98年2月
 
演歌の花道

シャ乱Q主演。

実によかった。
つんくは歌がうまいと思ってはいたが、これほどとは。
よく見るとけっこういい顔してるし。
会ってお話できない人を好きになるのは私のポリシーに反するので、あまりタレントを好きにならないようにしているのだが、あやうくファンになってしまうところだった。
(アルフィーの高見沢さまだけで充分苦しい)
 
見どころ:
・つんくのお尻が3回ぐらい。
・キーボードの人(名前知らない)の書生姿。
・これまで観た中で、もっとも正しい使い方をされていた陣内。
・けなげな子供。
そしてぶっちぎりの、絶対見るべきものは、
・尾藤イサオが熱唱する、「いいわけ」演歌バージョン。
 
惜しいかな、ラストが少し甘いので、「ジャズ大名」と同じテープにダビングして残す、というところまで行かなかったが、私にとっては久々の邦画ヒットであった。
 
98年5月
 
ジャック」(ロビン・ウィリアムズ)
パウダー」(主演忘れた。「ザ・フライ」のハエ男とか、「ツイン・ピークス」のローラのとうちゃんとか、「エイリアン2」でアンドロイドのビショップをやってたランス・ヘンリクセンとか、ワキが豪華)
 
この2つはディズニーのようだ。(実写ですが)
広い意味での障害児モノか。
どっちも少し泣ける。
 
恋の闇 愛の光

メグ・ライアンが出てくる。
17世紀イギリスが舞台でもアメリカ娘の顔をしてるので、ちょっと浮いてた。
アカデミー賞の衣装賞だか美術賞だかをもらったらしいが、あげられるのはそのぐらいかも。
 
Mr.ビーンの大冒険」第1巻

息子がむちゃくちゃ喜んでいた。
前からコマーシャルを見ては「みすたーびーん、ちょーやばい」と見たがってたから。
どのくらい彼のお気に召したかというと、ズボンの上からパンツをはいて喜んでたぐらい。
(観た人にはわかるだろう)
親の方は、異様な表情が怖くてついていけない。
NHKでやっていた「ローワン・アトキンソン ライブ」は、親にはたいへん面白かったのだが、息子にとっては「みすたーびーんじゃないの?」だったらしい。
台詞があって字幕なんだから、彼にはわからないのだった。気の毒に。
 
ドラキュラ

92年、コッポラ監督。
30分でワイプ。
原因は、「レスリー・ニールセン(「裸の銃を持つ男」)のドラキュラ」がパロッていた古典と同じものをなぞっていて、しかも真面目にやっているので負けている、という点。
ゲーリー・オールドマン、ウィノナ・ライダー、キアヌ・リーブス、アンソニー・ホプキンスと大変豪華なキャストなのだが、惜しい。
これから観る人は、コッポラを先にどうぞ。
問題の原典を観てみたいのだが、ビデオ屋に見当たらない。
ドラキュラ伯爵が盛り上がった変なカツラをつけているのが目印か。(レスリー・ニールセンもゲーリー・オールドマンもそういう頭だった)
てことは、クリストファー・リーのやつじゃないんだ。
それにしても、ゲーリー・オールドマンというのは奇妙な役ばかりやっている。
(「レオン」のベートーベン・フリークとか、そのせいかどうなのか「不滅の恋 ベートーベン」とか、言うに及ばずの「フィフス・エレメント」とか)
よくよくキレてる役者さんなのだろう。
 
ジャガー

ジャン・レノ主演とうたっていたので観たが、詐欺寸前。
重要な役ではあるが、主役は別にいるじゃないか。
1時間でワイプ。
ジャン・レノは人気急上昇だったせいか、詐欺が多い。
 
X−File

ひまをみて、ちびちび観てる。
セカンド・シーズンの終わり頃にひどくなってしまって「こりゃだめだ」としばらく観てなかったのだが、サード・シーズンになってまた面白くなってきている。

主役が不思議な事件を担当する、これはまったく問題ないし、不思議な事件がUFOがらみであるのもたまにはよかろう。
しかし、主役がUFOに誘拐されたりするのは行き過ぎだと思う。
観ないでいる間にシーズン・フォーまでビデオが出たのは嬉しい。
 
用心棒

黒澤は、どれをとっても面白い。
どうして他の邦画はそういうわけにいかないのだろうか。

 
駅前のブロックバスターでスタンプを集めまくり、念願かなって「2本目無料キーホルダー」をゲットしたので、有効期限の7月末までにモトをとろうと思っていっぱい借りてる。
(カウンターで、このキーホルダーを見せる時は気分いいです)
息子は「名探偵コナン」を順調に見続け、ファースト・シーズンを全部見た。
 
私たちだと「観る」で、息子だと「見る」になる。
私の世界では、オトナとコドモは平等ではないのだ。
 
98年6月
 
愛がこわれる時

ジュリア・ロバーツが美しい。
夫の役をやってた役者さんが口髭生やした黒髪で、どこかで見たなと思ったら秋里和国の「眠れる森の美男」「TOMOI」の友井久嗣くんにそっくりだった。
(本棚から引っ張り出した勢いで、2冊とも読み返す。面白かった)
たいへんいい映画だった。
 
陰謀のセオリー

メル・ギブソンとジュリア・ロバーツ。
メル・ギブソンはこういうちょっとヘンな奴をやってもらいたい。
ブレイブ・ハート」とか「身代金」ではかっこよすぎる。
新作の棚にあるくせに山のように残っているので駄作かもと思ったんだけど(面白いのってみんな貸し出し中になってるじゃん、普通)、意外とよかった。
 
サンシャイン・ボーイズ

ピーター・フォークとウッディ・アレン主演。
調べてみるまで知らなかったんだけど、もともとはニール・サイモンの芝居で、75年に一度映画化されてる。
(今回はリメイク)
そうか、三谷幸喜の主宰する「サンシャイン・ボーイズ」ってここからきてたのか。
そう言われてみれば、対話劇で進行する感じが三谷演出に似てる。
三谷くん、このへんに影響受けてるんだなぁと思いながら観た。
ニール・サイモンの名前もろくに知らなくて、いやー、世の中知らないことだらけ。
 
秋里和国の「眠れる森の美男」なんだけど、エイズを恐れたホモの恋人が去っていこうとするところで「奇病が恐くてオカマがほれるか!!」って一人啖呵を切るんだけど、今じゃ発禁になってるんじゃあるまいか。
 
98年7月
 
ザ・ロック
 
ショーン・コネリーがいい老け方して頑張ってる。
ニコラス・ケイジの方は頭が不安になってきている。
 
あなたに降る夢
 
ニコラス・ケイジ主演。
彼の主演で最初に観たのがリンチ監督の「ワイルド・アット・ハート」だったので、
「蛇皮のジャケット」な奴だと思ってたんだけど、意外に情けない役もよく似合う。
まとまりのいい、ちょうどいいサイズの映画という感じ。
 
ブラス!
 
イギリス映画を観るのは珍しい。
たいへんよかった。
何と言うか、うらぶれた画調がいい味出してる。
主演のねーちゃんは、「ER」に出てくる足の悪い女医さんによく似てる。
親子だとか姉妹だとか言われたら信じてしまいそうだ。
 
みんな〜、やってるか!
 
ビートたけし監督。(出演もしている)
最初の30分はむちゃくちゃ面白かったが、だんだん飽きてきた。
野球場に怪獣のえさをてんこ盛りにしておびき寄せるってのは「ギャオス2」だと思うんだけど、この映画はそんなに前の作品なのか。
 
セブン・イヤーズ・イン・チベット
 
ブラッド・ピット主演。
大作の名作という感じでした。
久しぶりに「本格派」を観た。
きれいに広げた風呂敷で上手に中身を包んで上手に結んだという印象の、ラストまできれいに引っ張って行かれる映画だった。
ロバート・デニーロ主演の「ディア・ハンター」に勝るとも劣らないのでは。
アカデミーを何か取ったんだっけ?
作品賞をあげたい。
難を言えば、少し淡々としすぎてるかも。
  
リック
 
マスク」とか「ロレンツォのオイル」といった難病もののひとつ。
10年ぐらい前の作品らしいが、ブラピ人気でニューリリース。
23歳のブラピがかわいい。
ストーリーは「なんで?」ってところが多いが、街の描き方や音楽が不思議な雰囲気を盛り上げててなかなかけっこう。
水野英子の「ファイヤー!」を思い出すのは私だけか。
私はオトナになってしまったので、「まあそうせっかちにならずにゆっくり病気治そうよ」と思いながら観た。
 
HANA−BI
 
ビートたけし監督・主演。
これはすごいです。
ヴェネチア映画賞が目の前にちらつくせいでよくみえるのかとも思ったけど、まあ、相当出来のいい映画でしょう。
本人が描いたらしい挿入画がまたすごい。
でも、私としてはラストがすごく不満。
ラスト1分前にもうタオルつかんでおいおい泣きながら観てたんだけど、ラストがあんまり凡庸なので涙が止まってしまった。
惜しい。
 
MIB
 
これ、誰かが映画館で観た時に「期待していたのでがっかり」と書いてたもんで心配だったんだけど、面白かったよ。
傾向としては「マーズ・アタック」とおんなじで、「マーズ」の方が少し面白かったかも。
主演のウィル・スミスはたしか「インディペンデンス・デイ」でも宇宙人と戦ってたなぁ。
最近この手の「実は宇宙人はもう地球に来てるんだよ、内緒だけど」という映画が多いので、うちでは「21世紀に入ったらNASAから発表がある。それに先駆けて人々のアタマを慣らしている」と解釈してる。
 
ベスト・フレンズ・ウェディング
 
ジュリア・ロバーツがメグ・ライアンみたいなことしてる。
このタイトルだと、普通、女友達のフィアンセを奪っちゃう話だと思うよね。。
きわめて最初の方で描かれているのでネタバレにはならないと思うけど、「ベストフレンド」ってのは男友達のことだった。
大内くんと「男と女の間に友情はあるのか」と古いテーマを持ち出してしまった。
この映画を観ての答えは「なし」ですね。
「ある」のは、相手の男がゲイの場合だけ。
 
最近、映画に関してはすごく当たってて、いいものをいっぱい観てる。
今日は、ジャン・レノ主演の「ロザンナのために」と、「ウルトラセブン 地球より永遠に」「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の国の戦士たち」を借りてきた。
「ロザンナ」は「リック」のビデオに入ってた予告編を見て、ものすごく面白そうだと思ったんだけどどうでしょう。
まあジャン・レノだから何でもいいや。
ウルトラ関係もちゃんと観たいんだけど、息子がおとなしく見ててくれるもんで、つい家事をしたり寝たりしちゃう。
まだセブンの「失われた記憶」も観てないよ。
 
98年8月
 
ロザンナのために

ジャン・レノ主演。
実にいい話だった。
ジャン・レノって、こういうおっさんなんだよなー。
久々にジャン・レノ映画のいいやつを観た。
 
ノーマ・ジーンとマリリン・モンロー

これは大内くんが観たがってたから。
主役のねーちゃんが、顔は似てないがマリリンっぽいと言って喜んでいた。
映画として面白いとは思わないが、ファンの人はやっぱり観たいでしょうな。
 
柳川掘割物語

宮崎駿と高畑のコンビ、と「もののけ姫」の近くに並んでいれば、借りてしまうのが人情。
しかし驚いた。
全部実写である。
小学校の授業で見た「フナの一生」とか「お米ができるまで」とかいうような代物を思い出してしまった。
テーマ的にはまったくはずれていないというか、ナウシカとかもののけ姫で言ってることと同じだけど、地味な教育映画だった。
 
フル・モンティ

ずいぶん待ってたけど、やっと観られた。
鉄鋼の街がさびれていく、という出だしから大内くんは身につまされてのめりこんでいた。
思ったより小さな映画、というか、地味にまとまっていた。
やっぱり最後がいいですね。
客席から観たかった。
 
今後は、ジャッキー・チェン主演の「ナイスガイ」とかデミ・ムーア主演の「GIジェーン」とかアルフィーが主題歌を歌っている「銀河鉄道999」とか観る予定。
エイリアン4」はまだか!
 
フィフス・エレメント
 
ブルース・ウィリスって、全然未来的でない顔してるよ。
見所はやはりエイリアンの歌姫でしょう。
最後の方は、なんか「スター・ゲイト」みたいでちょっと安っぽいかも。
でも、なかなか面白いSFでした。
  
スピード2
 
てっきりキアヌ・リーブス主演かと思ったら、サンドラ・ブロックがあっという間に恋人を変えたという設定だった。
曰く、「異常な状況下で結ばれた恋人同士は長続きしない」。
「吊り橋では恋に落ちやすい」ってのと同じですね。
船が波止場の住宅にどんどん乗り上げていくシーンがよかった。
 
あなたが寝てる間に
 
サンドラ・ブロック主演のラブコメディー。
婚約者(?)の弟とできてしまう、というのはシェール主演の「月の輝く夜に」を思い出す。
「月の輝く夜に」もいいよ。
シェールがアカデミー主演女優賞をとってるし、まだ頭が安心なニコラス・ケイジがある意味でかっこいい。
 
ファースト・ワイフ・クラブ
 
ダイアン・キートンとゴールディー・ホーンとベット・ミドラー。
なかなかゴージャス。
ゴールディー・ホーンはもう50なのに、化けものだなぁ。
 
98年9月
 
最近はコロンボをだーっと観た。
どれも面白いが、やはり当たり外れは多少ある。
 
GIジェーン
 
デミ・ムーアは坊主頭でも美しい。
軍隊オタクの人には楽しいだろうな。
この手のものならゴールディ・ホーンの「プライベート・ベンジャミン」もいいけど。(だいぶ違うか)
 
イングリッシュ・ペーシェント
 
文句なしの大作ですね。
あんまりいいので2回観てしまった。
1回目には気づかなかった細かいところがよくできていた。
でも、指を切るシーンはやだなぁ。
 
98年10月
 
エイリアン4」がレンタル屋に出たので、早速観る。
 
いやー、すごかった。面白かった。泣けた。
もう4作目なので、「まだ作るかね」という気持ちだったのだが、これなら10ぐらいまで作ってくれ。
心情的に、だんだんエイリアンが可愛くなってきたなぁ。
 
シガニー・ウィーバーはもう50歳になろうとしてるのだが、相当鍛えてるんだろうな。
わりと好きな女優さんです。
エイリアン以外では「愛は霧の中に」(ゴリラの話ね)、「コピーキャット」(連続殺人の話ね)、「スノーホワイト」(珍しく敵役)というぐらいしか観てないのだが。
あ、「ゴーストバスターズ」観たな。
 
もちろんゲテゲテのグログロの殺戮シーンの嵐。
エイリアンだけじゃなくて人間もずいぶんグログロで、普段私はあんまりそういうの好きじゃないんだけど、大いなる説得力の前に、うなずいて観てました。
 
大内くんは「どうして毎回エイリアンを手に入れようとするんだ、必ずひどいことになるのに」と観始めたとたんに言っていたが、核兵器反対の人は、きっとみんなそう思ってるんだろうね。
 
とにかくよかったです。
このまま行くと、今年のベスト3に入れてしまう。
(観た後の興奮が醒めるとまた評価は変わるが)
ベスト3の残りは「イングリッシュ・ペーシェント」ともうひとつは何だろう。
MIB」も好きなことは好きだが、ちょっと軽いかな。
だいたい、今年観たのと去年観たのの区別がつかない。
悪くすると一昨年のも入ってきちゃう。
シネマ日記を読み返さねば。
 
それにしても、こう書き並べてみると、なんとミーハーな好みだろう。
野放しにしとくと「古いにっかつ」を執念深く掘り出して借りてくる大内くんを、少し尊敬する。
ビデオ屋で、「壁際に平たく並べてあるやつ」ばっかり借りるのって、情けないかも。

98年11月
 
東京キッド
 
美空ひばりは子供の頃から化け物のように上手い。
大好きなおじちゃんと引き離される時の「おじちゃぁん、さんぺいちゃぁぁぁん」という哀切な声が、耳から離れない。
 
グッド・ウィル・ハンティング
 
お恥ずかしいことに、「善意を探して」という意味のタイトルだと思ってた。
「ウィル・ハンティング」なんて名前つけるなよ、まぎらわしい。
でも、大内くんが「ダンス・ウィズ・ウルブス」観てて、「ウルブスさんはいつ出てくるのかなぁ」と思ってたのに比べれば恥ずかしくない。
(ウルブスは、もちろんウルフの複数形です)
ハートウォーミングな、いい映画でした。
惜しむらくは、ウィルくんが恋に落ちる相手がすごい顔だ。
 
世界中がアイラブユー
 
ビデオ屋で適当につかんだら、ウッディ・アレンの新作だった。
妙に画調が古臭く、妙に登場人物の出入りがばたばたしてると思ったら、監督本人が出てきて、やっぱりこいつの映画だったか!と思った。
全編ミュージカル仕立てで、ダンスシーンがどれも抜群。
でも、ウッディ・アレンの映画って、クライマックスがあってちゃんと終わるってことがなくて、「そして人生は続く」って感じなんだよね。
ゴールディー・ホーンとアレンのダンスシーン、ジュリア・ロバーツとアレンのラブシーンがある。
大内くんは「いいよなぁ。いくらでも好きな女優連れてきてラブシーンだもんなぁ」と悔しがっていた。
 
卓球温泉
 
大内くんが愛してやまない松坂慶子が主演なので借りてくる。
私は邦画が苦手だが、あっさり観られる「Shall We Dance?」的な作品。
松阪慶子と牧瀬里穂が温泉に入ってるシーンではあごまできっちり白濁した湯に隠れているが、松阪慶子1人で入るシーンではけっこうサービスがよかった。
最後のシーンで蟹江敬三が奥さんを抱きしめないのが惜しい。
あの年代の夫婦はそういうことはしないものなのか。
邦画としてはいい点をつけられる。
 
恋愛小説家
 
ジャック・ニコルソンが「カッコーの巣の上で」以来の主演男優賞。
ついでに相手役の女優も主演女優賞。
というわけで観てみましたが、最初の1時間ぐらいは少しつらかった。
テンポがあまりよくなかった。
後半ぐっとよくなって、ラストはけっこう感動したけど、2時間20分ぐらいというのは長い。
映画は、例外的な大作をのぞいては2時間以内に収まっていてほしい。
それにしても、ジャック・ニコルソンという人は怪優で、眉毛の動きや顔のしわの1本1本で演技する。
大好きな役者さんだけど、彼が出るとたいていコワくなっちゃうんだよね。
今回はシャイネスも充分発揮していて、愛せるキャラクターでした。
 
SADA 戯作・安部定の生涯
 
大林の新作だというので、大内くんが楽しみにしていた。
私としては「あした」とか「青春デンデケデケデケ」の方がおもしろかったなぁ。
椎名桔平の口元がセクシーだとわかったのがもうけもの。
だいたい、黒木瞳が好きじゃないんだよな。
鶴太郎は好きだけど。
けっこうエッチなシーンがありました。
成瀬監督の「不機嫌な果実」の時も思ったんだけど、映画館では18禁なのに、レンタル屋に並ぶ時は普通の棚だ。なぜ?
(「SADA]は18禁じゃないと思うけど)
テーマソング「定のサバダバダ」は、なんか、つボイノリオの「お万の方」を聴いてるみたいで・・・
思わず、「お定さんは〜アソコを〜切り取りま〜した〜」とか歌ってしまった。

98年12月
 
プライベート・ベンジャミン
 
ゴールディ・ホーン主演。この時すでに30ン歳。
やってることは「GIジェーン」とまるっきり同じだった。
でも、こっちの方が明るいので好き。
80年代は女性の自立の時代だったのね。
 
ディアボロス
 
アル・パチーノがすごすぎる。
ただの法廷モノかと思ってたら、全然違う。
4分の3ぐらいまではすごく面白かったんだけど、その後、街角で子供をさらって世界征服をたくらむショッカーという雰囲気になってしまった。
まあ、怪作ですね。
 
フェイク
 
こっちはしけたマフィアのアル・パチーノ。
この人の場合、首を前にどのぐらい傾けるかで「傲慢」から「貧相」を自在に使い分ける。
今回は「やや貧相」。
最後が泣けました。
ロバート・デニーロと共演した「ヒート」がまた観たくなっちゃったよ。
 
うなぎ
 
どうして邦画というのはこう、しけた雰囲気なのだろう。
カンヌ映画祭、とつぶやきながら観たのだが、ビートたけしの「HANA−BI」の方がよかったぞ。
 
黒の天使
 
大内くんが石井隆が好きなので、つきあって観る。
葉月里緒菜が美しい。
(この人と真田広之と手塚里美の三角関係って、この世のものとも思われない)
椎名桔平が出てるというのでガマンしてたが、あんまり出てこなかった。
暴力モノはあまり好きじゃない。
 
さて、ここからは「タイタニック」特集。
レオナルド・ディカプリオの「タイタニック」を皮切りに、映画を全部で4本とドキュメンタリーを2本観た。
もうタイタニック号のことなら何でも聞いてくれ。(と言うほどのことでもないですが)
ちょっとネタバレです。ご注意。
 
タイタニック
 
よかった。実によかった。くやしいけれどよかった。
うちではレオくんは「小生意気な顔」と人気がないが、まあ大作はなんでも観ておこうと、借りてきた。
こんなにいいとは。
アカデミーをいくらでもあげよう。
レオくんも相手役の女の子も超生意気なツラしてるけど、こういう鼻っ柱の強い顔でなければ沈没シーンに耐えられないというのがよくわかった。
ラストはちょっと疑問あり。
「ハート・オブ・オーシャン」は探索船の人たちにあげるか、婚約者に返すべきだったんじゃないだろうか。
大内くんは会社で「タイタニック」の話になった時にそう言って、まわりの人たちの共感を得たそうだ。
 
ザ・タイタニック
 
96年作品らしいが、よくキャメロンに立ち向かう気になったもんだと思って観始めた。
でも、こっちも案外よかった。
わりと地味なので、キャメロン「タイタニック」で話に慣れてなかったら評価しにくかったかも。
事故の様子や船内は、同じソースを使ってるようで、まるっきり一緒。
船客を撃って、自殺しちゃった乗組員がいたところなども。
三等船室があって移民たちが乗ってたとか、犠牲者は溺れたのではなく凍死したのだとか、キャメロン同様たいへん勉強になった。
 
タイタニック号の最期
 
こちらは古典。1952年。
白黒で、風情があった。
話はわりとオトナっぽいかも。
最近息子が「幼児」ではなく「少年」になってきてるので、「初めて長ズボンをはいた少年」には泣けた。
この頃はタイタニック号が2つに折れて沈んだというのは明らかになってなかったのか、ずぶずぶ沈んでいった。
やはり、80年代に沈没してるのが発見されて、事故のようすがいろいろわかったのだろう。
 
ダニエル・スティール タイタニック
 
始まって20分で沈んでしまい、あとの話が長いのだが、それは大した話じゃない。
 
さて、一連のタイタニックを観て常に話にのぼるのは、いざそういう事態になったらどうするか。
息子は絶対助けたい。
(唯生が一緒に船に乗ってるってのは考えにくい)
でも、私は大内くんと離れたくない。
女装させてでも助けたい。
だめなら私も残りたいのだが、息子を1人にするわけにもいかないし。
息子ともう1人誰かが助かるなら、私より大内くんが助かった方がその後の生活が安定してるから、私が残る。
まあとりあえず、老人になるまで絶対船には乗らないということで話がついた。
 
フェイス・オフ
 
タイタニック」三昧が終わって、ニコラス・ケイジとトラボルタ。
火薬の量が多いが、まあまあ。
人間、自分が誰か証明するってのはけっこう難しいものだ。
大内くんと、そういう場合どんな話をすればいいか話し合う。
「最初に会ったのはいつか」「思い出の場所はどこか」など、うちの場合はどうも他の人も知ってることばかりのような気がする。
 
戦火の勇気
 
メグ・ライアンが出てる真面目な戦争もの。
舞台は湾岸戦争。
アメリカの、こういう問題への取り組み方にはいつもながら恐れ入る。
メグ・ライアンの娘役(6歳ぐらい)があまり似てるんで笑ってしまった。
プライベート・ベンジャミン」で女性が入隊、「GIジェーン」でしごかれて、この作品で士官入り、という感じですね。
戦争もので私が一番好きなのは「マッシュ」かなぁ。
 
ラジオ・デイズ
 
ウッディ・アレンの中では好きな作品。
大内くんが観たことないと言うので、一緒に観る。
アレン映画らしく、「えっ、これで終わりなの?!」と言われた。
彼の作品にはクライマックスというものがないからなあ。
 
アビス 完全版
 
タイタニック」を観て感動したので、キャメロンをもう1度。
 
この人、おそらくデビュー作は「殺人魚 キラーフィッシュ」なんだろうけど、「キラートマト」並みのものすごいB級だったという覚えしか。
モンティパイソン ホーリーグレイル」の「凶暴なウサギ」みたいな魚が出てくる話だったはず。
大内くんにも見せてやりたいが、レンタル屋にはないようだ。
 
アビス」は絵がきれいで、キタノ・ブルーの向こうをはってキャメロン・ブルーと名づけたい。
(大内くんに言わせれば「敬虔な青」)
完全版なので宇宙人とのコンタクトシーンが長い。
さくっと終わってしまってもいいような気がするのだが。
 
理由
 
ショーン・コネリー製作・総指揮・主演。
期待したよりずっと面白かった。
「大どんでん返しのサイコ・ミステリ」と謳っていたが、あながち大げさとも言えない。
20歳ぐらい若い奥さんとの間に10歳ぐらいの女の子がいるという設定は、「好き勝手しちゃって、まったくもう、このスケベ親父!」という感じだが。
まあ、永遠の少年の瞳で、カッコイイおじさんだからしょうがない。
007」は、他の役者さんを使うより、「老後のジェームズ・ボンド」ということで、彼にやってもらいたい。
 
ワグ・ザ・ドッグ ウワサの真相
 
ダスティン・ホフマンとロバート・デニーロという、うちではたいへん評判の高い2人の共演。
(これにアル・パチーノが加わったらすごいんだが・・・そんなのないか)
1時間半ぐらいの、実に短い映画なのだが、さすがこの2人を使うだけあって面白かった。
ラストまで観て、「うーん、結局ダスティン・ホフマンはどうなったのかなぁ」と考える余地がたっぷり。
サンドラ・ブロックの出てた「インターネット」ではコワイのはパソコンのデータだったが、マスコミの情報に頼って生きてるのもコワイんだよ、という話。
どうしてもわからないのは、選挙を10日後ぐらいに控えて、ホワイトハウス見学のガールスカウトに手を出す大統領の考えである。
これに関しては、政治家の舌禍事件などがあるたびに「どうしてこの人たちって、自分の立場がわからないのか?」と思うのと同じ。
 
と言ってる間に、米軍のイラク攻撃が始まった。
このビデオは今観るべき。
戦争に対して不真面目になるつもりはないのだが、絶対笑えるよ。
 
アンドロメディア

レンタル屋のカウンタに行ったら、ちょうど入荷したばかりのを処理していたので、その場で借りる。
前々から大内くんが「島袋が観たい」とうるさかったのだ。
私って、「ラッキーちゃんぽんめん」(息子が保育園で習ってきた歌)。
 
ネタバレ注意!!!
 
観て驚いた。
邦画でこんなに面白いものができるのか、と思った。
だがしかし。
わからない。
最後の15分で完全に話がわからなくなった。
竹中直人はどうなったのか。何がしたかったのか。
悪玉の親分は何がしたかったのか。
病気で死にかけてるのはお兄さんだったのか、なぜ彼は最後あんなふうになってしまったのか。
一瞬だけ出てきた友情出演の椎名桔平は何物か、彼のボスは誰なのか。
つまり悪玉側の誰が何をしたかったのか、きれいさっぱりわからなくなったまま話が終わってしまったのだ。
こんなに面白いのにわからない映画は初めてかもしれない。
 
さんざんカラオケで歌っていた「ALIVE」の意味が初めてわかったのは収穫。
 
電脳世界の島袋は現実より可愛かった。
書斎ではユーミンのCDをパソコンでコピーしてる状態で、人間の記憶をCDに落とすという話を観るのはけっこう楽しかった。
大内くんはしきりに「僕らの記憶や人格って、CD1枚に入っちゃうのかな」と不安そうだったが、ここ数年でうちでさえメモリ革命が起こって30倍の容量になったのだから、近未来であれば何が起きても不思議はない、と説得した。
 
では、上記の疑問全部に答えられる人、DMください。
 
ゴジラ」アメリカ版。
 
長いばかりで、私にはちっとも面白くなかった。
ジャン・レノが出てくるシーン以外はぜーんぶスカ。
あんなものを「ゴジラ」と呼ぶな。
私はゴジラとかモスラは「神の依代」だと思っていて、怒るにしろ助けてくれるにしろ、人間と何らか交流があるような気がするんだけど、アメリカの人たちって、そういう感覚なさそう。
人類至上主義の火薬信奉者の集団。
それにくらべるとオキシゲン・デストロイヤーは洗練されていた。
ほんとにもう、哀しみがないです。
 
息子はものすごくゴジラに感情移入していて、最後の方では「ごじら、どうなっちゃったの? たまごは? ごじら、しんじゃうの?」と悲しんでいた。
 
「面白いのに」と思った人がいたらごめんなさい。
ジャン・レノはよかったです。ホント。
 
天国の約束
 
アル・パチーノ主演。
大恐慌の年、小さな街に住むイタリア移民の少年が新装開店の映画館に行くための25セントをどう稼ぎ出すかという1日の話。
しみじみしたいい映画だった。
12歳ぐらいだから、もう1、2年すると「青い体験」とかになってしまう歳だが、まだカワイイ。
子供の頃、どうしても今日でなきゃ、どうしても行かなくちゃ、って気分になったことあったな、って思い出した。
アル・パチーノは弱々しくも毒舌のおじいちゃんだが、この後「ディアボロス」や「訣別の街」でバリバリのおっさんをやってるわけで、大した演技力。
原題の「Two Bits」、bitは12と2分の1だそうで、合わせて25セント。
5セントはニッケルで、10セントはダイム。
勉強になった。
 
訣別の街
 
これもアル・パチーノ主演。
うちは最近アル・パチーノ月間。
「お役所」と「若い正義感」がぶつかって「正義感」が勝つという、オトナは納得できない映画。
若い頃なら「そうだ。こーいう結末でなきゃ!」とこぶしを握ったかもしれないが。
同じアル・パチーノでも「フェイク」の方がよっぽど「訣別」だった。
まあまあの映画だが、ちょっと単純な話。
 
そろそろ今年のベスト3でも選ぼうかと思うが、どうも1位はダントツでレオくんの「タイタニック」になりそうで、所詮バリバリハリウッド大作に弱いのか、と自分でいやになる。
あと2作も「セブン・イヤーズ・イン・チベット」とか「イングリッシュ・ペーシェント」とかになるだろう。
エイリアン4」も捨てがたい。
ああ、やっぱり大型娯楽作品ばっかり。
もっとカッコつけて「シネ・ヴィヴァン単館上映」って感じの「通」なものを挙げたいが、そもそも観てるものが有名なものばかりなので如何ともしがたい。
 
今年は60本ぐらいビデオを観たことになる。
けっこう観ました。
大きな要因は息子が1人寝してくれるようになったことかな。
夫婦の自由時間が多くなったからね。
いい映画が多かった。
幸せ。
 
 
98年大内家シネマベスト3

1位 「タイタニック」

1年の終わりの方に観たことや、他の作品との合わせ技というところもあるが、夫婦ともレオくんが好きじゃなくて、「絶対観ない」つもりでいたのに、観たらこてんぱんにやっつけられてしまった。
妻はしばらくお風呂につかっていても「寒い」と感じた。
夫もいまだにTVCMで沈没シーンを一瞬見ただけでも「寒くなる」と言っている。

2位 「イングリッシュ・ペーシェント」

静かで美しい映像に魅了された。
言葉では表せない世界なので、観ていただくしか。

3位 「フェイク」

夫が「アル・パチーノは落とせない」と、「天国の約束」との間でずいぶん悩んでいたが、「フェイク」終盤の彼の方が記憶に残る、と妻が判定。
あの彼は泣ける。

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