13年12月1日

先日、朝の7時半に息子を起こして、普段だったら壮絶な争いに発展するのだが、なぜか、3回目に起こしに行った時はもうベッドの上に起き上がって、ケータイ チェックをしていた。
そして風呂に入り、無言で着替えて出かけて行ったが、こんなに朝早く、こんなにスムーズに出かけるとは、かつてないことだ。
前の晩は2時過ぎまでマンガ読んでたというのに、寝起きが良くなったのか?
それとも、授業以外にも抜き差しならぬ用事があったのか?

その翌日も、8時頃にほぼ自分の力で起きた。

期待しすぎずに待とう、と思っていたら、案の定、名古屋での葬儀以降はぐにゃぐにゃになってしまい、また起きられない日々。
授業はたいてい10時半ぐらいからなので、前の晩に夜更かししなければ起きられると思うのだが…
こんなことがいつまで続くのだろう。
少なくとも留年して語学のドイツ語をもう1回取り直すまでは、起こさなきゃ無理なんだろうな。
「本人が起きるまでほっとく」が大正解であるのはよーくわかるが、一方、卒業してくれなきゃ困るのだ。

10年たっても、起こさなきゃ会社に行けない息子と同居だったら、どうしよう?

13年12月3日


今日は大内くんの誕生日。ついに50歳になった!

昨日の夜、11時40分頃、帰って来て「腹へった〜!」と言う息子に夜食を作ってやりながら、
「父さんは、明日、と言うかもうあと20分で、誕生日なんだよ」と言うと、「へー」。
「50歳になっちゃうんだよ!今、40代最後の20分を過ごしているところなんだよ!」とさらに言うと、息子用のお盆に牛乳を用意してくれている大内くんにちょっと拍手をして見せ、
「ま、50から、って言うから」と言うなり、夜食の盆とともに自室に消えたが、なんつーか、面白いこと言う人だね。

言われた大内くんは、
「何が『50から』なんだろう?」といぶかしがりながらも、少し嬉しそうだった。
あれはあれで、親の誕生日を祝ってるつもりなんだよ。

そして12時過ぎたので、心から「お誕生日、おめでとう!」と言っておいた。
私「プレゼントとかケーキとか、何にもなくて、ごめんね」
大「何言ってんの。そうやって言ってくれることが何よりのプレゼントだよ。そもそも明日(もう「今日」だけど)、僕は接待で遅いし、お祝いのしようがないよ」
私「昔は、息子と2人でこっそり相談して、仮面ライダーのバイクのラジコンをプレゼントしたりしたね」
大「ああ、あれ!覚えてるよ。嬉しかったなぁ」
私「これからも、元気でずっと一緒にいようね」
大「うん、人生はまだまだ楽しいことがいっぱいあるよ。元気に長生きしよう」

さすがに50代に入り、少し緊張してるらしい大内くん。
そうだねぇ、先輩として言わせてもらえば、40代と50代はずいぶん違うよ。
まだまだ若いつもりでも、身体は確実に老化を始める。
コドモは巣立ち、会社でのポジションもおおかた決まる。
夫婦が2人きりに戻って、どう暮らして行くかも問われる問題だ。
ひとつひとつ、ていねいに真摯に取り組み、さらなる老後を豊かに生きよう!

13年12月5日

扇風機のスイッチ部分が壊れた。
この季節になぜ扇風機?と思われそうだが、実は、私は冬でも風呂上がりに扇風機の風にあたらないと暑くて仕方ないのだ。
最近では息子も同じように扇風機の前にいるみたいで、大内家には、年間を通して、扇風機を使わないシーズンというものはない。

電源を入れるスイッチのカバーが取れてしまい、セロテープで貼ったら何とか使えてはいるのだが、完全に壊れる前に新しいのを買っておきたい。
大内くんは前々からダイソンの「羽のない冷暖房装置」に興味を持っているそうで、近所のコジマに取材に行ってみた。

ところが、売り場の人はまったく売る気がない。
むしろ「買わないでください!」という雰囲気をありありと漂わせていた。
「お部屋を暖めると言っても、ドライヤーぐらいの温風しか出ないんです!これだけで暖房、というのは無理なんです!」
よっぽどすごいクレームをもらったんだろうなぁ・・・
そもそも、大内くんが考えていたように「電磁誘導かなんかで風を起こしている」わけでもなんでもなく、本体横から空気を吸い込んで正面に出しているだけらしい。

というわけで、あっという間に夢は潰え、扇風機を売ってるシーズンでもなし、壊れたのをだましだまし来年の夏まで使うしかない。
大内くんは、
「ダイソンの、あれはとってもいいと思ったんだけどなぁ。掃除機に期待してみるかなぁ」と残念がっていた。
あと、「ルンバ」のたぐいにも興味があるらしい。
私としては、家事が楽になるモノがあれば嬉しいけど、こないだスマホ買っちゃったしなぁ。
さて、今年はいくらぐらい貯蓄に回せるでしょうか。
冬のボーナスを待て!

13年12月6日

日曜に唯生の面会に行ったら、すやすやと昼寝の最中だった。
看護師さんが持ってきてくれた丸い椅子に座って腕を撫でていたら、目覚めて、目をきょろきょろさせていた。
ごめんね、起こしちゃって。

ちょっとニキビができているので薬を塗っているそうだ。
確かに顔のあちこちに薬が黄色い粉になって残っていて、なんだか「きなこおはぎ」のようだった。
「唯生、22歳なのに、まだニキビできるんだねぇ」とか話しかけながら、ゆっくり過ごした。
前は奥まったところに置いてあった唯生のベッドだけど、腸閉塞の手術やストーマ(人工肛門)建設の手術を経て、看護師さんたちの目がよく届く、入り口の近くに置いてもらっている。

うららかな秋の午後で、唯生はうつらうつらしていた。
我々も眠くなりながら、一緒にゆっくり時間を過ごした。
唯生といると、日頃の時間の流れ方とはまったく違う、ゆるやかな流れになるようだ。

緊急手術になった時はどうなることかと思ったけど、入院していた隣の病院から元の施設にも戻れたし、容体も安定している。
しばらくは、大きな心配はなく過ごせそうだ。

ただ、残念だけど外泊してお正月を一緒に迎えるのは難しそう。
唯生を抱っこして紅白を観る、ってのができなくなって2回目のお正月になるのかな。
もしかしたら、もう外泊は無理かもしれないね。こっちの体力も衰えて、抱きかかえての移動は難しくなってくるし。

そしたら、もっと面会に来るよ。
お正月にも、ちゃんと来るからね。
病棟のみんなと一緒に紅白見て、待っててね。

13年12月7日

大内くんの大学の「まんがくらぶ」の面々を招いて、年に1回恒例になっている「クリスマス・パーティー@大内家」を開催する。
お客さんたちに飲み物や食べ物の持ち寄りをお願いし、我が家ではビール、サラダ、ハヤシライス、鳥もも肉の香草焼き、といった簡単なものしか用意しないのだが、今年の圧巻は、女性軍2名から事前に送られて来て冷蔵庫で冷やしておいたシャンパン(モエ)かなぁ。
他にも、赤ワインや日本酒、チーズその他おつまみがたくさん集まったよ。

集まったのは食糧ばかりでなく、人数の方も今年は大変な盛況で、コドモ2人を含む15人が我が家のリビングに集結した、というのはこのマンションに引っ越してきて以来、初めてのことではなかろうか。
ホームパーティーは年に2回ぐらいやるが、たいてい10人程度だからなぁ。
こういうことがやりたくって、リビングの広いマンションにしたのだった。大満足。

食卓もソファも満席。
床に座る気になればスペースはあるのだが、なぜか数名はキッチンに入った大内くんとカウンターで「立ち飲み屋」のような状態になっていた。
私も途中で皿洗いをするついでに参加してみたら、大内くんは相当出来上がって、使い物にならなくなっていたよ。

中高大と同じ学校だった日銀勤務の友人に、
「キミぐらい頭のいい人が行くべき学校だった。僕は親にうるさく言われるままに何とか滑り込んだけど、学力は足りないし、勉強がキライで、本当に灰色の青春だった」と愚痴をこぼしていた。

特に男子校がイヤだったようで、灘高出身の男性が、
「だって、中学にも高校にも、ハーマイオニー(「ハリー・ポッター」に出てくる女の子)がおらんのですよ?ハーマイオニーがおらんかったら、青春がありませんがな」と言うのを聞いて、
「まったくそのとおりだ。僕は大学で大好きな人にめぐり会えて、それだけは本当に運が良かった。一生分の運を使った」と酔眼朦朧と言っていた。
よくよくのトラウマだねぇ。

コドモは某劇場関係者の夫とその奥さんが連れてきてくれた4歳男児と、アヤシイ某秘密結社にお勤めなのでは、と思いたくなる身分不詳男性が同行した小3の娘さん。
別の子持ちの友人は、息子さんが来週から中学の期末試験なので連れてこなかった、と言っていた。
まあ、うちがその立場でも、連れてはこないだろう。

思えば10年ぐらい前は、小さなお客さんがけっこう大勢来て、コドモたちだけで「プレゼント交換」(例の、輪になって歌を歌いながらストップするまで隣の人に回すやつ)ができたぐらいなんだけど、もうみんな、大きくなっちゃったんだよね。
このつき合いの中にはうち以外にまだ大学生はおらず、一番の年長である我が家の豚児は、その場にいるどころか、前日の夜から外泊で、今晩も結局帰ってこなかった。
(メールで 「今日も帰らないの?」と聞いたら、「麻雀してるから帰らない」と返事が来た。結局、帰って来たのは翌日の夜だった。2連泊)

大学時代につき合いのあった友人たちと30年以上たってもまだつき合いが続いているというのはステキなことだと思う。
息子が今徹マンしてるのも、30年後に役に立つかも。

話はそれたが、シャンパン2本、日本酒2本、ワイン7本ぐらいが空いて、4時間にわたる宴会は終わった。
アニメの話やテレビドラマの話、息子が「つげ義春」を読むようになったという我々の驚き、などが話題だ。
ちなみに、大内家の子育ては非常に評判が悪い。

帰ってこない息子に「帰って来る?」とメールしたり、夜中に食事を作ってやるのが気持ち悪いらしい。
大内くんは、お客さんが帰った後、片付けをしながら、
「いいんだよ。僕らは壮大な実験をしてるんだから。コドモのことを、どれぐらい甘やかしきれるか、また、それをギャラリーに全部見せちゃおう、っ ていう実験を」と言う。
1人の人間の一生の始まりの部分を実験に使おうとは、大それたことを考えてるもんだ。

私が驚いたり希望を持ったりするのは、4歳男児の父が50過ぎである、つまり、45歳を超えてから急に結婚し、運良く奥さんが若い人だったのでいきなりコドモが生まれたことと、その場にいた女性のお兄さん(50過ぎ)が同年輩の奥さんといつの間にか離婚していて、いつの間にか20歳も年下の女性と再婚し、パパになろうとしているという話。

たとえ息子が結婚する気配がなくても、結婚してもコドモが生まれない状態であっても、50過ぎるまでは何が起こるかわからない。
「いつか孫の顔が見たい」と正直に思っている私にとって、上記の2例は、たいへん心強い話であった。
(なんてことを言うと、また「コドモに期待しすぎ。気持ち悪いです!」とか言われちゃうかもだが)

こうして終わったクリスマス・パーティー、次にみんなの顔が見られるのは大内くんが毎年5月に開催している「休日講座」かな。
「講師」を2人ぐらい募って、仕事や趣味のお話をいろいろ聞いて、そのあとは大内家になだれ込んで「反省会」と称する宴会をやる。
今回のパーティーの間にすでに来年の講師を2人、口説き落とした大内くんであるので、来年も開催できるだろう。

外での飲み会にほぼまったく行かなくなった私としては、年に2回のこの機会だけが人に会うチャンスだ。
誰と誰が別れた、とか、誰々くんは離婚間近だ、というようなビッグニュースが聞けるのもそういう場面あらばこそ。
基本的にゴシップの好きな私は、いつも大内くんから、
「ほらほら、本人に聞いてきてごらん。めったにないチャンスだよ」とかそそのかされて、当人に確認を取らされる。

今回も既に別居中であとは書類上の問題だけだ、という男性が酔っぱらって居眠りしてるのを起こして無理矢理聞いたところ、コドモたちに会わせてもらうため、午前中は婚家に戻って家事を手伝ってきたらしい。
離婚もなかなかタイヘンだ。
しかし、この歳になると、離婚するより「つき合っていたけど別れた」という話の方が一種インパクトがあるなぁ。
つき合ってたら、普通、結婚しちゃうからね。

「お客さんが来ないと家がキレイにならない。年末の大掃除をついやってしまった」と言う大内くん。
確かに、ずいぶん掃除をした。
みんなが帰る時になっても小3女児が帰りたがらず、大内くんに、
「おじちゃんちの子になる?」と聞かれて、
「あんなぐちゃぐちゃな家に帰りたくなぁい。ママがいろいろ持ち込むから、もー、むちゃくちゃ!」と言っていた。
彼女は帰り道でお父さんにこってり怒られたのではあるまいか。
Tくんの奥さん、家が片づかない時は、お客さんを呼ぶといいですよ!

13年12月8日

庄司陽子の「生徒諸君 最終章」の新巻が出てるかと思って本屋に行ったら、それは来週の話で、今出てるのはよしながふみの「きのう何食べた?」だった。
これはこれで、とても待っていたので嬉しかったけど、最近、マンガの新巻チェックがいい加減だ。反省した。
浦沢直樹の「Billy Bat」なんて、息子に先に買われちゃったもんなぁ。「進撃の巨人」も。
ダブらなくってよかった、と喜ぶべきかも。

それにしても、いや、驚いた。
よしながふみによれば、今の出産祝いのトレンドは、「おむつケーキ」なんですねぇ。
最初、何のことかまったくわからず、「おむつの形をしたケーキ?」と思った。
事実は逆で、「ケーキの形にデコレーションされたおむつ」でした。
「実用的なプレゼント」として人気があるらしい。
アメリカから来た流行で、日本では「シャリ部分がおむつ、ネタ部分はよだれかけ」の「おむつ寿司」も売出し中だそうだ。

もちろん、大内くんが家に帰ってくるなり聞いてみて、私とまったく同じ反応だったので大いに安心しつつ、ググったページを見せてあげる。
クリスマス・パーティーのお客さんもおおむね知らない様子だった。
(彼らはとっくによしながふみを読んでいると思ったのだが)
若い人は知ってるのかなぁ。息子は知らないだろうなぁ。案外、知ってるのか?
(ちょうど今、家にいたので聞いてみた。知らないそうだ。あたりまえか)

感心するのは、そういった世の中にちゃんとついて行ってるよしながふみの勉強力だ。
マンガ家や小説家は、リアルな世の中にくわしくなくてはならない。
コドモがいないとか大きくなっちゃったからと言って、世事にうとくなってはいけないのだ。
基本はやはり新聞であろうか。
テレビのワイドショーを見るのも、特集部分が意外と面白かったりするし。

人間、いくつになっても勉強だ、という意味とは違うかもしれないが、たいへん勉強になった出来事でした。

13年12月10日

リビングの壁掛け時計が壊れたので、新しいのを買った。
もちろんソーラー電波時計を探した。
前のとよく似た、でも、より我々の趣味に近い、いいものが見つかった。
濃い木目の枠部分とか、文字盤の数字の感じ、針の形など、ビミョーな好みがあるのだよ。

説明書を読んで初めて知ったことだが、この時計は、あたりが暗くなると、秒針と「コチコチ」という音を自動的に止めるらしい。
設定しておきさえすれば、文字盤にうっすら明かりが灯るそうだし。
もっともこの機能は、補助電池の寿命が「2年→1年」と半減するようなので使わないが。

確かに、夜中に廊下の灯りで見たら、秒針が「12」の位置で止まっている。
試みに電気をつけてみると、電球が立ち上がってだんだん明るくなるのを待って、やがて動き出した。
いろんなことを考える人がいるもんだなぁ。

うちには時計がいっぱいある。
壁掛け時計はもちろん各部屋にあり、中でもリビングには南と北の壁2カ所に掛けてある。
置き時計は、6つ。全部ソーラー電波で、目覚まし機能がついているし、実際、目覚まし時計として使われているものが3つ。
各人にひとつ、という考え方か。
私は、重大な用件がある時には目覚ましを2つ使うこともある。備えあれば憂いなし。
(ついでに言えば、キッチンタイマーも3個あるぞ)

時計の説明書なんかあんまり読まないし、機能を知らないで使っていることも多い。
私の枕元にある目覚まし時計は、いつのまにか「正時になるとピッとアラーム音を鳴らす」設定になってしまった。しかもなぜか、家中どこにいても聞こえる。
これはこれで、「お、もうこんな時間か」と気づく、という効果があるのでありがたい。

ところが、驚いたことに、夜中の12時から早朝の5時まで、このアラーム音が鳴らないようになっている。
もちろん夜中にはうるさいからだろう。
この時間を設定した覚えはまったくないし、変更できるものなのかどうかも調べてはいないのだが、芸が細かいというか、かゆいところに手が届くというか・・・たかだか2千円ぐらいの時計なのに、やるもんだ、と妙に感心してしまった。

ちなみに私の腕時計もソーラー電波で、安物なのか、毎日電波を受信していれば大丈夫なんだけど、たまたま受信できない日には1日に2秒遅れるという、信用できない代物である。
これも正時にチャイム音が鳴る設定にしてあるので、目覚ましのアラーム音が鳴ると、つい腕時計を見てしまうが、数日電波を逃すと4秒ほども遅れてしまう。困ったものだ。クオーツ時計の方が正確じゃないか。

こんなに時計に囲まれて暮らしていて、やはり私は神経質すぎるのだろうか。
人と会う約束なんかほとんどないんだから、「今が何時か」というようなことは、窓外の明るさや腹時計のみに頼って暮らす方が健康的なのかもしれない。

13年12月11日

いつも、息子に「明日の朝、起こして」と頼まれれば起こしてやっているが、これが実は1時間近くかかる大イベント。
「う〜ん、あと10分」
「あと5分」
「あと3分」
「もう10分」
何で最後にまた時間が長くなるんだ!と理不尽に怒りながら、それでも頼まれればイヤと言えない性格も手伝って、奴隷のように起こし続けてきた。

ところが、昨日、「10時に起こして」と言われていたところを私が2度寝してしまい、あわてて起こしたのが11時。
「ごめん、起こし忘れた。もう11時だよ!」と声をかけた途端、彼はベッドの上で「がばっ」と起き上がった。

ケータイを見てちょっとほっとしたようで、
「11時でよかった。1時だったら、死んでた」とつぶやきながら、超特急でシャワーを浴び、超特急で服を着て、超特急で出て行った。その間10分足らず。

呆然と見送りながら、考えたことはひとつ。
「やればできる」

あれだけ起こし続けても起きない人が、一朝事あらば瞬時に目覚めるんじゃん。
だったら日頃もギリギリに起こしてやろうかな。
いや、彼のことだ、今回の用事はお笑いサークルに何か関係あるに違いなく、相手が授業だったら、
「あ、もう間に合わねーや」と言ってサボってしまう可能性の方がはるかに高い。

こうして今日も私は泣きながら息子を起こしている。
こういうとこが過保護だって言われるんだろうな。
自覚はあるので、カンベンしてください。

13年12月13日

今日は保育園時代からのママ友たちと忘年会。
もう15年以上のつき合いになる人たちだ。

お店は隣町の駅前。
普段はうちが幹事をやって近い駅前の方に決めちゃうんだけど、今年は人数を集めるところだけやって、お店に関しては腹案があるらしいけいすけくんのお母さんにお願いした。
イマドキの主婦は、目も舌も肥えてるから、いいお店をいっぱい知ってるんだね。

会社帰りの大内くんと会場近くのスタバで待ち合わせて、さて、今年は2次会まで行けるでしょうか。
ここ数年、私は体力が持たなくって、たいがい1次会だけで失礼してしまい、お店替えてカラオケを歌いまくった挙句、夜中のジョナサンでお茶を飲む、なんてことができた昔が夢のようだ。
しかもそこで、別のママ友グループと出会ってしまう。
お母さんたちはアクティブだ。
同年輩なのに、私のこの体力のなさ、反省しよう。

というわけで、行ってきます。
報告は明日ね。

13年12月14日

というわけで、昨夜は保育園時代のママ友達と忘年会。
連絡係はうちが務めたが、お店を選んでくれたのはけいすけママ。
隣町の公園の近くの、にぎわったお店だった。

「3時間飲み放題つき懐石コース」、お値段は1人5千円。
値段だけのことはあって、料理がどれもおいしい。
看板メニューであるらしい「鶏手羽先のから揚げ」の大皿が出た時は、思わずスマホで写真を撮って、FBにアップしてしまった。
いつものように食べ始めてから気づいたため、キレイな円形に並べられた手羽先が、少し乱れた写真になっちゃったけど。

今回のメンツは、おおむねいつもと同じで、けいすけママ、しゅうママ、りょうたママ、なおみママ、それから我々。
男子は、うち以外全員、理系だ。
夕方には帰って来て夜中までパソコンで遊んでいるが、頑張って朝7時に起きて大学に行っているらしいけいすけくんや、実験が楽しくてしょうがないというしゅうくんたちの話を聞いて、
「うちは留年がほぼ決定している。5年がかり計画」と話すと、一様に驚かれる。
中学校ぐらいまでは、気の小さなヤツだったからなぁ。まさか留年するとはね。
ただ、彼は幼くてコドモっぽいので、留年するぐらいでないと、ちゃんと大学生活を体験できるかどうか心配だ。
5年目ぐらいにやっと、大学生の自覚が出るんじゃないかなぁ。

大内くんが、隣に座っていたりょうたママと話しているのを聞いていたら、りょうたも成長が遅く、コドモっぽいそうで、留年するかどうかはともかく、 充分に大学生をやってるとは言い難い面があるらしい。

この2人は、保育園時代は身体も大きく、運動神経も発達していてリーダー格だったんだけど、小学校から中学校にかけて、だんだん遅れて行き、今やどっちかというと晩生(おくて)な感じ。
コドモは個人個人で成長のスピードが違い、追いついたり追いつかれたりの連続だ。
保育園時代に超巨大な女の子だったなおみちゃんも、今ではお母さんに似てごく普通というかむしろ小柄な体型だもん。

しゅうくんちでは、唯生より少し年長のお兄ちゃんがやはり脳性マヒで、ただ、唯生よりはかなり程度が軽いようで、自力での移動は困難だけど、会話は通じるらしい。
おかげで、普段あまり人に話さない唯生のことを、たくさん聞いてもらえた。
「胃ろう、腸ろうになってね」と我々が言えば、
「ああ、やっぱり、側彎で内臓に負担がかかるからね」としゅうママ。
ツーと言えばカー、とはこういうことか。
「去年2回手術して、ストーマつけることになって」と言っても驚かない。
「そっか、唯生ちゃんも、もう22才か!元気でいられるといいね」と言ってくれるしゅうママだった。

この先、唯生はどうなるのか、りょうたと息子が年相応になるのはいつなのか、話し合いながらデザートのガトーショコラまでのコースを平らげ、おなか一杯になってみんなとお別れする。
毎年、夏の「暑気払いの会」とこの「忘年会」だけで顔を合わせているだけだが、みんな20年近く前からの知り合いだ。いつまでも仲良くしていたい。
コドモたちの成長を見守りつつ、自分たちの老後も健やかに暮らして行けるといいね。

13年12月15日

おととい、会社帰りの大内くんと待ち合わせて、保育園時代のママ友たちとの忘年会に出かけた時、ちょうど新しく買ったスマホで「LINE」を始めたところだったので、早めに家を出て、指定されたお店の前にあるスタバでキャラメルマキアート飲みながら、大内くんにいろいろメッセージを送って遊んでいた。

時々トラブルはあったものの、なんとか通信を保ったまま、「今、駅に着いた。これから行く」と送ってよこした大内くんが現れたのが6時半頃。
まだ開始まで時間があるので、大内くんも同じものを頼んで、一緒にスマホをあれこれしながらティー・タイムを過ごしたよ。

前から謎だったんだけど、「LINE」って、「振る」っていうじゃない?
何を、どう振るんだろう、と思っていたら、電話番号を登録している人の近くで一緒にスマホを振ると、「LINE」ができるようになるのね。
ちゃんと、「振り振り」のボタンがあった。
でも、忘年会の席で前に座っていたけいすけくんのお母さんと一緒に振ってみたけど、何も起こらなかった。
今度、別のやり方で「ご招待」して「LINE」を始めよう。
(これは、実は私のスマホにけいすけママの電話番号が入っていなかったからだ、と後から判明した。向こうから送ってもらったので、LINEはできるようになった)

始めた時、ちょっと驚いたのは、どういう基準か知らないが、ケータイの電話番号を知ってる人のうち数人がいきなりリストに並んだこと。
誰も、選んだりしてないのに。
月に1回、家に交換に来るダスキンのおにーさんまで並んでいる。
次の交換日には、「LINE始めましょう!」と提案すべきだろうか?

嬉しかったのは、息子の高校時代の柔道部仲間、なかちゃんとつながったこと。
法政大学に行ってて、入学したばかりの頃は早稲田のお笑いインカレサークルに入ってくれて、息子とコンビを組んでいた。
やがて、自分の大学の方の「ウィンド・サーフィン」のサークルが忙しかったためか、息子が他の相方に浮気したせいか、早稲田の方に来なくなってしまったようなんだが。

今回、なかちゃんの名前がリストに載っていたので、
「大内の母です。久しぶり。今でもお笑いやってるの?」と発信したら、わりとすぐに返事が来て、
「いまはやってません。大内くん(この場合は息子)はどうですか?」。
ああ、もう音信不通に近いんだな、と少し寂しくなりながら、
「彼はお笑いサークルで頑張ってるよ。機会があったら、ライブとか見てやって」と打つと、
「わかりました!」とさわやかな返信。

他にも数人、タネをまいておいたので、そのうち返事が来ることもあるかも。
でも、人と繋がるのはいいけど、その先、いったい何を話せばいいのだろう。
大内くんは大内くんで、会社の人とLINE始めちゃって、「顔出しはマズいぞ」と注意されたりしている。
実務のある人たちは、話題に事欠かないんだろうなぁ。
引きこもり専業主婦の私は、「寝てた」話と「食べてた」話と「本を読んでた」話以外、何にも話題がないんだ。
あとはもう、息子の話ぐらいしか。

今のPTAやお母さんたちの活動は、多くがLINEやメッセージに支えられているらしい。
息子の中学や高校でPTAをやった大内くんも、
「あの時代にこれがあったら、確かにすごく便利だったろう。残念だ」とつぶやいている。

でも、今からでも使えるシーンでは役に立ちそうで、大内くんは、
「キミが、2人でスマホ買っていろいろやってみよう、って言ってくれた時、あんまり真面目に聞いてなくて、ごめんね。確かにすごくいい考えだった よ。面白いし、世界が広がるよね」と嬉しそうにしている。よかった。

しかし、パソコンだけでも手に余るというのに、私はいったい、何を始めてしまったのであろうか?

13年12月17日

しばらく悩んでいた腕時計、買いました。
やっぱり大内くんと「イロチのオソロ」(色違いのおそろい)。
1個2980円。安い・・・会社に行けば部下もいるという立派なサラリーマンが、そんな安い時計してていいんだろうか・・・

プラスチックベルトで、文字盤の裏は金属に黒いコーティングがしてあるので、金属アレルギーで腕時計ができなかった大内くんにもOKらしい。
あいかわらずベルトはムーブメント部分と一体なので、お店の人に、
「このベルトはどのくらい保ちますか?」と聞いたら、
「さあ・・・お客様にもよりますから・・・」と明らかに確答を避けている。
「1年は保ちますよね?」と聞き直すと、
「それぐらいは大丈夫だと思います」と言っていたが、続けて、
「10年、は無理ですよね?」と問うたら、「…」と無言だった。
きっと、保証期限の1年を過ぎたあたりでベルトの穴からちぎれてくるんだろう、というのが大内くんの意見。

以前に比べると「ソーラー電波」がずいぶん増えているようでありがたい限りだが、今でも4、50万するクォーツが並んでいるのはやはり理解できない。
一生モノなんだろうか?
我々には、永遠に買えないぞ。

数日、腕につけていて、一番の感想は「ベルトがしにくい」。
前のは、わっかになったベルト部分に手を通し、金具でカチッと止めるタイプだったので大丈夫だったところ、今回は片手でベルトの穴と格闘する形で、なかなか大変。慣れるだろうけど。

コーティングの威力か、幸いにも大内くんのアレルギーは大丈夫そうだし、デザインも色も気に入っている。
息子の部屋のガラクタ入れを整理してたら、息子が高校に入った時に買ってあげた安物のデジタルウォッチが発掘されたんだけど、安物とはいえ一応 ソーラー電波だったため、息子がまったく使ってないのに部屋のすみで健気に正確な時を刻み続けていた模様。
今使ってるやつが壊れたら、息子のを借りよう。
普通の電池式のは、いざという時に備えて電池をちゃんと入れ替えて3つぐらい予備にとっておいたのに、2、3年、引出しで眠っている間にみんな「電池切れ」になって、「死んで」いた。
息子のも、リチウム電池をソーラーで補助するタイプなので、真っ暗な箱の中にいる間にそうとう電池が減っている可能性も高い。
とりあえず、陽に当てておこう。

ああ、時計1つでも、壊れたりなくしたりするとめんどくさい。
新しいのを買う、ってのはちっとも楽しくないし。
人によっては楽しいのかもしれないが、大内くんと私は、身の回りのモノを買うのがそれほど好きじゃないのだ。
よく、
「服とか靴とか、気に入ったものであればおんなじモノをずうっと使い続けたい。変わらなくていい。ついでに、髪の毛も伸びなきゃいいのに、って思 う」と大内くんはつぶやいているが、私もまったく同じだよ。
実際、この人は会社用の靴2足を、25年近く、まったくデザインの変わらないリーガルの靴をたまに買い替えてすませている。
あっぱれだが、男の人の方が選択肢が少なくて楽だよね。
背広だって、5年に1度ぐらいしか買い換えないし、そう奇抜なデザインが流行るわけじゃないからそれでちっとも困らないみたいだし。
うらやましい。

そうだ、大内くんはそろそろ床屋に行かなくちゃだ。
めんどくさそう。
大内くんにバリカンで切ってもらってる私の方がずっと楽だ。
女性として、それはどうなのか?と思わないでもないけどね。

時計なんかも、おしゃれでいくつも持ってる人もいるんだろうと思うと、我ながら「女を捨てている」と思うよ。
それとも単なる趣味の問題?
日用雑貨を買うのはキライじゃないんだが、これはこれで、あんまりいろいろ買うと「片づけ魔」の大内くんがいい顔をしないし。
生活は、難しい。
とりあえず、1年ぐらいは時計のことは気にせずに過ごせそうだけど。

13年12月18日

寝る前、スタンドにつけたiPadであお向けの姿勢で本を読んでいたら、隣から「かさこそ、かさこそ」という妙に耳馴れない音がする。
実は、大内くんが普通の文庫本のページをめくる音だった!

大内くんも日頃はタブレットで読書しているので、「紙をめくる音」というものに縁がない。
今回は会社で借りて来た本を読んでいたらしい。
今や、他人か図書館から借りた本以外に、「生の本」を読む機会はない。
大内くんに至っては、図書館から本を借りる理由は「読むため」ではなく、フラットベッドスキャナでスキャンするためだけだ。

これが、実はものすごく時間のかかる作業で、特に大内くんが借りたがるような本は分厚いので、1冊に1時間半ぐらいかかる。
アマゾンで買って裁断してスキャンした方がずっと速いので、そう勧めているのだが、
「1アマゾン(251円。1円の古本に送料250円を足した最低価格。我が家の通貨単位)で買えるものはそうしているけど、5、6千円する時は図書館で借りている」というのが大内くんの言い分。
自分の時給とよく相談して決めてもらいたい。

もっとも、大内くんが延々本をめくっては台に乗せてスキャンしている後ろで、安楽椅子からいろいろ話しかけて「応援」するのはキライじゃない。
一緒にいても、けっこうテレビや映画を観ていたりするものなので、純粋に話をする、という意味では貴重な時間だね。

今も、(息子の部屋を除けば)家に唯一残った本棚に、図書館から借りてきた「注釈 日本国憲法」なんて分厚い本が置いてある。
これをスキャンする時が楽しみだ。
でもさぁ、本を読んでる時間より「自炊」してる時間の方が絶対長いと思うよ、この人は。
「老後の楽しみ」なんて言ってるけど、老眼で読めなくなったり、早死にしたら、いったいどうするつもりなんだろう?

13年12月20日

月に1度、ダスキンのおにーさんが交換に来てくれるので、昨日来た時に私の「LINE」リストに彼が突然登場したことについて聞いてみたら、向こうも、
「大内さんのご家族の写真がいきなり出てきました!」と驚いていた。
「何かのおりにはLINEで連絡できますね」と言って帰った子持ちの彼だが、さて、これは不倫に発展する可能性があるのだろうか。

特に用もないのに数人とLINEを楽しむ私だ。
「今から美容院に行くから、じゃあね〜」と立ち去る人は、実はめんどくさくなったのではないか、などと普段はまったく使わない「対人用の神経」を 押し入れから引っ張り出してきた、って感じだ。

大内くんもこの「LINE革命」を楽しんでいるようで、朝の電車の中からほとんど毎日、「今日も頑張ろう!」的なメッセージを寄こす。
「うん、頑張ろう」とあいまいな返事をする私との間に、会話の連鎖がたまっていく。
これはこれで、寂しい時に読み返したりすると…よけい、寂しくなるじゃないか!

つくづく、今の世の中は「人と繋がっている」ことが大事なんだなぁ、と、家にいる間中スマホを握って離さないケータイ依存一歩手前の息子を見ていても思う。
ツイッターも始めちゃおうか、と思う私は、本を読んだり映画を観たりという時間を、赤の他人と分かち合う気になるんだろうか。

13年12月21日

息子がサークルの同期たちと旅行に行った。
どうやら行く先は仙台らしい。
「車で行くヤツらもいるけど、危ない。オレはバスで行く」と言っていた。
自分自身、夏休みの免許合宿以来、まだ試験場に免許を取りに行ってないぐらいだ。
若いくせに、慎重だね。
我々は若い頃、マンガクラブの仲間たちと車を連ねてずいぶんいろんなところへ遊びに行ったよ。
もっとも、私が自動車教習所へ通ったのは大学卒業を控えた秋のことで、2年の夏休み、という息子よりは遅いのだが。
(免許、いつ取りに行くのかなぁ・・・)

彼が出かけてしまったので、安心して隣町へ買い物に行く。
私がひざを痛めて歩くのがつらいので、徒歩でなく自転車で。
向こうで少し歩き回れば、散歩の代わりになるだろう。

11時に到着して、まずは野方ホープでラーメン。
息子の出発で朝早くから起こされて活動していたので、今日はとってもおなかがすいてる。
ランチタイムは、100円で餃子とごはんがついてくるんだよね。
いつもは「食べ切れない」という理由で頼まない、このお得なセットを、今日は頼んでみよう。

「ラーメン2つ、油ふつうで、餃子セットお1つですね。ランチはごはんが無料でつきますが、もう1つはどうなさいますか?」と聞かれたけど、そんなには食べられない。ごはんは1つでいいです。

大内くんが「取り放題」のキムチを小皿に山盛りにして前菜がわりにほおばっている間に、餃子とごはんが来た。
餃子は小さめのが4つ。2つずつ食べる。ごはんも半分こ。というか、7:3ぐらいで大内くんが多め。

ラーメンが来てみると、うーん、ここのラーメンは、ごはんのおかずになるなぁ。おいしい。
大内くんはキムチでごはんを食べないので、
「キムチごはんにはしないの?おいしそうなのに」と聞くと、
「僕は、ここのキャベツのキムチはおかずにしない。ごはんとは合わないと思う」と言う。
人の好みは様々だね。

餃子もおいしく、ラーメンもおいしく、あっという間に食べ終わってしまった。
いつもより100円だけ高いお代を支払って店を出て、ブックオフへ。
自炊を始めてからというもの、大内くんはアマゾンとブックオフの世話になりっぱなしだ。
いつ終わるのか、見当もつかない。
もう、一生かかっても読み切れない量を持っていると思うのだが。

私はこないだ1ブックオフ(我が家の通貨単位。105円)とは言うものの、文庫本をダブらせてしまったので、用心して手を出さない。
清水義範と宮部みゆきと東野圭吾に関して、持ってないのを買いたいとは思っている。
今度、持ってる本のリストをスマホに入れてきて、それを見ながら選ぶことにしよう。

大内くんの収穫は2冊。
嬉しそうにリュックに入れて、ロフトに行ってお香を買う。
手持ちが少し減って来たので補充したいのだ。
「薔薇」と「ラベンダー」を選んでみた。

そうそう、卓上カレンダーを買わなくちゃ。
3階の季節モノのコーナーで毎年買っている。
書斎の机の横の壁には、友人が毎年くれる「1月から、翌年3月までが1枚に表示されたカレンダー」が貼ってあるが、手元でメモするために、卓上カ レンダーも必要なんだよね。

その、「1月から翌年3月まで」のカレンダーは普段でも便利だが、大活躍したのは、息子の高校受験の時と大学受験の時だった。
特に大学受験の時は、1月から3月の間に「センター試験」から「最後の1校の合格発表」までがぎっちり書き込まれていたよ。
あの頃は、「1年以上先の予定を一望できる」というのがものすごくありがたかった。
今では、半年以上前から入る予定は5月の「休日講座」と6月の「株主総会」ぐらいなものだけど、便利なことには変わりない。

現在使っているものと同じ卓上カレンダーの色違いを買い、ついでに、文具売り場で「エンディング・ノート」を探してみる。
最近少し流行っているらしい、「自分が死んだあとのことをいろいろ考えておくためのノート」だ。
「葬式はこういうふうにしてほしい。誰を呼ぶか、どんな祭壇にするか、花やBGMはどうするか」
「お墓はここにしてほしい」
「形見分けは、何を誰にあげてほしい」
といったことを、項目ごとにまとめやすくなっているものを売っているそうなのだ。

実際、売り場の人に、
「エンディング・ノートは置いてますか?」と聞いたら、
「はい、このコーナーにあります」と、日記帳の並んだあたりに案内された。
いわゆる、「遺言書」がきちんと書類としてついてくるものなどがあるようだ。

だが、まだまだあまり成熟していないもののような気がして、とりあえず、普通のノートのちょっと上質なものを買って、思いついたことをどんどん書き込んで代わりにしようか、と思ってノートを選ぶ。
そして、レジに並ぶ寸前に私が考えついた。
「思いつきをメモしておき、かつ、しょっちゅう書き直すなら、パソコンに書き込むのが一番便利で手っ取り早いんじゃない?」
「それだ!」と大内くんも大きくうなずき、その高いノートは買わずにすんだ。
最近は、何でもパソコンを使うのが早いもんなぁ。

「ノート買う前に思いついてよかったね!」と言いながら、駅ビルの中にある優秀な魚屋へ。
うーん、今日はこれといった目玉商品がないなぁ。
大内くん的には、「タラの切り身」が出ていたら「タラフライ」が食べたかったらしい。
家の近所のサミットが、実は魚に関してかなり強いのをここ数カ月で発見したので、帰りに寄ってみよう。

自転車置き場の近くのスタバまで戻って、ティー・タイム。
彼が窓際のカウンタ席を2つ確保するのを見届けて、私は注文。
前はどんな季節でも「コーヒー、ホットをショートで、マグカップで」一辺倒だった大内くん、最近は「キャラメル・マキアート」がお気に入りだとい う。
元々は私がいつもそれを飲んでいたんだが、同じ物というのも能がないので、私は「チャイ・ティー・ラテ」。
両方、ホットでトールね。

天気がいいので、喫煙者や犬連れのお客で賑わっている外のウッドデッキを眺めたり、話をしたり、それぞれのネクサスで本を読んだりして小一時間過ごし、自転車を拾って帰ることにした。

今日の発見は、無料の駐輪場がいっぱいな時はすぐそばの「100円」の有料駐輪場に停めていた自転車、実は同じ建物のデパートの駐輪場が、 「500円以上お買い上げ」の場合は3時間無料になる、しかも、スタバにもそれは適用される、という点。
「いつもスタバで500円以上使ってるもんね。今度からそっちを使おう!」と決めた。
これまで、全然気がつかなかったよ。

帰り道でサミットに寄って、煮魚用の「わかし(ブリの小さいの)」を1尾と、大内くんが食べたいというフライ用のカキを買う。
今夜はカキフライだ。
きゅうりのピクルスがあるので、タルタルソースを作ろう!

このサミットは、売り場が広すぎて買い物しにくいのと、値段が全般に高めなのとで、あんまり利用してなかったけど、鮮魚売り場が充実してる。
調理場の人に頼めば、用途に応じて内臓を抜いたり開いたりしてくれるし、魚だけは安い。
よく行く西友に比べると牛乳が5円高かったりするのに、不思議だ。
どこのスーパーにもそれぞれの「売り」があって、真面目に節約生活を送ろうと思うと1軒では用が足りない。
時々、週末には3軒ぐらいのスーパーを回ることも。

さて、ブランチも晩ごはんも充実してて、いい3連休のスタートだね。
買った「わかし」は明日の夜、大内くんが煮てくれると言うし、あさってはもう、水餃子に決めて材料もそろえた。
晩ごはんの献立が決まっている時は、気が楽だよ。
明日の夜まで息子は帰ってこないし、ゆっくりテレビでも見よう。
そういう日に限って、早い時間に眠くなってしまう我々ではあるのだが。

13年12月24日

クリスマス・イブ。
通りかかった近所のローソンの前で、サンタ姿のおにーさんとトナカイらしき衣装をつけたおねーさんが、
「クリスマス・ケーキ、お安くなっております!」
「甘口と辛口の、ワインも販売しております!」と一生懸命客引きをしていた。
夕方のマンション群の近所には、通行人はほとんどいない。
寒いのに、気の毒だ。

うちは、昨日のうちに近所の西友で「お取り寄せ」をお願いしてあった「TOPS」のチョコレート・ケーキを買って、食べてしまった。
昔、大内くんの会社から東京駅までの間に「TOPS」があった時代には買って来てもらっていたけど、会社が駅の反対側に引っ越して、寄ってもらう とかなりな遠回りになって以来、なかなか食べる機会がなくなっていた。

ところが、3年ほど前から、西友で予約できるようになったんだよ。
今年は12月21日(土)から23日(月)の3日間限定だったので、イブイブのケーキとなったわけ。

外泊の息子には、大きめのひと切れを残しておいてあげたら、今日の晩帰って来て、ぺろりとたいらげた。
彼は子供時代に卵アレルギーがあったため、ケーキが食べられなかったんだよね。
そのせいか、アレルギーがおさまって食べられるようになった今でも、ケーキはあまり好きじゃないようだ。
「和菓子の方が好き。あんことか、お団子とか」と言って、「懐中汁粉」をすすっていたりする。
(あれは、すごい発明品ではないだろうか?!)

そんな彼にとっての例外が、「TOPS」のチョコレート・ケーキ。
20歳になっても大好きだ。
今夜も、「TOPS、残してあるよ。全部食べていいよ」と言われて、嬉しそうだった。
ココア色なのにけっこう濃厚なチョコ風味で、甘すぎず、ふんわりしたスポンジ部分とチョコクリームの3層構造にクルミのさくさく感がナイス。
我々にとっても、年に1度の贅沢品。今年も元気に食べられてよかった。もはや縁起物か。

今日、お父さんがおみやげにケーキを買って帰るおうちも多いことだろう。
もはや「サンタさん」は来ない我が家ではあるけど、息子は何やら小さな袋を持って帰っていた。
最近できたとウワサの彼女から、何かプレゼントをもらったのかな?
聞いても絶対教えてくれないので最初から聞かないが、昨日、
「デートだから、金くれ」と言って1万円ふんだくって行った現在無収入の彼は、ちゃんとプレゼントをあげただろうか?
イマドキの若い人は、そういうとこをちゃんとしないと、あっという間にふられちゃうよ。

「僕は、学生時代、キミに何にも買ってあげなかった。どうして結婚してくれたんだろう?」とよく首をかしげている大内くん、昔は、クリスマスというのはそれほどビッグイベントではなかったんだと思う。
それに、あなたからはモノ以上にいろんなものをもらってたよ、実際。
ありがとう。昔も今も。

数カ月前に、「告白したのと同じ場所でプロポーズしました。指輪も用意して行きました」とFB上で発表して300コ以上の「いいね!」をもらっていた知人が、今日、イブの日に入籍。
またしても、250人に「いいね!」と言わせた。
D塾にお勤めだったS先生、本当におめでとう!

13年12月25日

めずらしく息子が我々の起きている時間に帰って来たので、ここぞとばかり、朝、自分で起きられないのを大内くんと2人がかりで叱っていたら、
「こないだ、テレビに出た時、ネットに、『ブスだ』って書かれてるの、知ってる?」と来た。
何の関係もないじゃないか。
「だからオレが出るな、って言ったんだよ」
大きなお世話だ。
あのシチュエーションで母親がいないのがおかしい、って言って大内くんの横に座ってただけじゃん。
よそのうちだってお母さんは横にいたし。
人にそんなこと言うなんて、それで人を傷つけようなんて、最低だ。自分だって足が短いくせに。

確かにね、放映直後に、2ちゃんに書き込みされてたよ。
「デブでブスな奥さん」
「エリートには、もっと美人な奥さんをもらってほしい」
大きなお世話だ。
私は、自分が昔ちょっとカッコよかったと思ってる。(美人だったわけじゃない)
だから大丈夫。
思ってない人は、こんな目に合った時、どう切り抜けてるんだろう。

それより私が傷つくのは、息子がそんな品性下劣な男に育ち上がったことだ。
小さい時、親に言われませんでした?
「人の見た目をあれこれ言ってはいけません」
その程度の教育も、息子にはできなかったわけだ。卑怯で無神経な男に育ててしまった。
「ブスだ」って言われるより、この方がよっぽど落ち込むよ。

まあ、私には最強の応援団、大内くんがついていてくれて、
「人の奥さんをブスだなんて、失礼なヤツだ。可愛いのに」と憤慨してくれる。ありがたい。
でも、ヒドイ男に育ててしまった悲しみは、あんまり共有できないみたい。
男同士だから、かえってわからないのかな。

そりゃあ、直接「ブス」って言ったのは息子じゃないよ。どこかの、名も知れぬ卑劣なヤツだ。
しかし、そんなヤツの言うことを武器に人を傷つけようとする、その方が、「だまれ、ブス」とか自分の意見を言うよりずっと卑怯じゃないか。
あーあ、私の息子はこのレベルか。ちっちゃい男だなぁ。
どこかにいるかもしれない息子のカノジョさん、すみません。
あなたにまかせますから、こっぴどく振るなりなんなりして、根性叩き直してやってください。
私には、もうそこまでの力はないんです・・・

13年12月27日

息子は、今朝早起きをして免許試験場へ行き、免許証をもらってくるはずだったのが、朝、8時頃起こしたら、例によって遊んでて、全然準備をしないで寝たらしく、
「今日、受けても受からない。落ちるのに受けたってしょうがない」と言い、私を振り切って寝てしまった。

かろうじて、
「1月に行くから」「準備しとけばよかったなぁ。反省してる」とつぶやいていたので、なんとか私の腹の虫もおさまってくれたようだ。
来年になったら、即受けに行ってくださいよ!
失効したらどうするつもりなんだ!

13年12月28日

年末駆け込みで、昨日、眼科に行った。
先日受けた人間ドックで、「緑内障」の可能性を指摘され、「要再検査」となったのだ。

幸い、家のすぐ近所に眼科がある。
以前、アレルギー性結膜炎かなんかで行った時に、てきぱきした女医さんが的確な診断をしてくれたような気がする。
それに、いい病院の証拠に、ものすごく混んでいた。
今回は予約を取っての検査なので、年末で「目病み女」や「ものもらい小僧」がいっぱい来ていても大丈夫だろう。
その後、通院となるようなら、また考えればいいし。

ところが。
案に相違して、午後3時の待合室はとてもすいている。
つーか、私以外におばあさんが1人いるだけ。
すぐに看護師さんに呼ばれて、まずは視力検査を受け、10分ぐらいで先生に呼ばれた。
あまりに昔の話なので、同じ女医さんかどうかわからないんだけど、どうも同じ人が相応に老けただけな気がする。

緑内障は、進行すると失明してしまうし、不可逆的なので、早期発見・早期治療が大切だ。
(もっとも、進行がゆっくりなので、ある程度の年になったら逆に怖くないかも)
眼底検査、視野検査等をひととおりやって、ドキドキしながら聞いた診断は、
「まず大丈夫だと思いますが、少し心配な点もないではないので、半年ぐらいたったら再検査を受けに来てください」というもの。
なんか、気が抜けた。

診断を受けたあと、
「今日はすいてますか?」と女医さんに尋ねたら、苦笑交じりに笑み崩れながら、
「そうなんですよ〜!みなさん、考えることは同じみたいで、明日からお休みに入るその前に、数日前、ものすごく混んでました!」。
今日来て、運が良かったわけだ。

通院も、点眼薬も必要なし。
半年後、というと結婚記念日の頃か。
「お正月休みだ〜!」と踊りながら帰って来た大内くんに話したら、慎重な彼にしては珍しく、
「よかったね!でも、再検査は1年ぐらい先でもいいんじゃないの?」と大らかな答え。
私の目が心配じゃないのか!と、ちょっとムッとする。
まあいいや、もし失明したら、定年後の大内くんに本の読み聞かせをしてもらおう。

というわけで懸案事項は昨日のうちに片づけて、晴れて9日間のお休みの初日である今日は、「洋服の青山」に大内くんの背広を買いに行く。
年末の健康診断で、去年の同時期より10キロ太ったことを指摘され、
「それは、急に太ったことが要注意なの?それとも現在の体重を叱られたの?」と聞いたら、
「両方」と簡潔に答えた彼は、できれば背広は新調せず、身体の方を元に戻して行きたい、という意向を示したのだが、ズボンのダーツが完全に広がり、横のポケットが広がって中の白い生地が見える、という情けない格好の上司を見る部下も気の毒だし、妻として恥ずかしいと思ったので、とりあえ ず2着、今の体型で着られるものを買ってもらった。

1着6万円弱、2着目は千円、というセール値段。
S社法務部の皆様、あなた方の上司は、このような安い背広で日夜働いております。
定年になるまで、「オーダーメイドのスーツ」なんてものには縁がなさそうです。

受け取りは来年、ということで、八百屋で正月用の野菜を買ってレンタル屋でDVD借りて、帰って来て大内くんは昼寝。
今日から3日間、夜は、息子がお世話になった塾の冬季講習で、中3たちに「地理」を教えるのだ。
1時間のコマを3回持たせてもらうだけなんだけど、老後はこの塾で働きたい、という大内くんにとっては貴重な経験の機会。
ボランティアなので、問題ないそうだし。

充実したお休みの予感だ。
ヒマな時間はたまった録画を消化したり、宮部みゆきを読んだりして過ごそう。
大内くんとこんなにゆっくり一緒にいられるなんて、本当に嬉しい。
唯生が外泊できないことだけが「珠に疵」だけど、元旦に会いに行くよ。
お客さんを2人呼んだ「小さな新年会」も予定されているし、また甲府にドライブに行ってTOHOシネマズで「永遠のゼロ」を観て、温泉に入って来るつもり。
これだけの大型連休にしてはささやかなお出かけだけど、最近、ひざの関節痛に悩まされているので、湯治だ、湯治。

来年は2人でダイエットにいそしもう、と決意する。まずはお正月に食べすぎないことが肝心だね。
今夜のごはんは「アジの開き」に「湯豆腐」。
よしながふみの「きのう何食べた?」で「柚子こしょう」の存在を知ってから、白菜を入れた小さな湯豆腐鍋が夫婦の人気を呼んでいる。
こんなにおいしいものだとは。
「『柚子こしょう』があると、湯豆腐も立派な1品だね!」と大内くん。
よしながふみ先生、ありがとう!

13年12月29日

年も押し詰まって来た、大内くんのお正月休み2日目。
息子は早朝からバイトに行った。
バイト先は、コミケ。

知ってる人は知ってるだろうし、知らない人は全然知らないかもしれないが、東京中、いや、日本中からマンガの好きなヲタクたちが集結する超巨大同人誌即売会。
我々が売りに行ってた頃はさほどでもなかったが、今ではコスプレやデモンストレーションの場でもあると聞く。
そんなところに、何のバイトをしに行くのか。

「始発で行く」と言っていて、実際に4時ごろ起きて出かけて行ったから、会場設営とか入場者整理とかなんだろうなぁ。
仕事は何なのか、何時までなのか、給料はいくらか、あらゆることを教えてくれない相変わらずの彼だ。
でも、前日の昼過ぎに出かけていたところを、夜の7時頃には帰って来て、そのままがーぐーといびきをたてて寝てしまったところは真面目。
おかげで朝、大内くんが起きて様子を見た時には、もう自分で起きて準備をして出かけたようだし。
大学に行くのには親がいちいち起こさないと午前中には起きられないというのに、こういう時だけは頑張るね。
その頑張りを授業にも発揮していてくれたら、留年なんて事態は引き起こさずにすんだだろうに。

「バイト期間の3日間は満喫とかに泊まる。帰らないから、いちいち『何時に帰るの?』とか聞くな」と言ってたのに、出がけに大内くんが聞いたところでは、「帰るかもしれない」ということで、結局何時に帰るのか、気になるじゃないか。
毎朝早いんだったら、帰ってこないで満喫で寝てくれた方が親の精神衛生にはいい。

彼を見送った大内くんも寝なおして、2人で11時ごろ起きてブランチを食べたけどまた寝て、結局完全に目を覚ましたのが午後2時半。
よく寝た。
お互い、日頃の疲れがたまっていたんだと思う。
日常生活にはけっこうストレスがあるから、たまの大型の休みにこうやって2人でゆっくりすると、とても気分がいい。

起きてからは、大内くんが図書館で借りてきた本のスキャンなどをして過ごす。
「これ、ノートパソコン使ってリビングでやれないの?」と私が言ったのがきっかけで、ノートとフラットベッドのスキャナを接続し、書斎のパソコン以外の場所でもできるようになったのが画期的。
「実にいいアイデアだった。年末年始は、ゆるいテレビがいっぱいあるから、テレビ見てぼーっとしながらやるのにすごく適した作業なんだ。どうもありがとう!」と言われたよ。

なので、録画しておいた「ミュージックステーション スーパーライブ」とか、生でやってる昔の「筋肉番付」みたいな番組とかを見ながら、作業の続き。
池谷直樹40歳がまだ現役で出てるとは驚きだ。
オリンピックにも出た兄ちゃんはどうしているだろう。
子供向けの体操教室を開いたりしてたのは知ってるんだが。

晩ごはんの「水餃子」のタネを作って、包んだあとは大内くんも仕事。(と言っても趣味ですが)
駅前の塾に、「地理」を教えに行った。
明日で終わりだ。
「中学生たちは、カワイイよ〜!男の子ばっかり6人のクラスなんだけど、僕の講義を聴きに6人も来てくれるなんて、ありがたいよ。それに、男子校はキライだと思ってたけど、男の子ばっかり、ってのは気楽だね」というのが感想。

さて、晩ごはんを食べながら、昨日借りてきたDVDのうち、一番気楽な東野圭吾原作・福山雅治主演の「真夏の方程式」でも観るか。
原作を読んだけど、それほど難しいとか血なまぐさいとかいう話ではなかったような気がするので、大丈夫だろう。

そうそう、今日の大仕事のひとつに、HPの「シネマ日記」を読み返して今年のベストを選ぶ、ってのがあったよ。
今から観る映画はもう来年の分にカウントされるんだ。
今年は自炊に時間を食われたのが原因か、44本しか観られなかった。
120本観た年もあることを思えば、少ないね。なぜか邦画が増えたし。

人は、だんだん洋画より邦画が好きになり、映画よりテレビが好きになり、ドラマより時代劇が好きになり、恋愛小説よりも時代小説の方が好きになるのかなぁ、と、ブックオフに別に設けられている「時代小説」の棚を見るたびに思う。
精神的動脈硬化が起こるのか、天駆ける空想よりも歴史にこそ真実があると経験的に学ぶのか。
いざとなれば、藤沢周平も司馬遼太郎もたくさんある。
老眼が来ても、タブレットを使っていれば文字を大きくすることもできる。
ブックオフで買った宮部みゆきをスキャンしながら、
「PDFってのは未来永劫大丈夫な基準なのかね?」と少し不安に思うよ。
800ギガものデータを持ってるっていうのに、ベータやレコードの轍は踏みたくない。

って言ってたら、息子、帰って来たよ。夜中の12時半なのに。
「明日も始発で行く」って、起きられるのか?!
満喫に泊まって来てくれればいいのに、何で帰って来ちゃうんだろう・・・

13年12月30日

3時間半睡眠でコミケのバイト2日目に行く息子を、結局寝ないで送り出した午前4時、爆睡態勢に入る。
大内くんと2人、何とか起き出したのが午前11時。よく寝てるんだか寝てないんだか、わからん。
焼うどんの簡単なブランチのあと、近所の本屋さんに今年最後の「ご近所スキャンダル」の買い出しに行く。

月に10冊以上買っているこの手のレディコミを、本屋さんに取り寄せてもらい、時々配達をお願いしているのだ。
電話で聞いたら、今回はまだ2冊しかたまってないと言うし、忙しい年末なので、買い物のついでに自分で取りに行くことに。
「人を使う、って、ダメなんだよね。貧乏人根性丸出しかな」と大内くんに問うたら、
「いや、それが僕らクラスの生活の標準的な考えだよ。僕は、キミのそういう感覚は好きだし、大事にしたいと思ってるよ」。
ありがたいじゃないか。
でも、ラーメンやピザの出前はとれるわけだから、やっぱり本に対する畏敬の念も手伝ってるのかな。

ついでに萩尾望都の「王妃マルゴ」の第2巻を買う。
町の小さな本屋さんなのに、そのへんちゃんと仕入れているし、電話で確認した時も、
「萩尾望都の『王妃マルゴ』・・・」と言っただけで、おばちゃんが、
「ああ、2巻ですね。入ってますよ!」と答えてくれた。

先日は宮部みゆきの「ペテロの葬列」が入ってるかどうか即座に答えてくれたし、この本屋はおばちゃんでもっている。
何しろ、ダンナさんの方は、私が店頭で、
「島田壮司の『星籠の海』上下巻は入ってますか?」と聞いたら、人差し指でパソコンをぽちぽち打ちながら、
「そうじ、ってのは、どういう字を書くんですか?」と尋ね返して来たもんなぁ。
本屋さんが、平積みになるクラスのミステリの作者名もタイトルも把握してない、ってのは問題だと思うよ。

その有能なる、かつてはマンガヲタク少女だったに違いないおばちゃんに、萩尾望都の「王妃マルゴ」第2巻と山岸涼子の「ケサランパサラン」第2巻を差し出して「ご近所」と一緒にお会計してもらいながら、
「萩尾望都ももう描いてないかと思った時期もあったんですが、よく続きますね。長いですね」と言うと、
「『危ない丘の家』とか描いてましたもんね」。
絶対この人、趣味が高じて本屋を始めてるよぉ!

思わず、
「友人に35年、ずっと描いてるマンガ家さんがいますよ。デビューが早かったんですけどね」と言ったら、あらっ、という顔をして、
「何て方ですか?」と聞いてきたので答えたら、
「私、持ってますよ!」と嬉しそうに言う。
「この辺にお住まいなんですか?」
「いえ、そう近所、ってわけじゃないんですよ」と会話する。
有名人と知り合いなのを自慢するなんて、ちょっと下品だったかな。反省。

学習参考書の棚で中学生の社会科の本をぱらぱら見ていた大内くんと一緒に店を出て、さして広くもない店なので聞こえていただろうと思いながら、
「あんな話、しない方がよかったかな」と聞いたら、
「いや、別にかまわないよ」と言ってもらえて、安心した。
今日で彼の塾講師も一段落だ。

買い物をすませ、まだ少し寝不足だ、夜の仕事に備えてもうひと眠りしたい、という大内くんと一緒に昼寝をし、さて、今夜はレコ大だなぁ。
昔、大晦日に紅白の直前までやっていた頃は、大賞をもらった人がNHKに駆けつけるまでが大変、なんてこともあったが、今は前日にやってしまうの で、少しつまらない。
今年1年の音楽業界の動きに関する情報不足を「ミュージックステーション スーパーライブ」でいくらか補って、なんとかついて行くことができるといいのだが。
「きゃりーぱみゅぱみゅ」だけはわかったぞ。
AKBに「メガネ女子」がいるのもわかった。SKEとかNMBとかになるともうわからんが。

名古屋には、「栄町(さかえまち)」という繁華街があるんだよね〜。
私の大学生になるまでの青春は、主にそこで培われている。
映画を観ると言ってはサカエ、画材を買うと言ってはサカエ、だったのだ。
懐かしい想いも含めて、仕事から帰って来た大内くんと、年末は歌で締めくくる。
大賞は「EXILE」かぁ。ヒロくん、おめでとう。
奥さんの上戸彩も嬉しそうだった。

息子は9時ごろ帰って来て、
「バイトは今日でおしまい。明日はない」と言う。
大晦日までやってるコミケのヲタクたちは、どんなカウントダウンを聞くのかなぁ。
息子はバイト終わりだと言っているが、明日こそ撤収で人手がいるんじゃないんだろうか。
「肉体労働だからイヤになって、3日目はサボりかねぇ」と大内くんと話し合う。
いくら稼げたかも教えてもらえないし。

まったく、何をやっているのか。息子の青春は心配なことだらけだ。
親はいつまでやきもきするのか・・・早く就職して家を出てくれないかなぁ。
あんまり出て行かないようなら、部屋数の少ないマンションに引っ越して強引に居場所を失くしてしまおうか、とまで考えて相談している我々である。

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