ヨドバシを出て、いつものスタバでカウンタに座り、さっそくホルダーを開封して使ってみる。

驚くほど出来がいい。
素材は何と言うか、スーパーでよく見る、紙の粉を圧縮して作った玉子パックがあるじゃん、ああいう感じ。
それほど弾力性があるとも思えないのに、短辺に2カ所、あとは四隅にちょっと丸まったでっぱりがあって、そこでうまくホールドしてる。

本の表紙を360度開くようなかっこうで折り返すと、カバーが、ホルダーに早替わり。
裏面に、片手の親指以外を突っ込む感じの太いベルトがついていて、とても持ちやすくなる。
これまでは、手の大きな大内くんはともかく、私の手のひらには余ってしまう大きさで、持ちにくかった。
いいじゃん!
しばらく、大内くんと並んでそれぞれの読書タイム。落ち着くなぁ。

ついでに買ったガラス面保護シートもつけて、やれやれ、iPadもそうだが、タブレットはアクセサリが多すぎて、本体を買った後の出費もバカにな らない。
でも、必要なものはもう全部買ってしまったので、これでしばらくは落ち着いて暮らせそうだ。
いかん、息子のiPadを探さなければ。嗚呼。

13年7月21日

選挙に行く。
我々のと一緒に唯生の分も投票券が来るのは、嬉しいのか悲しいのか。
もし唯生に支持政党があれば、彼女の思うところに投票してもらいたいものだ。
現実にそれは無理なので、せめて彼女やまわりの人たちの生活を良くさせてくれそうなとこに投票した。

息子もこの秋に20歳になる。当然、投票権も得るわけだ。
お恥ずかしい話だが、私は成人してから大内くんと結婚するまで、選挙に行ったことがなかった。
その間約9年。
女友達にその話をしたら、
「せっかく婦人参政権を勝ち取ったのに、行かないなんて、ダメ!」とものすごく叱られてしまったものだ。
今は、大内くんと一緒に行き、彼の指示通りに投票している。
選挙権が生きてはいるが、私の思想というのはほぼ反映されていない。
もともと、そんなものないし。

選挙になると息子の小学校時代のママ友が訪ねてきてくれる。
彼女の信教する宗教団体が支持している政党を応援するためだ。
とても良い人で、投票を無理強いしたり入団の勧誘をしたりはせずに、簡単に説明をしてくれたあとは息子たちの話で盛り上がる。
今回も来てくれたんだが、あいにくなことに私の体調がとても悪かったため、インターホン越しに断って、またベッドに戻った。
残念だ。
次の機会にはまたいっぱいおしゃべりしたい。

投票した後、夜になって、大内くんに、
「テレビ見ないの?」と聞いたら、「?」という顔をされたので、
「選挙速報」と言うと、
「そうか!今日、選挙だったんだ。でも、今『都市対抗』がすごくいいとこなんで、待って」と、書斎のパソコンの前から動かない。
彼の会社の野球チームが頑張っているらしい。
さすがにテレビ中継はないので、パソコンで点の動きを見ているだけのようなのだが、ノートやiPadを持ってリビングに行き、選挙の様子を見なが ら、ではダメなのだろうか。
それとか、
「パソコンで選挙速報見られないの?」と提案したら、
「なるほど!テレビもここで見られるんだ!」という反応。
お互い、なかなかパソコン類を活用できない。

結局、都市対抗は逆転して勝ったようだし、選挙も、彼の思う通りの結果が出たらしい。
「だからといって、日本が良くなるとも思えない」のだそうだが。
次に選挙ある時は、息子にも選挙権があるだろうなぁ。
若人よ、頑張れ。日本を良くするのはキミたちだ!

13年7月22日

「少し暑いが、エアコンをつけるほどではない」という日々が続く。
私はさっぱりきっぱりエアコンが効いている部屋が大好きなので、ちょっともどかしい。
でも、室温25度、湿度60パーセントぐらいでは窓を開けていれば十分だよなぁ。
うちの基準としては、室温26度、湿度70パーセントを超えればつけていいことになってるんだが。

大内くんはいつも、
「自分の体感を信じなよ。暑いと思ったらつけてかまわないよ」という優しいことを言ってくれるのだが、肝心のその「体感」というやつが私には全然 わからない。
1回1回温度計と相談しながらの生活。

こないだ、息子がベッドの頭のところにある窓を全開にしておなか出して寝ていて、夜のことだし少し涼しすぎると思ったので、そっと窓をしめたら、 軽く目をさまし、
「閉めんなよ。オレはオレの体感で暮らしてんだから」と文句を言ってきた。
ごもっともなので、「体感」を持っているらしいという点に舌を巻きながら退場した。
ただし、その後1時間ぐらいたって熟睡に入ったところで、やはり窓は閉めさせてもらったが。
(朝になっても、「暑かった」という苦情は来なかった)

もう20歳になる息子の寝相を心配する、というのはいいかげんやめたい。
もっとも、大内くんも寝相が悪いので、夜中にしょっちゅうおなかをしまったり布団をかけたりしているのは私だ。
寝相はどうやら遺伝するようだし、終生直らないものらしい。
「夜中だろうが朝だろうが、いつ見ても上を向いてまっすぐに寝ている」と大内くんを驚かしている私のDNAは、息子のどこかにしまわれていて、い つか隔世遺伝するのだろうか。

13年7月23日

優秀な魚屋でいい「たら」の切り身が買えたので、大内くんがフライを作ってくれた。
私は、冷蔵庫にきゅうりのピクルスの大瓶が入っているのを使って、タルタルソースを作って応援。
とてもおいしい「たらフライ」だった。

最近、息子がほぼ家でごはんを食べないので、大内くんと2人で食べる晩ごはんはとても質素。
大学に入って1年ほどは、夜中に帰って来ては「メシ」と言っていたんだが、2年生になってから、それすら言わなくなった。
家計簿を見ると、ごはん代がものすごく少なくなってる。
そのかわりのように、我々が食べる「おやつ代」が3倍ぐらいになっているので、食費全体としてはプラマイゼロ。うまくできてるもんだ。

その「おやつ」の内容は、ほとんどがヨーグルトとチーズ。
今、グリコから出てる500mlのフルーツヨーグルト各種と、Q.B.B.のデザートチーズ各種、あとはクラフトのクリームチーズ、ハーブ&ガー リック味。
去年の夏あたりにはアイスが流行っていたが、たった今の大内家では乳製品大流行りなのだ。
おやつとはいえ、アイスよりずっと身体にはいいのではないかと思われる。

ただ、我々の好みによる「流行り」もあるが、メーカー側の都合もある。
これまでも、幾たびとなく新商品が出て、そして消えて行った。
ビールとかポテチなんかもそうだが、新製品出し過ぎ。
開発費と広告費がもったいない。
メーカーさんは、もっとベーシックな数種に限って売ってもらいたい。
ユーザーもそれでガマンするから。

さらに困るのは、そういう「流行りモノ」はスーパーによって売ってるとこと売ってないとこがある、という点。
今、我々は主に西友で買い物をしているが、売り出し直後は置いていた上記のヨーグルトが消えてしまったので、別途いなげやで補充しつつ、デザートチーズも買う。
そして、クラフトのクリームチーズがいなげやではあまりに高いので、置いていて、かつやや安いサミットにも足を延ばす。
要するに、お店1か所ではすべてのアイテムがそろわないのだ。

こういった事情の元、週末の買い物は煩瑣を極める。
肉類は西友が意外と安いのでいいんだが、魚となると、隣町の魚屋まで行くし、行かない週は魚が食卓に上らない。
冷凍庫には干物とかウナギが入っているけど、あんまり使わないね。
というか、いざという時の備えでしょう、冷凍は。

それで思い出したんだが、「ウナギのかば焼き」って、なんであんなに高くなっちゃったの?
10年ぐらい前、安かった頃と比べると、3倍ぐらいする感じなんですけど。
安い「中国産」がなくなったのか?中国が強気になったのか?
もともと、「ウナギを食べる」となれば大興奮だった時代が長かったので別にいいんだけどね。
本来、高級品だよね。近年の安売りが一時的なものだったんだろう。

今日も大内くんと2人だけの夕食を食べる。
少し無口になる。
口を開けば、
「息子がいないねぇ。寂しいねぇ。彼が家を出たらこんな感じかねぇ」ってなる。
そして息子は夜中に帰る。
我々が寝る12時頃にはまだ帰っておらず、朝、彼のベッドを見て初めて、「外泊であったか帰って来たか」を知る日も多い。

エアコン嫌いの彼は、玄関わきの自室の扉をあけっぱなしで寝るのだが、最近ではベッドの上で全裸大の字で寝ている。
(ああいうのを、「太」の字で寝ている、と言うのだろうか・・・)
せめてパンツぐらいははいて寝てほしい、と思うのは女親だけ?
大内くんに聞いてみたら、
「別に気にはならないが、オープンな人だとは思う」という答え。
確かに、窓も扉も足も、すべてがワイドオープンだ。
「家が、安心できる場所なんだよ。よかったじゃない」と大内くんが言うので、喜んでおこう。
目が覚めたら、自慢のタルタルソースをつけた「たらフライ」を昼ごはんに食べてくれるだろうか。

13年7月24日

息子が合宿で運転免許を取りたいと言って、23万円をもぎ取って行った。(もともと彼がバイトで稼いだ金だが)
9月中に、新潟で2週間ほどの免許合宿があるらしい。
大内くんも私も、免許は普通に教習所に通って取ったが、友人の中には合宿に行った人たちもいた。
ただし、それらの合宿はたいていが、
「近隣に信号は1か所しかなかった。一番警戒すべきは、道路を横断するタヌキである」といった環境だったようだ。
そんな人が青梅街道やら環八やらを運転するのはものすごく心配だ。

なので、彼には、
「免許を取ったら、自宅のノアに親を乗せての『教習』が必須。それがすまないうちは運転させない」と申し渡してはあるのだが、言うこと聞くんだろうか、あの人は。

そもそも、勝手に人のiPadを使ったりする無体な彼であるので、こちらサイドでは、
「朝、出かけようと思ったら車に乗って行かれてしまった」
「サークルの合宿などで使い、帰って来ると言っていた予定の日に帰って来なくて、車が使えない」
等の目に合うのではないかと、とても心配だ。
「車のカギを枕の下に入れて寝ようか」と話し合っているところ。

ひとつ、とても残念なことは、来年、大内くんが会社から実働10日間の「リフレッシュ休暇」をもらえるので、海外旅行を考えているのだが、留守宅を息子に家をまかせるのはとても不安で、どうしようかと思っている、という点。
来年、その免許合宿に行ってくれれば、その間に我々も安心して旅行に行けるのに。

なので、今年の免許合宿に関しては彼がいつもの「計画倒れ」を起こしてくれないものかとひそかに期待していたんだけど、どうもお金を振り込んで手続きをしてしまったらしい。残念だ。

まあいい。旅行の方はまたいろいろ画策して何とか実現させよう。
それより憂慮すべきは、免許を取った後の彼とのつき合い方だ。
「人間、運転免許を取ったら1度は事故を経験すべきなんだが、できれば物損だけですませてもらいたい。人身事故は笑い事ではない」と、ともに人身事故の経験を持つ我々は思う。
自宅近くの電信柱にぶつける、ぐらいのことですむように祈っている。

あー、コドモを持つってのは、なんていろんなことと向き合う体験なんだろう・・・

13年7月26日

ベッドで大内くんと並んで本を読んでいて、のどが渇いた。
「なんか飲もうかな」と起き上がろうとしたら、大内くんの方が先に立ち上がった。
私に何か持ってきてくれようというのだろう。

「いや、いいから」と言おうとして、口から出た言葉は、
「ああ、かまわぬ、かまわぬ」。

ちょうどよしながふみの「大奥」を読んでいたからと言って、私のこの醜態は何だろう。
大内くんは、笑い転げながら、
「やっぱり、キミは前世ではお姫様だよ。そもそも、5、6代遡ると佐賀鍋島藩のお姫様だったんでしょ?家臣に降嫁したとはいえ、立派な血筋だよ。 僕んちなんか、先祖代々由緒正しい水飲み百姓だからねぇ」とからかう。

じゃあキミは、時代小説を読んだあとで、つい「かたじけない」とか言っちゃわない?
いやいや、げに言の葉とはおそろきしモノじゃのう。

13年7月27日

息子が大内くんのiPadを勝手に使っている。
全員がマイiPadを持っている我が家なので、
「自分の使いなさい。人の電子機器を勝手に使っちゃ、ダメ!と叱ったら、
「オレの、どっかになくしちゃった」と衝撃の告白。
問い詰めたところ、どうやらベトナム旅行に持って行って、持ち帰るのを忘れてホテルに置いてきてしまったらしい。
「なきゃないでいいよ。そんなに使わないし」
じゃあ、なんで父親のを勝手に使うのか!?

そこからが私と大内くんの困難の始まり。
もちろん息子には、
「ホテルに電話して、探してもらいなさい!」と強く迫ったのだが、「めんどくせー」といういつものセリフに負けた。
つーか、自分でやる方が早い。

問題は、私が国際電話のかけ方を知らないってとこだね。
「+84」とかって、何?
電話さえできれば、向こうに日本語が話せるスタッフがいるだろうから、何とかなりそう。

幸い、私より世間知の広い大内くんが、電話して聞いてくれた。
何度も電話したりシリアルナンバーを調べたり、あー、めんどくせー。
我々は、いったいどこで息子の教育に失敗したのだろう?

何とか話がついて、だが残念なことに、ベトナムから日本に電子機器を送ることは法で禁じられているらしい。
(リチウム電池がどーのこーの言ってたなぁ)
なので、あきらめてください、と、こんな時でも流暢な日本語を話す現地スタッフ。ルイくん、ありがとう。

怒髪天を突いた状態で息子の部屋へ行き、
「もう戻ってこないよ!高いものなのに、何だと思ってるの!?」とこってり叱る。
普段は叱られても「ふーん」という態度しか見せない彼だが、さすがに悪いと思ったらしく、
「すまんかった」とポツリと言っていた。

まあ、これで私と大内くんのiPadにはそれぞれ暗証番号を設定したし、息子が使いたくても使えまい。
ただ、我々の本を全部データ化しちゃったので、今のままでは息子が我々の本を読めない。
自分のすら読めないわけだが、彼は「ペーパー派」なので、場所ふさぎとしか思えないマンガをどんどん買ってくる。
いろいろ試してみたいところだし、今度、新しいのを買ってやるかな。
彼は、最近ラノベと金儲けの本に限られてはいるものの、ついに自分で本を買ってきて読んでいる。
めでたいことだ。

あー、それにしても未成年の息子をベトナムなんかにやるんじゃなかった。
古いものとはいえ、iPadだよ?
やはりしつけを誤ったとしか思えない。

13年7月28日

もう2カ月たつと、息子は成年に達する。
今でもこっそりろくでもないことをしているとは思うが、ある意味、堂々とろくでもないことができるのだ。待ち遠しい。
大内くんと、「息子が二十歳になったら守ってもらいたい約束のリスト」を少しずつ作っている。

でも、その内容たるや、
・親もツイッターのフォロワーにさせて。
・できちゃった婚については、親に言いなさい(なるだけ妊娠は避けるが、結果が出てしまったら相談。産むもあり。避妊は男の責任。)
・運転免許はいつ取る?
・父さん母さんの結婚のいきさつを聞け。
・自炊してあげるからマンガ捨てさせて。場所が足りない
・お小遣いはもうあげない。バイトせよ。

とまあ、こういった感じ。
運転免許に関しては本人がいつの間にか合宿に申し込んだので話し合う余地はないが、マンガは処分して欲しいなぁ。捨てる、って言ってるわけじゃな くて、電子化するだけなんだから。
それがイヤなら、家に持ち込むマンガをもっと少なくしろ!と言いたい。

最近少し機嫌がいいというか、礼儀正しくなってきていると言えなくもない。(まわりくどいですね)
この調子でお笑いサークルを務めあげつつ、バイトもしてほしい。
特にこの頃、
「試験に寝坊した」
「家で寝ちゃってて、授業出られなかった」
「留年しないのは…無理かも」
というような弱音を吐くようになってきているので、心配だ。
ま、うちには留年のエキスパートがいるから、父と息子で思うさま語り合ってもらいたい。

13年7月29日

牛乳を買うのを忘れていたので、明日の朝、コーヒーを飲むための牛乳がなくなっちゃった。
コンビニまで行くのもなぁ。
もうパジャマになっちゃった夜中の11時半の出来事だから。

こういう時は、「立ってる者は親でも使え」の精神で、ダメもとで息子に頼んでみる。

「ねえ、ジョギングついでにでも、コンビニで牛乳買ってきてくれない?」
そもそもキミがミロを2杯も飲むからでしょうが、とは言わない。
でも、意外なことに、ホントに驚いたことに、彼は、
「ま、どうせヒマだし」とひょいっと立ち上がり、ジョギングウェアに着替えて出かけて行った。
こちらはしばし呆然。言ってみるもんだ。

大内くんのようにまめなタチではないので、そうそうしょっちゅう使える手ではないのだが、今回はブラボーな感じだった。
買ってきてくれた牛乳でカフェオレを作って、大内くんはまだ帰らないけど、平和な夜だ。
またちょっと、息子が好きになった。

13年7月31日

早くも第3シーズンを迎え、テレビ雑誌の表紙を「井之頭五郎」が飾る昨今、うちでも毎週見てる。
本当は録画したら翌日には見たいんだが、この頃大内くんが忙しく、なかなか時間が取れない。
そんな中、息子だけは、朝食の盆を持ってテレビの前に陣取り、充実の朝ごはんを食べて大学に行く。
親より先に見るな!とは思うが、何と言っても彼はヒマだからなぁ。

回を重ねるごとに五郎くんの食欲は増しており、殆ど胃袋星人だ。
頭の中はつねに仕事15パーセント、食欲85パーセントぐらいで動いているし。
正直、第1シーズンの頃は良かった。
さらに言えばやはり原作が素晴らしい出来だ、ということかなぁ。

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