20年8月1日

今日から8月。強い日差しと入道雲の、背景にミンミンゼミの声の書き文字が入っている、75年前に人々がどう迎えたのだろうか想像してもしてもわからない8月。

ここまで梅雨明けが伸びたのも珍しい。
息子が生まれた年も冷夏で米不足が大きな騒動になったものだ。
しかしあの時は6月から10月まで梅雨明け宣言が出なくて、いわば梅雨明けが行方不明になっていたような年だったので、ずいぶん事態の桁が違う。
今年は特にお米が足りない恐れはないと言われているが、なにしろ新型コロナ下だからなぁ。

昨夜は中学女子zoom会。
ケータイが古くて電源がすぐ切れちゃうので無理!と悲鳴を上げてるAちゃんを除いて4人。
「Aちゃん、早く新しいケータイ買って、また来て」とLINEでみんな声を掛ける。

PCの3人が待機してるところにスマホのMちゃんがどうしても入れなくて、本日の部屋主CちゃんのところにSOSの電話がかかってきてる様子。
Rちゃんはすぐさま手元のスマホでダブルログインし、
「Cちゃん!Mちゃんにスマホでも入れるって、言って!」と知らせる。
どうもパスワードを入れる段階までは来てるんだけど、そこで詰まってるらしい。
入力間違いか。スマホは難しいからなぁ。

かなり煮詰まってきたところで、Rちゃんが、
「こないだうさちゃんが招待してくれたやつならMちゃんも確実に入れたよね。あっちでやり直したら?」
決断の早いCちゃんも、
「そうね、じゃあいったん解散!うさちゃんのとこでもう1回集合ね。うさちゃん、お願い!」
はい、LINEグループに送ったアドレスで会議室開いておくよ。

最初は誰も来なくて「開く会議室間違えた?!」と焦ったが、ついに4人が無事に集結!
冷静なCちゃんRちゃん、あきらめなかったMちゃん、ありがとう!

優雅に、しかし猛烈に、女子会開始。
まずは「大変だわね~」と一同斉唱で。
私以外は全員名古屋在住で、しかも何らかお仕事もしており、孫のいる人もいるからご苦労は十分あるはずだ。
しかし、何というか緊張感が少ない。
つい先日までスポーツセンターもヨガのおけいこもやっていたそうだし、数人の友人との会食はまあ問題ない範疇だったって。
「うさこ、東京は大変なんでしょう?」と言われていたが、さすがに名古屋市のみで100人超えをしてしまっては、市民の心も「怖いねぇ」「どこどこのスーパーに、出たらしいわよ」となってるようだ。

中の1人は、東京に住む新婚の息子さん夫婦に会いに行けない、挙式もハネムーンも延期なうえ、初孫が生まれたばかりの娘さんは夫が外国に単身赴任中で、一時帰国もできず帰るに帰れないんだって。
「先発隊で行ったばかりのところにコロナが来たのよね~次の人たちは行かずに済んだんだけど」と不運を嘆いていた。
現在娘さんとお孫さんは同居していてそれはそれで楽しいが、やはりコロナ下での育児にお母さんもおばあちゃんもドキドキ、の状態なのだそう。
「一生懸命LINE通話の画面とか見せてて、向こうも一生懸命『パパだよ~!』って言ってるんだけど、わかってないんじゃないかしら。テレビ見た時と同じようなきょとんとした顔をしてるのよ~」と7カ月の孫を語る。
大変そうだ。

それでもWedding must go onな式場勤務のRちゃん、宴席ではどうしてもお客さんがマスクを外す場面が多く(ご会食だもんね)、緊張するそう。
ふつうは8人座る円卓の人数を4、5人にして、ついには各卓2人ずつという宴も出現したらしい。
こんな際でも「80人のお式がある」「明日も仕事」というのは結婚式にすべてを賭ける名古屋らしいのか。

みんなとひとわたり話して2時間ぐらい経ったところで、明日仕事のあるRちゃんMちゃんは離脱すると言う。
礼儀正しくいったんは散会して、わりとゆとりありそうなCちゃんにすぐに直LINEで「もうちょっとだけ、どう?」と打ったら、「いいわよ、すぐに入るわ」とお返事。
そのあと1時間ぐらい2人で話した。

かなり私が一方的に泣き言をいうモードに入ってしまったが、寛大なCちゃんはふむふむと聞いてくれた。
でもね、Cちゃん、知らないでしょ。
40分で切れるはずのzoom、2人きりだと無限に続くんだよ。
50分を超えたあたりでその種明かしをしたら、「そろそろ40分経つでしょう。それまでのガマンガマン」と思っていたかどうかは知らないが、Cちゃん、「えっ、そうなの?!知らなかったわぁ!」と驚いてた。
まあ、そこでありがとうを言って、少し最後の名残り惜し気な会話をして終わったよ。
Cちゃん今夜もありがとう。

そんな風な「中学女子zoom会」が昨日だったわけで、慣れてる人たちは2週間に1回とか定期的にやるメンツを持ち、さらにそれ以外にちょこちょこやってるらしい。
私は基本的に週1回ですわ。

20年8月2日

1日ずつずれていくのでわかりにくいが、金曜の中学女子zoom会に続いて土曜の昨夜はまたしても恒例まんがくらぶzoom飲み会。
Gくんが立ててくれた通知を見ると、北海道のUくんは最初から欠席通知が来ていた。
何か用事らしい。ワイン会だろうか。

いつものようにGくん、長老、我々夫婦で始まる。
部屋主Gくんの背景には何やら政治的なスローガンを思わせる黒い文字の文章が右側に、赤い文字のが左側に。
よく読んだら、「本日の議題」「定例飲み会を金曜日にするかどうか」であった。
なんだ、すわ!今の政治を糾弾するスローガンか!と思ったのに。

どうもメンツが固定化してきてるうえ、ほぼ毎回出席していておまけに一時に2人来るというコスパの良さが買われる我が家、21時に宴会が始まっても22時から23時半ぐらいまでは息子のコントグループの生配信と言って抜けてしまうため、案外細かく考えるGくんが、
「じゃあ、せいうち家のために土曜日をはずして金曜にしてみようか」と考えたらしい。
うちは別に今の中抜け状態でいいんだけど、曜日を変えると意外なメンツが登場するかもしれないよね。
とりあえず、賛成に1票。いや、2票。

で、例によって22時に抜けたら、今日はコント番組生配信のメンバーに息子が入ってなかった。
たぶん、今やってる演劇のけいこで忙しいんだと思う。
生息子が見られないなら翌日アーカイブを見るんでもいいや、ってzoomに戻ってきた。
長老とGくん、そしてSくんという変わらないメンツがそこにいた。

今日はわりと話題の中心にしてもらって嬉しかった。
私に負けないぐらいしゃべりまくる女子のYちゃんが来てなかったせいかもしれない。
Sくんに下ネタを振ろうとしたら、
「30年前に、『私はもう結婚したんだから、下世話な話には興味がないの』って言われました。『そんな寂しいこと言わないでくださいよ』って言ったら、怒られました」と微に入り細に穿った記憶。

「それはね、いっぺん枯れたんだけど、復活したのよ」と威張ると、
「いつよみがえったんですか、やっぱり3年前の心臓の手術の時ですか?」とこれまた通なご意見。
私「うん、元気になったのと薬をやめたのとで、人が変わった」
S「そうですよね。長いこと、会っても表情は硬いし、あんまり楽しそうじゃないし、なんだか興味がなさそうで」
私「『僕のこと、もう好きじゃないのかなぁ』とか思いました?」
S「いや、そこまでは思わないけど」
私「別の友達には『脳梗塞でも起こしたかと思ったけど、さすがに聞けなかった』とまで言われましたからね。ずいぶん様子が違ってたんだと思うよ、断薬したんで、つらい離脱症状を抜けて今の状態になったの」
S「そんなにしょっちゅう会ってたわけじゃないせいもあって、僕の中では今のうさこさんというより、昔のおねーさんという感じですね。よくしゃべって勢いが良くて。まあ、よかったんじゃないですか」

手術の後、正確には心療内科の薬をやめたあと多くの人に言われたなぁ。
今思い返しても、15種類ぐらいの薬をいっぺんにいきなりやめるというのはとんでもないやり方で、普通は出してくれたお医者さんと相談しながら徐々に減薬していく。
心臓で入院した先が「心臓専門」すぎて心療内科の薬に詳しくなく、
「こんなに飲んでるから心臓も悪化したんですよ。できればやめてください」と簡単に言い、こっちも「はいわかりました」で簡単に受けちゃったから、退院したあと手が震えたり汗をかいたりろれつが回らなくなったり妄想をしゃべりまくったり、離脱症状のフルコースを起こしてた。
息子が、せいうちくんにそっと「オヤジ、おふくろは、死ぬのか?」と恐る恐る聞いたというほどのすさまじさだったらしい。
まあ終わり良ければ総て良し。
今も心療内科の薬はもらってるが、3年前に比べればパブロンのんでるようなものだ。

なんだかなつかしくて、今夜はSくんとやたらにしゃべってしまった。
夜中の1時にせいうちくんが仕事の電話を受けてしまってそのまま1時間半戻らなかったのもいけない。
「突発的なトラブルならしょうがないだろう」との意見が大勢だったが、木曜あたりからずっと尾を引いている案件だと話したら皆唖然としていた。
意外とブラックなせいうちくんの仕事。

まあそれでも3時ごろにはお開きにして、来週は金曜にやってみることになった。
そうだ、先週の日記に「Gくんが前に言ったけど、その場では言ってなかったこと」をお話を組み立てる都合で使わせてもらったら、
「オレが言ってないことが書いてあって、大丈夫かオレ、と思った」と悩んでいた。
「前に言ったのは確か。ただ、その時は言ってなかったね。ちょっと話作っちゃったよ」と謝ると、
「オレは、酔っぱらったら何を言うかわからないし覚えてないけど、同じことばっかり言うじじいにはなりたくないんだ!」と中年の主張。
もっともです。言ったことはその時に消化させてもらいます。

ああ、今日も楽しかった。
このペースでやってたらいつか飽きるんだろうとか話の内容が繰り返しになるんだろうとかの危惧はあるが、そうなるまで楽しませてもらってから考えればいいことだ。
土曜になると部会があっていろんな人が来ている、そんな感じを思い出す。
そしてそのあとは渋谷に流れて飲んで、また駒寮に戻ってきて朝まで飲んでた。
それが自宅でできるんだから、技術進歩はありがたい。

20年8月3日

奥歯が欠けたところ、完全に治してもらった。
予約制の歯医者さんなので、あまり広くない待合室にはたいがい新規に待ってる人とお会計を待ってる人しかいない。
「ソーシャルディスタンスのため、使わないでください」と座面の半分に貼り紙してあるソファと、同じ貼り紙で完全に座れなくなってる肘掛け椅子。片付ける場所がないんだろう。
離れたところにもうひとつ、金属の足がついたシリコン製みたいな簡単な肘掛け椅子。
これで、2人が座れる。

院内に入ると先にいたソファのご婦人がお会計に呼ばれる寸前で、診察券を出しておでこで「ピッ」と検温のあと、すぐ私も診察室に呼ばれた。
そのあとはしばらく無人だったのだろうと想像する。

マスクとメガネを外して座っていると、じきに先生が来た。
「じゃあ、このあいだ仮に入れたのを取って、削って詰め物しましょう。型を取るとか、そこまではいきません。ちょこっと盛るだけです」と言いながら、麻酔の準備。
最近の歯医者さんはどんなちょっとした処置をするにも麻酔してくれるところが好き。
20年ぐらい前に初めて行った駅前の歯医者の老医師は、私の口中を見るなり「虫歯です!」と叫び、インフォームドコンセントも何のその、そのまま首を抱え込んで削り始めたからなぁ。
野蛮な時代だったこと。ぶるぶる。

ちくーっと麻酔注射して(こういう痛みはいいのだ。怖いのは歯を削るキン!とした痛み)麻酔が効くのを10分ほど待ち、ちゅいーんと削り始める。
麻酔が効いてる以上に、痛いことはしないはずっていう安心感で、なんとかゆったりしていられる。
昔の歯医者さんにはそれが足りなかった。
むしろ、患者側の「痛いに決まってる」って思いと医師側の「痛いのはしょうがないからガマンしなさい」との主義主張が相まって、痛さがピークまで高まってた気がする。

ペタペタとプラスチック盛って、フロスか専用のシートかを使って歯間を確保し、軽く削って形を整えて、おしまい。
反対側の歯も時々痛むのをついでに診てもらったら、歯茎を押して、歯を1本1本コツコツと叩いて、
「これはどうですか?ここは?」と聞く。
「痛みません」と答えると、
「やっぱり、前にもあった『食いしばりが原因の痛み』だと思います。診て、おかしなところはないようです」とのこと。
奥歯が欠けたのも虫歯からではなく「食いしばり」のせいだって。
四六時中、歯を食いしばってるからなぁ。緊張を解かねば。

待合室に戻ると、別の部屋で治療を受けていた人がお会計を済ませて立ち去るところだった。
手前の小さな椅子で私が待ってる間に次の予約患者さんが現れ、ソファに座る。
私が会計をすます頃にはもう診察室に呼ばれるようだった。
こうして部屋はまた無人になる。
(受付の人もモニタでも見てるかドアの音を聞いてるのか、人が来た時しか来ない)
整然としてる。

あんまりすぐに終わってしまって、「1時間ぐらいかかるかな」とせいうちくんに言って出てきた手前、もうひと仕事したくなる。
並びの整形外科に行こうかとお薬手帳見を確認すると、前に膝の注射して湿布薬もらってからもうひと月半経っている。行ってもよかろう。
痛いのはいつもだから、ひと月経ったら湿布もらえる、という扱いだ。私の中では。

「時間がやたらと余ったから整形外科医にも寄っていくね。遅くても心配しないで」とせいうちくんにLINE打って、待合室で待つ。
こちらは基本的に予約診療ではないので常に30分以上待つんだが、午後の中途半端な時間が幸いしてか、初記録なぐらいすぐに診療室に呼ばれた。
「手のこわばりは、とれた?」と聞かれるのはこないだの腱鞘炎だね。
「はい、注射で治りました」と答えたら、「それはよかった」で、いつもの膝のヒアルロン酸注入。

医師「今日は暑いねー!急に来たねー」
私「やっと梅雨明けですからねー」
医師「水が多すぎて作物が根腐れしちゃってるらしいよ。千葉や茨木のスイカとか、全滅なんだって」
私「疫病のうえ、凶作ですか」
医師「アマビエさまがまた大活躍だよねー」

この先生、だいぶ昔病院ができた頃に来た時はつっけんどんで怖くて、バスに乗って遠くの整形外科に行っていたぐらいなんだ。
それから10年ぐらい、私の膝が彼の親切を誘うほどに悪化したからなのか、地域医療に慣れておばあちゃんに優しいタイプになったのか、見違えるほどの変わりようだ。
今ではすごく頼りにしている。

首尾よく湿布薬もらって、薬局からせいうちくんにLINE。
「思ったよりすごく早かった。もう帰る」
実はこのまめな連絡は、4時頃帰るから、その時には書斎にエアコンかけて冷やしておいてくれ、とリクエストした続きというか確認のつもりだった。
でも帰ったら、暑い書斎で仕事しているせいうちくんが「帰ってきたー」と大喜びするのみ。

「エアコンは?そのために、帰る時間を細かく連絡してたんだけど」と聞くと、
「帰ってくる!って嬉しくなったら、全部忘れちゃったんだ…」
こういうのをいいと思うか悪いと思うかは人それぞれなので何とも言えない。
黙って水風呂に入り、その間に冷やしておいた寝室で本を読む方向に決めた。
「書斎、来てくれないの?」って言われたって、体感温度が違い過ぎるんだよ。
せっかく水風呂に入ったんだから、この後は涼しく過ごしたい。
25.5度から汗がにじんでくる私に、あなたの快適温度の書斎は無理。

こんな風に時々家庭内別居しながら、夜は何とか同じ部屋、できれば同じベッドで、を貫いている。
最近自分を呪いたい。
更年期障害の悪夢も終わったはずなのに、年を取ると温度差に鈍感になるはずなのに、なぜこんなに汗が出て火照るのか。
自律神経失調って、そんなにわけわからない恐ろしい病気とも思われないんだが…

20年8月4日

せいうちくん、今日は久々に出社。
どうもサークルの他の人の話を聞いていると、無職の長老やGくん、私を除くサラリーマンの皆さんはけっこう始終出社してるようなのだ。
週に1日から2日、場合によっては3日ぐらい行く時も。
せいうちくんの場合は私が心臓の悪い高リスク者だから気をつけてくれてるのもあり、また本人が「テレワーク楽。もう通勤したくない」派なのでこの4か月間に出社した回数は10回を下るのではあるまいか。

明日から夏休みの予定だったが、なんやかんやと会議や電話があり、テレワークの、ここが泣きどころだ。
会社に出勤してるんだったら、よほどの緊急事態でない限り「なんだ、あいつは休みか。夏休み?じゃあしょうがないな」と許してもらえる気がするけど、テレワークはなぁ、「いいから呼んじゃえ」がまかり通ってる気がする。

先日息子から妙にしおらしいメッセージが来たので、これは近いうちに金の無心だな、と思っていたら、思わぬ方向からジャブを繰り出す。
「同じ業界の〇〇会社がウン千憶の赤字を出したって聞いたけど、お父さんの△△社は大丈夫?」
息子よ、その〇〇会社が今の△△社だ。去年名前が変わったんだよ。
「あら、、」と恥じらう息子だが、せいうちくんが「赤字は半期でもうちょっと少なくなかったかな」と抗弁すると、
「いや、ウン千憶だった」と意外な粘り腰を見せる。
根負けしたせいうちくんが調べてみたら本当に息子の言う方が合ってた。
今度はせいうちくんが「あら、、」と言う番である。

おまけに「苦しいね。無理なく頑張ろうね」との会社応援メッセージ。
これは本人が金銭的に詰まってるのではなかろうかと、
「もしかしてあなたも苦しい?」と私が聞いたところ、
「苦しい」のだそうだ。
勤めてるパチンコ屋が時短を求められているみたい。仕事がなくなりかけてるのか。
政府がくれた支援金、我々の分がとってあるから苦しいならストレートに言ってくれ、と伝えると、「うぐう」とうめいて、改めて嘆願の文章を書くってさ。
カノジョの具合が悪いのを寝かしつけていたとのことで、2時間ほどのちにスマホ画面5スクロール分ぐらいの長文が来た。

生活に頑張っていても仕事がなくなっていき、「額から鉛色の汗をかいている」のだそうだ。
世の中の親は、ここで「普通に職に就かないからだ」「あてのない夢なんか追ってるから」と言うんだろうか。
言わんこっちゃない、と言おうにも、そこまでのことを求めたことはない。
まして律義に真面目に手堅く暮らそうと思っていた人々も困窮するような「非常時」である。
援助を約束し(そもそも政府の金だ)、ますます精進するように言うしかない。

我々だって、親がいるから飢え死にすることはなかろうとどこかで思って生きてきたかもしれない。
家を出ていても、死んでも援助は受けないなどと決意したことはない。
まして「両親を尊敬し、大好きだ」と言う我が子だ、心が動かないわけがないよ。

多くの人が苦しい時代を生きている。
自分は恵まれていて、せいうちくんや社会に守られてたまたま困っていないが、それだけのことだ。
何の努力をしたわけでも自分の力で生きてきたわけでもない。
分け与えられるものがあるなら、分けてあげたい。
私の中の「利己的な遺伝子」が力いっぱいうなずいている。

感謝されるかもの種を蒔いても、実るかどうかはわからない。
刈り入れの時が来るかどうか知らない。
それでもやっぱり人は種を蒔き、時には放置し、いつかその土地に来て驚きたいのかもしれない。
自分が遠因だと思える木陰で憩いたいのかもしれない。
少なくとも今日は今日の心からの「ありがとう」を聞いた。
それだけでいいよね。
たとえこの地に何も育たず、未来に荒れ地になっていたとしても、絶対に嘆かない。
「一粒の麦もし死なずば」、十分に自分の勝手な生を楽しんだのだろうから。私と同じぐらい。

20年8月5日

夏休みに入ったはずのせいうちくん、昼過ぎまでなんだかんだ仕事。
昼寝したわけでもないのに1日が短かったなぁ。
「ダウントン・アビー」も第6シーズン半ば過ぎに入り、CS録画デッキの整理をし、息子の生配信見て夜はまた仕事してあっという間に寝る時間だ。

外のかんかん照りに恐れをなして、日が落ちてからちょっとだけ散歩に出た。
ストレスのせいか2人とも糖質制限が続かなくなって、板チョコ食べすぎて在庫がなくなった。
スーパーでワンカートン(10枚)を買ってくる。
夜はね、夜だけは食べないようにしようね、と言いながら、昼ごはんは牛乳と板チョコだったんだ。
この組み合わせはサイコーにおいしい、とせいうちくんはいつも言う。

買い過ぎて賞味期限を目前にまだ4本もあって困っていた牛乳が、あっという間にラスト1本になった。
普段は紅茶に入れるだけだから全然減らなくて、しょうがないのでせめてミルクティーシャーベットを作って消費しようかと思案してたんだ。
「まるで息子がいた時みたい!」と喜ぶ。
彼は水がわりに牛乳ごくごく飲んでたから、すごい勢いで減ってたもんだよ。

ミルクチョコ さらにミルクで 一気食い

面白くもなんともない川柳もどきを作って今日はおしまい。
明日こそダウントン・アビーをラストまで駆け抜けるぞ。そして映画版を観るんだ!
今ならU-NEXTのたまったポイントで観られる!

20年8月6日

英ドラマ「ダウントン・アビー」全6シーズン、2周目視聴完了!
これで明日は晴れて映画版を観られる!

少々ネタバレになるが、観てない人にはあまり意味をなさないだろうし、観た人には各自それぞれの意見があるだろう。
1周目はファイナルシーズン放送中、たぶん5年前にほぼ一気に観た。
当たり前にベイツさんが主人公かと思っていた。
しかし今回しみじみと思ったのは、彼があまりいい人ではないってこと。
秘密主義者でかんしゃく持ち、執念深くて陰険なところがある。
なんで「下の階」の人たちはあんなにベイツさんの味方をするんだろう?

もちろん登場人物すべての成長記録でありイギリスの変貌ストーリーではあるんだが、1周目の時と違ってゆとりができてみると、トーマスの人間物語であったかなぁと。
強みも弱みも人間くさいトーマスが、今回は一番愛せたなぁ。

あと前回は「伯爵、ダメダメじゃん」と思ってたところ、5年の間に彼が主演する「最後のインド総督」という映画を観たせいで、けっこう果断な判断力と実行力を持った憂国の士であると知る。(いや、役としては別人なんですけど)
英国の生活や階層社会に注目して映画や本を楽しんだおかげでいろいろ理解が深まって、かなり視野を広げて楽しむことができた。
森薫のマンガ「エマ」ももう1回読もう。

ダウントンについてあれこれ書きたいことはさておき、英国は奥深い国だ。
登場人物の関係者がすぐにアフリカやインドで行方不明になったり死んだりするのも、そのへんを支配していた関係なわけで。
あと、経済が衰退してるのでみんな遺産を期待している。上記のような事情で実際転がり込むことも多い。
たどってたどって誰かが財産とか爵位とかを継承するのが興味深い。

だれか私に遺産をくれないだろうか。
そう言えば、亡くなった父の母親(もちろんとっくの昔に、父より先に亡くなっている)名義の土地がまだあるらしく、その分配を求める申し立てが父の妹から起こるようだった。
父自身は相続発生時に放棄している話だから、祖父の葬式以来会っていなくて顔も覚えていない叔母からの連絡に、「父の遺志を尊重したいと思うので、私はもうこの話に関係ないものと思ってください」と返して1年ぐらい。

音沙汰ないね。そろそろ関係当事者全員死に絶えたかしらん。
それとも子孫の間でまだ続いてる話なのかな。
私自身、父が亡くなった時に相続放棄しているのでもう関係ないような気がする。
オソロシイことに、法務畑ひと筋30年以上のせいうちくんにも、そのへんイマイチ定かでないらしい。
大丈夫なのか、せいうちくんの会社。

20年8月7日

なんとか「朝」と呼んでもいいだろう時間に始動して、平日を幸い役所に行って必要な手続きをすませたあとは、図書館で久々に予約本以外にも2人して棚から借りまくった。
館内でマスクをしていない人を見るとちょっと不思議な気分になるぐらい、もうマスク生活が染み込んでいる。
おしゃべりするんでないならマスクは必要ないわけだが、本人が拾ってしまって感染が広がる可能性があるという意味では、今の「公共マナー」には反しているのかもしれない。
もちろん個人にはいろんな事情があるから別に「マスク警察」になるつもりはないよ。
こっちの感じ方の変化が面白いだけ。

食料品の買い出しもして、ほぼ正午には帰りついた。
最近ずっと休みとなると正午まで寝ていた生活からは脱却したい。
せいうちくんにたくさん寝てもらうのも休みの大事な使い方だから、いいけどね。

やっと「映画版ダウントン・アビー」観た。
そのためにひと月半ぐらいかけて6シーズン全部観てきたんだもの。
ファイナルから2年経っているらしいがあの人はまだ独り身だろうか、最後の方誰かといい雰囲気になっていたよなぁとか思うのは、昨日観終わったばかりのフレッシュな記憶のおかげ。
残念ながらその話は進展しなかったようだ。
しかしその人はまたしても最後いい雰囲気になっていて、ディズニーのシンデレラの舞踏会のようだった。
幸せになってほしい。

話は非常に荒唐無稽で、王室を頂点とした身分社会を踏まえて貴族階級の「上階の生活」と使用人階級の「地下の生活」を見事に描き分けていたドラマシリーズが気の毒になるぐらいだった。
「身分制度崩壊」を表現するドタバタ風刺映画なんだろうか?
君たち、いくら平たく言えば使用人同士だとしても、ご主人様のお客、それも身分が超高いあの方の宿泊先を整えに来た人たちに一服盛ったりしちゃいかんだろう。
ご主人たちの方は「お泊まりいただく」だけで光栄だって感極まってるのに。

告白するが、私は不眠症のくせに映画とかドラマとか観てるとスーッと寝ちゃうタイプである。
今回も、4時間睡眠がこたえたか、途中で何度も意識が遠くなった。
せいうちくんに、
「大丈夫?観てた?」と聞かれ、
「観てたと思う」と答えるも、
「じゃあ、あの人があれしたシーン、観た?」
「えっ、いつ…?」という会話になり、何度も巻き戻して(死語)観る羽目になった。
せいうちくん、ごめんなさい。

夏休み中に、たまってる録画も消化したいし気になってる映画をもう2、3本観たいなぁ。
一方で部屋の片づけやデータの整理もたまっている。
ガラス窓も網戸も洗いたい。
1日ぐらいはドライブなど「人には会わない形でのお出かけ」をして夏休み気分になりたい。
今年はけっこう長いお休みになりそうなのに、大型旅行とか計画してないと散漫に過ぎていくもんだなぁ…

20年8月8日

もしかして中止になるかと直前までひやひやしていた柳家喬太郎さんの落語会。

今やおなじみ前後左右を空けた「市松模様」の着席で、映画館や劇場は入場人数が半分になってる。
当然厳しさが倍増したチケット入手の難関をくぐり抜けた喜びを胸に聴いてきた。
出不精なので、年に2回近くに来てくれるのが大チャンスなんだ。

お客さんはもちろん全員マスク着用。
高座は舞台の奥の位置に引っ込められていて、喬太郎さんが「この『前の空間』でもう落語会ができそうです」と笑っていた。
「こんなにいろんなマスク姿を見るとはね」とも。
客側としては、高座前にアクリル板が立ててあるのまで覚悟してたんだが、さすがにそれはなくて、よかった!

演目は、

柳家小太郎「手水廻し」
柳家喬太郎「居残り佐平次」
(仲入り)
小宮孝泰「持参金」
柳家喬太郎「怪談牡丹燈籠 孝助の婚礼」

前に聴いた時から「可愛くないほど上手い!」と思ってた前座の柳家小太郎さん、来年真打昇進が決まっているそう。
もう前座では聴けないかもしれないから、次のターゲットとして彼は彼でロックオンするべきかしら。
近所に来てくれないかなぁ。

「コント赤信号」の小宮孝泰さん、落語もやるとは知らなかった。喬太郎さんと芝居を一緒にやった関係だそうだが、やはり演劇とはちょっと勝手が違うようで、ややなめらかでないかも。落語が終わってからの「業務連絡です」から始まる演劇の宣伝を、初めて聞いた。

楽屋では喬太郎さんの「居残り佐平次」が小さく騒動を起こしていたらしい。
「仲トリでこんな大ネタやっちゃって、トリにはいったい何やるんだろう、って、僕らもびっくりしました」と小宮さん。
その答えが「牡丹燈籠 孝助の婚礼」ですか。
本来笑うところのない話に、よくぞあれほど笑いどころを添付した。天賦の才。これは洒落です。

トリの枕で、喬太郎さんも演劇に出た話をしてた。
「落語家は、セリフのやり取り『会話』が苦手なんです」
「あとね、下半身が動かない。私たちは上半身の仕事なんで」と面白く語ってくれた。
小宮さんとのいきさつなどをひとしきりしゃべり、「以上、業務連絡でした!」(笑)

そこからの牡丹燈籠は見事だったし、全体に「前の人がやった話を枕や話の中に取り入れる」ことの多い、連携の良い落語会だった。
いいもん見たなぁ、って気になれた。

一緒に行った友人2人とは席もバラバラ、ロビーで会って「暑いねー」と軽く挨拶し、終演後にまたロビーで「じゃあ、今日はここで。暑いから気をつけて帰ってねー」でおしまい。
久々にリアルに友人に会ったのでハグとかしたくなっちゃったよ。もちろんしないけど。

いつもは駅近くの蕎麦屋で感想会兼飲み会を行うところ、今回は夜にzoomで行う予定。
本人たちはあまり外出する方ではないから多分安全なんだけど、お店でゆっくり飲んで語り合うには不適切な時期だよね。
zoomなら遠慮がいらない。
「いつもの蕎麦屋」にちなんだり想起させるおつまみを各自用意して21時に自宅PC前集合ってことで。
新型コロナ下ではいろいろ工夫がいるもんだ。

喬太郎さん鑑賞談話zoom会。
私とせいうちくんのPCがごっちゃになってる事情その他で、最初皆さんがzoom部屋に入れない状態だった。申し訳ない。
(実はその後40分でいったん切れた時の再入室でも「入れないー」の悲鳴が上がってた。ますます申し訳ない。さすがに3回目は大丈夫だった)

Kちゃんは帰りにお店に寄って「一見シシャモかと思うが実はホウボウ」な干物とか「一見里芋の煮物かと思うが実は玉こんにゃくの煮つけ」などを盛りつけたお盆を見せてくれた。
我が家は「ブリの照り焼き」と「野菜の天ぷら(なす、ししとう、大葉)」だった。
蕎麦屋が魚介系和食なんだよね。
「もちろん飲み物は熱燗です!」と銚子を掲げるせいうちくんに、Nさんは、
「あ、そんな縛りだったことを、すっかり忘れていた!」

落語に詳しいサブカル講師のNさんが語る語る。
牡丹灯籠は講談なのか落語なのか?元ネタの古い怪談があるのか?などなどの素人の疑問符にズバズバ答えてくれた。
ただ、ウィキ見るのは反則だぞ。

「手水(ちょうず)」は方言か、「おこわ」は赤飯かもち米を混ぜた炊き込みご飯全般か、後者だとしてごま塩は赤飯以外にもかけるのか、などの議論も活発だった。
食べて、飲んで、しゃべって、いつもと変わらないにぎやかな「落語鑑賞後飲み会」だった。

20年8月9日

今週から、まんがくらぶ定例zoom会は金曜夜にやってみることになった。
部屋主Gくんの、「土日の真ん中に酔っぱらってると生活が乱れるだろう」とのご配慮だ。
3時4時まで飲んでる人はほとんどいないから大丈夫は大丈夫なんだが。
仕事してる人には金曜夜は厳しいかなー。
うちはどっちでもかまわないんだが。

21時に始まるこの会、メンツはだいたい固定化してきた。
長老が電波の届きにくい別荘に行ってしまってるので、今夜はスマホのテザリングでちょこっとだけ参加して行った。
高速でないと映像が送れなくて、しかし高速にするとものすごい勢いでギガが減るんだそうだ。
なんのことだかよくわからない。
彼は3分ほどいただけで、あとは時々超低速で接続して画の送れなさを証明したりいろいろやってた。

金曜にしてもらったおかげで息子の生配信を見に行かなくてもいいから、我々も離脱せずずっと参加。
他にはいつものSくんHくん。
23時ごろになって会社のワイン会が終わったというUくんが現れた。
そのあととっても珍しいIくん。
話のシモが緩い、楽しい人だ。
昔の痔の手術のことを尋ねたら、図解入りで解説してくれた。
麻酔なしでお尻をくりぬくんだそうだ。絶叫したってさ(恐怖)

病気話になってみたらメンバー中での抗うつ薬の服用率高し。
セルトラニンがとか言って盛り上がった。
睡眠薬を使う人が意外と少ないのは、酒飲んで寝るって荒業が通用してるからだろう。
私は下戸なんだ。

1時ごろにせいうちくんが眠いからと離脱。
その後、UくんHくんも離脱。
Sくんが「もう寝ます」って帰っちゃったら、GくんとIくんと私しかいないじゃないか!
下世話の王国。

Iくんが「パンツ脱ぎましょうか。できれば生で」と言うので、せいうちくんと一緒に見たいとていねいにお願いしておいた。
見たものは全部説明したいタチなんだが、こればっかりはきちんと描写できる気がしないから、一緒に見るのが手っ取り早い。
「そんなもん、内緒にしろ!」ってGくんが言うから、
「せいうちくんに秘密はイヤだなぁ」と答えたら、
「じゃあ、1年間、黙ってろ。1年の期限つきだ。『秘密』の練習しろ!」と言ってきた。

もちろんその後すぐに全部まとめてご注進したところ、なかなか斬新で建設的な意見だ、さすがはGくん、と感心していた。
ただしIくんのイチモツを見るのは禁止なのだそうだ。
まあ今さら知ってる人の下半身見てもなぁ。
びっくりするようなものをネットでいくらでも見られると知ってしまった、世間ずれのしたアラカン女なのである。

3時過ぎに「さすがにもう終わろう」って言うから終わったはずが、そのあとのGくんのFBの報記見たら「2人なう」って書いてあるじゃないか。
あのあとおっさん2人でやってたのか。
脱ぎ合ってたのかなぁ。
意外と深刻な話してたのかもなぁ。
ちょっと惜しかった。

20年8月10日

先週土曜日、息子たちの生配信「ラジオみたいなおしゃべり」は、メンバー紹介ラスト。
(今日も必要となる息子の芸名は仮に「林賢(りんけん)」)
そりゃこの企画ができる前に最初に「リーダー林賢」をみんなで語ったけど、その後の他の人みたいに「○○に聞きたい10の質問」してくれてないじゃないか。
「オレ、実はまだやってなくない?」と息子が言った、とのことで、「ラストは『林賢回』です!」。

いやあ、ひどかったなぁ。いじられすぎて、いじめられてるのかと思った。
まあ、全員ある意味プロだからそんなんじゃないんだろうけど。
思わず、ぱんぱん遠慮なくたたくタイプの漫才の、叩かれる相方の親御さんの気持ちなど想像してしまう。
いつもはおどけているだけのMくんが、目をギラギラさせて林賢を追い込んでいるのが印象的だった。
メンバーのこういう底力を引き出してこそのリーダーか。

生まれた時は神奈川県民だったと覚えていたのは立派。
しかし、その後都内に引っ越した先が「彼ではなく、姉が生まれた場所」になっていた。記憶ないし記録が混乱している。
そりゃね、物心つく前にどこに住んでたかなんて親から聞く話の聞きかじりがすべてだろう。
不正確なのも当然。

質問コーナー「好きな食べ物は?」の答えは「カレーと炒飯」だそうだ。
Sくん「具は何なの?」
林賢「いろいろ。五目。中華料理店のじゃなくて、実家のちょっとべちょっとした炒飯が、たまらなく好きなんですよ。カレーも、実家のやつね」
Sくん「カレーも実家のか…なんか、特徴あるの?」
林賢「じゃがいもとにんじんが、こぶしぐらいの大きさ」
Mくん「!切ってないの?」
林賢「ほぼ切ってない」
Sくん「…美味しくなさそうだな」
林賢「いやいや、これが、うまいんだよね、やっぱり!」
Sくん(林賢質問表に書き込みながら)「べちゃべちゃの五目炒飯に具材切らないカレー、と…」
林賢「最大限悪口言えばそうなるね。田んぼぐらい水分ある炒飯」
Mくん「おかゆかよ」
Sくん「カレーの、お肉は何なの?」
林賢「カレーはね、チキンだね。チキンカレー。家のカレーってさ、高級なお肉を入れたら美味しいってことないじゃん。その中で鶏肉がさ、一番市場価格安いから。牛や豚に比べてね。だからチキンが多かったんだけど、実家は。ああ、やっぱ美味かったねぇ。思い出されるわ」

両親はもちろんすでに、画面の前で抱き合って号泣している。
カレーは私担当、炒飯はせいうちくん担当だった。
職を辞めてごろごろしていた彼に「家を出なさい」と私が厳しく迫っていた頃、せいうちくんは「もっと家に置いて、炒飯を作ってあげたい」とか寝言をぬかしていた。
父親のこの後先考えない愛情があってこそ子供は健やかに育つのだなぁ、と感動もしたが…(山本鈴美香「エースをねらえ!」のパロディ)
しかし林賢よ、じゃがいもほとんど切ってないはあんまりだ。少なくとも4つには切っていた。面取りとかはしないけど。

今日の林賢は来週出る演劇の稽古に出かけていて、生配信開始までに「自宅」に帰れないとの判断からカラオケルームにいた。
メンバーの皆さん自室以外に時々そういう場所を使う。
自宅でもなぜか「洗面所」からのzoom参加だったりする。
カラオケルームは終了の電話がかかってくるので要注意だ。
こないだYくんがそんな目に遭っていたのせいか、Sくんが林賢に「電話かかってこない?」と聞くと、平然と、「大丈夫。3時間とってあるから」。
配信はせいぜい1時間半なのに!終わったら1人で歌うつもりか?

と、林賢以外の参加者3人全員が思ったのか、カラオケリクエスト大会に突入していた。
北海道出身のUさん、「北の国から」をリクエストしてくれるのは嬉しいが、あれ、全編歌詞がなくて「んんん~」とか「ららら~」だけだって、もちろん知ってるよね?!

大好きな水樹奈々の「深愛(しんあい)」を歌い上げたりこっちは聞いたこともないラップグループ「Soul'd Out」のもんのすごく速いラップを音痴に歌ったり、いやホントにいじるのやめて質問してくれよ、と思ってたら、だんだん「歌1曲につき質問ひとつ。林賢が歌に答えを織り込む」ってスタイルになってきた。
グループとして息の合った展開だなぁ。さすがインプロコントグループ。

Uさんからの「どんな犬の種類が好きですか?」との質問はリクエスト海援隊の「贈る言葉」とともに。
一番の歌詞の終わりに「動物アレルギーだから、犬はきらい」と歌い上げてた。
Mくんからは「好きなお弁当。『ボクノート』で」
同様に、一番の最後で「とんトロ弁当」。オリジン弁当のだそうです。
歌はノリノリだけど正統派自己陶酔型でややヘタ。でも裏声使いはちょっとイケる。

Sくんは、
「もっと深いところが知りたいよね。究極の二択で行こうか。誰よりも賢い頭脳か、誰よりも速い足か、どっちを選ぶか」
歌は「カルマ」で行こうか「Day After Tomorrow」とかあれこれもめたのち、「Choo Choo Train」(Zooじゃない方。EXILE)
歌い出しでいきなり「誰よりも速いあ~し~っ!」と熱唱して終わった。
頭はどんどん賢くなれるけど、足は先天的なものだからって。

林賢くん、保育園年長さんの頃リレーのアンカーになるぐらい速かったんだよ、覚えてないのかな。
その後、どんどんぽっちゃりさんになって、中学の運動会では中距離走で最後1人でトラック2周するほど足遅かった。
そのせいかねぇ、この二択の答えは。

まとめてみたら「ふざけた人」だってことしか伝わらないリストができあがってた。
珍しいカラオケ回、最後は「メンバーに伝えたいことを歌う」となった。
林賢「歌は、中島みゆきさんの『糸』にしましょうか。去年アメリカ行った時、一緒に住んでたモンゴル人とロシア人の夫婦とお別れに5人で一緒に歌ったよ、『糸』。彼らはカタコトだったけど」

「グループのメンバーたちに 私からの言葉が いくつかある~」
なぜさだまさし「関白宣言」でやらなかったのか。

「一緒にコントしてくれて~ 私 林賢 ホントにありがとう~
Mちゃん、いつもコントやってくれてありがとう~~ 
た~ての糸はMちゃん~ よ~この糸は私~ 織りなす布はいつか誰かを 温めうるかもしれない~
M、いつもありがとう Mちゃんの笑顔いつも輝いて~
Y、いつもありがとう やさしいことばかりたたえてくれる
S、いつも台本ありがとう 沖縄帰る時は一緒についてくよ
U、元気かな 長く一緒にやれたら まだまだともにコントやりたい 東京も長くなるなにゃ~
F、ありがとう いつも正しい意見 ありがたすぎる F、ありがとう
Nは声でかい ありがと~」

全員言ったつもりが1人こぼれてた。
間奏のあとTくんについて歌うつもりが、そのまま曲は終わってしまった。
全員「最低の終わり方だ~!」

どう考えても最初の方でMくんに字数を使い過ぎてる。
Tくんにももちろんとっても感謝してるのだそうだ。
Sくん「ほぼMちゃんに捧げてるよね。Nにはクレームだし。『声でかい』って」

グループいち歌が上手いNくんが今頃嫉妬に震えているだろう、とSくん談。
次はNくんカラオケ回かしらん。
ああ、面白かった。
特に開始後30分での「実家の料理。これが、美味いんだよね」には本当に泣き崩れた。
これもすべて配信のおかげ。
新型コロナのおかげで面白い、嬉しい思いもさせてもらってるとあらためて実感。
林賢始めメンバーのみんな、自由に公演できる日を待ってるよ!頑張れ!

20年8月11日

夏休みも7日目。1週間もたったのか。
せっかく長めに休みが取れても海外なんて夢のまた夢、国内旅行も東京からは出ない方がよさそうで、ここ2年ぐらい恒例だった長老別荘での合宿もなし。
「どこかには行きたいねぇ。死ぬほど暑いのでドライブ、しかも涼しいところに行こう」と奥多摩のダムにいくことにした。
私は「奥多摩ダム」と思っていたが、せいうちくんによると「小河内(おごうち)ダム」が正式な名称。
多摩川をせき止めて作った日本最大級の水道専用貯水池だそうだ。

通常は大変人気のあるドライブスポットで、途中の道が大渋滞するうえに駐車場にはなかなか止められないそうだ。
しかしそこは我々、朝4時すぎに家を出る技を使う。さすがに早朝はたいがいのところがすいている。
ドライバーせいうちくんは10時に寝て6時間睡眠を確保。
私はこういう時楽しみ過ぎて、失望するんじゃないか何か不都合が起こるんじゃないかと緊張して絶対眠れないので、せいうちくんが、
「まあ完徹すればいいじゃない。最悪、助手席で寝ていれば連れてってあげるよ」と頼もしい。

果たして眠れなかったので、麦茶を水筒に詰めていたらせいうちくんが起きて、夕べのごはんの残りおかずヒレカツをキャベツ添えてお弁当箱に詰め、自分用のウスターソースと私用のごまとんかつソースを小さなタッパーに入れてくれた。
私はミニサイズの保冷袋に保冷剤を入れ、板チョコを2枚入れておいた。
途中でのおやつにしよう。

出発したのが4時15分。
まだ薄暗い街を抜けて街道をひた走り、遠くに見えている山に、
「あれを上るんだね。あの真ん中に、ダムが囲まれてるんだね」とはしゃぎながら、夏のドライブはこれでしょう、とユーミンをかけて快走。
ほとんど車も人もいない小河内ダムについたのは6時頃のことだった。

まだそれほど暑くない。
というか、車を降りるとひんやりした空気に包まれる。
さすが大量の水のほとり、と感心し、湖畔のベンチでお弁当のヒレカツを食べた。
(すでに車内でチョコを食べている)
「奥多摩水と緑のふれあい館」という無料の施設もあるが、開館時間がはるか先なのであきらめた。

ダムの青い水を取り囲む緑の山々を見たら完全に気がすんでしまい、少しダム周りをまわるが、これ以上行くと川に沿って北上して山梨県に連れてかれるだけだったので、元来た道を引き返す。
このあとは帰路に沿って立川のブックオフで狩りをして時間調整をし、11時開店のIKEA立川を目指すつもりだったが、少しスムーズに来過ぎて、10時開店のブックオフにもまだ1時間余る。
立川駅近辺を検索して、コメダを見つけた。
こうなったらコメダでモーニングとかシロノワールを食べるんだ。

9時前にコメダ、まだ空いてるのであまり遠慮しないでおしゃべりした。(もちろんマスクは着けていた)
せいうちくんはコーヒーとモーニングトーストとゆで卵、私はアイスコーヒーとモーニングセットの卵ペーストだけをもらい、あとシロノワールのミニ。
パイ層が重なったお菓子の上にソフトクリームがのったところにシロップをかけまわして食べるという、ミニでも油断のならない美味しいお菓子だ。
今日だけで、もう糖質制限はどこに行った!って感じ。

10時には近くのブックオフに移動し、思う存分狩りを。
せいうちくんには獲物が多すぎたらしく、もうIKEAに向かおうよ、と11時ちょっと前に声かけても「もうちょっと!」と未練がましく、結局お会計も済ませたらIKEAの開店には遅刻した。

IKEAはねー、密だったねー。
11時開店で11時8分に駐車場のゲートくぐってるのに、1階に行ってみたら食堂はもう満員で長蛇の列ができてる。
この人たちは何時間前から開店を待ってたんだろう、と思わされるような光景だった。
フロアを歩いてる人たちもそれなりに多く、床に貼ってある「2メートルの距離を保ちましょう」が難しく、人とすれ違うたびに申し訳なく思ってた。

まあまあ手早く、POENGの欲しかったオットマンと新しいトレイ、気に入ったスマホ立ての追加(もう6つも持ってるんだ。知人への軽いプレゼントに使いたい)、焦げた鍋敷きを廃棄するためにコルクの鍋敷き3枚セット、洗濯物が余分に干せるよう四角い物干し、書類整理用に箱やファイルボックスを買う。
こないだ見た時、刺繍が「乙嫁語り」みたいにみっちりしていて凝ったクッションが気になっていたので、2つ買う。
もちろん機械縫いでアミルさんたちの「布支度」には及ぶべくもない(そもそも国が違う)けど、厚みのある美しい刺繍だった。

我が家としては大人しい買い方で、それほど散財しなかった。
ただ、レジのおねーさんがちょっとけんけんしてて怖くて、会員証見せて「お誕生月500円クーポンもらってるんですけど、これで使えるんですか?」と聞いたところ、あまり親切でなくせかせかと、
「これではダメです。クーポンのメール見せていただかないと」と言われ、メインPCから転送しておいたクーポンを探してる間もイライラした表情をされたものだから、しまいに「じゃあ、いいです」とクーポン使わないままのお会計をしてしまった。
あーあ、先によく使い方読んで、クーポン出しておけばよかった。

それでも楽しい買い物で、これから府中の運転免許試験場で免許の書き換えをすればミッション・コンプリートだ。
まだ12時過ぎだから楽勝だろう。

ところが、13時前に着いた試験場は、平日だというのに激混みだった。
駐車場の入り口では整理員のおじさんが両手で×を作っている。「入れません」だね。
今週は一般に夏休みだし、来た時間も早すぎたのかもしれない。
明後日買い物のついでにもう遅めの時間に寄ってみて、それでも混んでたら来週せいうちくんの夏休みが終わるまでに行こう。

コンプリートは欠いたものの、十分満ち足りて楽しいお出かけだった。
小河内ダム→コメダ→ブックオフ→IKEAとすべてドライブで涼しく楽に移動ができた。

息子に「今日は小河内ダムを見に行ったよ」と写真を送ったら、私の写真は「熟年で健康サプリの会社立ち上げた婦人みたいだよ」って。
自信たっぷりで健康そうに見える小太りのにこやかなおばさんか。

ベンチに座ったせいうちくんはどうか、と聞いたら、「精巧なアンドロイド」。
前にも「お父さんはロボット以上人間以下の、ちょっとヘンな人です」と言っていたので、
「よくよく父さんは人間に見えないんだねぇ」と言ったら、
「顔が穏やか過ぎてね。宗教の産物(神様、仏様)か、科学の産物(ロボ、アンドロイド)に見える」んだってさ。
あとから「落ち込んでないかな、、?」と気にしていたよ。
「『KYだからねぇ』と笑っていて、落ち込んでないよ。(少し気にしてほしいぐらいだ)」と返事したら、
「お父さんらしい」とほっとしたようだった。

いい休日、14時からの昼寝、17時半に起きてのテレビ鑑賞、すべてが順調な夏休みのほぼ真ん中。
大きな旅行に行けなくても、2人で思い出話をしながら車を走らせれば語り合うことはいくらでもある。
「出会ってから38年、友達と伊豆に行ったり箱根に行ったり日光に行ったり、2人で清里行ったり、息子と北海道行ったのは小5の冬と中2の夏だっけ?USJもハウステンボスも行ったねぇ。もちろんディズニーランドもシーも行った。でも、最後はこうやって2人でドライブだね。いつか、死ぬまでにまたクルーズに行けるといいね。もし行けなくても、こうやって思い出を語り合るだけでも十分だけど」と話題が尽きない。

明日は一転、家にこもって書斎の片付けの予定。時間が余ったらテレビ見よう。
夏休みに入ってから2人とも読書が楽しくて、ついつい夜更かししちゃうんだよね。
今日も3時半ごろ寝て、私が寝つくのは6時か7時だから、きっと2人して13時ごろまで寝ちゃうなぁ。
まあ、それも夏休みの醍醐味だ。

20年8月12日

せいうちくんが書斎の書類片づけに邁進している間、ヒマだったらしく「野良飲み会」を企画していたGくんとおしゃべり会。

Gくんは普段むちゃくちゃに酔っぱらって「なーにを言っとるんだ!?オレにはわからん!」となるとき以外はものすごく怜悧で話の通じる人なのだが、今回はせいうちくんが横で作業しながら聞いてるとはいえ画面上は2人きりで会話していたため、かなり相当話が通じなくなる場面があって困惑した。

前後関係か因果関係か、何かが非常に不明なんだが、それを彼に伝えることができなかった。
書面なし言葉だけの空中戦で相互理解に至るのは難しいもんだ。
普段の大勢の飲み会なら「Gくん、酔っ払いだ」と判定してくれる人が他にもいるわけで、今回は横で聞いてるせいうちくんが「酔っぱらってるから理屈は通じまい」と思ってるにもかかわらず黙々と作業に逃避していたため、仲裁役が誰もいなかった。

あとから「私の言ったことがおかしかったんだろうか」と聞かれて、
「いや、筋は通っていたよ。彼は酔っぱらって、言う端から忘れていたんだよ」と答え、
「じゃあなんでその時そう言わないんだ!」と叱られたせいうちくんは、とばっちりを受けたってことなんだろうか。

Gくんの知り合い向け一般に告知は出してあるので誰か来ないかねぇとつぶやきながらずっとぐだぐだしていたら、突然知らない人が入ってきた。
GくんのFBで見たことのある名前の人だ。
「名のない存在」であることが苦手で居心地悪く感じるので、あわててつんのめって「Gくんのサークルの学外部員です」と自己紹介する。
名前はあとでいいだろう、まずは立場だ。

しかしその人はGくんにすぐに思い出してもらえなかったのがショックなのかうるさいおばさんにいきなり遭遇して驚いたのか、あっという間にいなくなってしまった。
「なんで帰っちゃうの?私がうるさかったから?メッセンジャーで『怖かったですか?』って聞いてみてよ」と頼んだら、その人からの返事は「今手が離せないので。絵の具が乾いてしまう」だったそうだ。
じゃあなんでそもそも入室してきたんだよ、と毒づくと、Gくんはすまして、
「そういうことにしておくわけさ。もちろん本当は話したくないんだろう。そこがわからんのか」と言う。
ああ小憎らしい。
アスペ気味なんで言葉の裏の意味なんて読めないんだよ!

まあ2時間近くGくんに相手してもらったおかげで、とにもかくにも部屋は片づいたよ。
いらない紙類やパンフレットの束をくくり、必要なものはスキャンして格納するせいうちくん。
IKEAでファイル立てを8つも買って用意してたのに、使ってるのは今んとこ2つだけ。
あとの6つは本棚の上にただ並べてある。

息子関係の雑誌や書類は写メ撮って送り、いるかどうかを問い合わせ。
卒業後就職してた会社関係の資料はいらないそうだ。
雑誌も不要だと言われた。こちらは我々用にスキャンしよう。自炊派の立場からすると、出版物は何でももったいない。
コントライブのアンケートや脚本はスキャンしてデータをDropboxで共有する。
大学受験時に作成した英語のノートだけは実物が欲しいのでいつか手渡しで、と頼まれた。とっておこう。

一応いらない紙が部屋からなくなったのはありがたい。
息子が家を出るにあたって必要な書類を渡すために整理して以来、ほとんど手つかずだったからね。
カタログとかは片づけ魔のせいうちくんがこまめに捨ててしまうが、あらゆる隙間に未整理の紙は忍び込む。
スキャナがなかったらどうなっていたかと思う。
他人事ではあるが、書類の多いおうちはぜひScanSnapなどある程度の大きさの実用的なスキャナを買ってもらいたいものだと切に思う。

そろそろ通販のセシールにも紙のカタログを送ってくれなくていいとお願いするべきなんだろう。
日頃、電子カタログでほぼほぼ用が足りてるわけだから。
まあ、こっちが探してない時でも訴求力があるという点では紙のカタログやチラシを刷って配る行為にも意味があるんだろうが、ひたすら紙がたまっていくのは本当に困る。
昨日の早朝、新聞配達のバイクを見て初めて「そうか、まだ新聞って配達してるんだ!」と新鮮に驚いたぐらい。
なのになぜ、中古の安いセットはともかくとして、マンガの最新巻を全部Kindleで買う決心がつかないのか、自分よ。

20年8月13日

全国的にわりとお盆休みだからなのか、Gくんが時々「野良飲み会」を開催している。
彼自身は年中盆休みの男だが、他の人もヒマかもと思って、自分が飲んでるついでに気長に糸を垂らしているらしい。

狙い通りと言うか、少なくとも年中ヒマな私と今まさにお盆休みでヒマなせいうちくんはもう2回もお邪魔している。
昨日なんか酔っぱらった彼と話が通じなくてこっちが一方的に機嫌悪くなったぐらいだ。
今日聞いてみたらきちんと覚えていて、昨日よりずっと正確に説明してくれたのでやっと理解できて、私の気持ちもすっかり晴れた。

昨日の途中でGくんの知り合いがちょっと来てすぐ帰った件も、たまたまうっかり飲み会招待状を開いて入ってしまったのだろうと結論が出た。
と言うのも、今回もくらぶの人が一瞬入ってきたのだ。
マスクをしていて電車に乗っている雰囲気で、「あっ」と言うなり画面から消えた。
スマホを触ってるうちに、飲み会に参加する意図なしに入ってしまうことはあるらしい。
いくら何でも電車の中から参加するツワモノはおらんだろうからなぁ。

そんなことがわかってよかったよかったと思ってるうちに、毎日釣れるタボハゼみたいな我々とは別の誰かが、間違いとは言え釣れたことでGくんは気がすんだらしい。
「じゃあ、今日はこのぐらいにしておこうか。さよなら」

ああ、ついに我々はGくんから飲み会の終わりを宣言される存在になってしまった!
せいうちくんけっこうやる気になって、しっかり飲み始めてたのに。
まあいいや、明日はGくん主催の公式zoom飲み会だ。
朝の5時に寝て午後15時に起きた夏休み中生活の体力を見せつけてやる。リベンジだ!

20年8月14日

時々、使わない日記を「書けない週」のためにとっておいたり、ふくらます前の話題をネタ帳みたいにメモしておいたりする。
去年の12月に中学受験のネタをメモしたおいたものが、新型コロナで塾がリモートになったりせいうちくんの勤務がテレワークになったりで、もう当分使えない気がする。
多少なりとも涼をとっていただくためにも、使っちゃおう。
何もすることのない夏休みはネタ枯れなんだ。

題して「中学受験が歩いてた」
12月の寒いバス停に会社帰りのせいうちくんを迎えに行った時の話。
息が白くなる夜の道を思い浮かべてお読みください。

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同じところでバスを降りて歩いてく、いかにも塾帰りといった雰囲気の小6ぐらいの男の子と、その父。
父「東大は、官僚を作るための機関だからな」
子「オレ、東大行こうかな。きっと門前払いだけど」
父「関西なら、阪大か神戸大。京大は研究に強い」

エリートが作られていくさまを、見てしまいましたよ。
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いや、こんだけなんですけどね。
今年は知ってる子の大学受験と中学受験があり、どちらもたいそう難しい、私からすると仰ぎ見るような話なので、望む成果が出ますようにと今からもう手を振り絞ってお祈りしています。
受験自体、新型コロナでいろいろ難しい点も出てくると思うけど、全国のあらゆる受験生のご武運を祈り、ついでに受かったあとの新生活も順調なれと願っている。
要は「新型コロナ、早くおさまれ」なのかな。

20年8月15日

土曜なのに金曜zoom飲みの話。
しばらくは毎週金曜にやってみるらしい。
「金曜は会社の(なかば以上仕事の)ワイン会があって」と言っていたUくん、今日はお盆休みでワイン会もなかったとのことで、珍しく21時過ぎから登場した。
別荘にいて「ギガが減るのが心配」と言っていた長老も、音声のみなら充分参加できるらしい。
そのうちSくんHくんが来て、ほぼいつものメンツ。

Hくんはずっと背景にカノジョのGIF画像を同時に2種類も流すという複雑なワザを駆使していたんだが、何しろ長老が「画像は見えてない」状態で、話題にするのがはばかられた。
ここまでの労作に、またそれに至る情熱について、一切触れないのは断腸の思いだったので、
「Hくんの背景動画が複雑すぎて」とだけコメントしておいたが、他には何も語られず、1時間半ほどずっと黙って参加していたHくん、何度目かのセッションアウトをきっかけに落ちていった。
次回長老が、画像見られる状態で盛大に突っ込んでくれる日を切望する。

最近自分でも怒りっぽくなったと思う。
人の考え方が気に入らないとかではないんだが、筋が通ってないと「ん?」となり、追及が止まない。
ほどほどにしとけ、と冷静な自分が言っても「正しさ」を求める自分は容赦ない。
もちろんこっちのカン違いがあったり論破されたりしたら潔く謝るんだけど、そんなの、ケンカすれすれの感じ悪い話し方をする埋め合わせになってるかどうか。

日頃せいうちくんしか相手にしてないのがいかんのかなぁ。
あの人はお母さんからキッツキツに物言われるのに慣れてて私のキッツキツも全然平気なんだもん。むしろ喜んでる。
(こうして男性は自分の母親に似た女性と結婚しがちなのだろう)
たぶんせいうちくん以外の男性と結婚してたら、私は「モラハラ妻」として家裁の調停に引きずり出されていたと思う。
社会経験がないところに輪をかけて、「キッツキツな女性が好き」な夫と結婚してるのは正常な人間性を失う方向への舗装された道である、としみじみ思う。
飲み会で私にキツめに正誤を問われる皆さん、ごめんなさい。

20年8月16日


息子が出演する演劇。
本来はお客さんが入るはずの舞台で実際に演じたものを有料で配信する。
練習風景をTwitterで見たら、フェイスシールドつけて熱心そうだった。
もちろん本番は飛沫飛び散る舞台上であろう。
観客への配慮の結果、「とてもくやしいけど、配信でやります」となったんだね。

ノートPCをつないだテレビの前にロッキングチェア2脚を並べてスタンバイし、15分前から出始めたポスター画と「しばらくお待ちください」を前に素直に待つ。
始まりの諸注意アナウンスが息子の声なところからもう嬉しい親バカ。

出演者8人が小さな舞台であれこれと動くちょっとドタバタなコメディ。
さすがに狭いからか、全員いる場面はそれほど多くはない。
息子は元コントの相方と2人組で誘拐犯の役をやっていた。
昔に比べると演技上手くなったなぁ。声も出てるし。
動きにキレがあり、止まった時も姿勢が美しい。さすがNYでクラウンの修行をしたと自称する男。

これは息子には内緒なんだが、常時睡眠不足でテレビを見てる時が一番寝やすいため、途中で気持ち良~く眠ってしまった。
気がついたら誘拐事件が解決していた。
8人が並んで舞台挨拶してる。
チケット買った人は編集後のアーカイブを1週間観られる、と聞いていたゆえの油断もあったやもしれん。
翌日、さらに何度も寝ながらなんとか全部観た。

しかし、「見れたー?」と聞いてきた息子にはすまして返信する。
「見れたよー。お疲れさま。思ったより大役でびっくりした。声も大きく出ていてよかったよ」
この時点で全部観たとは言ってない。
息子は苦笑いしてる雰囲気で、
「『声が大きく出ていた』が感想の一番なのは複雑ね!笑」と返してきた。
来週の私の誕生日にzoomでお話する予定だから、その時たくさんほめるよ。

小中高大と演劇をやってきた人間としてはおかしいんだが、私は舞台演劇を観たことがあまりない。
(自分が出演した芝居はもちろん「観る」わけにいかない)
お金を出してきちんと観た舞台はつかこうへいの「熱海殺人事件」と山崎努の出た「リチャード三世」ぐらいだろうか。
アルフィーのコンサートにも行かないぐらい、リアルな空間で他の観客と「舞台上」を共有するのが苦手だった。
少しマシになったのは落語を聴きに行くようになってからかな。

息子が「生の演芸」にこだわる気持ちが今ひとつよくわかってなかったけど、週刊文春で読んだ岩松了の一文に感銘を受けた。

「演劇は、見る、見られるの関係の中で進んでいくものですから、そこに直接性がない映像とは自ずと違う問題を抱えるのだと思います。見られる前に、見せるという思惑があり、言うなればその思惑を、見られることによって見せたことへの感受性が生まれるわけです」

「舞台をオンラインで配信する試み、それもありだと思います。この厳しい状況の中で採算を考えたら、当然生まれる発想です。ただそれは、いずれ舞台が元の姿に盛るための一時的なあり方のように思えます」

それでも私のような舞台苦手人とか近くに劇場がない地方の人とかが観るきっかけにはなるねぇ。
逆にYouTube観て済んでしまうのが困りものだとしても、一定数は必ず残って入ってくると思えるよ。
岩松了も「演劇事始めの一環となれば」と書いていた。
息子の「生舞台人生」がまわりのニーズとかみ合ってうまくいくよう、祈ってる。

20年8月17日

溶けそうに暑い。
Twitterには、

日本「オレ、37.5度以上が4日続いてるんだけど、新型コロナだろうか」

などと書いてあるぐらいだ。
今日、浜松では41.1度を記録したんだって。インフルエンザでもそんなに出ないぞ。

せいうちくんの夏休み終了前々日は通院日&免許更新。
1日に2回の外出シリーズとなるため、暑さでくたびれないように出入りごとによく水風呂で身体を冷やし、冷房の効いた部屋で水分をたくさん摂って休んだ。
おかげであまり大きく体調を崩すこともなく、無事に夜を迎えられた。

スタートは午前中の病院。
「せっかく休みだから一緒に行くよ」と言ってもらい、数日前までその気でいたんだが、なんだかだんだん1人で行きたくなった。
20年ぐらいずっとカウンセリングに立ち会ってもらってたし、今のドクターも何度もせいうちくんには会って話している。
なかなか自分の気持ちや状態を説明できない私にとって、せいうちくんのアシストはものすごく助かるんだ。

でも、ほとんど生まれて初めてと言っていいぐらいの気持ちが生じた。
「これは私の問題だから、1人で話せるようになった方がいいかも」
もしかしたらすごく画期的なことかもしれない。
一方でせいうちくんに心を許せなくなったのかとか好きが減ったのかとか自分の心を疑ってみる。

「来ようと思えば一緒に来られるのに1人で来たのはいいことですか?」とドクターに聞いたら、
「いいんじゃない?あの人はあなたのことすごくわかってて、あなたのプロで、話がわかりづらくなると解説してくれてとっても助かるんだけど、僕は僕でまあ自分で理解しなきゃいけないこともあるし」とのこと。

医「人間は生まれて来ただけで喜ばれるんだけど」
私「母親は、『姉を一人っ子にしないためにあなたを産んだ』って言ってました」
医「ダメだよ、そりゃ!なんでそういうこと言うかね~!」
先生自身次男で、母親とお兄さんの癒着が強くて困ってた、実は今でも困ってるらしい。
医「母親が兄貴の嫁さんと折り合いが悪くてさ、今は老いた両親が2人暮らしだから『オレたちと暮らそう』って言ってるんだけど、母親としてはやっぱり長男と暮らしたいんだよねぇ」
わりとよく、ドクターの身の上話になるんだ。これもカウンセリングの一環?人に歴史あり?

「生きてるだけでいいんだから、なんかしなきゃとか思わないで暮らしてねー」といつものように言われて薬もらって、近くの図書館で待ってたせいうちくんと合流して本借りる。
今日はせっかく一緒に街に出たから糖質制限解禁日として天丼食べようと思ったのに、昨日のうちに調べたら月曜定休だった。がっくり。

せっかく決めたんだから糖質は食べよう、と回転寿司に行く。
しかし暑い夏だからか、廻ってるものがイマイチ面白味がない。
注文すればいろいろ食べられるが、なんとなく回転寿司の醍醐味は廻ってるのを取ることだと思うんだ。
正直、握ってるおにーさんに声かけるのが恥ずかしい。意外とシャイ。

そそくさとバスで帰って、エアコン強めにかけて部屋を冷やしてる間に水風呂に入って冷たい飲み物を飲む。
軽度の熱傷を負ったと思って、傷んだ身体を徹底的に冷やす。
すぐ寝る即寝るいつでも寝るのせいうちくんは軽く昼寝、私もゴロゴロと読書。

さて、外出第二陣は午後。役所の用事と免許更新。
役所はどうも私が年金をもらう件に関係するらしい。
(家庭内司法書士せいうちくんにまかせているので何もしてない)
すぐに終わって、免許試験場へ。

ゴールド免許は5年間有効。講習も主にビデオ鑑賞で30分。楽だ。
せいうちくんがたいがい一般講習で2時間かかるのは、彼の方が不注意なドライバーだからではなく、運転する機会が多いだけだ。

免許を更新するまでの3年間、週末に買い物や通院で街中を走らせていておまわりさんにまったく咎められない人は、上手なわけじゃなくて運がいいんだと私は信じている。
事故を起こすわけじゃない、車線変更しちゃいけないところでしたり曲がっちゃいけない標識を見落としたり歩行者の邪魔をしてしまったり…またおまわりさんってのは、高確率でそういう場所にいるものなのだ。
春の交通安全週間などでは、違反が起こりそうな場所に意図的にいたりする。
手前で注意喚起してくれた方が交通安全につながるのに、罰金と検挙率が欲しいに違いない。

平日15時のわりには駐車場がけっこう混んでて、でも建物内はソーシャルディスタンスが保てる程度の混み具合で、ちょうど講習が始まる時間ぴったりなところに飛び込めたのでスムーズに終わった。
外の椅子で待っててくれたせいうちくんと一緒に新しい免許証受け取って帰る。
写真がものすごく不本意な出来で、これから5年間これで過ごすのかと思ったが、まあ免許証なんてそうそう人に見せるもんでもない、これが新聞に載るような事件だけは起こすまいと決意する。

次の更新には来ると思うが、さてその次ってどうなんだろう。
もう71歳だよ。最近の風潮だと返納が推奨されてるよ。
その頃には老人ホームに入ってるかもだし、返納に来て「運転経歴証明書」もらうかも。
「それ何に使うの?」ってせいうちくんに聞かれた。
ビデオ屋の会員になる時とかに使うんだよー。
運転免許って持ってる人にとっては一番よく使う身分証明じゃん、それがなくなる不便を解消するためのものだよ。

本当によく、10年後の自分とか考える。
歩けてるだろうか。読めてるだろうか。書けてるだろうか。
息子が私の友達から「お母さんにどのくらい長生きしてほしい?」って聞かれた時、
「読んだり書いたりが好きな人ですから、それができなくなったら本人もつらいと思うんです。そういう健康寿命を考えると、70歳ぐらいですかねー」と答えていた。
親のことよくわかってる冷静な息子で助かるが、あと10年ないのか。ますます考え込むなぁ。

20年8月18日

せいうちくんの夏休みが終わってしまう前に7時就寝17時起きみたいな生活をなんとか正常化しようと薬をどかっと投入したら、最終日の今日は眠くて眠くてずーーーっとぼーーーっとして過ごした。
せいうちくん本人はけっこう仕事のアイドリングも始まっていて、妻が寝ていてくれるのはウェルカムだったらしい。

夕方、やっと使い物になるぐらいになってノートPCの前に座り、せいうちくんが仕事してる間に日記でも書いてしまおうかと思ったら、Gくんが「野良飲み」のお誘い告知を出してきた。
瞬時に参入したら、「おわ、びっくりした」と開催者本人の方が驚いていた。

しばらく2人(横で聞いてるせいうちくん入れたら3人)で話していたらYちゃんが来た。
最近定例飲み会に来ないと思ったら、夜は自室にこもっていてドアを閉めると暑すぎるため、会話がうるさいzoomには参加しづらかったらしい。
今はまだ夕方だからリビングが使えて、しかしこれから晩ごはんを作らねばならない、と20分ほどで退出した。

そのへんでせいうちくんも仕事終わって本格的にお酒持ってきてGくんと政治を語り始めたので、今、ノートPCの前には彼が座っていて私が交代してメインPCに向かい、2人の議論を聞きながら日記書いてるわけだ。
かれこれ2時間、GくんのMessenger部屋は続いている。
多少極論だけど政治を語るせいうちく、カッコいいぞ。

20年8月19日

友人の妹さんで我々夫婦とも何度か遊んでくれてる人が、銀座の画廊で個展を開いた。
「夏休み明けだからではなく、通勤は久しぶり」とちょっとふらふらしてる会社帰りの大内くんと銀座駅で待ち合わせして、見せていただいたのはフランスの風景を中心とした素敵な油絵。
20点以上の絵はどれも見ごたえがあり、2人で「どの絵が一番好き?」と聞き合っていたら、クリーム色の壁に赤い扉の建物、その階段に木漏れ日が影を落とす風景で一致した。

お姉さんが受付をしていたので、お客さんが我々だけになった時に少しゆっくり話ができた。
妹さんと一緒にフランスに行ったこともあるが、もちろんツアーなどではなく、全部本人が予定を立てて宿も押さえるハンドメイドの旅行だそうだ。
「すごいねー」「すごいわよねー」と妹のパワーをたたえる、その姉本人も40年以上ずっと人気マンガ家を続けている。
「やり遂げる力、ってのはDNAなのかねぇ」とつぶやく、そういうものの持ち合わせのない私たち。

そのうちお勤めを終えた画家本人が現れたので、個展おめでとうございますとかしこまって、用意の花束を渡す。
せいうちくんと共に取り囲んで、一問一答。

Q. フランスには何度ぐらい行ってるんですか?
A. 5、6回かなー(横からお姉さんが「10回は行ってるわよ」と訂正。10回も!)

Q. 現場でスケッチしてあとは写真ですか
A. イメージはつかむけど、主に写真を見て描きます

Q. 1枚描くのにどれぐらいかかりますか?
A. 1時間…じゃない、1カ月ぐらいかなぁ(ああ、最初を聞いてびっくりした)

Q. テンペラ画もあると説明されてますが、テンペラって何ですか?
A. 顔料の一種で白いんです。卵の殻を砕いて、卵黄とか油とか混ぜるんです。いろいろ調合法があります
(「マヨネーズみたいですねー」と言いつつ、マンガのホワイトみたいに使うのかなーと想像)

よくzoom会でご一緒するんだがリアルにはなかなか会えないYちゃんとも会うことができた。
手作りマスクをいただいだ。ありがとう、Yちゃん!
アベノマスクのパーツを再利用してるのだそうだ。マメだなぁ。
こういうご時世なので皆さんマスク着用で記念写真をした。

撮った何枚かの写真を見ていると、我が夫のことながら画廊の大内くんはなかなかカッコよくて絵になる風情だ。
こんなにすらっとして見えるのに、なにを好んで小太りのおばさんと結婚してるんだ?って真剣に悩むほど。
この姿をキャンバスに描いて残す情熱があったらなぁ…

あらゆることに、情熱を持って取り組めるのは人生の財産だよね。
最近、「読書と映画鑑賞は趣味とは呼べない。誰でもちょっとはする」との結論に達しつつある我々は、老後に趣味を持たないといかんのではないかと強迫観念に取りつかれている。
個人的には大内くんと合唱団に入ってみたい。
もちろんオペラとかドイツ語の歌を唄うやつではない。
青春フォークとか、できればアニソンだとものすごくいい。
これからはそういうのも増えるんじゃないだろうか。
アニソン合唱バージョンの楽譜を手に入れるのが大変なのかもしれないが…木尾士目の「はしっこアンサンブル」でも読んで、合唱楽譜の入手法を研究するか。

20年8月20日

エアコンで必死に防御はしてるが、あまりにひたすらかんかん照りの外界を観てると腹が立ってくるので、せめてもの腹いせに洗濯物をぱりっぱりに乾かさせてやろう、と思う。
いやもちろん梅雨時だろうが寒かろうが洗濯はするけどさ、こういう日々ほど太陽光をふんだんに利用し、惜しげもなく酷使できる時もないから。

今日は衣服をずらりと干し、明日は明日のピーカンをこき使うべく布団カバーもシーツもベッドパットも全部はがして交換。
夜のうちに洗って干してしまって、あとは翌日の太陽に任せるのが我が家流。
しかしシーツ交換はくたびれる。
世間体があるので週1ぐらいに洗ってるが、皆さんのおうちって本当はどのぐらいの頻度で寝具の交換してるの?
「男おいどん」系の男性から「年に1回」とか言われると、それはそれでもっと現代人っぽく生きようよ、とは思うんだ。サルマタケはきっと不味いぞ。

 ただでさえ汗をかくので、ベッドに座って枕カバーを替えたり寝転んでベッドパッドとシーツの隅を一緒にマットレスの一角に押し込もうとしてみたりする。
そしてすべての動作をゆっくりゆっくりしてみる。
そこまで努力しても、私の体力には余る作業で、小一時間かかったうえに汗だくになった。
今日の分の洗濯物を取り込んでさらに汗だくになったところで、自分も丸洗い。水風呂に入って涼を取る。

しかしだね、その水風呂全然冷たくない。
こないだ友人がFBに載せていた記事によれば、湯船にためた時点で水温すでに28.8度だったそうだから。

20数年前に子育てしてて、息子とその仲間たちを一列縦隊に並ばせて公園まで引率行進し、水鉄砲あそびを散々させていたあの頃、夏はこれほど暑くはなかった。
しかしその当時、まわりの年かさの人たちは「昔はこんなに暑くなかった」と言っていたわけで、つまりやっぱり地球は年々温暖化しているんだ!どうしよう?!

その息子からメッセージが来た。
「ラタトゥイユって作り方どんな感じだったっけ?今日、家で作ろうと思って」
この場合の「家」とは我々の家ではない、彼とカノジョの家だ。
もう、するするとそっちを「家」って呼ぶようになったんだなぁ。しみじみ。

私の材料と切り方、調理の仕方などをざっくり書いて、
「コツは、絶対に水を足さないこと。野菜からびっくりするほど水が出て、水位が上がってくるから大丈夫」
「あと、気をつけるのは塩加減ぐらいかな。足りないと充分に水が出ないし、入れすぎるとしょっぱい。難しいのはそこだけかも。20~30分ぐらい煮るかなー。頑張ってね!」と伝えると、
「ありがとうー!お家ほど大きなお鍋がないので2食分くらい作ってみるね」と返してきた。
胸キュン同棲生活だね!

そうそう、もうひとつけっこう大事なこと。
「面倒だけど野菜は全部先に準備してそれぞれボウルとか器に入れておく。炒め煮しながら次々切って足そうと思うとあわてちゃうから」
これはどんな料理を作る時でもかなりのキモなんだよ。
「なるほど」と言われて、レクチャー終わり。美味しくできますように。

あとでGくんとの野良飲み会で嬉しい話として語ったら、
「なるほど、そういう親孝行をするわけね。ググればすぐなところをわざわざ聞く、と」だってさ。
「実家で食べた『あの味』が食べたいんじゃん!」とゴネたら、基本的には息子と私の関係に親切なGくん、
「あ、そういうことね」と引っ込んでくれた。
まだ宵の口で飲みが浅かったからかもしれない。
心底酔っぱらった状態の彼がなんと言うか、興味のあるところだ。
今度もういっぺん聞いてみよう。

20年8月21日

サークルOBたちでマンガを描いて同人誌を作りたいからと言って、去年突然「板タブWACOM」を買ったせいうちくん。
(忙しくなってしまい、もうずっと頓挫してるけど)
私はデータになってるマンガ読むためのiPad Proを使えばいいや、って液タブ派。
ちなみに「板タブ」ってのは手元の板みたいな器具に電子ペンで描くと、つながってるPCのモニタに絵が出る、つまり手元と絵が出る場所が別という奇ッ怪なもの。
液晶タブレットに描いたペン先のそのポイントから線が発生する「液タブ」の方がリアル筆記具に近くて私は好きな気がする。

まあこうして両方の装備を手に入れ、次は使い方。
サークルの長老がせいうちくんの板タブのお師匠さんなので、この際いろいろ教えてもらおう。
というわけで本日は「zoom電子作画講習会」。

スムーズに始まるまでにはいろいろあった。
長老のWACOMはMac仕様でせいうちくんのはWindows仕様なので、少し使い勝手が違うようだ。
そこを何とか調整しながら、今度は長老のモニタは縦長でうちのは横長。画像の大きさが違う。
なんと実はピボット機能付きでぐるっと回して縦長にもできる我が家のモニタ、せいうちくんがえいっと縦長にした。
しかしその頃には、長老の方でも、
「実際にマンガを描くには縦長と思うが、教えるには横長の方がやりやすいかも」とモニタを横長に直してしまった。
こちらも合わせてえいっと戻す。このモニタ買って初めてだよ、こんな動きさせたの。

さらに、長老のPCが2度ほど落ちた。なかなか復活しない。
「WACOMはメモリを喰うためかねー」と言い合い、せいうちくんは仕事をしながら、私は日記を書きながらぼけーっと待ってた。
ようよう復活した長老によるとメインマシンのMacをつなぐコードが無茶苦茶熱くなってるそうで、原因はわからないまま、Wi-Fiモードでつなぎ直して何とかなった。再開。

まずは「Clip Studio」略してクリスタというソフトの使い方の授業。
ページの設定に「マンガ」と「同人誌」のモードがある。
「同人誌」だと割付(本にする時の設計)もしてくれるので、「見開き」も描けるんだそうだ。
今はそこまでの必要はないから、1ページマンガを描くつもりで「マンガ」に設定。

次は「レイヤー」の概念を教わる。
アニメで透明セルを重ねるように、絵の上に別の絵を重ねることだそうだ。
「ページ」ほぼほぼイコール「レイヤー」と考えればいいらしい。

それから「ベクター」。
これは私にはちょっと難しい考え方だったのと、使うかどうかよくわからないものなんだが、書いてしまった線を太らせたり細らせたりできる作業らしい。
まあ、ホワイト修正するより楽かな。

「UNDO」と「DO」の概念も大事。
「UNDO」とは、ひと言で言って「さっき描いた線をなかったことにする」。
ワープロ機能なんかでよく⤴とか⤵とか見るじゃないですか、あれで「さっきの作業を全部チャラにする」とかやるのと同じ要領ね。
「Alt+y」とか「Alt+z」とかで操作できる。

ここでソフト側のクリスタの操作法を離れて、ハード側であるWACOMの使い方になる。
WACOMという「板」についてるボタンに、さっきのキー操作を記憶させる。
これで、ボタン一発で「やり直し」や「取り消し」ができるようになるし、さらには「回転」「ズームアウト」「ズームイン」などの操作も登録できる。

そしてまたソフト「クリスタ」の使い方に戻り、写真を取り込んだり絵を加工したりのフォトショ的な操作を習った。
長老の最近の代表作「武田久美子の貝殻ビキニがアベノマスク」をどう作ったかの実践編を見ることに。

準備段階としては、武田久美子のビキニ写真をPCに取り込み、3か所の貝殻を代行させるためにマスクを着用した安倍首相の写真を3枚選んで取り込む。
それからビキニ写真の方の貝殻で不要と思われる部分を「貝殻のない部分の肌の色を覚えさせたブラシ」で消しておく。
これが準備段階。

その後、首相のマスク写真を少し透けるモードにして大きさを調節したり回転させたりして久美子の大事な3か所を覆う貝殻のひとつに重ね、マスクがちょうど貝殻の代わりになる位置に置く。
そうしておいて「棒の端に星がついているポインタ」、長老呼ぶところの「魔法の杖」をマスクの上でひと振りすると、あーら不思議、マスクの周囲に点線が現れ、さらにクリックすると勝手に微修正されていく。
そこで点線に囲まれたマスクのまわりを全部消すと、透明なセルにマスクだけが残った感じになり、久美子の大事な部分は見事にマスクで隠れてしまう。

この作業を3回繰り返して出来上がったのが、まあ、そういう写真なわけだ。
無数の安倍マスク写真から女体の曲線にふさわしく湾曲した3枚を選び抜く途方もない努力から始まる無駄な情熱に、しみじみと感心する。

フォトショ部分の知識がせいうちくんの役に立つかどうかはともかく、これで何とか電子作画の基本はわかった。
残念なことに長老は「枠線の引き方は知らない」のだそうで、そのへんは今後の精進が必要。
さて、せいうちくんが宣言した通りの「16ページのエロマンガ」を描けるのかどうか、それは神とクリスタのみぞ知る。
私は4ページぐらいのエッセイマンガしか約束してないから気が楽だ。
ああ、それでもiPad ProとApple pencilを使っての作画を練習しなければ!

14時から始まったWACOM講座は16時ごろには終わったが、場をzoomから実験的にMessengerルームに移して軽い飲み会に発展した。
ヒマそうなGくんも呼ぶ。
このまま21時からのGくん主催の飲み会まで続いてしまいそうな勢いだったが、夕方のスーパーの半額セールに行きたいGくんとさすがにくたびれた我々は休憩を入れようと提案し、やや不満そうな長老も腰を上げ、いったん解散。
夜は夜で飲み会、明日は私の誕生日なので息子とzoom飲みだ。
新型コロナは別方向から私の生活を破壊している。

20年8月22日

なんと心臓の定期検診に行くの忘れた!
ほとんど初めてのこと。
昨日の飲み会が結局朝の6時まで続いて2人して何も考えずに昼過ぎまで寝てしまい、買い物まわりを済ませた頃になって初めて、病院からせいうちくんの電話に着信があったことに気づいて「あっ!」となった。
土曜日でもう閉院してる時間だったので、月曜に電話してみよう。

毎日のまなければならない薬は余分にもらってあってよかった。
「処方も毎回変わりますからねぇ」とひと月分以外を出すのを渋っていたドクターだが、今は2.25mgってのは自分で把握してるから、3.75mgもらっていた時の小袋を取り出して7日間分開封し、1mgと0.5mgの錠剤を取り除けて、2.25mgずつをピルケースに入れる。
(もちろん余った錠剤はまた別の時に使うよう分けてとってある)

結局、翌週金曜に行くことになった。
毎日のむ薬と手術痕の痛み以外は、もう通院を意識しなくなっているということか。
3年だもんなぁ。

で、その飲み過ぎた話だが、毎週毎週ほぼ同じメンツで飲んでると金曜夜の飲み会の話を書くのはどうしても土曜になる。
いろんなことが盛り上がって廃れていった現世のことを思うとはかない気持ちになるが、人に会える限りは会いたい自分としては毎回行きたい。

6、7個の画面が並ぶ中でせいうちくんに声をかけると、聞いてないことがとても多い。
「せいうち夫婦はずっと離婚の危機だと思ってた」とGくんに言われてびっくり。
「私が人格否定するような勢いでせいうちくんの悪口言うから?本人にも言ってるけど、全然気にしてないよ」と抗弁したら、Sくんからひと言、
「モラハラしてる人はみんなそう言う」

せいうちくん寝てたから意見の聞きようもなかったけど、
「僕は何とも思ってないよ。うさちゃんは僕のこと愛してくれてるよ」とかばってくれたところで、
「モラハラの被害者はみんなそう言う」って言われてたかも。
実際どうなのか。
せいうちくんとは共依存だとは思ってるが、それはモラハラの被害者と加害者の関係なのか。うーん…

良かった話は、せいうちくんは「鉈(なた)」のように大雑把に切り拓き、まわりの人が細かく整える形になりがち、と話していたらSくんが、
「せいうちは、鉈でさえないよ。『やぶこぎ』を何とも思わないタイプなんだよ」

「やぶこぎ」ってのは、ググると「ササや雑草、タケ、灌木等が繁茂し進行がままならない山野をかき分けて進む様子を表した言葉である」って出てくる。
道なき道を行くタイプか。
目的地が藪の向こうにあり大迂回しないと行きつけない場合でも、直線距離というか最短距離というか、まっしぐらに目的地そのものを目指してしまう能力かと思う。
Sくん、ものすごくいいこと言った!せいうちくんはまさにそういう男だ!

「やぶこぎ」のメリットもデメリットもあろうが、私は目的の為なら手段を選ばないところはあるもののどうしても考えに考えて「ベストな方法」を考えてしまうので、せいうちくんのように「労を厭わない」人は、人生に一番必要な得難いパートナーとなる。

たぶん私は天からの啓示のようにまっすぐに目的地を指すだろう。
そして、足弱でひるむ私を背負って、せいうちくんはまっしぐらに「やぶこぎ」してくれるだろう。
「このまま、まっすぐ!」と、背中の私の声に励まされて進むだろう。
運命が示したその場所に、それぞれ1人では行き着けない。
一緒に無事に到達したい。

夜が更けてGくんと2人きりで話し込んでるあたりでせいうちくんがトイレに起きてきた。
書斎をのぞいて「あー、まだやってる!もう3時半!」と驚いてた。
5時間近く寝ていた彼なので元気で、そのままGくんと話し始めた。

「離婚の危機だと思ってるんだって」とあれこれ説明していたら、Gくん、
「ふーん、ホントに何でもしゃべってるんだー」と、これは感心してるのかあきれてるのか。
まあ危機でも何でもないと納得してもらえたと思うんだが、自分には当たり前のことも他人からは全然見えなかったりする。
悪口ばかり言ってるとホントに仲悪いと思われちゃうから、ちゃんと大きな声で言っとこう。
せいうちくん、大好きだ!

しかしGくんは日記を毎週読んでくれてるんだけどなぁ、それでもなお、誤解する余地があるのか?
私のモットーが、

「人をほめる時は大きな声で。悪口を言う時はもっと大きな声で!」(田中芳樹「銀河英雄伝説」ビッテンフェルト家の家訓より)

だからいかんのか。

そんな今日は誕生日。
1日かかって「わざわざ誕生日を祝ってくれる友達が20人以上もいたのか」と涙ぐむほど、お祝いの言葉をいただいた。
皆様、ありがとうございます。

せいうちくんにはよくあることで、
「日付が変わったらおめでとうを言いたいんだけど、眠くなっちゃった。明日の朝、起きたら言うね。とりあえず今も言っとくね。おめでとう!」と言いながら11時半に寝てしまった。
4時頃トイレに起きてきて私がまだ起きているのを見て、「おめでとう!」と盛大に言っていた。

3年前のFACEBOOKによれば、同じような状況で寝て翌朝起きた時に私が、
「なんか言うことないの?」と聞いたところ、
「おはよう」と答えていたようだ。
3年の間にかなり進歩したと言ってもいいだろう。

去年は還暦だったので同窓会が3つもあって、2度名古屋に行くにぎわいようだった。
あっという間に1年がたってしまい、還暦は少しめでたくて嬉しいがそのひとつ先はただの老人の始まりだとつまらなく思う。

最近zoomで話した中学の同級生女子たちも同じように思うらしく、
「去年は楽しかったわよねぇ」と盛り上がった。
これから古稀の70歳ぐらいまで何の動きもない。
第一今どき70歳ぐらいでは全然「古来稀なり」などではないじゃないか。

人が70代で亡くなると「早いわねぇ」と言われるようになってしまったこの時代に両親は72歳と78歳で亡くなっているので、立派な早死にの家系。
おまけに父の両親は50代と70代、母の側は20代と30代で亡くなっているんだ。ますます短命に磨きがかかっている。
80歳より早く自然死ないしは病死した親戚がいない、なんなら90過ぎまで生きた人がごろごろいるせいうちくんの家系とは生き物として違う種類なんじゃないかと思う。

そんな誕生日を祝うため、息子とzoom飲み会。
パチンコ屋でバイトする彼にはリスキィで会えない。
「暑いね。でも職場は冷房が効いてていいよね」と少しでもはげまそうとしたところ、彼の勤める店はエアコンが効かないので有名なんだそうだ。
わずかに慰めになるのは使い捨てマスクを毎日店側が支給してくれてるってあたりかなぁ。
そこがピンチだったら、洗えるマスクを送ってあげようかと思ってたぐらいなんだ。

ともかく彼は元気で、いささか元気すぎた。
「もう15分」「悪い、あと15分で終わるから」とオシていたコントグループのミーティングの興奮が残っていて、新体制を熱っぽく語っていた。

どう聞いてもリーダーの息子が脚本を書くのが遅いのでメンバーが迷惑しており、「管理をなくすることにしたんだ」と語る不思議な話をよく聞いてみたら、「全体の進行管理をプロデューサー役のSくんがもっと厳しくおこない、脚本も基本はSくんが書き、手が回らない時は息子に発注する。息子の権限は大幅に減る」という、どちらかと言うと「息子を糾弾し、運営を現実的に管理する」話で、息子はかなりわけがわからなくなって逆方向の説明をしていた。
印象的な言葉は「仲良しグループじゃないんだから」で、だれが言い出したか知らないが、こういう認識が生まれたのは本当に良かったと思う。

コントの大好きな、似たセンスを持ったグループのメンバーたちではあるが、やはりまだまだ若いので5年後10年後に誰が残っているかははなはだ怪しい、若者ノリの集団であるのは否めない。
「コント観の相違」での離合集散はいつか必ずあり(すでに何人かの入れ替わりがある)、志があればあるほどお互いに離れる日も来るだろう。

もちろんこれからも一緒にやっていくだろうし、誰もがコント愛とそれぞれのいい感覚を持っているので、楽しみに見守りたい。
ただ、わりと気ままにやっていた息子にちょっとだけ喝が入った感はある。
これをどう受け止めていくかで、彼の成長も違うだろう。
こっちはこっちでいろいろ愚痴をこぼしたいこともあったが、そんなスキはなかった。

軽く躁状態の息子を「元気だなぁ。前向きだなぁ」と面白く眺め、励まし、新型コロナがおさまったらまた会おう、それまでもこうしてzoomしよう、と約束して、彼をコントグループと両親から解放して同居のカノジョに返した。
おだやかに眠れるように、カノジョが彼の心を鎮めてくれたらいいと思う。

私には私の行き場のない気持ちが余ったので、
「ドラえも~ん」とせいうちくんのおなかにしがみついて号泣した。
ポケットはないけどなかなかふかふかしていて気持ちがいいものだ。

今日一番驚いたこと。

「24時間テレビをどう思う?」と聞いてきた息子の話をつらつら聞いていたら、あまり一緒に暮らしていない重度障害者の姉を持つせいか、彼の関心は大きく障害者(「そう呼んでいいのかどうかもわからない」と彼は言う)に向いているようだった。
それも、とてもセンシティブで優しい方向へ。

そこで話し始めたのが、プロジェリア(普通の人の数倍の速さで年老いてしまう原因不明の病気)の外国の女の子を数年にわたって取材した番組をよく覚えているって話。

「何度か見たよね。アシュリー・ヘギちゃん。同じ病気の子が集まるキャンプで会った仲良しの男の子がいたよね。ケン・タゲットくんだ!」とどんどん思い出している様子。
彼が小学生の頃だったのに、どんな思いで見ていたのだろうか。
「タゲットくんが先に亡くなったんだよね。番組でそこまでやっていた」
うん、私たちも覚えているよ。

身体に不自由のある人たちも、心に不自由のある人たちも、どっちも苦しい人生を送っている時代で、そのことに目が向くようになったのはいいかもしれない。
ただ、目が向く時に必ず起こることだとしても、賛否両論に交じって極論が出てくる。
生命の質とか生きる資格とか自己責任とか。
私は障害者の娘を持ち、自分自身も心に不自由を持ち、誰もが恵まれた生を生きる権利があるとは思わない考えの持ち主として、自分と自分の家族を守る以外の何の力も持たない。

20年8月23日

熱中症が出るほど暑い夏はむしろ嬉しい。
していいこととしていけないことを周りから言われ、どう感じるべきなのか外から指導されるからだ。
自分で「暑いからエアコンつけよう」と思うのは本当に難しい。
つけっぱなしでもあまり責められないほどの夏が、ありがたい。

今日も借り物の自信をもってエアコンの中で暮らした。
「誰がそんなにキミになんでもかんでもダメって言ったの」とせいうちくんはちょっと不機嫌だった。

20年8月24日

「THE ALFEE 46th Birthday 夏の夢 無観客配信ライブ」の1夜目、「Birthday Eve」だった。

配信とはいえ、生まれて初めてのアルフィーイベント参加。トークもアンコールもないと聞いていたが、両方しっかりあった(笑)

人混みが苦手で人と「アーティストを愛する気持ち」を分かち合うのが苦手で、コンサート会場見ると「うーん、これだけの人数が同じ好みなのか…」となんか萎える(こういうのを「同担拒否」と呼ぶらしい)ので一生コンサートは無理かと思っていたら、新型コロナの余波で面白いことになってしまった。人生何が転がってくるかわからない。

チケットも買えて準備は万全と思っていたのに、1時間前に入場を始めようとしたらテレビに入れたつもりのアプリではできないようで、あわててノートPC持ってきてつないで、事なきを得る。あせった~(汗)

コンサートDVDはよく観るんだが、なんだろう、音とか迫力が違う。
「まだ誰も聞いてない」「一期一会」のなせる業かしらん。音はいつもより鋭く澄み渡り、照明は眩しく煌めき、3人の声はどこまでも届きそう。

トークはほぼ初めて聞いた。噂にたがわぬ面白さ万全の掛け合い。
高見沢さんの小説の話になってたなぁ。
まだ1冊しか読んでないんだ。「音叉」の方。
「秘める恋、守る愛」は図書館から借りて本棚にある。
この熱と勢いを借りてばりばり読もう。

新しめの初めて聴く曲が多かったけど、大好きな「THE AGES」や高見沢さんもアコギ弾いての「シュプレヒコールに耳を塞いで」はサイコーだった。
あと、当然高見沢さんのギターは面白かったよ。
ヤッターマンやゴジラギターを見た。
ゴジラのしっぽつかんで弾くってのは発想の外だったなぁ。

1時間40分のところで名残り惜しく終演。
しかし、無観客のはずの客席から「アンコール、アンコール」の声が響く。
「無観客なのにアンコールの声が」と笑いながら3人が出てきた。
桜井さんはきっちりとした三つ揃いの上着を脱いで、袖まくりをしている。
うーん、ベスト着用の男性の袖まくり姿ってのは相当クルぞ。

アンコールが始まり、件の「星空のディスタンス」「シンデレラは眠れない」「SWEAT & TEARS」で締め。
明日は「Flower Revolution」か「ROCKDOM」か「Long Way To Freedom」で締めるに違いない、と勝手に大胆な予測をして楽しむ。
「特にファンなわけじゃないのに、30年隣で聞いてると古い曲は全部知ってる自分が恐ろしい」とつぶやくせいうちくんと、明日は第二夜を観よう!

20年8月25日

アルフィー夏イベント「THE ALFEE 46th Birthday 夏の夢 無観客配信ライブ」の2夜目、「Birthday」。
2晩続けて楽しませていただいた。
46年前の8月25日に彼らはデビューしたのだそうだ。
Happy Birthday、THE ALFEE!

二夜まったく違うセットリストで来るのかなと思っていたら、ニューシングルの「友よ人生を語る前に」とニューアルバムからの「Battle Starship NEO」と「進化論B」はさすが売り出し中なのか、両方でやってくれた。

今一番話題のワードが入ったあの歌、今こそ歌うべき「星空のディスタンス」もきちんと2回。

「星空~のし~た~のディ~スタンス
 ま~も~ろうよ ソ~シャルディ~スタンス
 さえぎるコロナ 乗~り越え~て 
 こ~の胸にもう一度ぉうぉうぉう」

との替え歌から、正統版「星空のディスタンス」フルコーラスきちんとやってっくれた。

今日の高見沢さんはグラディエーションのと全体黒いのと2種類のサングラスをしていた。目が疲れたのだろうか。

グラディエーションサングラスはヤバい。
日頃はメガネをかけない高見沢さんだからこの程度の好きさ加減ですんでいるのであり、メガネ萌えの私としては昔写真集でボストンフレームをかけたご近影を見た時は鼻血が噴き出すかと思った。
今回も思わず「わー!」と叫んで、サングラスかけて出てきたなんて全然気づいてない鈍感せいうちくんをびっくりさせてしまったのだった。

アンコールの最後を飾る曲、一夜目は「Flower Revolution」だったので、大ラスの2夜目はアンコール前に「ROCKDOM~風に吹かれて」が出ちゃって、あれれ、そうすると超定番の「Long Way To Freedom」が来るかなーと勝手に予想してたら、二夜目も「Flower Revolution」が鳴ってあれれ、と思ってたら、大ラスは「SWEAT&TEARS」だった。
「Long Way To Freedom」ってある意味コール&レスポンスの曲なので、無観客ではサマにならないからかしらん。

しかしやっぱりみんな、あのへんの歌が好きなのね。
拳を突き上げたいのね。
(私も「星空のディスタンス」の「ファ~イブハンドレッドマイルズ き~み~にと~~すぎて~」のところで1人でこっそり五本指を突き出してました笑)
というわけで2回歌った歌が5曲あった。

一夜目に「シュプレヒコールに耳を塞いで」、二夜目に「AUBE~新しい夜明け」と「幻夜祭」を入れてもらえたのでもう、大満足。
2019年の歌が多くて、全然知らなかったよ。
最近CD買ってないんだなぁ、やっぱり10年以上前に廃業しちゃったファンなんだなぁってしみじみ我が身を振り返ったけど、まあ不問に処そう。

高見沢さんのエンジェルギター各種、ソードギター、ヤッターマンギター、ドラえもんギター、ゴジラギター(演奏すると首が赤くぴかぴか光る)が見られたし、坂崎さんのダブルネックギターも2種類も見た。
桜井さん新しいベース使ってるなぁと思ったら、昔はガムテープで補修してあった古いのもちゃんと弾いてくれてた。

ライブは何でもアクシデントがつきものなんだろうけど、THE ALFEEのコンサートDVDをたくさん買って観た感覚からすると、「アクシデントが多い」ないしは「修正しないでDVDに入れてる」!
高見沢さんが「走ってて転ぶ」のは有名な話だそうだし、歌詞忘れも日常茶飯事っぽい。
そういうところが愛されるんだろう。

今回見つけたアクシデントは、

1. 坂崎が紹介で「噛んだ」
2. 高見沢の長い髪がギター外すときかなんかに絡まってしまった
3. 桜井が高見沢の小説を茶化して「直木賞」と言うつもりで「植木賞」と言った(背後から「桜井さん、直木賞ですよ」と小声の訂正が入ったところを見ると、冗談じゃなかったらしい)

彼らもやはり「お客さんを入れてやりたいねー」と言っていたが、私のように人混み嫌い興奮しすぎるの怖いってタイプからすると、安心でありがたいライブだった。
そんなのライブじゃないよ、との声は置いといて、コロナのさなか、様々な経験をみんながしている。
吉とすべき点は吉として、次のステージに向かえればと思う。

20年8月26日

我が家は息子が警察で柔道を習っていた関係で「警察友の会」かなんかに入ってるのかなぁ、時々「事件のお知らせ」メールが来る。
わりと「カード預かり詐欺」とかのお知らせが多くて、手口を詳細に書いた上で高齢の家族などにも周知するよう指導される。

一方「公然わいせつ」があった場合は目撃情報が公知され、「不審な者を見かけたときは、すぐに警察へ通報してください」だ。

普段は、
■犯人の特徴
・年齢30から40歳くらい、身長170センチメートルくらい、体格中肉、黒色短髪七三分、白色Tシャツ、黒色短パン姿の男

とか、

■犯人の特徴
・年齢30歳代、身長170センチメートルくらい、やせ型,
茶色かオレンジ色のキャップ帽、青色長袖Tシャツ、色不明のズボン、白マスク

みたいな感じで記載されてるんだが、こないだ近所であったらしい事件のお知らせが笑えた。

■犯人の特徴
・40~50代くらいの男性、身長170センチメートルくらい、体格普通、髪黒色、ぼさぼさ、チェック柄シャツ、下半身裸、ズボンなし

「下半身裸!」「ズボンなし!」

いや、笑い事じゃないし、こういうところから男性の加害性・女性の被害性の対立があからさまに見えてくる。
しっかり取り締まるべきだろう。

しかし、新作落語で「露出さん」って傑作を聴いたことがあるんだよね。
地域に溶け込んだ露出狂が見守り役のいいおじさんになってるという、ある意味物議を醸しそうな噺。
ソフトフェミとしては断固断罪したい露出狂だが、「露出さん」には親しみを感じてしまいそう。
いかんいかん、これが男性の欲望肯定型の悪しき文化なんだ。
弾圧せよ制圧せよ去勢せよ!
と言うには私は男と仲良くしたいと思ってるし、配偶者に満足してるんだよね。うーん、困った。

20年8月27日

「キングダム」で、「ある有名な登場人物Aは死ぬ」と聞いていたので惜しいが推すのをやめて、別のキャラBを推していたらその人がいきなり死ぬ場面になって、あわてて次の推しを考えてしばらく休めていた手を動かしてページをめくったら、B、まだ生きてた。とりあえず、ほっ。

「『キングダム』をそんな読み方しちゃいかん。ほとんどみんな死ぬんだから」と友人に怒られた。
「鬼滅の刃」も同様らしい。
「どうしても推したいなら、主人公にしておけ。たいがい死なずに最後まで行く」と言われてもなぁ、竈門炭治郎を推す気にはなれないんだよなぁ。
素直すぎるっつーか、陰がなさすぎる。
もうちょっと性格に陰影が欲しいんだ、推しには。
それに、煉獄さんが死亡してから、もう何もかもどうでもいいよ。

そもそも主役が推しでいいなら、登場人物はあんなにいらないじゃないか。
今や誰もが「自分だけの推し」を持ちたい時代。多様性、ダイバーシティ。
だから大勢の「キャラ」がいて、常時人気投票が行なわれているんだ。

「エドガー派かアラン派か」しかなかった昔日をなつかしくも心安らかに思い出す。
あのチョイスの少なさはそれはそれで奥ゆかしく、良いシステムだった。
今のマンガはなぁ…大運動会じゃないんだからさぁ。
名前を覚えた頃死んでしまう、それが推しだ。

20年8月28日

先週忘れてた心臓の点検に行って、新型コロナ前から喉が痛い時のうがい用にもらっていたポビドンヨードをいつものようにください、って言ったら、
「うがいは気休めなんですよねー。誰かがヨードがいいとか言ったけど、水で十分なんです」とやんわり断られた。
ポピ村知事が言ったからくれってわけじゃないぞ、ずっともらってたんだぞ。
きっと隣の薬局が、
「誰も彼もがポビドンヨード欲しがって品薄です。あんまり処方箋出さないでください」って怒ってきたに違いない。
まあいいや、水でうがいしとこう。

心臓の数値はまあまあ、と言われてちょっと突っ込んで聞いたら、常人の7、8割のパフォーマンスであり、これはもう回復はしないので気をつけて過ごすに越したことはないそうだ。
後ろで聞いてたせいうちくんもうんうんとうなずき、
「手術した先生も言ってました。開胸して目視した心臓が、色も動きも悪かったそうです」
人の心臓を、そんな、活きの悪い魚のように言うな!

「まあ日本人はね、なんでかわからないけど、欧米に比べてあんまり死なないんですよ」と言うけど、確率としては低くても命はひとつ、なくすかなくさないか。かかったら死にやすい高リスク者なのはどうしようもない。
別に死にたくないわけじゃないが、今新型コロナで死ぬのはとても寂しい死に方らしい。
親しい人にも子供たちにも大好きなせいうちくんにも会えず、言葉もほとんど交わせないと聞く。
軽症で済んでも後遺症が残るかもしれず、けっこうな率で心筋症になることもあり、もともと心筋症なのにどうしたらいいんだ。
とりあえず、「かからない・うつさない」方針で行くしかない。

いろいろ考えとこうと思って、棺桶を選んでみた。
1万5千円ぐらいからあるのはけっこうだが、フタについてる観音開きの小窓がイヤ。貧乏くさく見える。
ちょっと五角形みたいな、ドラキュラが寝てそうな白い内張りのふかふかしたやつを探したけどなくって、なんとか好みと折り合いがついた中ほどから上半身分のフタがぱかっと横に開くタイプは15万円ぐらいした。
「燃やしちゃうんだけど」とお願いしたら、せいうちくんは快くうなずいてくれたので、これにしとく。

今日もzoom飲み会だった。
せいうちくんは途中で眠くなって寝に行く寸前だったのに、Gくんがすごい下ネタを言い始めたら激しく反応していた。
ノートPCの調子が悪いのでメインPCで横に並んで一緒に話してるのに、いったいどういう顔をして聞いてたらいいんだ。
せいうちくんもそのへん中二で停まってるのか、ほとばしる下ネタは耳をふさいだふりしてずっと聞いていたいぐらいプライベートだった。
(もちろん私はもう何度も聞いてるネタだが、それを人前でご披露してるとこは珍しいので、たいそうな娯楽だった)

全部出しきってせいうちくんが寝に行ったあと、Gくんと、いつものように別荘から低速通信で音声だけ送ってくる長老と3時頃まで話してたので、もう日記が書けないかと思った。
だが、わずかでも締め切りらしきものを設定してる以上、たとえ中途半端でも書いて出した方がいいと思い、現在作業中。

記念すべき出来事は、安倍首相の公式辞任表明。
みんな嬉しいらしいのに、どこかでパレードがあったとか花火が上がったとかは全然聞かない。
私の知らないところでひそかにやってるのだろうか。見に行きたい。
これで新型コロナがおさまるわけでは全然ないんだが、大きな変化があると気持ちの持って行きどころがあるよね。

あんなに「辞めたらいいのに」と言っていたせいうちくんが、辞め方が気に入らないとかぶつぶつ言うので、人間の欲深さに驚く。
辞めてほしい人が辞めてくれたんなら、世界はこないだより少し正しくなったんじゃないか、自分にとって。
都合よく、ハッピーになろう。

20年8月29日

心臓の検診日。
ここ数日尿道炎か膀胱炎のような症状があり、これは検査をすれば一発でわかるはず。
どうせ毎月採尿もしてることだから調べて薬をくれるかと思いきや、検査なし。
「抗生剤は、ワーファリンのんでる方には効き目に影響があるのでやめておいた方がいいんです。夏場で水分不足なのでは?水分たくさん摂って様子を見てください」とのこと。
過去の感覚からほぼ間違いなく尿道炎は起こしているので、
「水分も摂ってますが、症状が数日続いてます」と訴えて抗生剤をもらうことにした。

先生はちょっと困って、
「じゃあ5日分出しますから、5日後にワーファリン値の検査をしに来てください。極端な変化があったら困るから」って。
こういう時だね、面倒くさいものをのみ始めてしまったんだなぁと事の大きさに驚くのは。
「手術の前には、ここまで管理が大変で安定しない薬だとは聞いてなかったねー」とせいうちくんと軽く愚痴る。
一生のむことになる薬のインフォームドコンセントがちと足りなかったぞ、って気分。

非常に暑かったので薬を待つ間に駅ビルまで歩いて買い物に行くのはやめて、車で行った。
駐車場の30分無料券をゲットするため、よく飲む紅茶のティーバッグをたくさん買った。
水分補給にやたらに紅茶飲むんだ、我々は。
ついでに魚屋でおいしそうなカツオの冊買ったら、サービスにカンパチの切り身がついてきた。
今夜はzoom飲み会だ、カツオのたたきとカンパチの刺身で飲もう。

そのzoom飲み会での夜中に、ちょっとしたいさかいがあった。
関西出身のわりと無口なTくんが「大阪人は話がオチないといかんのだろ?」と酔っぱらったGくんに絡まれた格好になり、しまいに、
「どうしてGさんはいつもいつもそう上から物を言うんですか!私はさっきからあなたが聞くことにひとつひとつ答えてきましたが、違う答えを押しつけてくる。答えるのがめんどくさいです!」とキレ気味になったのだ。

互いに血気盛んな30年以上前ならこの程度の口論はめずらしくなかったが、久しぶりに見たなぁ。
私は人が本気で怒ると、自分が責められているんでなくてもものすごく責任を感じるというか、自分も責められている気がしてきて、すくみあがってしまう。
「TくんはGくん主催のこの飲み会に時々来るってことは、楽しくなくはないんだよね?」とおそるおそる聞いてしまった。
「楽しいですよ。だから来てるんです。でも今は腹立ってます」

オールオアナッシングの私と違って、怒るべきところで怒り、他のことには一切怒ってないって人もいる。
Tくんもそうなんだろう。
その後もセッションが時間切れになるまで飲んでて、「私はこれで終わります」と言って落ちた。
不穏なところは何もない。

もう1度入り直してきた長老と私は顔を見合わせるように、「怒っちゃったねぇ」と言う。
Gくんは相変わらず酔っぱらっているので、
「ん?オレがなんかしたか?盛り上げようと思っただけじゃーん」と悪びれない。
しかし翌日、飲み会のメンバーと時間を記録する几帳面なGくんに戻った時には、
「関西人にはいくらでもかぶせていじっていいものだと思ってたら、本気で怒られた。すまんかったw」と謝っていた。
謝罪するときでも語尾に「w」をつけてしまうのは癖なのか本気なのかただのネット民なのかw

20年8月30日

保育園からのママ友たちに毎年せいうちくんが声かけてくれて「暑気払いの会」と「忘年会」やってる。
今年は何しろこういうありさまなので、初のzoom飲み会を企画してみた。
慣れないから避けたいのか多忙なのか、数人からはお断りされたけど、唯一のパパせいうちくんを含む5人での飲み会が開始された。
途中では当時の担任の先生も顔を出してくれた。

他のママたちと地域でのおつきあいがずっと続いてるせいか、子供たち1人1人のこともよく覚えていて「○○ちゃん、どうしてる?」と声を掛けてくれる。
うちの息子がお笑い志望なのもよく知っていて、
「林賢(毎度の仮名)くんが売れてテレビで見るのを楽しみにしてるわよ」と言われたので、いつものように、
「あんまりテレビの方向は向いてないみたいです。生の舞台にこだわりがあるようで。だから、売れないですよ~」と答えてしまった。
あいにく用事のあった息子が遅れて現れる前に先生帰ってしまわれたが、「林賢くん、がんばってね!」との激励を残していった。
「ちょっと用事が押してる!」とメッセージを送ってくる本人に、逐一伝えておいた。

飲み会開始後1時間20分で、息子が画面に現れた。
「さっきから誘ってるんだけど、既読がつかないの」と言うMちゃんママ以外も、「林賢くん来てるわよ」とお母さんたちが自分ちの子をさらに熱心に呼ぶ。
結果、自室にいたKくんが現れてお母さんの横に座り、おめでた婚ほやほやのRくんも自宅から参加。
「さっきまで実家にいたんですけど、1人暮らしの家に戻ってきました」と間違えて、満座の爆笑を浴びるRくん。もう3人暮らしだろうに。
横で奥さんも笑っているそうだ。

みんな、おめでとう!と声を掛けながら「奥さんも画面に出てよ。紹介して!」とリクエスト。
はにかみながらRくんの横に座る新妻に、またおめでとうの嵐。
「もう(性別が)どっちかわかってるの?」と質問するMちゃんママに、
「活発な方です」
ここでまた笑い。
「女の子なの?今は女の子の方が活発よ!」
まあしかし、男の子だそうで。3人兄弟の末っ子であるRくんは男系らしい。

と、息子がぽつりと、
「オレに、名前つけさせてくれないかな」
いやいや、無理でしょう。
それでもなかなかいい話の誘導だと思うよ。爆笑の中、「もう考えたりしてんの?」も良い流れ。
「いろいろ考えてるんだけどね~」と奥さんと顔を笑顔を交わすRくん、結局、我々はR家長男の将来の名前をかなり具体的に知ってしまった。
あとは漢字だけだ。みんなでいろんな漢字をあてはめてこれは字面がいいの、画数はどうだろうの言って、よそ様のまだ生まれてない赤ん坊で遊ぶ。

「林賢くんはどう?お笑い、やってる?」と聞かれ、妙に難しい顔をして、
「んー、最近、演劇の舞台にも立ってるんですよ。そのせいかね、いろいろ考えちゃって…言葉がしどろもどろになっちゃいますね」
「やだー、何それ、今やってる役の性格にはまり込んでるのー?」と歓声が沸くのは、普段のにこやかな息子に比べて格段に眉間にしわが寄っているから。
私も少し心配。どうしちゃったんだろ。

そのうちにRくんパパが登場して奥さんの横に座った。R家勢、強し。
せいうちくんにとっては会社が同じで退職された先輩なので、
「あっ、どうも、Rさん!お元気ですか?」と嬉しそう。
向こうも、
「せいうちさん、お久しぶりです」とやはり嬉しそう。

2世代で話をしていて面白かったのは、SEのKくんがテレワークについて聞かれて、
「やっぱり会社の方が仕事ははかどりますね」と言ったこと。
バリキャリのMちゃんママが不思議そうに、
「え、Kくんの仕事だと、テレワークの方がはかどるってことないの?」と聞き返すと、
「会社だったら他の人や上司にすぐ聞けますから。家からだと、手間がかかります」とのこと。

さっきまで会社員のMちゃんママとせいうちくんは、テレワークにはそれなりの困難もあるけど効率がいい、これからはテレワークを当たり前にしていくべきって前提で話していたんだけど、目新しい「若い人」の意見。
そうか、自分の仕事に慣れている人は困らないが、指導・教育を受けている最中の3年目ぐらいのKくんだと、まだ感覚がつかめないんだ。
もし世の中がテレワークになっていくなら、採用と新人の育成は大きな課題だね。
なんだか中途半端に一時的な動きで終わってしまいそうな気もするんだけど。

2時間ぐらいの時点で、
「あと10分ぐらいで切れるけど、もう1回やりますか?」とせいうちくんが聞くと、Mちゃんママが、
「明日仕事だし、今から半沢直樹観るのよ~」と抜ける宣言。
それを機に、皆さんそろそろ、ということになった。

Rくんパパが、
「ところで林賢くんはどこにいるの?」と尋ねてくれて、保育園からのライバルRくんの結婚に刺激されたか、「自由が丘です。同棲してます!」となんだか無駄に鼻息が荒かった。
そういうところもまあ、ほほえましいのだが。
よっぽど「カノジョも出したら?」と言いたくなったが、時間もないし、息子にあとで怒られたら困るからやめといた。

和やかに終わり、誰も戻ってこなかったzoom部屋で私は少しだけ寂しくなっていたので息子にメッセージを送り、「母さんたちとだけ、もうちょっとやらない?」と誘った。
「いいよー」と気軽に応じて戻ってきた彼は、やはり何だか疲れているようだった。

口が重く、「いやー、忙しくってさぁ」と憔悴した顔をしていた。
今日はコントグループで初めてのスタジオ撮影をしていたらしい。
その辺の苦労を延々語っていた。
しまいに「デカルトは五感で感じられるものの外に人間の知性がある、と言っている」「若者の心が蝕まれていくのが怖い」などと口走り始めたので、これはけっこうストレスを感じているな、早く寝る方がいいね、って気分になった。

それでも「母さんもつらいことがいろいろあってさぁ。明日も病院行くんだけど、先生とどんなお話ししようかと思うの。おばあちゃんに叩かれたり怒鳴られたりしたこととか」と言うと、
「え、オレ、それ聞いてないよ」って。
こないだメッセージで書いたじゃん、あなたが「母さんからきつく当たられたことはない」って言ってくれたのがうれしくて父さんと話していたら、だんだん思い出してきて悲しくなった、ってさぁ。
ある程度以上長いメッセージは自動的に読み飛ばし、「そだね」みたいに返してくるのがイマドキ流らしい。
「いいよ、お互いもっと元気な時に話そう」とzoomを切って、せいうちくんに、
「こういうのを『塩対応』っていうんだよ、きっと」とこぼしてるうちに泣けてきた。

またドラえもんのおなかの出番である。しがみついて泣く。
「いいよいいよ、いくらでも泣きなよ。今はみんなが試されてる、過渡期なんだよ」と頭をなでてくれるせいうちくんに、今は甘えておこう。

20年8月31日

ハートには2つの意味がある。
先週は心臓の定期検診で、本日は心の方の検診。
何の病院でも真面目に行くなぁ、我ながら。
医療費の無駄遣いではないかと思いつつも、「ではまた次回」と言われると予約取って通うのが当たり前のように感じがち。
歯医者のように「今回の治療はこれでおしまいです」と言われていても、「定期検診には来てくださいね。お知らせ出します」と言われると、「はい」と言ってしまう。
持病持ちってことを別としても、きっと「病院ぐせ」のある人とない人がいるんだろうな。

今日の主な話題その1。
「母親にたたかれたり怒鳴られたりしていたのを思い出した」件。

息子から、「お母さんにきつくものを言われたことはないなぁ」と言われたのをせいうちくんと「よかったよかった」と話していたのをきっかけに、自分はけっこうきつくあたられていたと気づいた。
せいうちくん曰く、
「出会ったばかりの頃はよくそう言ってたよ。その後の生活の中で忘れたって言うか、お母さんをよく思いたい気持ちが打ち消した記憶なんじゃない?」。

くたびれてた息子が塩対応であった件まで含めて半ば愚痴ると、ドクター、
「そりゃ息子にはわかんないよ、そんな目にあったことないんだもん。『わかるわかる』って言われても困るじゃない!」って笑ってた。
考えてみればその通りだ。
自分はけっこうマシな子育てをしたってことか。偉いじゃん。

主な話題その2。
「高3の時、私立文系を受けるのが決まっていたのに数Ⅲの授業を取るように言われた」件

理数系が苦手で私立文系なんだし、数ⅡBですでに挫折していたので「無理だよ」と言っても、
「苦手なことから逃げてはいけない。たとえいい成績が取れなくても、受けなさい」と譲らなかった。
たまたま担任が数学教師だったため、
「おまえには無理だし、受験にも卒業にも必要ない。オレからお母さんに話すから」とわざわざ呼び出して話してくれたんだが、母は聞く耳を持たなかったらしく、根負けした担任から、
「おまえのお母さんには往生こいた(困った、お手上げ、の意の名古屋弁)。オレの手には負えん」と、数Ⅲ受ける羽目に。
さすがに気の毒に思ったか、担任は授業中に黒板の前で解く場合は「そこはxだろう」「そこを二乗して」とかちょっとずつ答えを教えてくれたし、追試に次ぐ追試もなんとか通らせてくれた。

それでも私は、母のことを立派だと思っていた。
「普通だったら大学受験を第一に考えて他のことはむしろしなくていいって言うぐらいなのに、逃げちゃいけないって姿勢を教えてくれてる」と。
学齢前の私が歯医者で泣きわめき、治療にならなかったのを連れ帰ったあと、
「もうこんな子を育てる自信はない。家を出る」と荷造りを始めた母を見てあわてて泣き止んで歯医者に単身戻ったもんだから歯医者さんから「1人で戻ってくる子は初めてだ」と驚かれ、「これは子供自身に行動を選ばせる賢い子育て。自分も親になったらこうしよう」と思って育ってきたのとまったく同じ気持ちだった。

数Ⅲの話に、ドクターは憤激した。
「ひどいね!戦争中に『名誉のために死んでこい』って言ってたのと同じじゃない!受験前の大事な時期にさ、そんなの、拷問だよ!」
よく考えたら、そうだ。
「あなたのお母さんはそういう人なんだよね。あなたにとって本当に大事なことより、外側のことを押しつける。あなたの中身を大切にしてくれなかったんだよ。オレの母親もそうだったなぁ。自分はウソばっかりつくくせにさ、『人間はウソをついてはいけない』とかね、竹の絵が描いてある掛け軸の前に立たせて、『この竹のように真っ直ぐになれ!』とかさ。そんなん、なれるわけないしさ、そもそもその竹が、別に真っ直ぐじゃないの。芸術だから(笑)」

「あなたが悪くておかしな反応が起こるんじゃない。おかしな反応しかできないように組み立てられちゃってる機械なんだよ」と言われてもあんまり「私のせいじゃない」気はしない。
あいかわらず「あなたはおかしなことばかり言う」「むずかしく考えすぎ」と母に責められたことを思い出してしまう。

まあ今は、「せいうちくんとドクターが私をおかしくないと言う。支持してくれる友達もいる。息子も私が嫌いじゃない」あたりを心の支えにして毎日を過ごそう。
何しろ新型コロナだし暑いし首相は交替するし、余力のない状態を認めて、明日も生きていたら上出来ぐらいに思っていよう。

息子からも、
「お母さん、今日の病院はどうだった?」とわざわざ聞いてきた。
先生に言われたことを伝えたら、「そうだね」って。
「今日も気にかけてくれてありがとう」と返すと、
「いや、心無い対応を悔やんでのこと」だそうだ。
充分だよ。自分の生活でいっぱいだろうに、ひと声かけてくれるだけで。
ちょっと心が温かくなった。

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