01年1月
「ミッション・トゥ・マーズ」
ゲーリー・シニーズ主演。
私はSF超大作がわりと好きなので観たが、途中で「あ、これはスカかも」と不安になる。
でも「ファントム・オブ・パラダイス」「ミッション・インポシブル」のブライアン・デ・パルマ監督なのでガマンして最後まで。
あ〜あ、やっぱりガマンするんじゃなかった。
「スターゲイト」並みの大外れ。
21世紀最初の映画は、堂々の「観ない方がいいよ」。
なんだか幸先悪いぞ。
「ライフ・イズ・ビューティフル」
ロベルト・ベニーニ監督・主演のイタリア映画。
幼い息子とユダヤ人収容所に送られてしまう、という、想像しただけで涙があふれるような内容らしいので避けていたのだが、テレビで放映されたもんで、つい観てしまう。
前半の楽しい部分が意外だったが、途中からは想像どおりタオルが必携品。
大内くんも、「父親ってのは、こうでなきゃだめなんだなぁ」と目を赤くしていた。
人間、不幸な時こそ真価が問われる。
特に、配偶者やコドモを持ったら、力の限り彼らを守り、はげまさなければならない。
イタリア映画といえばフェリーニとかヴィスコンティとか難解なものを想像するが、実にわかりやすく、映画らしい映画だった。
ぜひ「観るといいよ」です。
01年2月
プレステ2を買ったので、ツタヤでDVDソフトをいっぱい借りて観た。
ただ、使い方が間違っていたので、全部「16:9のテレビ画面」で観てしまい、少し画像がタテに細長い。
私たちの中で、デンゼル・ワシントンはずいぶん細面の人になってしまっている。
今度借りるぶんからはちゃんと観られると思う。
さすがに画はきれいだ!
「マーシャル・ロー」
デンゼル・ワシントン、ブルース・ウィリス主演。
予想より火薬の量が少なかった。
原題は「The
Siege」(攻囲)なのだが、あまり知られていない単語だと思うので題を変えるのはしょうがないとしても、「マーシャル・ロウ」(戒厳令)だって普通辞書ひいちゃうよ。
いっそさっぱり「戒厳令」とか邦題つければいいのに。
最近の映画はとにかく横文字が多い。
かと言って何でもかんでも「旅愁」とか「慕情」とかでも困るが。
「モンティ・パイソン 人生狂騒曲」
面白かったが、やはり私のベストは「ナウ・コンプリートリィ・ディファレント」だなぁ。
DVDの「視聴制限」に引っかかった。
そうか、コドモが見ちゃだめか。
そうかもな。
「ボーン・コレクター」
デンゼル・ワシントン主演。
コワイ話にちがいないと思って長いこと避けていたのだが、ランキング番組の上位にずっといるので気になってくるというパタンで、結局借りてしまう。
いや、思ったほど怖くはなかった。
というより、なんの感想もわかない。
ちっとも面白くないのだ。
寝たきりのFBI腕利き捜査官が、パソコンを駆使して事件解決という設定はいいのだが、それに頼りすぎで細かい詰めが甘い。
大作かと思ったがハズレでした。
「観なくていいよ」。
「ビッグ・ダディ」
ほのぼのハートウォーミング。
独身男がいきなり5歳児の面倒をみることになったら、「何食うんだ?粉ミルクか?」とか、「ケツは自分でふけるか?」というのは正しい疑問の持ち方だと思う。
コドモがいる人には面白いかも。
「英雄の条件」
原題は「Rule of
Engagement」なので、「戦闘のルール」というべきなんだが、相変わらず邦題は不思議だ。
途中までは「こういうのにアカデミー作品賞あげてもいいんじゃないかなぁ」という感じだったが、やはり最後の方で「ちょっと足りないかも」と思った。
でも、アメリカ映画の問題意識にはいつも感心させられる。
「シュリ」
ビデオ屋にずらずらっと並んでいるのが、もうテレビで放映されたので観る。
韓国アクション映画で純愛だというのが売りのようだ。
私は火薬の量が多い映画は苦手なのだが、確かに純愛は純愛であった。
登場人物の顔の区別がつかなくて困る。
アメリカ人でもないくせに、アジア人の顔がわからないとは、情けない。
「男たちの挽歌2」
なぜか成瀬監督絶賛だったのを、去年スカパーでまとめてやってたので録画。
勧められていなかったら観なかっただろうという種類の映画だ。
1と2を観て、もういいや。
2は、ちゃんと1の続きだった。
兄弟愛、男同士の友情の物語で、これもやたらに火薬と血しぶき。
チョウ・ユンファが若い若い。
「バズ・ライトイヤー ザーグの野望」
息子が大好きなフルCGアニメ「トイストーリー」のバズ・ライトイヤーが、セルアニメになって登場。
そこそこ面白かったけど、やっぱりCGの方がよかったな。
うちで超人気の「リトル・グリーン・メン」も、カワイさがイマイチ。
エンド・クレジットを見ていたら、アニメーターの名前がずらずらと、「Yuu,
Chou Lee」とかいう感じのアジア人の名前になっていた。
どうも「韓一動画」なる会社が下請けをやっているようだ。
これは、「銀河英雄伝説」のアニメが途中からむちゃくちゃな絵になった時に見た名前だ。
きっと、人件費が安いのであろう。
01年3月
「エンド・オブ・ザ・ワールド」
これ、とってもいいよ。
私としては、「すごく観るといいよ」賞をあげたい。
このままいくと、今年のベスト3に入るかも。
ネヴィル・シュートのSF「渚にて」が原作で、以前にも映画になったらしいが、今回リメイク。
画がとてもきれいだし、家族愛や友情、人間の尊厳があますところなく描かれている。
3時間と長めなのだが、全然苦にならない。
というより、途中で息子に邪魔されながら観たんだけど、ずどーんと最後まで一気に観たらもっと盛り上がっただろうにと、残念。
これから観る人は、家事やコドモは片付けて、思う存分観てください。
(今、原作読んでる。小説もいいぞ)
「サイダーハウス・ルール」
叙情的な絵柄とお話。
大作ではないが、じーんとくる。
ジョン・アーヴィングの原作だと、いつもこういう感じだ。
つい超大作を観てしまう私には、やや穏やかすぎるかもなんだけど、一種、映画らしい映画だった。
アーヴィングは「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」を観たのだが、どれも人生をしみじみ考えてしまう。
「ミッション・インポシブル2」
火薬である。
トム・クルーズがかっこよかった。
(ジャン・レノが出なくてつまらん)
「1」の方がドキドキして、よかったなぁ。
大元の「スパイ大作戦」の音楽がいろいろに編曲されていて、サントラ盤が楽しいかも。
「電話で抱きしめて」
3人姉妹のメグ・ライアンとダイアン・キートンがよかったが、もう1人は誰だったか。
携帯使ってると逃げ隠れがむずかしい、という話か。
家族の愛情の話で、まあまあだったけど、「観なくていいよ」ではある。
DVDだと、カットされた部分が「映像特典」としてついてくる。
とても大事なエピソードだと思えて、大内くんと2人で、「ここを飛ばしちゃうとはねー」と驚いた。
使っていれば、もっとしまった映画になっただろうに。
ま、それでも「観なくていいよ」だけどね。
「エリン・ブロコビッチ」
最近ジュリア・ロバーツの顔が怖くなってきたので、全然見る気がなかった。
でも、ランキング番組で長い間上位にいるので気になってきた、といういつものパタン。
大内くんによれば、アカデミー主演女優賞を取ったらしいし。
権威に弱い私としてはもう観るしかあるまい。
で、想像してたよりずっとよかった。「観るといいよ」。
「グラディエーター」
これは、アカデミー作品賞。
予想してなかったので、あわてて観る。
すごくよかった。
残酷なシーンの嵐ではあるが、きっとそんな時代だったのだろう。
超大作である。
CGを駆使してるんだろうけど、とにかく「金かけてんなー」と口がふさがらない。
いや、お話も画もとてもよかったよ。
大内くんは観ながら「えーと、五賢帝の時代の最後だから・・・」とかつぶやいていた。
いいね、受験の世界史をまだ覚えてる人は。
01年4月
「マン・オン・ザ・ムーン」
ジム・キャリー主演。
面白くない。
まったく面白くなかった。
あるコメディアンの人生の話なのだが、クラブのショーなどで彼がやるコントの、どこが笑えるのか全然わからないのだ。
アメリカ人にしかわからないのだろうか。
久々に「スカ」をひいてしまった。
「フローレス」
ロバート・デニーロ主演。
元警官と、同じアパートに住むゲイの友情物語か。
もっと派手なドンパチものだと思っていた。
妙な味わいがあって面白いとも言えるが、スッキリしたい時に観たのであまりいい点はつけられない。
「ホワイトアウト」
これはスゴイ。
ソファに寝そべって観ていたら、知らず知らずのうちに首が持ち上がってしまい、首筋が痛くなったぐらいだ。
邦画は小難しかったり画面が美しくなかったりでキライなのだが、「なーんだ、やればできるじゃん」という感じ。
邦画の新しい可能性を確信した。
織田裕二は、この後ドラマ「ロケット・ボーイ」を腰痛のためお休みしたようなのだが、この映画の撮影で腰を痛めたのだろうと勝手に想像する。
(それぐらい、ハードな雪山だった)
とにかく見応えがあるので、どんどん観てほしい。
「シャンハイ・ヌーン」
ジャッキー・チェン主演。
吹き替え版を借りたので、息子と一緒に観た。
あまり面白くなかったが、息子はけらけら笑いながら楽しそうに見ていた。
(ただ、中国語のシーンは字幕が出るので読んでやらなければならなかった。そう言えば、NHK大河ドラマ「北条時宗」も、モンゴル語のところは字幕で困るんだよね)
ジャッキー・チェンは「プロジェクトA」ですべて終わってると思う。
(「ミラクル」は少しよかったかも)
「プロジェクトA」
というわけで、4回ぐらい観たこの映画をまた観る。
やはり出来がいい。
ジャッキー・チェンは絶対「ルパン三世 カリオストロの城」を観てると思う。
「ディープ・エンド・オブ・オーシャン」
ミシェル・ファイファー主演。
コドモが誘拐されて9年もたってから再会する、というお話。
もっともっと泣けるかと思ったけど、案外冷静に観てしまった。
「コドモとの関係」より「夫婦の関係」の映画だったせいかもしれない。
なかなかきれいな映画だった。
解決方法が納得いかないが、まあ「小さな映画」としてはいいんじゃないだろうか。
「オータム・イン・ニューヨーク」
リチャード・ギア、ウィノナ・ライダー主演。
これも画がきれい。
もうちょっと泣けてもいい映画なのだが、やや平凡。
(私の涙腺が丈夫になったのか?)
「観なくてもちっともかまわない」映画である。
世の中にはそういう映画の方が多いんだよね。
カップルが、知り合って3回目のデートで観に行くような。
ああ、超巨編大スペクタクル映画が観たい!
「60セカンズ」
ニコラス・ケイジ主演。
ずいぶん怪しくなっていた頭髪が、心なしか増えている。
だが、世界的に有名な人が「こっそり増毛」なんてしても意味ないから、役の上でのメイクか。
私にはわかりにくい「自動車泥棒」の映画だったが、大内くんには面白かったようだ。
この映画1本のために、いったい何台の車がオシャカになったことだろうか。
「宋家の三姉妹」
孫文と蒋介石ともう1人誰か富豪が、3姉妹と結婚して姻戚だったという香港映画。
史実だそうなのだが、どのくらい本当かとちょっと調べたかぎりでは、確かにそういう話があるらしい。
スケールの大きい、見事な映画だった。
「観るといいよ」ですね。
衣装がワダエミで音楽が喜多郎だったのだが、この人たちは「日本の侵略」をどう思っているのだろうか。
「インサイダー」
アル・パチーノ主演。
長いので3日ぐらいかけて観たのだが、それがいけなかったのか、どうにもこうにも難しい、ハッキリしない映画だった。
アカデミー作品賞の候補だと聞いて観たのに、面白くなかった。
ちょっと悲しい。
01年5月
「ホワット・ライズ・ビニース」
ハリソン・フォード、ミッシェル・ファイファー主演のサスペンス・ホラー。
私は怖いのだめなんだけど、つい観てしまった。
1人でお風呂に入るのが怖くなるかと思ったが、映画の中の浴室があまりに広くてうちとは大違いなので全然平気だったなぁ。
「結末は誰にも話さないでください」というアオリに、思わず「シックス・センス」を期待してしまったけど、大外れ。
「あんまり怖くないホラー」なんて、辛くないカレーのようで意味のない存在。
ミッシェル・ファイファーはオバサンになっちゃったし。
「ドラゴンハート 新たなる旅立ち」
「剣と魔法」の世界や、マキャフリイのSF「パーンのドラゴン・シリーズ」が好きな私としては、とにかく観ておきたい。
相当なキワモノなのは覚悟の上だったのだが、最初けっこういい感じで、「こりゃいけるかも」と思ったら、肝心のドラゴンが出てきた瞬間、「いくらなんでもこりゃないよなぁ」(涙)。
大内くんは、「何かにとても似ている」としばらく考え込んだのち、「わかった!ブースカ!!」ときた。
わかる、わかる。わかりすぎて、悲しい。
何でもCGで動いちゃうってのも困りもんです。
まあ、まったく見る必要ナシ。
っていうか、3ヶ月たたないうちに、ビデオ屋の棚から消え失せるでしょう。
「ダンサー」
リュック・ベッソン脚本。
予告編を観て、けっこう期待してたんだけど、結論からいうと、「スカ」。
最後があんな程度しかできないなら、最初の方のダンスシーンをもっと手抜きにしてくれた方が全体としてはよかったかも。
とにかくラストがすべてという構造の映画なので、あれじゃ台無し。
たいへん残念。
「天国までの百マイル」
邦画はダメだよ、面白くないよ、と言いつつ、「ホワイトアウト」がよかったので観てしまう。
浅田次郎の「プりズン・ホテル」を読んだらとても面白かったせいもある。
最初の30分ぐらいダメダメで、「ああ、やっぱり邦画はキライだ!」と叫び、邦画びいきの大内くんも「そうだね、よくないね」と嘆いていたのだが、いつの間にかぐいぐい引き込まれてラストまで。
「八千草薫が気持ち悪い。病人があんな格好(スカートとカーディガン)で搬送されるか?」とか、「知り合いにお金借りるなら、先にすませてから行け」とか、さんざん文句つけてたのに。
同じ浅田次郎原作の「鉄道員(ぽっぽや)」を録画して、まだ観てない。楽しみだ。
「ボーイズ・ドント・クライ」
「性同一性障害」の女の子の話。
「レズ」というのともまた違うような。
全体に「アメリカの田舎町の、イライラした若い人たちの話」でもあった。
「ツイン・ピークス」を思い出したな。
途中でいきなりヘアが出て、大内くんと「今、見えたよね?!」とびっくり。
でも、真面目な映画なので、あっさり出してくれて、違和感なくてよかった。
思ったよりずっと暗い映画で、特にラストはこりゃもう浮かばれねー、って感じ。
「どら平太」
役所広司主演。
邦画とはいうものの、「時代劇」は安定した作りで気楽に観られる。
ただ、テレビで「鬼平犯科帳」などを観ている私は、「映画とドラマとどう違うんだ!」って思うぞ。
「キッド」
ブルース・ウィリス主演。
1回借りて「あんまり面白くないね」とワイプして返してしまったのだが、その後「新作レンタル1位」の棚にずっと並んでいるので、だんだん気になって、結局もう1回借りる。
うーん、やっぱりそれほど面白くはない。
今、コドモの時の私がオトナになった自分を見たら、どう思うのだろう。
「40歳にもなってなんにも夢を実現してないじゃないの!」と怒るのか。
「幸せになったぞ!人生、それがすべてだ!」と言い返すしかないかも。
「スペース・カウボーイ」
クリント・イーストウッド主演。
これはけっこうよかった。
少なくとも「ミッション・トゥ・マーズ」なんかよりはずっとずっとよかった。
でも、ちょっと「お約束」的な結末だったなぁ。
最近、映画に「主役が死んじゃう」みたいな「意外性」を求めるようになってしまったのは、刺激に鈍感になっているのか。
「エイリアン3」
シガニー・ウィーバー主演。
3、4回目だと思うが、また観る。
もしかして私の映画の金字塔はこのシリーズか?
(いや、自分ではもっと明るいものが好きなつもりなんだけど、回数観てるという意味ではね)
今回は「4」が観たかったので、その前菜として。
ラストは何度観ても泣ける。
「エイリアン4」
というわけでこれ。
2回目だけど、やっぱりいいなぁ。
前にも思ったけど、「エイリアンシリーズ」ってえんえん出産の話なんじゃないだろうか。
特に「4」は、もろ「お産のすべて」。
「エイリアン進化版」はけっこうラブリーな赤ちゃん。
思わずおっぱいやりたくなっちゃいました。
01年6月
「スペーストラベラーズ」
「ホワイトアウト」で邦画もなかなかやるもんだと思ったが、こちらもけっこういいセンいってる。
娯楽に徹しているものが好きなんだな、私の場合。
邦画は、妙な心理描写とか意味なく意味深とかが幅をきかせていていやなのよ。
だからこういう「わかりやすい」映画はいいと思う。
本編中に登場する「スペーストラベラーズ」、ホンモノのアニメを作っちゃったみたいね。
けっこう面白いかも。
「チャーリーズエンジェル」
これもあからさまに「娯楽大作」だ。
大内くんに「私はそもそも昔のやつを観てないんだが、どうしようか」と相談しながら借りた。
なかなかよかったよ。
彼女らの職業は「探偵」なのか。初めて知った。
息子がCGアクションシーンをチラッと見て「マトリックスみたい」。
いつのまに見たんだそんなもん。
「レッド・プラネット」
うーん、これはねぇ、「ミッション・トゥ・マーズ」に比べればマシなのだが・・・
(そもそもあれを思い出すというのが、すでにダメか?)
「観なくていいよ」のハンコを、ポーンと!
「新・仁義なき戦い」
トヨエツが出てるし、大内くんは案外こういうものが好きらしいので、借りてみた。
でも、だめだった。40分ぐらいでワイプ。
最初の方はなんだか面白そうだったんだけどなぁ。
「グリーン・ディスティニー」
チョウ・ユンファ主演。
アカデミー賞の候補作ということで、たいへん期待して観たのだが、結論は「ちょっとスカ」。
いや、期待しないで観ればよかったのかもしれないが。
カンフー・シーンはすごかったけど、人間が、空を飛ぶなよ。
「軽々と飛び上がる」のと「空を飛ぶ」のは別物だからね。
全体に、画はとてもきれい。
うーん、大まけにまけて、「観てもいいよ」。
「BROTHER」
ビートたけし監督・主演。
あいかわらず凶暴だ。
気がついたら「ヤクザ映画」を観ている。
いきなりの無表情なドンパチ、噴き出す血しぶき、指つめシーンは3回も。
なのにきれいな画なんだ、これが。
「怖いよ」「痛そ〜」と文句を言いながら、結局ラストまで観てしまった。
人には薦めません。
いや、出来が悪いからじゃなくて、観たい人はほっといても観るだろうから。
「シックス・デイ」
アーノルド・シュワルツネッガー主演。
クローン人間を題材にした、近未来SF。
シュワちゃんも老けたなぁ。
お話は、ちょっとびっくりできるところもあったけど、ラストが全然納得行かない。
久々に堂々の「観ない方がいいよ」だったかも。
01年7月
「マグノリア」
(珍しく、大内夫編)
妻が途中で寝てしまったので、大内夫が書きます。
トム・クルーズ主演。
登場人物のアップが多い。
こじれた人間関係がだんだんこじれて、みんなどんどん煮詰まっていく。
ラスト近くでまったく予想外の出来事が。
なかなか面白かったです。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
なんと言うか、スゴイ映画だった。
明け方にうつらうつらしながらみる夢のような。
アイスランドの歌姫であるらしい、主演女優ビョークが魅力的。
力強くも悲しい映画なので、もう1回観るのは気力がいりそう。
もしかしたら今年のベストに入るかもしれない。
いや、それどころか、生涯に観た映画ベストテンぐらいに入ってしまうかも。
つらい話だから人に「絶対観て!」とは言えないが、できれば観ておいた方がいい映画だと思った。
「サウンド・オブ・ミュージック」が名古典であるとしみじみ感じる。
「ラヂオの時間」
三谷幸喜脚本・監督。
前に1回観たのだが、スカパーで「三谷幸喜特集」をやっていたのに刺激されて、2回目。
ラストがちょっと気に入らないとか、小さな不満はあるが面白かった。
「奇跡の海」
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の監督さんだというので借りてくる。
映画監督やってる友達が絶賛していた。
でもなー、「奇跡」があれじゃ、チカラ抜けちゃうよ。
全体に、いつワイプしてもおかしくない地味な映画なんだが、なんとなく魅力的ではある。
もっと別の「奇跡」が起こるんだったら、もうちょっといい点つけられるんだが。
ま、「観てもいいよ」ということで。
「サーティン・デイズ」
政治モノ、社会派モノの好きな大内くんが、楽しみにしていたんだそうだ。
私は途中で寝ちゃったよ。
起きてからちゃんと観たら、確かに面白かった。
SF大作みたいに盛り上がりがあるわけでもないのに、なんで面白く感じられるのかなぁ。
映画って、そのへんがとても謎。
01年8月
「アンブレイカブル」
ブルース・ウィリス主演。
面白くない。
どーにもこーにも面白くない。
いや、ビデオ屋の新作の棚にけっこうずらりと並んでいるので、評判いいのかもしれないが、ウチ的にはまったくのスカ。
「死なない男」の話なんだと思うんだけど、無意味に意味深な話が暗く暗く進行し、オチはチョーありきたり。
「観ない方がいいよ」
「ザ・セル」
悪夢の世界。怖いぞ〜。
いや、ホントに、うなされちゃう。
もう少し登場人物の関係が上手に表現されてたらよかったんだけど、「観なくていいよ」だなぁ。
猟奇が好きな人には面白いかもしれないけど、怖い思いをしたあげくの溺死なんてごめんこうむりたい私としては、「やだぁ〜〜〜!!」の世界。
「バーティカル・リミット」
「クリフ・ハンガー」以来、山は危なくて怖いので観ないつもりだったが、スカが続いたので「いっそ、こういうドキドキハラハラの方がマシなんじゃないか?」と思って借りてくる。
思ってたよりずっとよかった。
お約束的なエピソードは多いけど、迫力があってスッキリ。
「ファイトォ、いっぱぁつっ!」と叫びたくなる。
「リトル・ダンサー」
今回続けて観た中では一番よかったかも。
炭鉱の町が煮詰まっている、という感じが「ブラス!」とか「フル・モンティ」とそっくり。
大内くんはこういう背景が好きなようだ。
途中から息子が一緒に見始めて、「どうしてこの子はボクシングやめちゃうの?そんなにいろいろかえちゃダメ!」と批判していた。
そうだね、キミは、柔道やめちゃだめって言われてるんだもんね。
小学校6年生ぐらいの少年が、ダンスの学校に行くため家を離れる。
もし息子がそういうことになったら、あと3、4年しか一緒にいられないのか。
いつも「早くオトナになって家を出てってくれ」と思っているのに、にわかに手放し難くなる。
学校のオーディションの結果を家族みんなが待っているのだが、いざ届いた封筒は、少年が帰ってくるまでテーブルの上で皆の視線を集めている。
日本のご家庭だったら開けちゃうだろうなぁ。
英米かぶれはよくないんだけど、そういう点は「エライ!」と思った。
「雨あがる」
「どら平太」を観た時も思ったのだが、ドラマと映画はどう違うのだろう。
「鬼平」のよくできてる回との差がわからない。
まあ、寺尾聡が好演。
「実はすごく強い」って、永遠の憧れだ。
「鉄道員(ぽっぽや)」
ラスト近く、「まあまあだよね」と大内くんを振り返ったら、ぼろぼろ涙をこぼして泣いていた。
ヒロスエに泣かされるとは、恥ずかしくないのかね。
私としては、「男の勝手な生き様」が気に食わなくて、ちょっと点が辛くなる。
「クリムゾン・リバー」
ジャン・レノ主演の、猟奇殺人モノ。
まったくの、スカ。
説明不足なのかそもそも説明なんかする気がないのか、およそ「謎がとける」ということがない。
こんがらかっていくばかり。
いや、こっちのアタマが悪いのかもしれないが、雰囲気ばっかり盛り上がって、結局誰がどういう理由で殺したり殺されたりしてるのか、全然わからなかった。
気持ち悪い思いだけして、「観ない方がいいよ」。
「ペイ・フォワード」
「シックス・センス」にも出ていた、「世界で一番不幸が似合う少年」主演。
今回もなかなか不幸だが、学校の先生がいい人なのでよかった。
ラストがけっこう意外。
あのラストでなければ、「ほのぼのハートウォーミング@まあまあの出来」で片づけられてしまっただろう。
タイトルは、「恩を相手に返す(ペイ・バック)のではなく、他の人に返して広げて行く」という意味らしいが、子育てってのは究極のペイ・フォワードかも。
虐待・離婚・シングルマザー・校内暴力・いじめ・ロマンス・親子愛などがてんこ盛りの、「観るといいよ」映画。
01年9月
「ギャラクシー・クエスト」
大内くんによれば「立派なB級作品」。
もっと脱力するようなものを想像していた(じゃあ、なぜ借りたのか?)のだが、なかなかよかった。
「スタートレック」オタクとかなら、もっと楽しめたかも。
シガニー・ウィーバーがものすごい若づくりのナイスバディ。
最初、私は全然気がつかなくて、大内くんに「シガニー・ウィーバーはいつ出るのかなぁ」と聞いたら、「今、映ってるのがそうだよ」と言われて驚愕。
ブロンドのカツラかぶってボディコンなユニフォームで、うーん、この人、実は美人だったのか。
「ザ・ウォッチャー」
キアヌ・リーブスと、誰だ、あの、「スターゲイト」とか「僕の美しい人だから」のニイちゃん(私はけっこう好き)。
スカだ。ダメだ。わからない。
途中からものすごくわかんなくなってきて、最後まで観たらわかるのかと思ってガマンして観ていたが、ついに、わからないままエンドロールになった時には、大内くんと手を取り合って泣いた。
最近、「わからない」映画によく遭遇する。
「マグノリア」も「クリムゾン・リバー」も「アンブレイカブル」もわからない。
何か、「わからない映画振興会」みたいなものが活動してるのだろうか。
ビデオ屋の「新作ランキング」の棚から取ってきてるだけなのに、こんな理不尽な目に合うとは。
腹立たしいのは、最後の最後にわかりやすいオチがありさえすればけっこう面白い映画であった、ということ。
どこかで重要な情報を拾いそこねたのか?
「もう1回、ホビット族の洞窟に行かなきゃダメか?」って、これは、息子がはまっているドラクエ7の話だ。
「偶然の恋人」
もう、恋愛モノは観なくていいや、と思っていたのだが、つい借りてしまう。
「どうせ、この2人はくっつくんだよなぁ。間に誤解や隠し事が原因のケンカがあって、でも最後はロマンチックなBGMの中、並んで歩いて行く後姿が映ったりするんだよなぁ」と思っちゃうから、イヤだったのよ。
でも、けっこうよかった。
ラスト近くが納得行かなかったが、それはアメリカと日本の習慣の違いみたいなものが原因だと思う。
「紅の豚」
当然もう何度も観ているのだが、三鷹に「ジブリ美術館」ができたのに刺激を受け、もう1度。
息子がまだ観てないし。
「トトロ」なんかに比べると「オトナ向け」だと思っていたが、いざコドモと一緒に観てみると、いい作品だ。
笑えるモブシーンが何度もあったんだけど、ビデオでは味わいつくせない。
それでもやはり息子には大ウケ。
「ブタになっちゃう魔法って、どんなの?どうやるの?」と聞かれても困るのだが。
「キャスト・アウェイ」
トム・ハンクス主演。
なんだかむやみに面白いと思ったら、ゼメキスがからんでいるじゃないか。
「グリーン・マイル」ですっかり太ってしまったトム・ハンクスだが、無人島でサバイバルしてる間に、ずいぶん身体が締まっていた。
このままでいられるなら、また若々しい、いい俳優になれそうな気がする。
最後のオチがよくわからなかったのは我々の責任であろう。
「観るといいよ」ですね。
「ムーラン」
これも息子にむちゃくちゃウケた。
私はディズニー映画はあんまり好きじゃないのだが、けっこうのめりこんで観てしまった。
もっと複雑な話かと思ったが、ごくシンプルなものだった。
動きはすごいし、CGも迫力。
ディズニーも頑張ってるんだなぁ。
01年10月
「2999年異性への旅」
タイトルを読んだだけで脱力するでしょー。
中身も、タイトルを裏切らないトホホ加減だった。
でも、たまにはこういう底抜けにくだらないものもいいよ、って言うのは、いくらなんでも負け惜しみだろうか。
これでも「男女の愛、夫婦愛、親子愛ほどすばらしいものはない」という話なんだよ。
「ハンニバル」
もちろん「羊たちの沈黙」の続編、レクター博士が気持ち悪い例のヤツなんだけど、うーん、「羊」からよくわかんなかった我々には少し荷が重かったかも。
アンソニー・ホプキンスは好きだけど、「猟奇」は苦手だよ。
ジョディ・フォスターが出演を断った、というのも面白くなかった原因のひとつかも。
「太陽を盗んだ男」
沢田研二主演。
マスターテープをどうとかしたそうで、画質が良くなってニューレンタル。
昔から好きな作品だったので、観る。3回目ぐらいかな。
常にストーリーを忘れているので、毎回新鮮な気持ちで観ることができる。
大内くんと一緒に観るのは初めてかも。
だいたいよくできてる作品。
(なまじ伏線が上手なので、ちょっと細かい点が不明確だと気になるんだが)
「バーシャ! 踊る夕陽のビックボス」
ラジニ・カーント主演のインド映画、「踊るシリーズ」。
あいかわらず底抜けに踊っているが、話は案外、マジ。
というか、仁侠映画だね。
インド人の家族観がわからないと、本当に理解するのは難しいシリーズなのかもしれない。
「バダヤッパ いつでも俺はマジだぜ!」
これもけっこう踊っているのだが、なぜタイトルに「踊る」がつかないのだろう。
ラジニ・カーントはたいていすごく貧乏かすごく金持ちで、その間を行ったり来たりしていることも多い。
今回は金持ちで始まって、とちゅう貧乏になり、そして・・・というパタン。
ネタバレかもしれないが、この程度のネタバレが怖くてはインド映画は観られないよ。
ほぼお約束どおりに話が進んで、期待してたとおりのどんでん返しがあって、みんな幸せになることに決まってるんだから。
「アライブ」
これ、いわゆる「アンデスの聖餐」の話だと思っていた。
ほら、飛行機が墜落して、生き残った人々がサバイバル中に人肉を食ったのはいいのか悪いのか、ってやつ。
よく考えたら、あれは「生きてこそ」でした。
で、「そうそう、これ、観たかったの」と間違えてスカパーで録画して、大内くんはきっとこういうのキライだろうと思って1人で観たら、全然違うのでびっくり。
そもそも「生きてこそ」は飛行機が山に落ちる話なんだけど、この「アライブ」はクルーザーで遭難してゴムボートで漂流する7人の男女の話。
人間、最後はやはり精神力か。
「タイタニック」を観た時にも心に誓ったが、船に乗るのは絶対やめておこう。
「スターリングラード」
こ〜れは、もう、スゴイよ。
迫力満点ストーリー満点役者さん満点。
個人的には、「恋に落ちたシェイクスピア」「エリザベス」にも出ていた、ソ連側の新聞作ってるおにーさんが好きだ。
「アビス」「アポロ13」に出ていたエド・ハリスも渋くて好き。
主演のジュード・ロウというにいちゃんは、親がビートルズの「Hey,Judo」から名前をつけたと知り、世代の違いに目まいが。
ラブシーンと呼ぶにはあまりに切羽詰った若い恋人たちに感動。
久々に、ぜひ「観るといいよ」。
(ただし、小学生ぐらいのコドモがいる人にはちょっと薦められないな)
棚にずらっといっぱい並んでるからあわてないで、転ばないように気をつけながらビデオ屋に走れ!
「溺れる魚」
椎名桔平が出てるし、とても面白かったドラマ「トリック」の監督さんが撮ってるらしいので、探し回ってやっと見つけた。
(けっこう貸し出し中だったのよ。もとの本数が少ないし)
でも、だめだったの。
全然、まったく、最低にダメで、邦画の好きな大内くんに「1人で観て」と言ったら、「僕ももうだめだ」と、合意が成立して、30分ぐらいでワイプ。
どーして、あんなに画面が暗いの!
どーして、あんなに思わせぶりなシーンばっかりなの!
どーして、あんなに何が起こってるかわからないの!
どーして、あんなに・・・・・・・・以下、エンドレス。
01年11月
「ショコラ」
うーん、なんと言ったらいいのか、もっと「魔法使い」のような話だと思っていたので、少し拍子抜け。
アカデミー作品賞にノミネートされたらしいので観たが、やや「小さすぎる話」だったような気がする。
明治がスポンサーについたらしく、ビデオ借りたら小さなチョコをもらってしまった。
でもさ、ゴディバのチョコレートとかじゃなく明治、ってのは、いささか的を外していると思う。
一粒がけっこう値の張る、もっとゴージャスなチョコレートの話だと思うよ。
少なくとも「板チョコ」の話じゃないな。
「ミート・ザ・ペアレンツ」
ロバート・デニーロ演じる父ちゃんの、義理の息子になるべく奮戦努力する男の話。
経験者にはまあまあ笑えるドタバタ・コメディーです。
デニーロって、あんまり出演作を選ばないヤツだなぁという感想。
「観ない方がいいよ」に限りなく近い「観なくてもいいよ」。
「小説家を見つけたら」
ショーン・コネリーがナイスな小説家。
才能ある黒人青年と世をすねた小説家の友情の話、ってことになるか。
しみじみした、いい作品だった。
「観るといいよ」
「裸のサンタクロース」
うちでは「お笑い」の代名詞であるレスリー・ニールセン主演。
何にでも「裸の」がついちゃうおじさん。
でもね、全然「お笑い」だけじゃない。
ミステリのようにあっと驚く仕掛けのある、心が暖かくなるようないい作品。
うちも「レスリー・ニールセンのお笑いだ!」と言いながらつかんだので、それはそれで宣伝になってると思うけど、これを「サンタ服姿のレスリー・ニールセンは、それだけでもうおバカ」「ギャグのつるべ打ち」なんてパッケージに書くのはあんまりいい趣味じゃないな。
私はアメリカのクリスマスの話が好きだ。
みんなの心が祝福に満ちている、特別な時期。
一般的に見れば「観なくていいよ」クラスの作品なんだろうけど、私としては「観てもらいたい」だな。
「ザ・ダイバー」
ロバート・デニーロ出演。
実はこの人、もう一流というより、小作品に欠かせない性格俳優、という感じになってきてる。
画がきれいなんだけど、水中のシーンなんかはちょっと見づらいかも。
でも、そんな細かいことは抜きにして、名誉と人間の尊厳を大切にしたストーリー運びに、目が離せない。
「観るといいよ」
最近、わりといい映画にあたっていて、本当に嬉しい。
「グリーンフィンガーズ」
刑務所でガーデニングに目覚める男の話。
イギリス映画らしいが、やはり皆さんガーデニングが好きなんだろうか。
展開がゆっくりで、少したるい。
いい話なんだけど、90分もかからないな、びしっと作れば。
あとは好みの問題です。
素直な作りで、意外性とはほとんど縁がない。
それでも「観てもいいよ」ぐらいの感動はあった。
01年12月
「U−571」
妻が途中で寝てしまったので、夫が書きます。
「パールハーバー」を観てすぐあとに観たので、また連合軍の勇士達の話かよ、というところはあった。
でも途中は手に汗にぎっていた。
若い艦長が苦難を乗り越えながら部下達の信頼を勝ち得るという話。
帝国連合艦隊でこの話をやったら軍国主義者として排斥されそうだけど、米国海軍ならなぜか許される。
「観てもいいよ」かな。
(大内妻です。私もあとからちゃんと観ました。なかなかよかったと思われます)
「シーズンチケット」
イギリス映画は貧乏で骨太だ。
ラストには大感動。
「小さな映画」なんだけど、お話がしっかりしてるのでちょっと目が潤む。
自分が、昔よりずっと「少年寄り」の視線で観てしまうのを自覚した。
「観るといいよ」と「観てもいいよ」の間ぐらいの評価。
「天使のくれた時間」
働き者のニコラス・ケイジ主演。
同じく彼が主演の「シティ・オブ・エンジェル」みたいなもんかな〜と思いながら観たが、まあ、けっこう違う。
よくできているが、ラストが少し納得行かないのと、やや凡庸なストーリー運びで、「観てもいいよ」どまり。
「星降る夜のリストランテ」
んー、はっきり言って、よくわからなかった。
あるレストランの、ある一夜の話なんだけどねぇ。
日本人の家族連れが来ていて、息子はずっとゲームボーイをやっていた。
印象に残ったのはそこだけだ。
イタリア人からすると、日本人ってそんなふうに見えるんだろうか。
うちではこういう映画はひとくくりにして「シネヴィヴァン単館上映」と呼んでいる。
(もうシネヴィヴァンはないそうだけど)
行きつけのビデオ屋では、「ミニシアター映画祭」というまとめ方。
けっこう掘り出し物のあるコーナーなんだが、この映画に関してはちょっと外れだったかも。
というわけで、「観なくていいよ」。
「四十七人の刺客」
(すいません、相当ネタバレです)
高倉健主演。
テレビでやっていたので「うーん、年末だなぁ」って録画して観たのだが、そうでなきゃ観なかっただろう。
なかなか「新解釈」な気がした。
大石内蔵之助といえば「昼行灯」のはずなんだが、なにしろ高倉健だから、全然「昼行灯」じゃない。
むしろ、ギラギラしている。
松の廊下の刃傷沙汰も、結局理由がわからなかったし。
最後に、追いつめられた吉良上野介が「待て、理由を教える!」と叫ぶのだが、高倉健は「知りとうない!」と一喝して、ばっさり。
いや、私たち、知りたかったんですけど・・・
こういうのは評価が難しいなぁ。
「観てもいいよ」と「観なくていいよ」の中間ぐらい。
あとは趣味の問題だ。
「プルーフ・オブ・ライフ」
「グラディエーター」のラッセル・クロウと、メグ・ライアン。
緊迫の誘拐事件、「ランボー怒りのアフガン」みたいにバリバリの銃撃戦、ロマンスの要素もちょっぴり。
面白かった。
交渉人のラッセル・クロウも誘拐されたダンナさんもなかなかに男であった。
メグ・ライアンはけっこう迷ったんじゃあるまいか。
「観るといいよ」にしておこう。
「みんなのいえ」
三谷幸喜だもんだから、けっこう期待して観た。
でもなぁ、あんまり面白くなかったよ。
我々としては、三谷幸喜はやっぱりもっとドラマを作ってほしい。
若夫婦が家を建てる話なんだけど、1階の6畳間を大工のお父さんの趣味で20畳にされて困らない人がいるだろうか。
とにかく、問題の家が広すぎて庶民にはリアリティなし。
真田広之のバーテンとか香取慎吾の神主さんとか、意外なところに出てくる意外な役者さんがぜいたくで楽しい。
「観てもいいよ」の端っこにやっとぶら下がってる、という感想。
さて、2001年のシネマ日記も終わり。
なんと83本も映画を観てしまった。
その中から選ぶ「大内家シネマベストスリー」だが、今年はいい映画が多かったので、選考には苦労しました。
「2001年大内家シネマベストスリー」
1位「スターリングラード」
ストーリー、迫力、ロマンス、どれをとっても申し分なし。
画もよく作りこんであり、戦争映画の金字塔と思われる。
2位「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
アイスランドの歌姫ビョークが最高。
ミュージカルとしても斬新で、歌声がいつまでも心に残る。
3位(選びきれなかったので、同着で2本)
「ライフ・イズ・ビューティフル」
小作ながら、大きな感動。
コドモを守る父親の、切ないまでの一生懸命さがあますところなく描かれている。
「エンド・オブ・ザ・ワールド」
人間の尊厳、家族の愛情を堂々と描いた名作。
画がきれいで、淡々とした中にも緊迫した迫力が。
さらに、今年はいくつか賞をもうけました。
アジア映画賞
「宋家の3姉妹」
骨太な歴史モノ。
美しく、力強い映像に感動。
邦画賞
「ホワイト・アウト」
ついに邦画もここまで来たか、のアクション映画。
難しいこと言わずにドキドキしようよ、という欲求が充分満たされた。
特別賞
「ギャラクシー・クエスト」
なんだかどうもよくわからないが大真面目な宇宙人たちに、この賞を捧げます。
来年も、いい映画がたくさん観られますように。
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