03年1月
「マルコヴィッチの穴」
不条理であるが、なんだかとってもわかりやすい。
この手の映画が苦手な私も、ずいぶん楽しませてもらった。
どうやら相当有名らしい俳優のマルちゃんを全然知らないで観たので、無理があったかも。
日本で言えば誰だろう、「市村正親の穴」?
大内くんの大好きな「マルホランド・ドライブ」と合わせて「マルマル不条理コンビ」。
「もう1本何か『マル』のつく映画があればトリオなんだが」と2人でいろいろ考えた。
「マルサの女」「マルタの鷹」「マルクス兄弟」・・・
ぜ〜んぜん不条理じゃないじゃん!
2003年一発目の映画は、「観てもいいよ」かな。
「不滅の恋 ベートーヴェン」
前に1度観たことがあるような気がするが、テレビでやっていたので観る。
すっかり忘れていて初めて観たように新鮮だったのは、喜んでいいのか悲しむべきなのか。
「レオン」でベートーヴェン・フリークなギャングの親玉をやっていたゲーリー・オールドマンは、ご本尊さまをやってもうまい。
まるで「君の名は」のようなすれ違い悲恋物だが、面白かった。
「観てもいいよ」
「パッチ・アダムス」
ロビン・ウィリアムス節が好きじゃないのでこれまで観てなかったけど、テレビでやっていたので録画。
当然ヒューマンドラマだが、なかなかいい話だった。
実話に基づいているそうで、「へー、こんな人、本当にいるんだー」という感じ。
ロビン・ウィリアムスのお尻が見たい人には嬉しいかも。(そんな人いるのか?)
「観てもいいよ」ぐらいにはひっかかるかな。
「プレッジ」
ジャック・ニコルソン主演。
日本語では「約束」とか「誓約」といった意味なので、そういう邦題をつけてもらいたい。
なかなか面白い映画で、ついにジャック・ニコルソンも普通のおっさんの役をやるか、と感心してたんだが、どうもラストでわけわかんなくなった。
妄想か?不条理か?
そのままストレートにいってほしかったなぁ。
もっとも私は勝手にストレートな話だと思って観ることにしたので、あんまり困らないが。
「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」
これはねえ、1はまあまあよかった。
2は少し心配になった。
そして3で、もうどうしようもなくなったという印象。
ビデオ屋の棚に並んでる本数も栄枯盛衰を物語る。
ワタシ的には「観ない方がいいよ」。
03年2月
「エンド・オブ・オール・ウォーズ」
「戦場にかける橋」の舞台となったクワイ河近辺鉄道敷設の話。
いや、クワイ河近辺といっても広いから、同じ場所じゃないんだろうけど。
英国軍(スコットランド軍だったか?)が日本軍にひどい目にあいながら重労働、ってとこは同じ。
画期的なのは、生き残ったスコットランド兵と通訳をしていた日本兵が、それぞれ宗教の道に身を投じ、50余年の歳月を経て再会する、という実話の部分。
なんだかちょっとほっとした。
「観てもいいよ」
「海辺の家」
ケビン・クライン主演。
まあ、「家族の再生の物語」って感じだろうか。
余命3ヶ月になったら何をするのか。
彼は家を建て直すわけだが、私なら、うーん、とりあえず預金をおろしてきてディズニーリゾート行ってホテル・ミラコスタのスイートに1週間ぐらい泊まってから考えよう。
きれいないい映画だった。
「観てもいいよ」
「マップ・オブ・ザ・ワールド」
シガニー・ウィーバー主演。
「エイリアン」以外で観るのは珍しい彼女である。
(いや、「愛は霧の中に」とか「コピー・キャット」とかあるけど)
お話はなんだかやりきれないものだった。
ラストも唐突。
そもそも彼女のおっぱいやヘアが見えてしまうというところが寂しい。
「模倣犯」
私は宮部みゆきの原作を読んでいるのでストーリーがだいたいわかったが、未読の大内くんにはよくわからなかったようだ。
確かに、あれだけの長い話を2時間につめこんだらわけわかんなくなるよなぁ。
邦画のダメダメ度がよく出ている。
大きな声で「観なくていいよ」と叫んでおこう。
「サウンド・オブ・サイレンス」
マイケル・ダグラス主演。
手に汗握る展開で、なかなか良かった。
ただ、あいかわらず邦題に疑問が。
原題は「ドント・セイ・ア・ワード」なので、なんかちゃんとした日本語になりそうなものだ。
これじゃあS&Gだよ。
「活きる」
私は中国の話はあんまり好きじゃないんだが、話題作のようなので借りてきた。
そしたらこれがなんとまあ、すごい出来だ。
のっけからひきずりこまれ、ラストまでぐいぐい持ってかれちゃいましたよ。
どこか雄大、どこかせこくて、どこかたくましいのになぜだか諦観。
このままだと今年の「大内家アジア映画賞」はおろか「ベストスリー」に入っちゃうかも。
途中、あまりに悲しい場面があって、「1杯のかけそば」よろしく大内くんとタオルの両端をつかんでおいおい泣いた。
もう1度観たいのだけど、問題のその悲しい場面に耐えられそうにないので、残念ながら幻の名作。
これを観ないのは大損。
思いっきり、「観るといいよ」!!
「スパイダー コレクター2」
モーガン・フリーマンといえば「ディープ・インパクト」の大統領か。
誘拐のお話だが、VIPのコドモは誘拐対策マニュアルがけっこう頭に入っているようで、いろいろ自助努力している。
シビアな話のわりには、モーガン・フリーマンのお人柄のせいか、あんまり「救いがたい」感じはしない。
観てもいいんじゃないかなぁ。
副題はあの有名な「コレクター」を踏まえているのだろうか。
だとしたら、それほど関連はないので余分だったかも。
「ワンス・アンド・フォーエバー」
メル・ギブソン主演の戦争映画。
あんまり面白くなかった。
アメリカ映画にはベトナム戦争を扱ったものが多く、その問題意識には常に敬服しているが、この作品はあまりピンとこなかった。
「観なくていいよ」
「あの子を探して」
すっごく面白かった。
「活きる」もよかったし、チャン・イーモウという監督さんはどうやら大内家的に「当たり」らしい。
出演しているのは素人の子供たちということだが、飾らない、素朴な味がよく出ていて胸キュンである。
13歳の女の子が村の小学校の先生をやる、というあたりはローラ・インガルスの「大草原の小さな家」シリーズを思い出した。
思いっきり、「観るといいよ」。
「ハイ・クライムズ」
最近うちでは評価の高いモーガン・フリーマン主演の弁護士モノ。
ではあるのだが、うーん、イマイチ。
と言うか、3日たったらストーリーをほとんど忘れてしまい、大内くんに聞いてみても「えっ、そんな話だっけ?」と驚くことばかりで、私は本当にこの映画を観たのだろうか。
もしかしたら途中で寝ていたのかもしれない、と思うぐらい、印象に残らない映画であった。
悪いけど、「観なくていいよ」だったなぁ。
「花様年華」
ここのところ中国映画の当たりが続いているので、このへんも観てみた。
大内くんは「良かった」と言うが、うーん、私はちょっとなぁ。
日本映画のように雰囲気が暗く、ストーリーは何が起こっているわけでもないのに意味深で、意味なしににも思える。
「観なくていいよ」でした。
「ウィンド・トーカーズ」
ニコラス・ケイジ主演の戦争モノで、舞台は日本軍との激しい戦闘がくりひろげられるサイパン。
ものすごくよかった。
暗号係として重要な役割を担うナバホ族の青年を「決して、敵に渡してはならない」という命令を受けるところから始まるのだが、ストーリーとしてはそれで説明が尽きてしまう単純さなのに、どうしてこんなに面白いのか。
もしも今が12月で「大内家年間シネマベストスリー」を決める時期だったら、このまま選んでしまうぐらいだ。
もちろんまだまだいっぱい観る予定だからどうなるかわからないが、「観るといいよ」と言うのに何のためらいもない。
観てください。
「初恋のきた道」
「活きる」「あの子を探して」のチャン・イーモウ監督。
よかった。とてもよかった。
なんということもない話なのだが、画がきれいで、何かがとてもよく伝わってくる。
大河ドラマとしての「活きる」の方がいいとは思ったが、小作品ながら見るべき点の多い、いい映画だった。
「スカッとしたい時」とか「やたらに泣きたい時」は別の映画を観た方がいいだろうけど、じんわり迫ってくるものを求める時ならオススメだ。
「観るといいよ」
「ハワーズ・エンド」
アンソニー・ホプキンス主演の、イギリスちょっと昔モノ。
結局なにが言いたいのかよくわからなくて、彼らの社会構造を知らないと難しいのかも。
ホプキンスさんはお金持ちそうだ、とか、おねーさんの方は教養はあるけど貧乏なのか?とか、そういうところがすんなり頭に入ってこない。
どことなく風格があって好きなんだけど、「観なくていいよ」でしょう。
「ピカレスク 人間失格」
太宰治を河村隆一にやらせるってのはちょっといいかもなんだけど、あいかわらず邦画はダメだ。
玉川上水って今はちろちろ水が流れているだけで、「こんなんで入水できるんだろうか?」という状態。
でも、入水に至るまで観る気力がなくて、30分ほどでワイプ。
当然「観ない方がいいよ」。
03年3月
「ピンポン」
最初の30分ぐらいぜ〜んぜん面白くなくって、「ああ、やっぱり邦画はダメだよ」とワイプしそうになったのだが、窪塚洋介が心を入れ替える頃までガマンしたらなんとか面白くなってきた。
結論として、まあまあよかったか。
邦画にしては「観てもいいよ」。
卓球モノならば、松坂慶子と蟹江敬三の「卓球温泉」とどっちがいいかなぁ。
窪塚が松本大洋の絵柄そのもののキャラで、たいした演技力だ。
メガネをかけた男に弱い私としては、ARATAがカワイイ。
とは言え、次に何かで彼を見ることがあっても、メガネかけてなかったらそれまでなんだけどね。
「ターミネーター」
もちろん昔観たことがあるんだけど、息子と一緒に「2」を観始めてしまい、「1」を観ずに「2」ってこたぁないだろう、と借りてきた。
途中まで「2」を観てしまっているという変則的な観方だがしかたない。
我々も充分面白いと思っていたのだが、息子にとっては「むちゃくちゃおもしろい!」という状態のようだ。
オトナの娯楽だ。楽しみたまえ。
「観てもいいよ」。
「ターミネーター2」
というわけで続編。
私にとってはこっちの方が断然評価が高い。
「1」も悪くないけど、泣ける度合いからすると「2」の方がずっと上。
流体金属にいちゃんもハンサムだし。
しかし、「1」でターミネーターにあれだけ追っかけられた主役の女の人にしてみたら、シュワちゃんの顔を見た時はもう、気絶しそうだっただろうなぁ。
息子とも一緒に観られて、とても楽しかった。
これと、「エイリアン3」が私の映画の金字塔です。
たいへん「観るといいよ」。
「ジャスティス」
ブルース・ウィリス主演の戦争モノ。
と言っても捕虜収容所の話なので、火薬は少なめ。
つかみはOKだったんだが、途中ちょっと眠くなったかな。
でも、後半3分の1ぐらいは面白くって目が覚めたよ。
正義とは、名誉とは、と考えさせられる内容だ。
「ウィンド・トーカーズ」と「ザ・ダイバー」と「大脱走」と「アルマゲドン」を足して、うーん、そうだなぁ、6で割ってみようか。
「観るといいよ」です。
「インソムニア」
アル・パチーノが白夜の街で眠れない眠れない日々を過ごす。
だんだんふらふらになってって、かわいそう。
印象に残っているのはそこだけで、うーんと、警察モノだったような気がするけど、何の事件だったか。
そうそう、ヒューマンが売り物のロビン・ウィリアムスが、たいへん珍しく、とことん悪党をやってた。
まあまあ面白かったかな。
「チョコレート」
確か、アカデミーの主演女優賞。
黒人嫌いの白人男性が、黒人女性を愛するようになる話。
やや画が安っぽいのが気になるが、それも作り手の狙いなのか。
お母さんにお菓子を禁止されてる黒人の男の子がデブデブで、なんだか可愛かったなぁ。
「観てもいいよ」の下の方、という印象だ。
03年4月
「ロード・トゥ・パーディション」
トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウという豪華な配役。
「ゴッドファーザー以来のマフィア映画」というのがウリのようだが、マフィアよりは親子の話だ。
(よく考えたら「ゴッドファーザー」もそうか)
美しい画、緻密な演出、さすが「アメリカン・ビューティー」でオスカー取った監督さん。
この人って、やたらに神経質なんだよね。
感動する、というよりは感心してしまったが、これは「観るといいよ」でしょう。
トム・ハンクスがやたらに太ってしまったとか、ジュード・ロウはどうしてあんなに禿げてしまったのかとか、細かい疑問点は気にしないことにしよう。
「バンド・オブ・ブラザーズ」
映画、という扱いではないと思うのだが、スピルバーグとトム・ハンクスが製作指揮をしているという戦争モノ。
全10話ぐらいのところを、3話まで観た。
なかなか面白いんだけど、登場人物の区別がつかず、今のところワイプ状態。
なんだろう、昔の「コンバット」みたいな感じ。
同じ軍服、ヘルメット姿の白人男性の区別がつく、という自信のある方は観るといいかも。
「マイ・ラブリー・フィアンセ」
ジャン・レノ主演のタイムスリップものだが、観ている途中で「なんか観たことある話だなぁ」と思って調べてみたら、実はフランス映画「おかしなおかしな訪問者」をハリウッドがリメイクしている。
何も同じ役者を使うことはあるまいに、とか、アメリカ人には本当の意味での「貴族精神」はわからんと思うよ、とか、文句がいっぱい。
この映画自体は「観ない方がいいよ」。
代わりに、ご本家を観てください。
「おかしなおかしな訪問者」の続編の「ビジター」も、ジャン・レノが好きな人にはちょっとオススメ。
「ドールズ」
ビートたけしの映画はうちでは評価が高い。
新作が出れば必ず観る、という状態だ。
今回もなかなかよかった。
つらい愛の話で、ちょっと消化不良の感があるが、とにかく画がきれい。
「観てもいいよ」のかなり上の方、という感じ。
「椿三十郎」
黒澤の時代劇。
どうしてこんなに面白いのか。
いきなり本題に入ってしまうスピード感がいい。
たいていの時代劇映画は「ドラマの鬼平とどう違うのか?」と首をかしげるのだが、これは「さすが映画!」って感じ。
大内くんが観たいというのでしょうがなく観たんだけど、結局「うーん、さすがは黒澤」とうならされてしまった。
名古典の1本であろう。
「迷子の大人たち」
ツタヤの「旧作半額キャンペーン」で「何か古いものを」と思ってつかんだ。
「ドライビング・ミス・ディジー」や「フライド・グリーン・トマト」「8月の鯨」でファンになったジェシカ・タンディだが、これはちょっとテンポが悪くてワイプ。
「半額」につられてはいかん、というのが感想。
「アバウト・ア・ボーイ」
うちでは「ハンサム」と認識されているヒュー・グラント。
軽めの作品によく出てくるね。
今回は少年と仲良くなるハート・ウォーミング映画だ。
我々としては、少年がなんだか息子みたいでカワイイ。
「ジョンQ−最後の決断−」
重病のコドモが出てくるところがつらい。
これがまた、なんだかカワイイ少年なんだ。(最近こればっかりだよ)
ストーリー自体は予告編を見ればだいたい見当がつくんだけど、さすがデンゼル・ワシントンで、迫力あった。
途中はもう、涙で前が見えなかったよ。
コドモのいる人は泣いちゃうかもだけど、「観るといいよ」。
「千年女優」
「スピルバーグがやたらに感心したそうだよ」と言いながら大内くんが借りたアニメ。
確かにすごい描き込みだったけど、ストーリーがつまんない。
久々に日本のアニメを見た、という以上の感想はない。
でも、なんとなく落としがたいところがあるので、「観てもいいよ」のうーんと下の方に置いておこう。
「月のひつじ」
アポロ11号の月面着陸の話。
といっても、地味な側面、オーストラリアの巨大アンテナが主役。
息子には将来、天文学者になってもらいたいな、と、つい気持ちはそっちの方へ。
あと、やっぱり月には宇宙人がいたか、痕跡が残ってるんじゃないでしょうかね、というのは映画に関係ない余談。
あまりに地味な映画なので、すぐにレンタル屋さんの棚から消えてしまうかもしれない。
「グッドモーニング・ベトナム」
ロビン・ウィリアムスの出世作か。
ヒューマンな彼の持ち味発揮。
映画としてはそれほど面白いとも思わなかったが、大内くんには評判よかったみたい。
可愛いベトナム娘の役をやった女優さんの本名が「チンタラ」であるということを知り、なんだか腰が抜けた。
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
前作「賢者の石」に劣らない堂々SFXファンタジー。
DVDを買って息子も一緒に観たが、原作をちゃんと読んでいることがよくわかった。
ただ、とても長い話を2時間半ぐらいに押し込めたので、もうちょっと描き込んでほしかったなぁというところはあった。
ギルデロイ先生なんか出てくる意味がほとんどなく、いっそ削っちゃってもよかったのでは。
うちで唯一の「ハリポ未読人間」大内くんに、「どう?お話は、よくわかった?」と聞いたら「よ〜くわかったよ」という返事だったので、まあいいんだろう。
魔法のシーンが相変わらず見事なCGの嵐。
早く「アズカバンの囚人」が観たいなぁ。
「観るといいよ」です。
03年5月
「たそがれ清兵衛」
真田広之、宮沢りえ主演の時代劇。
おととしの12時間ドラマ「壬生義士伝」を思い出す、いい出来だった。
いつも「時代劇なんて、テレビで見れば充分じゃん」と思っていたが、これはなんとなくやっぱり映画だよなぁ、と思った。
なんだか切ないものが全体につまっている。
「観るといいよ」
「モリー先生との火曜日」
今は亡き名優ジャック・レモン主演。
本編終了後にプレゼントのお知らせがあったが、原作本はいいとして、飲み物「ホットレモン」があたる、というのには笑ってしまった。
ツタヤが目につくところに並べておいてくれなかったら観なかったかもしれない小粒なヒューマンドラマだが、よかった。
今回まとめて観たものには「観るといいよ」が多い。ついてる。
「リターナー」
ちょっとだけ期待していたのに、あっという間にワイプしてしまった。
SFとはいえ、邦画には点が辛いぞ〜!
女の子がドラマ「ゴールデン・ボウル」のメカの子に似てて、思わず脳裏で金城武がボーリングしちゃいましたよ。
彼は、あれが一番よかったなぁ。
「サイン」
メル・ギブソン主演。
信仰を失った牧師が妙なモノと戦う羽目になって・・・ってところは、とっても「エクソシスト」を思い出した。
でも、前宣伝のわりにはかなりなスカ。
だいたいメル・ギブソンって、苦悩してる時も眠い時もおなかすいた時も、全部おんなじ渋い顔ばっかりしてるじゃん。
SFなのかホラーなのかもよくわかんないし。
ビデオ屋さんですごい人気だから借りてみたけど、思いっきり「観ない方がいいよ」でした。
「竜馬の妻とその夫と愛人」
三谷幸喜の脚本ではあるものの、別の監督さんが撮ると脚本のスピード感が見事に台無し。
(そういう意味では「ラヂオの時間」や「みんなのいえ」はよかった、ということになるか)
題材も面白そうだし、江口洋介はじめキャストも豪華だし、とっても期待して待っていたのに空振りだぁ。
「観なくていいよ」と思ったけど、観たい人はやっぱり観ちゃうだろうな。
うん、しょうがないよ。
「至福のとき」
「活きる」のチャン・イーモウ監督。
「あの子をさがして」「初恋のきた道」に続く「しあわせの三部作」の締めくくりらしい。
この人の映画はどうしてこんなに面白いのだろう。
なんてことない話がなんてことない画面で語られるだけなのに。
鑑賞眼なんてまるでなくてへらへら映画観てるだけの私にはわかんない秘密があるのだろうか。
にわかに「紅いコーリャン」も観てみたくなったが、入手方法が今のところ見つからない。
三部作、全部あわせて「観るといいよ!!」。
「活きる」もヨロシク。
「惑星ソラリス」
私は昔よくわかんなかったんだが、その数年後に大内くんと一緒に観ようとしたらビデオテープがわやわやなことになって、彼に言わせれば、
「ストーリーが壊れていくのにしたがって、画像が壊れていった。しまいに途中で完全にオシャカ」だったそうで、つまり彼はこの難解な作品を最後まで観たことがなかったわけだ。
そりゃあ気持ち悪かろう、と画質のよくなった特別編をDVDレンタル。
文句あるか!って感じ。
で、作品なんですが、やっぱりよくわかんなかった。
30年前の首都高はじゅうぶんSFだった、ということだけが非常に納得できた。
リメイクもされることだし、教養の一環として「観といた方がいいよ」という珍しい評価。
「快盗ブラック・タイガー」
タイ映画って初めて観たけど、なんていうんだろう、どこか底抜け。
お話はベタだし撮り方は稚拙。
なのになぜだか面白い。
いったいどこが「快盗」なんだかわからないし、「愛と誠」読んでるんじゃないかと疑いたくなるような内容だけど、けっこう見どころアリ。
ものめずらしさも含めて、「観てもいいよ」かな。
「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」
私の大好きな「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の続編。
でもレスタトさんがトム・クルーズじゃないの。
完全なB級作品。
萩尾望都の「ポーの一族」読んでないか?
よっぽど前作が好きな人でないと、観てもしょうがないんじゃないかなぁ。
というわけで、一般には「観ない方がいいよ」です。
「狂気の桜」
ニューやくざ映画、とでも理解するしかないような内容。
窪塚と江口の「洋介対決」が目玉商品か。
ハンサム度は引き分けだし、まあ、年の功で江口の勝ちかな。
邦画にしてはよかったけど、特にオススメはしない。
03年6月
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」
ゲイの話なので大内くんは腰が引けていたようだが、けっこうスゴイ映画だった。
ロック・ミュージカルの映画化ということだけど、確かに歌はいい。
あと、アニメーションもなかなかよかったかな。
ストーリーは、うーん、「ヘドウィグくん、幸せになってくれ」という感じか。
全体に「濃い」世界なので、くたびれました。
「観なくていいよ」ではあるものの、教養の一環としては押さえておくべきかも。
「アタック・ナンバーハーフ」
「快盗ブラック・タイガー」でタイ映画に感心したので、「これもゲイの話?」と困惑する大内くんを説得。
実話に基づいているそうだが、難しいところが一切なくてすっきり。
「少林サッカー」を思い出しちゃったけど、スポーツマンガを読むと「だんだん仲間が集まってくる」ものなんだよね。(「アストロ球団」しかり「男どアホウ甲子園」しかり)
普通あんまり観ないんじゃないかと思う種類の映画だったし、「観なくていいよ」ではありますが、タイ映画は邦画よりずいぶんマシかもしれない。
大内くんは「これを観てゲイが苦手じゃなくなった」と言っております。
ゲイの方々って、たいてい頭がよくてユーモアを解する神経の細やかないい人なんだよ。
「マイノリティ・リポート」
こ〜れは、ものすごく楽しみにしていた作品。
確かに大作ではある。
楽しみにしすぎていて、いざ観てみたらちょっと物足りないかな。
ディックの原作を読んだことがないのでなんとも言えないが、どうも原作の方が面白いんじゃないかという気がする。
未来社会のコンピュータの描き方(マウスやモニタ)は秀逸だと思った。
全体としては、まあ「観てもいいよ」の真ん中ぐらいだろうか。
「シャーロット・グレイ」
「サイン」「耳に残るは君の歌声」のケイト・ブランシェット演じるフランスの女スパイの話。
画が、非常にきれいだった。
私は途中で寝てしまったのだが、決して面白くなかったわけではなく、単なる寝不足。
ずっと起きていた大内くんによれば、「すごくいい映画だった」とのことなので、観てもいないくせに「観るといいよ」。
「9デイズ」
アンソニー・ホプキンス主演にしては火薬が多い。
ずいぶん腹の出た彼に、ちょっとがっかり。
CIAの依頼はあんまり受けたくないな。
かなりヤバイ仕事なのに、日本円にして500万かそこらで交渉されてしまうんだから。
「容疑者」
ロバート・デニーロが悩める父親を演じる、まあ、親子の絆の話かな。
孫まで含めれば、親子4代にわたる「父親と息子の関係」だ。
彼は最近いろんな映画に出ていて、必ずしも名作という保証が全然ない状態なのだが、これはまあまあよかった。
親は子供を愛している。
子供は親を愛している。
そんな話。「観るといいよ」。
「火山高」
韓国SFXアクション学園モノ、という、相当ゆるい映画。
池上遼一のマンガ「男組」とかを彷彿とさせるね。
ワイヤー・アクションやカンフーものが好きな人には面白いかも。
けっこう人気のある映画のようだが、ウチ的には45分観たところでワイプでした。
03年7月
「トリック 劇場版」
ひと言で言えば「ダメダメ」。
ドラマですごく面白かったものが映画になったとたんにつまんなくなってしまうのはよくある現象なのだが、いったいどうしてそんなことになるかは不明。
大内くんは「自己模倣に陥っている」と言うのだが、確かに一種の内輪ウケみたいな感じだよなぁ。
期待してたので、がっくり。「観なくていいよ」
「阿弥陀堂だより」
なんだっけ、「雨あがる」の監督さんだったっけ。
主演も同じ寺尾聡だし。
地味な映画なのに、なんでかとっても面白かった。
大内くんによれば「トトロの大人バージョン」。
確かに癒されちゃうかも。「観るといいよ」
「壬生義士伝」
これは、一昨年の年末12時間ドラマで渡辺謙が見事にやっちゃってるし、原作も読んだけどすばらしい出来で、2時間の映画の中でどう決着をつけるのか、興味深いところだった。
よかった。実によかった。
主人公の中井貴一は、渡辺謙とはまた違った味があって、うーん、どっちも捨てがたいよ。
当然ストーリー的には大ナタがふるわれていて、細かいエピソードは相当すっ飛ばされているのだが、12時間ドラマを観てない人にもちゃんと話がつながっているかな?
理解しにくいところがないならば「観るといいよ」。
なんだか邦画ばっかり観ていて、どうしちゃったのかねぇ、我々は。
「ストーカー」
コワイ人を演じると実はかなり怖いロビン・ウィリアムズ主演。
ストーリーはまあいいとして、映画の中で少年が欲しがるおもちゃが「エヴァンゲリオン」。
ちゃんと漢字で「新世紀」と書いてあったぞ。
ニンテンドーだのエヴァンゲリオン(英語の発音は「イヴァンジェリオン」だった)だの、日本文化の輸出はかなりのものだと思い知った。
映画としてはあっさりした出来上がりで、そうねぇ、「観てもいいよ」かな。
「ディープ・ブルー」
テレビでやっていたので観たが、「ジョーズ」以来新しいことは何も起こっていないようだ。
仕方ないので、息子と「誰が最後まで生き残るか」を予想して遊ぶ。
この手の映画をまだそれほどは見ていないはずの彼なのに、けっこう当たっていたので驚いた。
逆に言えば、その程度の「読めちゃう」映画だってことね。
「観なくていいよ」
「T.R.Y.」
ものすごく期待していたのだが、実際、かなりよかった。
(「中国」「サギ師」「ソフト帽」とくると、ジャッキー・チェンの「ミラクル」を思い出しちゃうけど)
織田裕二と渡辺謙の知恵比べなんか、ドキドキしたなぁ。
邦画の可能性は織田裕二と共にしかないのだろうか。「ホワイト・アウト」もよかったし。
これは、いろいろ言うより観ていただいた方がいいでしょう。
「観るといいよ」
03年8月
「ギャング・オブ・ニューヨーク」
ディカプリオくんが主演だが、彼もずいぶんオトナの俳優さんになってきた。
お話は、とにかくスコセッシ監督だから長い。
早く観たい観たいと思っていたが、私にはちょっと退屈だったなぁ。
大内くんは「実に映画らしい、いい映画だ」と絶賛していたので、好き嫌いが分かれるのかも。
まあ確かに何かしら頑張ってるねえ、という印象はある。
2人の意見をトータルして、「観てもいいよ」。
「レッド・ドラゴン」
アンソニー・ホプキンスなんだが、実は彼の出番はそんなにない、というやや詐欺な映画だ。
でも、「羊たちの沈黙」「ハンニバル」より面白いと思った。
タイトルは、雀牌の「中」。
そう聞いちゃうとちょっと腰くだけですね。
わりと意外な展開の部分もあって、退屈はしない。
「観てもいいよ」の真ん中へんあたりか。
「ジョーズ」
「ディープ・ブルー」を観た時に「『ジョーズ』がみたい」と言っていた息子だが、ビデオ屋さんにあるのは字幕版1本きりなのでどうしようかと思っていたら、テレビでやってくれたよ。
何が起こっているでもないのに、なんだかドキドキする。
「基本中の基本」という感じだ。
観てない人はあんまりいないんじゃないかと思うんだが、「観るといいよ」に入れてしまおう。
「黄泉がえり」
これはね、すっごく期待してたんだよね。
でも、あんまり期待が高いとちょっとがっかりするかも。
こういうのはわざわざ映画にしなくてもドラマで充分なんじゃないかな。
原作の梶尾真治はとてもうまい小説家なので、本読んだ方が面白いかもしれない。
ちょっとネタバレだけど、中学生の男の子が、嘆き悲しむ両親のもとよりも片思いしてくれてた女の子のところによみがえる、ってのは、今の私には納得いかないぞ。
「観なくていいよ」だなぁ。
「ウォーターワールド」
まったく聞いたこともない映画だったのだが、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」のアトラクションがものすごく面白かったので借りてみる。
結果、アトラクションが実によくできている、ということがわかった。
「勇敢なマリナーと美しいヘレン」でいいじゃないか。
「いいモンには拍手、悪モンにはブーイング」でいいじゃないか。
というわけで、映画としてもそう悪くはないんだけど、それよりもUSJに行く人はぜひこのアトラクションを楽しんでもらいたい。
真夏に行って水をかぶろう!
「エイリアン」
息子が見たがるので借りてきたが、私はもう何回観たか数え切れない。(6回は下らないと思う)
で、彼の感想は「こわい」。
実際、最初に腹を食い破って出てきた時は、「もういいっ!もうみないっ!こわいっ!」と叫んでいた。
なんとか気を取り直して最後まで見たが、今後シリーズを見ていくかどうかはわかんないなぁ。
私としては「うーん、やっぱり面白いぞ」って感じだったんだけどね。
これは、1から4まで、どれを観ても大好きだ。
特に3がいいと思う。
2は、「ビショップさん」をやってるランス・ヘンリクセンが渋い。
全部まとめて「観るといいよ」。
03年9月
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
追っかけるのがトム・ハンクスで追っかけられるのはディカプリオくん。
本当にあった「詐欺師」の事件で、多少事実とちがう点はあるものの、よくまとまったお話だ。
オープニングのアニメーションが秀逸。
テンポのいい、面白い映画だった。
娯楽作としてはかなりのもので、「観るといいよ」。
タイトルは、もし思い切って日本語でいこうと思ったら「ここまでおいで、あっかんべー」といったところか。
「戦場のピアニスト」
これね、観る前は「ピアニストが戦場でみんなを勇気づける反戦モノ」かと思ってた。
ところが、現実にはただおなかをすかせて逃げ回っているだけで、彼が優秀なピアニストであるという描写は3回ほどしかない。
という点では期待はずれで、前評判が高すぎたかも。
「観てもいいよ」しかつけられないのは残念だ。
「ゴースト ニューヨークの幻」
なぜか息子が見たがるので、テレビでやっていたのを録画。
前にも観たことがあるが、なんだかよくできているお話。
デミ・ムーアがきれいだなぁ。
この世界の「幽霊システム」はなかなか息子の気に入ったようだ。
大内くんと、もし幽霊になっちゃったら「2人だけが知っていること」って何だろう、と盛り上がった。
ちょっと小粒なので「観てもいいよ」どまりではあるのだが、まあまあだったよ。
「ジョーズ2」
「ジョーズ」を見た息子が、当然のように次を見たがる。
で、借りてきたのだが、なんとDVDに「日本語吹き替え」がない。
しょうがないから、息子はいっしょうけんめい字幕を読んでいた。
それでもどうにか意味はわかったらしく、「おもしろかった」と言っていた。
うーん、「1」の方がかなり面白いと思うんだが。
「3」以降は観る必要なし、ですね。
これ自体、「観なくていいよ」の作品だ。
「アナライズ・ユー」
前作「アナライズ・ミー」と同じロバート・デニーロとビリー・クリスタルの顔合わせだが、いかんせん、つまらない。
ここしばらく、こんなに面白くない映画は観たことがないぐらいだ。
自信を持って、「観ない方がいいよ」。
「上海ルージュ」
うちではたいへん評判のいい「活きる」「あの子をさがして」のチャン・イーモウ監督。
「幸せの三部作」とはテイストの違う、ちょっと古い作品だが、あいかわらず妙な魅力がある。
「観てもいいよ」ぐらいはつけておこう。
予告編を観た限りではあまり評価の高くない「HERO〜英雄」も、観てみたくなったよ。
「生きてこそ AlLIVE」
もう10年以上も気になって仕方なかったものだが、今回やっと観ることができた。
実話、「アンデスの聖餐」をもとにした、要するに遭難したら人肉を食べてもいいか、っていう話。
私はばんばん食べちゃうと思うし、自分が死んだら食べてほしいな。
食べることへのちょっとした抵抗を乗り越えたあとは、雪山でのサバイバル。
あんがい「人肉食い」はあっさり描かれている。
イーサン・ホークが出ているとは知らなかった。
私は好きだが、一般的にはどうかなぁ。「観てもいいよ」ぐらいかなぁ。
「銀幕のメモワール」
ヨーロッパ映画にはけっこういいのが多い。
ま、アメリカ映画に比べると日本に上陸してるものが少ないので、必然的に質が高くなっているというのもあるが。
ジャンヌ・モローがすばらしく魅力的。
ノルマのようになっちゃってる「官能」が困りものなのと、過去と現在を行ったり来たりする、現代の部分がちょっと弱いのが気になるが、「観てもいいよ」でしょう。
「ノー・グッド・シングス」
ミラ・ジョヴォヴィッチが好きでないと始まらないらしい、なんだろう、サスペンスかな。
体調が悪かったせいか、全然のめり込めずに10分でワイプ。
ネット上では「面白い!」と言ってる人も多いようなので残念だ。
観てないんだから「観るといいよ」とか「観なくていいよ」とかは言えないんだが、ま、観ないこと自体がひとつの評価かと。
いい映画なのにたまたまこっちのコンディションが悪くて入りそこねてワイプ、ってことはよくあるが、「つかみ」も映画の大事なポイントだからなぁ。
03年10月
「キープ・クール」
もはや気になって仕方ないチャン・イーモウ監督。
なんというか、妙な味がある。
これは舞台が都会だし、「活きる」とかとは全然違う雰囲気の映画だと思って観始めたんだけど、終わってみたらやっぱりイーモウ節だった。
「観るといいよ」ですね。
「奇跡の詩〜サード・ミラクル〜」
渋いおっさん、エド・ハリス主演。
キリスト教では「奇跡」や「聖人」の認定をすると聞いていたが、それ専門の部署があったり会議があったりするんだなぁ、と勉強になった。
あんまり盛り上がったり盛り下がったりする類の映画じゃないので、淡々と観ればいいんじゃないでしょうか。
「観てもいいよ」
「ピノッキオ」
ロベルト・ベニーニ監督・主演。
この人は、スゴイ。
「ライフ・イズ・ビューティフル」もすごいが、これもすごかった。
最初は「今さらピノキオのお話なんてなぁ。だいたい知ってるし」と思っていたのだが、原作からして奇天烈な話だったのだと、思い知った。
それをベニーニが更なるものにしている。
中年男がコドモのピノキオやってどうする、と思う人は1度観てみてください。
童話はなんでもかんでもディズニーに蹂躙されていて、ピノキオもきちんと読んだことなくて「あの」絵しか浮かばない自分がちょっと情けなかった。
「猟奇的な彼女」
大内くんの会社の後輩が「面白いですよ」と薦めてくれた1本。
韓国映画にはもう追いつかれ追い抜かされてるなぁ、とため息が出る。
ラストを観て、「A boy meets a girl 」でいいじゃないか、少女マンガでいいじゃないか、と心から思った。
だが、「猟奇的な彼女」というタイトルはいかがなものか。
「暴力的な彼女」、または「横暴な彼女」ではどう?
実際、「猟奇」というのは難しい言葉で、私は「美少年の尻の肉を喰う」だと思っているし、大内くんは「枕元にスニーカーを置いて寝る」だと思っているぐらいだ。
なんにせよ、「観るといいよ」の作品でした。
(川崎ゆきおのマンガ「猟奇王」を読んでない人、ごめんなさい)
「エニイ・ギブン・サンデー」
大内くんがわりと好きなオリバー・ストーン監督。
アメフトがわかんないと全然面白くないんだろう、と思っていたのだが、最初の方の試合シーンこそ倍速で回しちゃったものの、途中からはちゃんと観た。
ロッカー室、とてつもなくデカいものをぶらりとさせた黒人選手と、何でもなく握手しちゃう2代目チームオーナーのキャメロン・ディアスは貫禄あったなぁ。
アル・パチーノも、1本の映画の中で元気バリバリだったりいきなり老け込んだり、相変わらずの芸達者。
ラスト付近は、壮大な音楽とスローモーションがまるで「プラトーン」だ。
なかなかよかったけど、アメフト及びアメリカ人の精神構造がよくわからない部分もあって、「観てもいいよ」にとどまりました。
「タキシード」
ジャッキー・チェンものを観なくなってどのくらいたつだろう。
最初に観たのは「プロジェクトA」で、私としては珍しく、映画館で続けて2回観てしまったものなのだが、その後の出演作はあまりいいと思った覚えがない。
例外は「ミラクル」ぐらいか。
今回のも、「観なくていいよ」だと思った。
ジャッキー・チェンにワイヤー・アクションは似合わない。
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
「3部作全部出てからいっぺんに観よう」と言っていたのだが、ビデオ屋さんでレンタルの棚がからっぽなのに「返却ワゴン」に1本だけあったのを見つけてしまったので、借りるしかなかったというわけ。
息子がところどころ眺めていたが、「ガンダルフ」と「サウロン」の区別がつかないらしい。
その気持ちもわかるような気がする。
映画としては3作全部観てみないとなんとも言えないかも。よって、「保留」。
「ハッピー・フューネラル」
面白かった。
中国映画はバカにできない。
吹き替え版を観たら邦画と区別がつかないかもしれなくて、しかも邦画より芯が太いのが魅力的。
私はあんまりアジア映画が好きじゃないと思っていたのだが、韓国の「猟奇的な彼女」とか中国のチャン・イーモウの作品とか、好きなものが増えてきた。
この映画は、ストーリー上出てくるアニメが秀逸だったりして楽しいんだけど、肝心の「喜劇葬式」を本当にやっちゃってほしかったな。
「観るといいよ」
「蜘蛛巣城」
やっぱり世界のクロサワはすごい。
日本版「マクベス」らしいが、実によくまとまった、力の入った映画だった。
私はあんまり古い邦画は好きじゃないんだけど、観たいと言い張った大内くんに感謝。
古典だし、「観るといいよ」という以上に、「観ておくべきでしょう」。
03年11月
「オールド・ルーキー」
アメリカ人は本当に野球が好きだ。
「フィールド・オブ・ドリームス」とか「ナチュラル」とか観ると、野球に興味ない私でもじーんとしてくる。
この映画もそんな野球モノで、「父親のあり方」というスパイスがかかっているかも。
本当になんてことない作品ではあるので「観てもいいよ」どまりなんだが、面白かった。
「きれいなおかあさん」
我が家で最近、中国映画の評価が高いので借りてみる。
耳の不自由な息子と一生懸命暮らすお母さんの話だ。
正直言って、ちょっとお母さんがキリキリしすぎていてつらかったなぁ。
「観なくていいよ」
「乱気流 ファイナル・ミッション」
テレビでやっていたので、何となく録画して私1人で観た。
護送中の犯罪者がハイジャックを起こし、落っこちそうな飛行機に、彼を逮捕したFBI捜査官が空中で乗り込む、という、けっこうタイヘンな状態。
わざわざビデオ借りるほどのものでもないとはいうものの、これもまた立派な映画だ。
楽しませていただきました。
でも、「観なくていいよ」。
「踊る大捜査線」
ビデオになった時にさっそく借りた覚えがあるけど、今回テレビでやっていたので録画。
やっぱりすごく面白い。
息子にも見せてやる。
ラスト近くでは、「どうなっちゃったの?死んじゃったの?もうダメなの?!」と叫んでいたよ。
早く「レインボーブリッジを封鎖せよ!」が観たいなぁ。
ドラマ版ももう1回観たいかも。
「シカゴ」
アカデミーの作品賞を取ったものは必ず観ているので、今回もたいへん楽しみにしていた。
思ったより短い、小作品だ。
よくできたミュージカルだが、もとが舞台であることがわかりすぎるのが難点か。
それに、我々はリチャード・ギアをあんまり評価していない。
いいからそこらで女の子にお金つぎこんでなさい、としか思えないのは「プリティ・ウーマン」のせいだろう。
全体としては、やや食い足りないとは思うものの、「観るといいよ」ですね。
「スパイ・キッズ」
テレビでやっていたので、息子が見たがるかと思って録画。
もちろん何の期待もしていなかったのだが、一緒に観たら、あらら、ずいぶん面白いじゃないの。
コドモ向けではあるんだろうが、オトナが観ても充分鑑賞に堪えるものだった。
「ハリー・ポッターと賢者の石」みたいにCGが派手で、魔法と最新スパイ・ツールは似たようなものかも。
「観てもいいよ」
「スパイ・キッズ2」
柔道の試合に負けた息子をなぐさめるために借りた。
「1」と同じぐらい面白い。
少し説明不足になるのは続編の宿命だろう。
もちろん息子は今公開中の「スパイ・キッズ3−D」が見たい!と叫んでいる。
「えいがかんでなきゃ、とびだす絵が見られないんだよ!!」
ついに彼と映画館に行くか?!
「ボーン・アイデンティティー」
マット・デイモン主演。
フランスの街がきれいな、上品な画だ。
お話はちょっと退屈だったかな。
「CGに頼らないスタイリッシュなアクション」が売りらしいのだが、そもそもアクション映画にあんまり興味のない我々としては地味すぎてつまらなかった。
好みにもよるが、「観なくていいよ」。
「スパイ・ゾルゲ」
モッくん主演だが、もちろんヘアは出ない。(と、思う。大昔に女性雑誌で見たのが忘れられない)
面白げな題材でけっこう楽しみにしていたのだが、べたーっと撮っているところに説明的な台詞ばっかりで、これじゃ映画ではなく「紙芝居」。
残念ながら15分でワイプ。
「チャーリーズ・エンジェル フル・スロットル」
あまり観たいタイプの映画ではないが、話題作なのでまあ。
前作も観てるしね。
とは言え、やはりそれほど見るべき点はない。
ゲスト出演のデミ・ムーアがすっかりおばさんになっちまっていて、がっくりした。
「ゴースト ニューヨークの幻」の頃なんて、きれいだったんだけどなぁ。
「健全なお色気」すらあまり感じられない女性陣で、「観なくていいよ」。
「ホワイト・オランダー」
ミシェル・ファイファーも怖いおばさんになってた。
この人は「レディー・ホーク」が一番きれいだった、と自信を持って言える。
お話は、強すぎる性格のお母さんが娘を結局不幸に陥れる、という感じだろうか。
いろんなことが起こっているようなのに、妙に淡々としていた。
不思議な雰囲気は買うが、「観なくていいよ」。
03年12月
「デアデビル」
これは、実は全然観る気がなかった。
たまたま勧めてくれる人がいて、じゃあ、って借りてきたら、なんとも面白い。
「バットマン」とか「スパイダー・マン」と同じく、正統派「暗いアメコミ・ヒーロー」だ。
盲目の彼の感覚世界の説明描写が秀逸だし、伏線もうまい。
悪役たちがなかなかナイスで、「グリーン・マイル」のでかい黒人のおっちゃんなんか、「いい人」に見えるぐらいだ。
続編を作る気があるような雰囲気なので、楽しみ。
もしかしたら今年の映画の中でもかなりいい方かもしれない。
「観るといいよ」
「なごり雪」
大内くんは大林宣彦が大好き。
私も「あした」「青春デンデケデケデケ」あたりは好きだが、今回は映画はともかく、今現在の伊勢正三の歌があんまり評価できない。
やはり昔イルカが歌っていたのが凛とした清潔感があってベストかも。
それに、歌の世界を説明されちまうのもなんだかつまんない。
「観なくていいよ」どまりだ。
「ニューヨーク 最後の日々」
アル・パチーノは「インソムニア」以来ずっと眠ってないんじゃないだろうか。
全体にもっと大きな映画になりそうなものなんだが、予算がないのかアル・パチーノに甘えちゃったのか、どうもパッとしない。
「小さな映画」としてならそこそこ評価はできるかも。「観てもいいよ」
「ヘヴン」
これが実はすごくよかった。
ヨーロッパ映画らしい透明感のある映像に、胸にしみる情景。
大内くんも私も大好きなケイト・ブランシェットは可憐だし。
憲兵隊の「お父さん」が泣けた。
親は、愛を選んだ息子を信じて手放さなければならない。
たとえそれが一生の別れとなっても。
ぜひ、「観るといいよ」。
「101」
テレビでやってたのを録画して息子も一緒に観た、ご存知「101匹ワンちゃん大行進」の実写版。
「ワン・オー・ワン」と読むらしいが、大内くんは間違えて「ワン・オー・ナイン」と言う。
それは渋谷だ。
まあまあ面白かったけど、どう考えてもコドモ向けだし、お金払ってレンタル屋さんで借りたらちょっとむなしいかも。
当然「観なくていいよ」。
でも、なぜかこれが「今年観た映画の中で101番目」だったのは、本当に不思議。
シネマの神様、ありがとう!
「ゴジラ×メカゴジラ」
74年に作ったもののリメイクなんだろうが、どうやらこの世界では、「日本にはかつてゴジラが来たが、オキシゲンデストロイヤーで撃退した」「モスラもやって来た」ということになっているらしい。
その間の山ほどある怪獣映画は、なかったことにされているのか?
キングギドラやガメラの立場はどうなるんだろう?
で、映画そのものはたいしたことなかったです。「観なくていいよ」
私だって、テレビでやってなかったら観なかったと思う。
「ターミネーター3」
「ターミネーター2」は私の映画のベストに入っている名作なので、実に期待して「3」を待っていた。
レンタル開始日にゲット。
大喜びしている息子と大内くんと一緒に観た。
だが。
全然面白くない。
そもそも主役の男の子が、「2」ではあんなに可愛くてアタマよさそうだったのに、なんだかしけた兄ちゃんになっていたのがショック。
「昔仲のよかったターミネーターと再会、でも量産型だから、顔は同じだけど中身はちがう」というあたりを、もっと面白いエピソード作って感動的にやるわけにはいかんかったのかね?
文句を言うときりがないのでやめとくが、堂々と「観ない方がいいよ」。
「御法度」
ビートたけしが出ている「新撰組」モノ。
なんだい、キミたちは総ホモかい?と突っ込みたくなるような、いや、それ以外突っ込みようがない映画だった。
「観なくていいよ」
「龍城恋歌」
中国映画で、仇持ちの女の人と殺し屋の恋の物語。
「活きる」「あの子を探して」など、うちではたいへん評価されているチャン・イーモウ監督が製作総指揮なので期待して観た。
地味な作りだが、なかなか味があり、面白かった。
「観るといいよ」ですね。
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード」
息子のリクエストではあるのだが、実は親たちも楽しみに待っていた。
「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」とか「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」とか、かなり面白かったんだよね。
で、この作品だけど、まあ悪くはなかったが、それほどほめるところは見つからない。
「観なくていいよ」クラスであろう。
それにしても、どうしてしんちゃんは「嵐を呼んで」ばかりいるのだろうか。
「ソラリス」
ジョージ・クルーニが頑張ってるが、前作にはかなわない。
静まり返った雰囲気を真似しすぎなんじゃないだろうか。
つくづく「惑星ソラリス」はいい味出してたと思う。
ソビエト映画をハリウッドでリメイク、ってのは、時代の変化を感じて何やら嬉しい感じがするけどね。
「観なくていいよ」で、どうせ観るなら前作を観よう!
「デイライト」
テレビでやっていたので録画したんだが、私以外の人々(大内くんと息子のことですが)は「面白くない」の一言で早々に離脱してしまった。
私はなんとなく最後まで観たよ。
「ロッキー」以外でシルベスター・スタローンが主演やってるのを初めて観た。
(いや、もちろんいろいろ出てるんだろうけど)
トンネル事故で閉じ込められた人々を救出するお話。
迫りくる炎と水の中、スタちゃんが頑張る頑張る。
2箇所ぐらい、ちょっと泣いちゃった。
まあ、いわゆる「パニックもの」なわけで、そのへんは「ポセイドン・アドベンチャー」でやりつくされちゃってるんだけどね。
「観なくていいよ」かなぁ。
「アンダー・サスピション」
ジーン・ハックマンとモーガン・フリーマンが共演。
あんまり面白くないなぁ、え〜、結局このままラストなわけ〜?と思っていたら、ちょっと意外な展開。
だが、そのあとが全然わけわかんない、難しい映画だった。
「不条理」とまでは言わないが、登場人物の心理が理解できない。
力演ではあるが、「観なくていいよ」であった。
「茄子 アンダルシアの夏」
大内くんの大好きなマンガ家、黒田硫黄の連作「茄子」から、一般にはあまりなじみがないと思われる「自転車レース」のお話をアニメ化。
ジブリなので、絵は「ルパン三世 カリオストロの城」だ。
「ナスのアサッジョ漬け」って、どんな味なんだろう。
50分弱と短い映画だが、けっこういい味出してる。
アニメの好きな人は観ておいても損はないかも。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」
「シザー・ハンズ」を怪演しているジョニー・デップと、「リング・オブ・ザ・ロード」のエルフの王子様、うちでは「高見沢さま」と呼ばれているオーランド・ブルーム。
うーん、高見沢さまだと思ったのは髪が長いからだけだったのか、ヒゲをはやしてしまうとただのアンちゃんだ。
お話は、ディズニーだし、わかりやすい娯楽大作である。
前半がちょっと長くて展開がたるいが、ラスト近くはけっこういけるかも。
難しい映画はちょっとなぁ、と思うような時にはいいかもしれない。
「観てもいいよ」
「詩人の大冒険」
これは、正直言ってスゴかった。
「きれいなおかあさん」などに出ているコン・リーが、古典的な美人役で登場。
出だしからなんだか爆笑で、そのままずっと笑いっぱなし。
「グリーン・ディスティニー」よりずっと昔から中国はワイヤー・アクションだったのか、と目からウロコが落ちた。
あと、日本はやっぱり中国に多くを負っているものだなぁ、という、ビミョーにわかる文化的背景。
10年前の作品だ、ということを知って驚くぐらい、古くて新しい温故知新でしたよ。
これはぜひ、「観るといいよ」。
「サンタクロース2」
「サンタクロースは結婚していなくてはならない」という決まりごとがあるのを初めて知った。
サンタの映画では前にすごく面白いものを観たことがあるのだが、それはレスリー・ニールセンが出ている「裸のサンタクロース」だった、というところまでは思い出せたが、この作品の「1」を観たかどうか思い出せないままに、ワイプしてしまう。
時間と気力がある時なら最後までいけたかもしれないが、なにしろクリスマスをとっくに過ぎてしまった年末の忙しい時期に観たもんだから。
ごめん、と言いつつ「観なくていいよ」。
「バトル・ロワイヤル2」
「1」はけっこう面白く観た覚えがある。
だが、ビートたけしがほとんど出ないせいか、それとも話が無駄に大きくなりすぎてわけわかんないせいか、まったく面白くなかった。
「すべてのオトナに戦いを挑む」のはいいが、自分もすぐにオトナになっちまうんだぞどうするんだ、というのが最大の感想。
「観ない方がいいよ」だし、もし「3」ができても観ないように、と大内くんは手帳に書きとめていた。
ちなみに、彼の手帳に「続編を観ないこと」と書かれているのは「ターミネーター3」と「オースティン・パワーズ3」である。
「戦場に咲く花」
最近なんだか中国映画をよく観る。
これは緒方直人と平田満が出演して第二次世界大戦中の満州を描いた歴史モノ。
当時、そして今、中国人がこの時期の日本人をどう思っているのかがうかがい知れる貴重な作品だ。
老人ホームでステーキが出るかどうかだけがとてもアヤシイが、それ以外はものすごく納得できる。
(日本はリッチだからステーキ、ということだろうか?ささやかな誤解だなぁ)
さまざまな戦争を描いた歴史モノを観たが、中でも出色の出来であろう。
非常にマイナーな映画ではあるけど、ぜひ「観るといいよ」と思う。
「明日があるさ THE MOVIE」
テレビでやっていたのでなんとなく録画したこの作品が、今年のシネマ納め。
息子と一緒に観たけど、思っていたより非常によかった。
日本はもっと宇宙開発に力を入れたらいいのになぁ、と素直に思った。
宇宙にロマンを求めるより先に商売になってしまうのは、まことに残念だ。
さて、今年もいっぱい映画を観ました。
総数117本で、なぜか去年とぴったり一緒。
年々映画が面白くなっちまって、来年は液晶ワイドテレビを買おうかと目論んでいる我々です。
毎年恒例の「大内家シネマベスト」を選びました。
今年はいい作品が多くて選考会はたいへん難航しましたが、以下のとおりです。
年末に駆け込みで観たものに多少点が甘い傾向はありますが、大内家としては自信を持ってオススメする作品ばかりです。
2003年大内家年間ベストスリーは、
1位「活きる」
チャン・イーモウ監督はどれもとってもよかったけど、代表でこれを。
美しい映像、素朴で骨太な人生観に、猛烈に感動した。
2位「ピノッキオ」
01年に「ライフ・イズ・ビューティフル」で入賞を果たしたロベルト・ベニーニが、監督・主演で受賞。
よく知っているはずのお話が、とてつもなく新しい。
3位は夫と妻の意見が大きく分かれたので、2作品となりました。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」
圧倒的な質感、大してドラマ性のないストーリーなのに胸にせまる迫力。
ディカプリオが不思議にカッコいい!(夫)
「ウィンド・トーカーズ」
ナバホ族の青年が初々しくまっすぐに描かれている。
任務と友情の双方に忠実であろうとするニコラス・ケイジの姿も感動的。(妻)
邦画賞も、選びきれずに2作品です。
「壬生義士伝」
浅田次郎の原作も12時間ドラマも素晴らしかったが、そのうえなお描き込む余地があるのが凄い。
必死に私情に生きる武士という矛盾した存在を、中井貴一が熱演。
「T.R.Y.」
「ひたすら面白い」というのが邦画では難しいところを、織田裕二が小粋に魅せてくれる。
中国大陸浪漫の世界が胸いっぱいに広がる。
アニメ賞
「茄子 アンダルシアの夏」
原作の力強い墨汁タッチとはまた別の、のびやかな描線。
茄子と青空とほろ苦い青春の後悔の味が格別。
アジア映画賞
「詩人の大冒険」
とにかく奇天烈で、中国4千年の底力。
笑えて泣けて気分爽快!
外国映画賞
「ヘヴン」
ケイト・ブランシェットがとにかく魅力的。
でも、それ以上に主人公男性の父親の愛情が泣けました。(夫)
特別賞
「戦場に咲く花」
日本人が満州に咲かせた夢をひまわりの花にたとえた広大な映画とも、密室劇的濃密な心理描写ともいえる独特な雰囲気で、観終わったあとにとても余韻がのこる佳作。
正直、とても感動したので、特別賞を設けてしまいました。(夫)
ということになりました。
来年もいい映画をたくさん観られますように。
最新シネマ日記へ 前へ 次へ 「シネマ日記」目次へ
「大内家」へ